真山仁 – ハゲタカ


★★★★☆

経済に興味が出てから、以前ドラマ版を見たことがあったこの作品をどうしても読みたかったので手に入れて読んだ。日本人である鷲津を主人公に添え、彼によって日本人のバブル期の欲望が生み出してしまった巨大な負の遺産を総整理していく、というのが骨子。文章が上手なわけではなく文学的な価値はないのだが、とにかく取材が丁寧!まるでバブル崩壊後の90年代後半~2000年代前半を追体験しているような気になれる。日本企業がいかに腐っているか告発してるんじゃないかというくらい、政府と銀行に対する糾弾が垣間見える。またそのような歪みを見つけて行動することが莫大な利益を生むことに繋がる、という今まで何度も見聞きしてきた実例とも合致した。一週間くらいで一気に読み終えることができた。

なお一番描写が秀逸だと思ったのは、序盤の釣りのシーンだ。取材と技術に裏打ちされた、釣りのことは知らないけれどなんだかすごいような気にさせる、ヒカルの碁のような上手い手法だと思った。逆に鷲津がカッコつけるシーンはやや過剰演出。。マイルス聴きながら爆走できるか!?わたしゃできん。彼は精神を解き放つのではなく、トランぺッターの中でも稀な、感情を音に圧縮して外に出さない瞑想タイプの演奏をする人だから。


Gustav Mahler, Gustavo Dudamel (Cond.), Simón Bolívar Youth Orch. of Venezuela(Orch.) – Symphony No.5 (DG111 CD11)

★★★☆☆

以前小澤征爾版でも聴いたでかい交響曲。

Gustav Mahler, Seiji Ozawa(cond.), Boston Symphony Orchestra – Symphony No.5(CD8) – diary 六帖

マーラーさんは勿体ぶるカッコつけマンだと思った。第一楽章のトランペットによる主題は堅苦しく「それが武士の務めでごわす」とでも言いそうな古武士のような印象を与える。前書いた記事ではちょっと褒めてるけど、2~4楽章はキレイではあるんだがこの演奏が悪いのか全然印象に残らない水出し緑茶のような感じ。引っ張って引っ張って最後に盛り上げるのが好き。5楽章のラストはさすがド派手どーんでお見事なんだけど40分くらいひっぱるのはちょっと。。私には勿体ぶり攻撃に耐えるだけの体力がまだないよ。


ランキングアニメーション・仕様書

使用技術 jQuery+PHP+HTML5/CSS?

(PHP) 頻繁に更新されるランキングサイトにアクセスしスクレイピング、順位+タイトル+リンク+値を上から10番までゲットしてJSONで返す

(jQuery)1分ごとにajaxで↑のスクリプトを実行する。タイトルをキーにして、順位に変動があればDOMを書き換える。この際にアニメーションする。

次のサイトを使う。 値上がり率:株式ランキング – Yahoo!ファイナンス

納期 6/7

まずPHPまで完成。下のコードはjson_encodeではなくprint_rでテスト出力してあります。PHPもpython並に楽。

<?php
require_once 'simple_html_dom.php';
class RankInfo{
public $elements = array();
public $format;
}
class RankElement{
public $rank, $title, $body, $value;
}
$dom = file_get_html('http://info.finance.yahoo.co.jp/ranking/?kd=1&tm=d&mk=1');
$info = new RankInfo();
foreach($dom->find('tr.rankingTabledata') as $tr)
{
$atd = $tr->find('td');
$elem = new RankElement();
$elem->rank = $atd[0]->plaintext;
$elem->title = $atd[3]->plaintext;
$elem->value = $atd[6]->plaintext;
$elem->body = $atd[5]->plaintext.'('.trim($atd[7]->plaintext).')';
$elem->link = $atd[1]->find('a')[0]->href;
$info->elements[] = $elem;
if(count($info->elements) == 10) break;
}
print_r($info);
?>

実行例

RankInfo Object ( [elements] => Array ( [0] => RankElement Object ( [rank] => 1 [title] => (株)エムケイシステム [body] => 13,670(+2,830) [link] => http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=3910.t [value] => +26.11 % ) [1] => RankElement Object ( [rank] => 2 [title] => (株)ソフトフロント [body] => 325(+62) [link] => http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=2321.t [value] => +23.57 % ) [2] => RankElement Object ( [rank] => 3 [title] => (株)ナガホリ [body] => 328(+62) [link] => http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=8139.t [value] => +23.31 % ) [3] => RankElement Object ( [rank] => 4 [title] => 日本コンピュータ・ダイナミクス(株) [body] => 1,779(+300) [link] => http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=4783.t [value] => +20.28 % ) [4] => RankElement Object ( [rank] => 5 [title] => (株)MAGねっとホールディングス [body] => 121(+20) [link] => http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=8073.t [value] => +19.80 % ) [5] => RankElement Object ( [rank] => 6 [title] => シンデン・ハイテックス(株) [body] => 6,520(+1,000) [link] => http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=3131.t [value] => +18.12 % ) [6] => RankElement Object ( [rank] => 7 [title] => ムーンバット(株) [body] => 242(+35) [link] => http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=8115.t [value] => +16.91 % ) [7] => RankElement Object ( [rank] => 8 [title] => ITbook(株) [body] => 1,642(+215) [link] => http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=3742.t [value] => +15.07 % ) [8] => RankElement Object ( [rank] => 9 [title] => タケダ機械(株) [body] => 418(+49) [link] => http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=6150.t [value] => +13.28 % ) [9] => RankElement Object ( [rank] => 10 [title] => (株)マルマエ [body] => 1,263(+139) [link] => http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=6264.t [value] => +12.37 % ) ) [format] => )


