2015年が終わりますが私は元気です

今年は激動の年でした。まずお金が足りなくなりそうな事態になったので無駄に猛勉強しました。

 

 

その後状況が変わり激減は避けられましたが、この騒動で私自身の考え方が変わってしまい、数々の状況も重なって家を出て一人になりました。そして自分の取り分は雀の涙ほどになりました。

 

家を出る前にここまでの人生を振り返りました。


 

家を出てから親に連絡したら、今まで10年間親に敵対していたのがウソのように考えがガラッと変わりました。 rokujo.hatenadiary.com

 

そしてお金を貯めなければいけなくなりました。

 

誰に話してもあなたはおかしいと言われますが私は今の状況にはある程度納得しています。環境(特に食)を自分で変えられるのはありがたいです。それが多額の金と引き換えであったとしても。

 

ひとりになって3週間経ちました。一番驚いたのは、家族で過ごしていた時も一人になった今でも生活リズムや精神状態にあまり変化がないということです。

家族で過ごしていた時は一日中PCの前に座っていました。自宅勤務になってから約6年間、ずっとそのような生活を続けていました。悲しいのはこどもにとって私の存在が「なんかPCの前にいる人」くらいの存在だったことですね。まあしょうがないです。私が元妻との衝突をおそれるあまりこども達への関わりを限りなく薄めていって、楽な方向にずるずると何にもしなかったのが悪かったのでしょう。今後年数が経っていくにつれて想像上の私は家族を捨てたひどい奴とか得体のしれない怖い奴とかどんどん悪魔的なものに変わっていくかもしれません。どう思おうとこども達の自由ですので私にはなす術はありません。いまのうちに最悪の想像をしておこうと思います。

 

ひとりになっていろんな食べ物を作りました。メインは味噌汁で、麺類も多数つくりました。外で買った菓子が不味くて腹も膨れないので自分で菓子も作ってみました。

今日は年越しそばを食べました。大根の煮物の残りを水増ししてダシを追加、ブラもも(ブラジル産鶏もも肉、業務スーパーの花形商品)と、賞味期限が切れていたことに気づいたもやしを投入しただけのものです。

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まだ自炊歴3週間ですが見た目はともかく味は完璧なものができました。このあと余った汁で2杯目を作って食べました。美味しくて美味しくて食べすぎて体重が順調に増えています。

 

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もうすこしで50kgです。正月三が日で餅を大量に食べるので難なく突破するでしょう。

 

何でも自分の責任でできるというのは快適です。家事を妻任せにする日本的亭主関白な人間は人生の損をしていると思います。家事すなわち生きることを自分でコントロールしないなんて苦しくて仕方ないじゃん。

 

副業として始めた簡単な翻訳に時間がとられて全然読書できないのが悲しいですが、記事を選ぶのも読むのも楽しくて半分趣味ですし、いずれお金になると思えば力が湧くものです。

 

取り留めなく2015年も終了です。明日からも毎日やることは同じですので、また今日と同じように過ぎていくのでしょう。来年は、お金が溜まるといいなぁ。。


鬼トレ:適度なハードモードは人生を豊かにする

10日ほど前に、ネットで知り合った方からニンテンドー3DSをいただきました。それは次のソフトを私にプレイしてほしい、という想いからでした。

東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング

東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング

 

 最近はダウンロード版もあるのですね

 

この通称「鬼トレ」はこのブログでも時々話題に出していた「ワーキングメモリー」を鍛えるというソフトです。

 

 

自分の限界ギリギリのレベルのトレーニングを1回5分間、最大8種類を毎日続けます。この「限界ギリギリ」「5分」というのが非常によくできていて、限界ギリギリを5分続けるとめちゃんこ疲れます。過ぎたるは及ばざるがごとしで、ハードなトレーニングは筋トレと同じでやり過ぎると疲弊します。今日の鬼トレニュースでも4時間続けると脳が委縮すると言っていました。筋トレでも5分以上強い負荷をかけることはまずありません。

脳や体に短時間強い負荷をかける、というコンセプトは他にも応用できると考えられます。たとえば2週間も経ち料理に慣れてきたので、料理中は外国語のシャドウイングをやりながら野菜を切ったり煮たりすることにしました。かなり負荷がかかりますしキッチンの隣にある玄関の前の外廊下を通った人はきっと何だこいつと感じるでしょう。しかしこの負荷にもいずれ慣れてくるでしょうから、そしたらもっと難しい言語とか初見の言語とかに切り替えてみようと思っています。

