CDレビュー: Metallica – St. Anger(2003)

★★★★★

 

メタリカ8枚目のオリジナルアルバムです。デビュー20周年。

中年の危機に拳を上げよ

サウンド変えすぎ!!!!

前作までの穏健路線はどこへやら、ギターもドラムも錆び付いた体にステロイド剤を大量投与するかのようにエフェクター全開、ドラムなんか掃除用のバケツをスティックで叩いているような訳の分からん音になっています。

まず頭2曲。1曲目Franticのめちゃめちゃなアウトロで度肝を抜きつつ2曲目St.Angerは耳に毒なくらいドラム叩きすぎ。前2枚は本作の溜めパンチのための布石だったのかと思えるほどです。

全体として、前作前々作で培ったキャッチ―なメロディーラインが洗練され、嫌みのない形で昇華されて上手いこと組み込まれています。メジャーな曲は嫌いですがこのアルバムの歌い方だと気にならない不思議。前作前々作はほとんど受け付けなかったのに、、

安定して中ヒットを飛ばしつつ本アルバムのキモ9曲目The Unnamed Feeling。この曲は今までの集大成じゃないでしょうか。ハードさも近年組み込まれたバラード的ギターもとてもいい形で融合していると思いました。

Get the fuck out of here
I just wanna get the fuck away from me
I rage, I glaze, I hurt, I hate
I hate it all, why? Why? Why me?

I cannot sleep with a head like this
I wanna cry, I wanna scream
I rage, I glaze, I hurt, I hate
I wanna hate it all away

彼らはFワードを滅多に使いません(今まではSo What?の1曲だけ)が、本曲で敢えて混ぜてきました。相当強調したかったのだと思います。歌声にメタリカ史上初めて鬼気迫るものを感じました。苦手なはずの裏声があるというのに。「名付けられない感覚」という歌詞の内容的からして、たぶん、自分たちの感じている実存的な危機がそのまんま込められていると思います。私も40代になったらそう感じるのかな。

今適当に検索したら「アルコールの離脱症状に陥った時の名付けようのない感覚(不安) についての曲。」って出てきましたがまじか。

 

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うわ―いいオッサン達になってる。。指摘の箇所は4分ちょうど以降です。

続く10曲目Purify、11曲目All Within My Handsも魂削って歌っている様子が伝わってきていいですよ。歌声ならこのアルバムが最高峰でしょう。スレイヤーと同様、方向性はどうあれ彼らが進化していく様子を辿っていくのはとても興味深いものです。

 

ちょっと評価低すぎじゃない?私は一番好きな5枚目Metallicaと並ぶくらいの評価です。

 

 

ロック等の他のCDレビューはこちらです。


書籍レビュー: 資本主義は終了しました!?『資本主義の終焉と歴史の危機』 著: 水野和夫

★★★★★

 

著者の水野和夫さん(1953-)は経済学者、民主党政権時の経済ブレーンです。三菱UFJモルガン・スタンレー証券(リーマンショック時にで小切手を渡して合併してる!)出身で職歴は1980-1998年の間ですので、日本のバブル真っただ中に経済の現場にいた人なんですね。いまは日大の教授。

文明論的な現代の考察

随分とショッキングなタイトルと帯です。内容を超単純化してまとめると次のようなことになります。

  • 資本主義は、絶えざる成長を前提とする。成長のためには収奪主体の「中心」と収奪対象の「周辺」が必要である。
  • しかし「周辺」はもはや枯渇した。1970年代のベトナム戦争終結により地理的な「周辺」は存在しなくなった。代替手段として20世紀末に「電脳・金融空間」が創設された。しかしこの地もリーマンショックにより構造的に崩壊した。
  • リーマンショック後の先進国における超低金利は、資本が資本を生み出せなくなったことを示している。アメリカ・EU・日本と続く量的緩和により延命が続けられているが、これは見せかけの成長に過ぎず、いずれ必ずバブル崩壊という形で終結する。