PHPコードバラバラ殺人事件

PHPの技術が近いうちに必要になる事態になってしまったので、次の書籍を読んで知識総ざらい中。

Programming PHP: Kevin Tatroe, Peter MacIntyre, Rasmus Lerdorf: 9781449392772: Amazon.com: Books

読み始めたらいきなり打ちひしがれた。こんな記法ありなのね!

<?php while ($row = $result->fetch_assoc()) { ?>
<tr>
<td><?php echo stripslashes($row['title']); ?></td>
<td align="center"><?php echo $row['pub_year']; ?></td>
<td><?php echo $row['ISBN']; ?></td>
</tr>
<?php } ?>

HTMLタグ量産楽勝でした。HTML内のPHPの記述は意味のあるコードの塊を単位とするのだと思っていたのだけれど、まさか

<?php } ?>

のように中カッコまでいい加減な場所に書いていいだなんて!!JavaSctiptに劣らずフリーダムだったPHP。わたしゃわざわざ関数を書いて中で丁寧に文字列を繋げて返してたよ。


Introducing Python: Bill Lubanovic

★★★★★

Python入門書。他の言語をある程度扱える人間がPythonってどんなもんなんじゃろうと思って読むのにはちょうどよいレベルの書籍だった。私のような境遇の人間には極めておすすめ。特に後半は歯ごたえがありプログラミング初心者向けではない。

幅広くPythonの文法とちょっとした応用、モジュールの幅広い紹介を含む。TCP/IP用のモジュールやマルチスレッド処理、テストケースの解説まで広く浅くと言った感じだ。練習問題も程よいレベル。Pythonはとっつきやすい上にモジュールが充実しまくっていて開発がとっても楽な言語だ。もっと極めてみたいが無料サーバーでPythonが扱えるところは少ない。有料でもさくらサーバーくらいしかない。自機で動かすか、専用orVPSサーバーを借りて動作させるしかなさそうだ。未だPHPが主流なのはちょっと悲しい。


Metallica – Kill ‘em All (1983)

★★★★☆

デビューアルバム。若い!音がすっげー若い!やんちゃ!特に前半4曲に顕著で、オラオラ聴けやーって気持ちが伝わってくる。後半6曲は前半と比べてヘビーさが増し、1枚のアルバムの中で何故か成長しているように感じた。録音した時期が違うのか、レコーディングしながら得るものがあったのか。まだ発展途上のため、2曲目The Four Horsemenなどで顕著だが長めの曲がただ長い演奏の見せつけと感じて少々鼻につくのでもっと成熟してほしいなあ。


噴火買い

本日10時ごろ口永良部島が噴火したらいろんな銘柄に山ができてしまった。

 

f:id:happyholiday:20150529172048p:plain

7963 興研 防塵防毒マスク

f:id:happyholiday:20150529172158p:plain

7980 重松製作所 防塵防毒マスク

f:id:happyholiday:20150529172404p:plain

2303 ドーン 緊急通報システム

f:id:happyholiday:20150529172737p:plain

6709 明星電気 火山観測装置

f:id:happyholiday:20150529172810p:plain

9233 アジア航測 火山砂防計画

 

どうかしてるよ市場。どの銘柄も同じ形になっているところがすごい。先日の地震売りもそうだったけれど、不謹慎という観念が無い人間が儲かるのが資本主義なのね。


75 Jahre Donaueschinger Musiktage 1921-1996 (CD9) Karl Amadeus Hartmann, Pierre Boulez, Luigi Nono, Iannis Xenakis, Krzysztof Penderecki, György Ligeti

★★★★☆

 2と4がよい。いずれも弦の数で主張を押し通す類の曲で、特に4曲目がタイトル通り”Metastasis(転移)”を表していて気持ち悪くて良い。FF5をプレイしていた時、古代図書館で「64ページ」などの気持ち悪い敵が現れる。あの本の中から飛び出てくるエフェクトが気味悪くて後々まで印象に残っているのだが、あれに近い感じをうけた。