こんなことを毎日続けていたらいろんなことができるんじゃないかと考えています。思い返せば、収入がハードモードにならなければ食費や生活費を削るために工夫しようと思っていなかったでしょう。またこの工夫が楽しくて仕方ありません。どんなハードモードでも、再生産・回復可能な限りであれば、慣れます。慣れれば自動化が行われ、負荷が減りますので次のステージに進むことができます。人生が澱むのは、負荷が極端に少なくなってしまったその時に訪れるのかもしれません。生活のあちこちに「適度な」ハードモードの仕掛けを作っておくことが人生を面白くさせるのではないか、と感じました。

これが鬼トレから教わったことです。まだ初めて10日程度ですので、最低1年は続けたいと思います。その過程でまたいろいろなことを学べるでしょう。


部屋よりも自分をあっためなければ/副業おもしろい

昨日、地元の友人のところに遊びに行きました。一か月ほど前にわざわざ地元から出てきてくれたので、そのお返しに今度はこちらから高速バスに乗って日帰りで往復して彼のもとを尋ねました。
大きなドンキやイオンなど、今の家で日常生活していたら絶対に行かないような店を回ったので今後の生活の改善点が見えてきました。例えば透明な書類ケースが必要だとか、ガスレンジの周りに覆いが必要だとか(私は油をほとんど使わないのでいらないかもしれないけど)。
一番の収穫は、部屋を暖めるよりも自分を暖めた方が効率的と教えてもらったことです。ふかふかストールをもらったのですがこれがすばらしい!部屋の温度が4度ぐらい下がっても平気になりました。これで燃費が大幅に向上し、一冬の灯油代がせいぜい1000円ちょっとで済みそうな見込みになりました。着るだけなら何もいらないし自由に動けるしいいことだらけですね。

 

あとこういうのも優れものです。

部屋を暖めることばかり考えていては効率が悪いですね。自分のいる空間なんてごく限られているのですから、皮膚から数センチ離れた所の小さな体積だけを暖めればよかったのです。

 

副業は相変わらず1時間100円程度の効率のままですが、書けば書くほど慣れてくるしやっていて面白いし勉強になるし、自分の読みが甘いことを毎日突き付けられるので修行にもなります。しばらくの間は試用期間(30日)が終わったら楽になるんだと皮算用して残り3週間程度を過ごすことにします。

最近書いた記事の中で翻訳元の内容が一番面白かったのはこれです。どこまで本当なのかわかりませんが。

【ディストピア】中国で国家に忠誠を誓わされるソシャゲへの参加が義務化


書籍レビュー: 日本人って執着し過ぎじゃない!?『幽霊画談』 著:水木しげる

★★★★★

 

先月末に亡くなった水木しげる先生の追悼の想いを込めて読みました。私は水木サン大好きでした。連続テレビドラマ小説のゲゲゲの女房も見ました。ドラマはいまいちだったけど。

幽霊について大量のカラー絵と水木サンの解説が収録されています。水木サンはスクリーントーンやPCでの彩色などという軟弱なものは一切使いませんのでとにかく線と点の数がすごい!毎回見るたびに思いますが執念のようなものを感じます。水木サンの生霊がどの絵にもこもっていますね。

幽霊というものはほとんどが「志半ばで死んでしまったため、恨みを残したり土地に執着する」というパターンです。これは生きている者が「無念だったろうなぁ俺もそう思うぜ」という想像力を働かせていろんな物語を作ったのでしょうけれど、私はこれ、幽霊に取っちゃ迷惑な話だろうと思うんです。

死後の世界が存在するとしての仮定ですが、私がいちばん疑問なのは、なぜ幽霊たちが死後の世界をエンジョイしようと思わないのか!?ということです。だって死後の世界って何やったって生前の自分には未体験なんじゃん!!幽霊世界の一般的価値観というものはわかりませんが、幽霊として自分ができること、何をやったらよい幽霊生活を行えるか、なんて幽霊もみんな考えると思うんですよ。恨みを晴らすため現実世界の人間を取り殺してやるといったマイナス思考に陥らない幽霊だってたくさんいると思いませんか?私だったらどれだけ恨みがあったとしてもしないよ。死んじゃったもんはしょうがないじゃん。そんな暇なことするくらいだったら今日は昨日よりも1km遠くまで浮遊してみようとか、人魂15個作れたぜ!とか、念力トレーニングしたら消えているはずの足が見えるようになったぞwwwとか面白いこといっぱいできると思うんですよね。

