Bill Evans Trio – Potrait In Jazz(1959)


★★★★★
ジャズ100枚の3枚目。
2曲目Autumn Leavesは実家にあったビルエヴァンス廉価版CDにも入っていて、当時(小学生くらい)は全く意味が分からず、ジャズってこんなよくわからんもんなのかね、という記憶だけが残っていたが、今聞くとすごい。3人ともなんて美しい演奏なこと!Autumn Leavesは2曲は言ってるんだけれど、個人的には2回目のモノラル・テイクの方が好き。開始早々ベースがうねって歌い、ドキリとさせられる。6曲目What Is This Thing Called Loveの右側から入る八分ベースがもう最高、7曲目Spring Is Hereも美しすぎる、なんでこんな変幻自在なピアノ弾けるかね。気に入るアルバムは決まってドラムスが優れているんだけど、このアルバムも例外ではない。Paul Motianという人らしい。アルバム中ただの1回もぶれない、完璧なスウィング。一本の太い太い背骨になっていることは間違いない。正確無比ながらほんの時々入るリフで頭に不意打ちを食らわせる寡黙だが熱い仕事人という感じだ。


Ahmad Jamal – It’s Magic(2008)


★★★☆☆
Disques Dreyfus | Dreyfus Jazz – 20 Years の2枚目。うーん、これも微ハズレか?大丈夫かこのシリーズ。
古株のピアニストAhmad Jamalさんのかなり新しいアルバム。80歳を過ぎた今でも積極的にアルバムをリリースしているのはすごいです。でも、1,2,3曲目がひどい!リズム感なさすぎ!決めなきゃいけないところで全然決まらないよ!ピアノも時々バカみたいな大きな音を出すし!もう聞くのをやめようかと思った。4曲目からピアノソロになり、(リズム隊が目立たないから)若干持ち直すも、7曲目Arabesqueもまた8分音符連発が決まらない。ベターっとしたフレーズになってしまう。たぶんジャマルさんが年配特有?の演歌調のずれをやってしまうんだろう。8,9曲目が良かったので、最後まで聞いてよかったけれど、もっと高揚させてくれよぉ。


Sonny Rollins – Saxophone Colossus(1956)


★★★★★
ジャズ100枚、の2枚目。
ふ、太いっ。。正にごんぶとのサキソフォン。名古屋のきしめん。ファンキーかつ幅広な音を出すソニー・ロリンズさんはきっとデブに違いない、と聞きながら思っていたけれど、実は仙人のような容貌なのでした。そして、このアルバムはドラムがめちゃめちゃ良い!もう1曲目 St.Thomas の冒頭のイントロから最高!ドラムソロも決まりすぎ!コンプレッサーを掛けてるわけじゃないのにこの音圧。頭をダイレクトに振動させるリズム感。マックス・ローチという人らしい。要チェックや(古い)。5曲とも素直でとっつきやすく、かつ隙のない暖かな演奏。1曲目、5曲目が特に優れています。


Michel Petrucciani – Solo Live(1998)


★★☆☆☆
古めのジャズと並行して最近のジャズも聞いておこう、ということで、ボックスセット “Dreyfus Jazz 20 Years” 20枚組を順に聞いていきます。
1枚目。非常に独特なタッチで有名らしい、ミシェル・ペトルチアーニのソロピアノCD。打音が非常に強く、それだけではなく、1音1音が異常に長い。ピアノロールでいうとすべての音のタイムラインが全部重なっている感じ。したがって、全く飛べない。言わば、地を這うジャズ。地底ジャズ。私には、合いませんでした。これも強烈な個性の一つなんだろうけど、この長ーい地面を掘り進む音は、疲れます。ごめんなさい。もっと老人になってから聞きます。とどめは10曲目caravan。海底火山でも掘り当ててしまったかのような絶望しかない音色。でも、アンコール前の”I remember one more!(もう1曲あるんだった!)”という一言が、すごーくかわいい。


Bill Evans – Waltz for Debby(1961)