Xenakis: Orchestral Works, Vol.5 – Classical Archives ここで視聴可能。

他は相変わらず意味不明な曲揃いで、そろそろこのシリーズも疲れてきた。

Track List    

  1     
Adagio
Karl Amadeus Hartmann
                
    2     
Polyphonie X, for 18 instruments (withdrawn by composer)
Pierre Boulez
                
    3     
Espressioni (2), for orchestra
Luigi Nono
                
    4     
Metastasis, for 60 musicians (Anastenaria, Part 3)
Iannis Xenakis
                
    5     
Anaklasis, for string orchestra & percussion
Krzysztof Penderecki
                
    6     
Atmosphères, for large orchestra
György Ligeti 


FPGのモデルは古典的

レバレッジド・リースとは、次の資料によると20%程度を自社と投資家から出資し80%程度を金融機関から調達してリース物件を獲得し、匿名組合を使ってリース業を行うことであるので、ほぼオペレーティング・リースと同義である。

日本におけるレバレッジド・リースの実証的考察:我が国リース会社の実務例に触れて

http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/32209/1/50%283%29_P133-153.pdf

http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/32216/1/50%284%29_P83-100.pdf

ざっと読んだ。なんと1970年代から存在する手法らしい。昭57リース通達、昭63リース通達によって一定の規制がかけられ、さらに直後のバブル崩壊によりレバレッジド・リースの需要は大きく減退した。リース品が売れず1兆円の負債を追加で抱え1985年に倒産してた三光汽船という会社もあるそうだ。さらに、1998年に減価償却法が定率法から定額法に変更されたため大打撃を受けたと書いてある。FPGは全く同じビジネスモデルなのにもかかわらず何故か定率法で減価償却している。この論文は2000年のものなので、以後法改正が行われたか、もしくは定率法で行うことができるような抜け道があると考えられる。wikipediaの記事を見ると2005か2008年に改正があったようだ。

アベノミクス効果で黒字な中小企業が増えたためにFPGの需要が急増した。実は中小企業は利益が低い(800万円以下)と法人税率が減るというルールがある。知らなかった。それを考えると、税の繰り延べだけではなく、一時的な減税効果もあることになる。といってもやはりリース品の運用益・処分益の方がずっと多いから、最終的に税増収であることは間違いないのだが。

昭63リース通達は償却期間や自己資金率、逆転黒字化の時期などを細かく設定し、これから外れるとレバレッジド・リースと認めてやらないよ、繰り入れは許さんよ、というお達しだった。上の論文にもあるが国は「明日の100円より今の10円」という立場で法改正を行う。マイナンバー制度に代表されるように、少しでも税金が欲しいわが国では、突然基準を変えて「航空機リースを業としてない奴は繰り入れを許さない」とか「また定額法にするよーん」とか言われてもおかしくない。そう考えると国に首根っこを押さえられているFPGはリスクが高い。日経の例の記事自体は信憑性が無いものの、潜在的なリスクを知らなかったのは自分の責任なので、撤退して正解だったと思うことにしたい。

なお、株価は今日も下がってしまったようだ。レバレッジドリースの歴史は面白かったけれど、今日でFPGに関する考察はおしまいにして、もっと建設的なことを考えよう。


F・P・Gはタックスシェルターなのか?

例の日経の記事は、こちらに全文がある。

http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/livemarket1/1432599855/29

ところでFPGの手法はすでに1988年(昭和)から規制が存在しているらしい。それくらいポピュラーな手法のようだ。

http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/32209/1/50%283%29_P133-153.pdf

このリースにおけるレッサーは,巨額なリー
ス物件の購入代金の一部のみを負担し,不足分
は金融機関からの融資で賄い,その物件の名自
上の所有者となり,これにより享受できる税法
上の特典(投資滅税制度や加速償却制度)を活
かして自己投資額を早期に囲収し,超過閤収分
は吏に運用ないしは再投資するなどして追加の
収益が期待できる。

まだ全部読んでいないが、仕事の合間にちょこちょこ読んでいくつもりだ。wikipediaにも英文で関連記事がある。

Cross-border leasing – Wikipedia, the free encyclopedia

これもまだ熟読していないが、アメリカでは2004年に規制がかかったと書いてある。

直感的には、バブル期から存在する古典的な手法ということで、規制が本当に成立するのかどうかには今更感がある。現時点では政府ではなく日経の記者が意図的か無意識的に仕掛けた売り情報としか思えない。出所も確実性も全くはっきりしないぽっと出の情報が疑念の連鎖反応を呼び投資家心理が大幅に冷え込んだことは間違いないので、しばらくの間急回復は望めないだろう。歴史的にも株価は思い込みだけで動いてきた。そもそも株価自体がイマジマリーな存在であり、実体とはかけ離れる運命にある。

FPGは昨日業績に影響しない旨のIRを出した。

http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=announcement&sid=23787&code=7148

以上を踏まえると、このIR効果で小回復したところで売ってしまうのが最善の選択なのかもしれない。IR効果が無いおそれもある。

(追記)詳しい記事を発見した

日本におけるリース – Wikipedia