といっても現実の人間でも幽霊でも後世に話が残るのは人助けをしたか犯罪者になるかどちらかのパターンが多いですから、私の心配なぞ的外れで、大多数の幽霊は話題にもならず地道な幽霊ライフをエンジョイしているのかもしれません。毎日死んでゆく人間の数を思えば残っている幽霊話の数はごく少ないことがそれを証明していると考えました。

内容に全然触れてなくてすいません。水木サン現世ではお疲れさまでした。100歳まで生きられなくて残念でしたが、今ごろ妖怪か幽霊になってるでしょうから面白おかしいライフを続けてください。

 


書籍レビュー: 下品過ぎて残念 『中国入門』 著:ジョージ秋山

★☆☆☆☆

 

副業で中国朝鮮の記事を書かなければいけなくなったので勉強のため借りましたが大失敗しました。

小林よしのり氏の漫画もそうなのですがギャグマンガ出身の人は人物をみんな劇画化して、ある一定方向の印象を関東うどんのだし汁のように濃く濃ーく書き連ねていく手法を取るので、丁寧さとか取材の徹底とかまったくありません。おまけに例外なく下品。無駄にセクシー女性キャラを出し過ぎ。描きたい気持ちはわからなくもないがページ数と地球環境の無駄なのでやめてほしいです。

中国については知識豊富な方とお見受けしますが表現方法が私には全然合いませんでした。内容についてはコメントする気になれないです。もっと面白おかしいアホな中国像を読みたかったな。歴史はおもしろそうなのでもっと勉強します。

 


時間が足りない

本業と副業と自炊と読書を全部並行して行うのは骨が折れます。自炊しないとご飯美味しくないし栄養足りないしお金かかるし、副業やり過ぎて本業をおろそかにもできないし毎日習慣にしていた読書の時間も削られてきました。

それに生活にも慣れていないので失敗ばかりです。今日は500円で買った無線LANルーターの調子が悪く調整に1時間半かかりました。昔買ったSIMなしスマホでgmailのチェックしたらPCを使わないでいいし楽なんじゃないか?という実験をするためでしたが裏目に出ました。あらゆることを試しましたが結局スマホを再起動したら治りました。あらゆる時間が無くなりました。おまけにgmailをスマホで開いたら遅くて使い物になりませんでした。

また、業務スーパーで買った冷凍ブラジル産鶏もも肉2kg800円の小分け方法が全然わからず30分食われました。ネットで「ちょっと自然解凍すれば割れる」というのを見たので放置しても堅くて全然割れないし冷たいし辛かったです。よくわからないので凍ったまま包丁で必要なグラム数を切り取ってなんとか切り抜けました。

今日は読書0分です。もう寝ないといけないので風呂にも入れなさそうです。。明日また頑張ります。

 

そういえば今日はクリスマスイブなんでしたっけ。飲食店は儲かってよいですね。

今年のクリスマスに考えたくだらないことを残しておきます。来年はもっと進歩しよう。


CDレビュー: Opeth – Orchid(1995)

★★★★☆

 

久しぶりのレビューです。

最新アルバムが気に入っているスウェーデンのメタルバンドOpethのファーストアルバムを聴いてみました。以前は曲を風呂で聴いていましたが、いまは朝に家事をしている時に聴いています。

重厚で長大、演奏も上手と三拍子そろった優れたバンドなのですが、デスボイスがヴォーーヴォーーすぎてちょっと苦しい。私には合わないので★-1です。

しかし2曲目Under The Weeping Moonの後半、いきなりクリーンボイスに切り替わると同時に空間まで切り替えるような演出には驚きました。他にも似たような演出が行われる箇所があります。もう全部ふつーの声で歌ったらええんちゃう?

www.youtube.com

 

 

 

 

 


書籍レビュー: モルギアナさんの裁縫『少年少女世界の名作文学 古典1』 小学館

f:id:happyholiday:20151222211822j:plain★★★☆☆ 横になっちゃった 

 

近くの公民館に『少年少女世界の名作文学』全集が揃っていました。

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荘厳な眺めです。こういうのを見ると手に取りたくなりますよね。様式美ですよね。こども用の文学全集というのはだいたい昔に編集されたものですので、概して文章が綺麗です。それを期待してこの全集を読破してやろうと一度決めました。

 