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16世紀と21世紀の共通点

自己ツッコミしたくらいぶっ飛んだ要旨でしたが、文明論を背景とした本書の主張はかなりの説得力があります。筆者は16世紀ヨーロッパで起こっていたことと現代に強い相似性があると論じます。16世紀は中世封建制度が行き詰まっていた時代だそうです。国内の領地は全て開発し尽くしてしまい、労働生産性は伸びなくなり経済成長は完全に飽和、ゆるやかなデフレ状態にありました。筆者はこれを「長い16世紀」と呼びました。これは現代世界の状態と奇妙なくらい符合しています。つまり資本主義が行き詰った21世紀も「長い21世紀」となるだろう、と筆者は予測しています。

16世紀は大航海時代に入ります。コロンブスを始めとする命知らず共が海外に出かけ一発逆転を狙い、成功者は資源を漁り巨万の富を得ました。そして中世封建制度は完全に崩壊し、いまの基盤となる資本主義が発生していきます。

これと同じことが21世紀で起こるとすれば、当然、崩壊するのは資本主義であるというわけです。そして筆者は資本主義が崩壊した後どうなるかは「全く分からない」と明言しています。そりゃそうですよねインターネット時代が来ることだって誰も予想していませんでしたし。昔の人の予想って今頃空を自動車が飛ぶとかテレポーテーション装置ができるとかでしたよね。

国内に持ち込まれた「周辺」

総論は大体以上のようなことです。各論で気になったところですが、いままで「周辺」であった地域、つまり資源を収奪されていた発展途上国は、近年BRICsなどのように大きく経済発展したためもはや「周辺」ではありません。するとその「周辺」はどこに持ち込まれるかと言うと、先進国の国内です。

日本は非正規労働者の割合がぐんぐん増えていまは37.4%です。私も非正規労働者です。

第65回 雇用者の37.4%は非正規労働者〜男性非正規労働者の割合も増加?〜 | 日本生命保険相互会社

非正規労働者はボーナスはないし休みがあれば収入は減る、労使交渉など存在しないから賃金は安いしいつでも切り捨てられる資本家にとって超都合のいい存在です。IR情報で「コスト削減により利潤が上がりました」と発表される背景にはたいてい労働者の非正規への組換えが起こっているはずです。

明日から改正派遣法が施行され「周辺」がさらに拡大することが懸念されます。この法案のキモは「3年経ったら派遣の首を切り替えれば永久に派遣を雇える」ことだと思いました。

 

その他論点

・中国の過剰投資は必ずバブル崩壊となる

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海外反応! I LOVE JAPAN : 中国、ゴーストタウンだらけで破綻寸前! 海外の反応。

固定資本といえば不動産

 

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SBI証券(旧SBIイー・トレード証券)-オンライントレードで株式・投資信託・債券を-

ほとんどバブル前に戻った株価

 

・金融緩和によるデフレ脱却は不可能

 

日本株は我々の年金を突っ込んで作られたバブルが間もなく崩壊しそうです。参考図として今日のドン引きチャートを貼っておきます。

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年初来安値も近そうです。ピーク時と比べて2割近く落ちましたね。

 

中国の減速を端緒として日本、EU、そして米国と斃れていけば本書の内容もあながちトンデモとは言い切れません。刺激的な書物でした。

 

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もっと歴史を勉強しなきゃいけません

 

 

 

参考書籍

本書は塩野七生さんに言わせれば「歴史を使って論拠を補強」するタイプの書物でした。叙述ではありません。しかし引用文献は膨大でした。読みたいと思った本を残しておきます。

 

地中海 (1)

地中海 (1)

 

 

ケインズはこう言った―迷走日本を古典で斬る (NHK出版新書 386)

ケインズはこう言った―迷走日本を古典で斬る (NHK出版新書 386)

 

 

マクミラン新編世界歴史統計〈1〉ヨーロッパ歴史統計:1750‐1993

マクミラン新編世界歴史統計〈1〉ヨーロッパ歴史統計:1750‐1993

  • 作者: ブライアン・R.ミッチェル,Brian R. Mitchell,中村宏,中村牧子
  • 出版社/メーカー: 東洋書林
  • 発売日: 2001/08
  • メディア: 大型本
  • この商品を含むブログを見る
 

 

増補・ヨーロッパとは何か―分裂と統合の1500年 (平凡社ライブラリー)

増補・ヨーロッパとは何か―分裂と統合の1500年 (平凡社ライブラリー)

 

 

次の本は「砂糖の世界史」にも出てきました。

近代世界システムI―農業資本主義と「ヨーロッパ世界経済」の成立―

近代世界システムI―農業資本主義と「ヨーロッパ世界経済」の成立―

 