★★★★☆

ジャズの100枚。 – 「ジャズの100枚。」シリーズ全100タイトルセット – UNIVERSAL MUSIC JAPAN
のシリーズが安いので、1枚ずつ聞いていくことにした。まず1枚目。定番中の定番らしい。透明なピアノ、もやの向こう側にいて見えづらいドラムス、うなりの強いベース、特にベースの演奏は今まで聞いたことのないくらい歌っている。エヴァンスさんの演奏はキレイすぎてなぜかいつも落ち込む。ライブの収録みたいなんだけれど、編集の都合か売り手の都合か、拍手がすぐにフェードアウトするのは良い印象を受けない。余計なものを一切省いたスタンダード中のスタンダード、といった演奏は素晴らしいんだけど、自分の精神が、まだこの曲が体に浸透するに至るまで発展していないようで、いい演奏なのはわかるけれど、いま一つ足りなく感じてしまう。通り過ぎてしまう。BGMになってしまう。力技や技巧、目まぐるしい展開や独創性、そういったものに飽きて、いずれこのCDに戻ってくると気が来るのかもしれない。時々、自分に語り掛ける目的で聞いてみるといいのかな。


Sun Ra and his arkestra – Live At Montreux(1978)


★★★★★(^^ )(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)( ^^)
土星からやってきたサン・ラーによる霊感ジャズ。以前から気になっていたアーティストだった。評判が高いのでまずこれをセレクトしてみた。
ななななんじゃこりゃ。前半は全員が適当に演奏しているだけにしか聞こえない。しかし演奏は異様に上手い。一つも下手だと思う個所がない。右側から聞こえてくるサックスと、Gods of the Thunder Realmで突然爆発するシンセサイザーが人間には出せなさそうな意味不明のサウンドを大量にぶっ放してくれる。天からの啓示に従ってめちゃめちゃに演奏してるということなのか。これを聞いているだけで土星でも木星でも行けそうだ。前半最終章Lights On a Satelliteで突然地球に戻ってきて宴会を催し、いったん幕を閉じる。
後半はお馴染みA列車で行こう、で始まるが、サン・ラーのピアノが曲をアレンジどころか破壊している。こんな崩壊は聞いたことがない。ピアノまで壊れそうだ。信じられないような音が数分にわたって流れ続ける。で、また団員全員で爆発した後、El Is the Sound of Joyで打ち上げ。もうこれは音楽の危険ドラッグだね。アンコールもキチガイじみてる。客も変だ。
ジャズとしては、一番衝撃を受けたアルバムかもしれない。底なしだ。サン・ラーの作品は、集める価値がある。また、聞いてみたい。


神保彰 – Smile Smile(2012)


★★★★★<(╹ヮ╹)>
日本人にもすばらしいドラマーがいるということなので、試しに聞いてみたらこれが大当たり。このCDのジャンルは何かと言われれば、ジャズとロックとサンバやらポップやら色々混ぜたものです。要するにフュージョンです。なんてジャンル分けするのはやめましょう。
まず楽曲が優れています。全曲名曲です。1曲目Smile Smileなんか爽やかの極みです。6,7,9曲目のようなややクサめの純日本的なものもよいですが、もっとも光っていたのが4曲目Tokyo Cool。最初から最後まで変化球です。あちこちから上昇下降、タイトル通りクールなフレーズと爆裂ソロ、特にドラムソロがすごい!何回も鼻血が出そうになりました。最後の滝ドラム地帯はずっときたきたキタキタと思いながら聞いてました。5曲目Museもすごくいいです。私は7度和音と半音進行にすごく弱いということがよくわかりました。48秒くらいからの進行で頭どっかいっちゃいます。4-5曲目で、優れた曲はドラッグになりうるとわかりました。
演奏もピアノ、ベース、ギター、全員上手。特にピアノがいつもいつも気持ちいい流れを作ってくれます。神保さんのドラムもお見事。ソロのたびに悶絶します。萌え萌えです。今年最も爽快だったアルバムの一つ。ジャケットもいいですよね。


Billy Hart – All Our Reasons (2012)