最初200ページは「アラビアン=ナイト」でした。千夜一夜物語としても知られるこの話は、女性不信で毎晩女性を部屋に連れるなり殺してしまう恐ろしい王様のところへ行ったシェヘラザードという女性が毎晩毎晩合計1001の面白い話をして王様を楽しませ、王は続きが聞きたくなって殺すのをやめるというストーリーです。アラビアに伝わる昔話集という位置づけでしょう。

実は千夜一夜の名前は伊達じゃなく原典は岩波文庫で全13巻もあるという超大作です。しかしこの全集には200ページしかありません、、つまり抜粋なのです。上のようにあんなにたくさん本が詰まっているのに、世界中の話を詰め込んだら抜粋を免れないとは、一体物語とはどのくらい存在するのでしょう。

読んでみると本文も凝縮されていました!例えばシンドバットの冒険。次の超展開をご覧ください。

わたしは、また船で海に乗り出した。そのうちに、あらしがきた。ものすごい大波に押し流された。ガツーン!メリメリッ!と、船が岩にぶつかった。

「あっ!」

 そこはさるの島だった。数えきれないほどのさるどもが、岩の上から船の中へ飛び込んできた。さるどもは、あばれまわって、帆をずたずたに破ってしまった。

 わたしたちは船から逃げ出して、島の奥深いところまで逃げ込んだ。大きなほら穴が見つかった。

こんな調子で超簡潔にものすごいスピードで話が進んでいきます。シンドバットは7回冒険をしますが毎回難破してそこで必ず宝を見つけ必ず金持ちになるというお約束を漬け込みまくった話でした。

アラビアと言えばイスラム教、本書もイスラムな要素があちこちで出てきます。たとえば「りこうなダリラと娘のゼブラ」の記述です。

明くる日、ダリラは、あまさんのかっこうになって、白い毛織のマントを着け、太い数珠を首にかけ、手に水を入れたツボを抱えて広場へ出かけた。このツボの中には、小さい金貨が入れてある。

「ありがたや、ありがたや・・・アラーの神様は、ありがたや・・・」と大臣の屋敷の前で大きな声を張り上げた。

このあとダリラはこの金貨を使って口八丁手八丁で門番に自分を神の使いと思いこませ、人をだましまくります。アラーアラー言って神の使いを装うなんてめっちゃ神の冒涜で、今を時めくイスラム国には禁書にされてしまいそうです。これが余裕で流通していたアラビア世界のイスラム信仰は、かなりライトだったと思われます。千夜一夜物語の発祥は8世紀ごろと言われています。他にも「魚が取れないからアラーにお願いしろよ。アラーなら魚くらい取ってくれるだろ」などという困った時のアラー頼み的記述も見受けられました。

「アリババと7人の盗賊」は「開け、ゴマ」で有名ですね。この話、かなり荒唐無稽でした。隠し財産を入れたほら穴が開く盗賊の呪文「開け、ゴマ」を盗み聞きしたアリババは財宝を盗んで貧乏を脱出します。兄の金持ちのカシムがそれを聞くと欲が出て、真似して「開け、ゴマ」を唱え財宝を手に入れるものの、嬉しさで呪文を忘れ洞窟から出られなくなり、盗賊に見つかってなんとバラバラに惨殺されます

アリババは山のほら穴に行ってみた。びっくりした。兄のカシムの、ばらばらにされた体を袋に入れると、あわてて町へ帰ってきた。

カシムの家では、おかみさんが待っていた。

「うちの人は?」

「こんな姿になっちゃった!」

「あーん!」

あーんじゃねぇよ!まるでドラクエを見ているようです。どこまでも簡潔すぎます。

この後盗賊が兄カシムの死体を探して追ってくるのですが、モルギアナという召使の機転で、なんと靴屋にカシムの死体を縫わせて「バラバラじゃないからこいつじゃねぇ」と盗賊に思わせて一時を凌ぐという離れ業を披露します。モルギアナさんぱねぇ。

若くて美しいという設定のモルギアナさんの挿絵をご覧ください

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昔のこども向け小説は絵がとってもきれいですね。

 

他にはギリシャ神話やオデュッセイアなどが入っていたのですが重複するのでスキップしました。また、どの話も編者のフィルターを通してあまりに圧縮されすぎていてとても悔しいので、残念ですがこのシリーズはこれ1冊でやめにして、世界の名作は全訳か原文で読むことを目標にします。


ダブルワークするぞ!

貧乏なのに巨額の金が必要になりました。

しかたない唯一の休みの日曜日に働こうと思って日雇いのバイトを探していました。

まず確実にヒマな1/2,3に箱根駅伝のスタッフを募集していたので、応募しましたが既に応募多数のため落選しました。

次に日雇い派遣なサイトに登録してみましたが、2012年に派遣法の改正がありいわゆる「日雇い派遣」が原則禁止になってしまったため私は登録できませんでした。改正後、働けるのは次の項目のいずれかを満たした場合となったそうです。

・60歳以上

・学生(雇用保険適用外、つまりバイトしてない人間に限る)

・本業で年収500万以上

・年収500万以上の世帯の主たる生計者以外

派遣社員必見!労働者派遣法をやさしく解説【派遣法まとめ】 |はたらこねっと

おいおいこりゃ無理でしょー。副業で日雇いを望む人間は死ねと言われました。そりゃあ日雇い派遣は格差固定の温床ですけれども、それを望む人間だっているんだよー。この業態は学生とじーさんばーさんとリッチな会社員と主婦主夫しかいないのかなと思うと職場を覗いてみたくもあります。

どれもだめだったので打ちひしがれていましたが、そういえばクラウドソーシングなんてもんががあったっけ、と思い出して即行動即登録しました。

おすすめとして表示された仕事に簡単な翻訳がありました。面白そうなので即応募してみました。詳細を聞いてみると翻訳はテキトーでよく、メインはブログの記事ライティングであることがわかりました。ブログ+翻訳なんて趣味が2乗になったような願ってもない仕事です。ただ試用期間30日中は超薄給です。ピンハネもあり推定時給は100円。でも1記事書いて100円なんてすごいですよね!今日からさっそく取り組んでみようと思います。高PVを取ったり褒められたりしたらリンクを貼るかもしれません。

ここのところ、何でも即決断するのはいつも時間に追われているからです。いまは長期的な視点はあまり持っておらず、だめなら諦めて次!次!という気持ちです。


書籍レビュー: お前は戦う前から負けているのだ『ワーキングメモリと日常』 著:T.P.アロウェイ、R.G.アロウェイ

★★★★★

 

一週間前くらいに読み終わっていたのですが時間が取れずようやく今日レビューを書くことができました。

本書はワーキングメモリについて、最新の研究結果をいくつも報告した論文集という趣の本です。ワーキングメモリとはなにか、の説明は序論でちょろっと書かれているだけなので、先にこちらの本を読んでおくことをお勧めします。

やや読みにくい

全体的な印象を先に書いておくと、訳の日本語が悪いのか私の理解力が足りないのか、読むのにとてつもなく時間がかかりました。『脳のワーキングメモリを鍛える!』はするするっと読めたのですが、本書は学術書という体裁からか読むのに体力を必要とします。

また、論文集みたいなものですので、仮説をバンバン提出するも「因果関係はよくわかっていない。」と結論付けられているものが多いです。仮説自体は興味深いものが多いので以下紹介していきます。

自閉症スペクトラムとワーキングメモリのスキルには相関が無かった

低機能のASD*1児群の成績は、年齢を適合させた対照群よりも低いが、言語性と視空間性のワーキングメモリの評価は、知能指数を適合させた対照群と異ならない(Russell, Jarrold & Henry, 1996)。(中略)高機能のASDと診断された10代の子どもたちは、言語的短期記憶に問題を示したが、ワーキングメモリのスキルは平均的であった(Alloway, Rajendran & Archibald, 2009)。(P73)

自閉スペ人はワーキングメモリが有意に少ないと思っていましたが全然そんなことないみたいです。私のワーキングメモリが少ないように見えるのは個人的な特質であって、マルチタスクも余裕でこなせるスペ人もいるということですね。これは希望が持てます。鍛えることができるということだからです。近日中に鬼トレを仕入れる予定ですので、がんばってみます。

熟達と音楽とワーキングメモリー、努力

7章に「音楽」をテーマとした特集がありました。音楽は昔作曲のまねごとをしていたこともあったのでとても興味がありました。読んでみると主として「熟達・探求トレーニング」をテーマとして扱っている章でした。ヴァイオリニストやピアニストの熟練とワーキングメモリ、そして練習量の関係について述べられています。ざっとまとめるとこうです。

「ワーキングメモリの容量が高い人間はいわゆる才能がある人間を指し、伸びが早い。また、初見演奏に強い。」

しかし一方で次のようにも言われています。

国際的なソリストとなる可能性があると評価された優れたヴァイオリニストたちは、一人での練習時間が20歳までに累積1万時間に達しており、その域に達していない演奏者より何千時間も多かった。その後の研究結果はさらに劇的であり、熟達ピアニストが1万時間の単独練習をしていたのに対し、アマチュアはたった2千時間であった。(P132)

 

チャーリー・パーカーは(中略)次のように回顧している。「相当練習はしていました…(中略)少なくとも1日に11時間から15時間を練習に当てていました」(P134)

何だよ結局努力が全てじゃねえか!!!