★★★★☆
Paul Bley – The Nearness Of You(1989) – diary 六帖 のドラマー Billy Hart さんのリーダーアルバム。彼のドラミングは前回聞いたときよりも遥かに目立たず、さらに暖かみを追加した演奏になっていた。音色も極めてスモーキーに調整してあり、アルバム全体に薄い煙のかかった様な効果が出ている。柔らかいサックス、とても優しいピアノとベース。演奏としては完璧に思える。ラスト9曲目 Imke’s March の口笛の背後に響いているベースがしみてくる。3曲目Tolli’s Danceはなんとかノッていけたが、全体として先鋭的な楽曲たちで頭が追い付かず、ジャズ一通りの耐性ができていない私にはまだ早かった。あと何年かしてから聞くと、心安らぐかもしれない。


Antonio Sanchez – New Life (2013)


★★★☆☆
ドラム分を補給したい。しばらくの間、気になったドラマーのアルバムをピックアップして、聞いていく。今回は、少し前に聞いた Enrico Pieranunzi – Stories(2014) – diary 六帖 のドラマー、Antonio Sanchezさんから1枚。
やはりこの人は、後ろに引きながら密かに超絶テクニックを叩きこむ職人だ。ソロだろうと絶対に目立たない。注意して聞かないとすごさが分かりにくい。腕が8本あるんじゃないか。
このアルバムは曲がいい。8曲とも名曲、特に3,7,8がよい。7曲目はヒップホップとの融合によるジャズ、という自分にとっては新世界な曲だった。時々大好きなローズピアノも混じってドキドキに拍車をかける。ピアノの人も素晴らしい演奏をしていた。
が、2本のサックス、これはどうしても受け入れられなかった。2人とも、ペラペラで鼻の先っちょの音しか聞こえてこない。サックスが入るごとにがっくりする。せっかくいい曲ばかりなのにぶち壊しだ。自分の感性の問題なのかもしれないが、ちょっと、これはないんじゃないの?曲がとっても良かっただけに、残念。ピアノトリオでよかったんじゃないか?


Verve Jazz Masters 59 : Toots Thielemans


★★★★★(;_;)
ハーモニカおじさんことトゥーツ・シールマンス特集。このシリーズの中でも一番現代寄りの楽曲たち。5曲目Hummin’なんか下手なブレイクビーツが裸足で逃げ出すのではないか。ハーモニカというと、昔経堂に住んでいたときによく買い物をしたOdakyu OXのイメージだ。今でも近くにあるので時々行く。OXってやや高級なので(高いので困る)、音楽もアホみたいな繰り返しだらけの曲や、いかにも打ち込みのポップスインスト・謎フュージョンを流したりはしない。何故かハーモニカが多いイメージだ。なのでマヨネーズとか鶏肉とかキャベツとかそういうイメージが湧いてきてしまう。1,2曲目なんか特にそう。でもハーモニカといっても10曲目Tenor Madnessだと買い物中にあちこちでペットボトルやワインの瓶やらでジャグリングをしていそうな雰囲気だ。ちなみにこの曲はベースが信じられないくらいかっこいい。必聴。大好きなローズピアノと共にクーーールな演奏をしている。14曲目The Peacocksというと大丸ピーコックか。これも経堂にあった。OXより高いので使わなかった。でかいスーパーが二軒隣接してるなんて世田谷ならではだな。ちなみに曲の中身は全然スーパーとは関係なく泣かせてくれる曲だけれど、ちょっとヴァイオリンが下手。9曲目Big Bossaなど、意外にもハーモニカはボサノヴァにも合う。食パンに海苔が合うような感じか。
ラスト16曲目For My Ladyはスタンダードなバラードで、私が想起したのはLadyではなく田舎の夕方。何か大きなイベントの後、あーおわっちゃったなーーーという気分にさせられる。今聞いているverveのシリーズの最後のアルバムの最後の曲であることとも重なって、切なすぎる気持ちにさせられた。あーー終わっちゃったーーーー。verveありがとう!素晴らしい曲をたくさん残してくれたジャズの巨匠たち、本当にありがとう!!!