しかし「才能」を「ワーキングメモリ」に、「努力する才能」も「ワーキングメモリ」にだいたい置き換えて考えると納得できるような気もします。というのも、『脳のワーキングメモリを鍛える!』にもあったように、ワーキングメモリの能力が高ければ、雑念を払って集中することが可能となるからです。

また、熟達トレーニングについてはワーキングメモリが少なくても心配することはありません。

Kopies & Lee(2006)の研究では、初見演奏の能力とワーキングメモリーの関連について、演奏の難しさ別の分析を行った。最も簡単な課題(レベル1~3)では、両者に有意な相関があった。しかし、課題が難しくなると(レベル4)相関は有意でなくなり、最も困難な課題(レベル5)でも、有意な相関はなかった(r=0.08)。 (P116)

つまりワーキングメモリーの能力の大小は、その場を何とか乗り切る能力に優れるが、熟達トレーニングの程度が高くなればなるほどワーキングメモリーの意味はなくなるということです。熟達とは自動化していくことですので、徐々にワーキングメモリーの必要性は薄れていくだろう、という直感とも符合します。ですので「努力が全て」で間違いありません。

戦う前から負けるな!

何か活動を行うにあたって最も我々のパフォーマンスを落とすのは「不安」です。不安はワーキングメモリーの容量を食います。いつも不安の対象のループが発生してあなたのCPU使用率を食うからです。学校生活を経験した我々にとって、最も不安をもたらす教科、、それは「数学」です。

数学不安を抱える個人にとって、数学の教材や文脈は、ネガティブな情動反応を引き起こす。この反応が強いと、指を振るわせ、ドキドキさせ、息苦しくさえさせることがある。(P216)

数学が苦手な人は多いのでこのように感じている人間はきわめて多いはずです。ところが、実は「私は苦手」という思い込み自体が、最もパフォーマンスを低下させているのです。これを本書では「ステレオタイプ脅威」と呼んでいます。次の例は「アフリカ系アメリカ人は頭が悪い」というステレオタイプが浸透しているアメリカ(マジかよ)で行われた実験です。

この研究では、参加者は、SAT*2の問題が2つの条件下で与えられた。1つは、「これは、言語能力を純粋に測定するテストである」と伝えられ、もう一方では「これは、言語的な問題解決における心理学的要因を明らかにするための調査である」と単に伝えられた。SATの問題が、言語能力を測定するものであると伝えられた場合、アフリカ系アメリカ人は、同時にテストを受けたヨーロッパ系アメリカ人よりも悪かった。この成績の差は、その問題が能力を診断しない調査という枠組みで実施された場合、減少した。(P218)

ビックリしませんかこれ?「お前は頭が悪い」という思い込みだけで成績が下がるんですよ。

私が本書で一番びっくりしたのは次の記述です。

数学のスキルを訓練するよりも、数学不安と関連した情動の部分を扱った介入が、高い数学不安の個人の成績を改善することが示されている(Hembree, 1990)。このことは、数学不安がパフォーマンスをどのように損なうかについての別の説明、すなわち、数学不安そのものが数学の問題解決中の弱さを引き起こしているという説明を支持している。(P216)

つまり数学が苦手な人間は、数学を勉強しても実は無意味で、「私は数学ができない」という思い込みを捨てることが一番の特効薬になるということです。

「私はできない」という固定観念を捨てましょう!戦う前から負けてはいけません!あなたの可能性を摘んでいるのはあなたです。「私はできる」と根拠なく思ってよいのです!

この研究結果からわかることは、一番成績を上げることができる人間とは松岡修造ということですね。

www.youtube.com

修造はすばらしい

 

他にも雑念を払うための瞑想の訓練がワーキングメモリーを飛躍的に向上させることや、人類のワーキングメモリーの歴史など話題盛りだくさんです。おすすめです。

 

*1:Autistic Spectrum Disorder: 自閉症スペクトラム障害

*2:アメリカのセンター試験みたいなやつ