 


CDレビュー: Yes – Ladder (1999)

★★★★★

 

イエス17枚目のオリジナルアルバムです。デビュー30年を突破しています。ヴォーカルのジョン・アンダーソンはこのときもう55歳ですね。まだ声の透明さが失われていない、、すごい

キャリア集大成

1曲目Homeworldからいきなり素晴らしいですね。イエス序盤の特徴であった明るいプログレの大復活です。オルガンもシンセの使い方も時代に全然迎合していません。あーこういう尖ったサウンドをこのバンドに期待してたんだな。1999年と言えば日本では宇多田のAutomaticとかモー娘のLOVEマシーンとかがヒットしていた頃です。洋楽だとブリトニースピアーズとかリッキーマーティンとか。もうデジタルなクラブサウンドバキバキのころですね。

2曲目It’ll Be A Good Dayも単純ながら泣けてくるサビです。1-2曲目は何故か琴とか日本の楽器が使われてます(シンセだろうけど)。他にも4曲目Can I?のように遊びの入った曲もいいですね。

5-9曲目はここ最近の方向性であるポップサウンドですので、個人的には若干減点です。10曲目New Languageは本当に今までの集大成で、オルガンありテンポ変化あり超大曲でアドリブあり、しかもポップ要素も取り入れているという全要素を完璧に融合した総まとめ曲です。

まだまだいけますね。聞き続けてきてよかったと思えるバンドでした。

 

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昔ながらのポリゴン数のすっげぇ少ないビデオクリップ。FF7(1997年)ってこんな感じでしたよね。

 

 

プログレッシブロックの他のCDレビューはこちらです。


書籍レビュー: 極右の統合失調、極左の自閉 『ひき裂かれた自己―分裂病と分裂病質の実存的研究』 著: R.D.レイン

★★★★★

 

著者のR.D.レイン(1927-1989)は「反精神医学」を掲げたイギリスの精神科医です。精神病棟に患者を隔離するのは人権侵害だとし、患者を実存的に理解し治療することで地域に開放することを目指した、当時としては急進的な活動家だったそうです。現代では精神病棟の需要は減りました。皮肉なことに、その原因は患者を理解することからはかけ離れている向精神薬の発展によるものです。

統合失調症、統合失調的気質の原理と彼らとの対話

本書は統合失調症(本書刊行時は精神分裂病)の原理を理論づけて病理に至るまでの道筋を明らかにし、臨床例を引用しながら彼らとの対話と理解を試みる目的で執筆された本です。

「実存的研究」とは、彼の当時の精神医学に対する批判が強く込められたタイトルです。当時はフロイト精神学が氾濫し、患者の病理を過去の性的コンプレックスと結び付けたり、患者の言葉とは異なる「精神医学用語」でカテゴライズして患者を理解することが主流でした。レインはこの姿勢に疑問を呈し、「患者の病理は患者の言葉で語られるべきである」というアプローチで彼らと向き合いました。とくに終盤の「一分裂病者の自己とにせ自己」「庭園にたつ影」ではレインが患者の作り出した世界の中に入り込んで、病理を分析していく様子が具体例と共に生々しく描かれており、文学作品として読んでも一級品です。

序盤~中盤にかけては、統合失調症の理論的概念の構築がなされます。これらは最初の章「人間の科学のための実存的-現象学的基盤」で断言される通り、可能な限り日常語をもって記述されており、門外漢でもそれなりに(私には時間がかかりましたが)理解することが可能です。以下、私なりの理解を書いていきます。

統合失調症まとめ

統合失調症患者と言うのは、他人の心情を「極端に読み過ぎる」人々です。彼らは他人の期待に正確に応えることをいとも容易く行うことができ、自己を完全に空虚にして他人そのものになりきってしまうレベルまで達することが可能です。

また、彼らは総じて自己肯定感がないか、非常に乏しいことが特徴です。これは先天的な場合も、暴力を受けるなどして後天的に失われることもあるでしょう。自己はきわめて弱いものとなるがゆえに、彼らは自己を外側に出さなくなります。彼らは自己と世界との接点が「にせ自己」を通して行われていると認識しています。「にせ自己」とは、現代的にいえば「ペルソナ」「仮面」みたいなものです。通常の人間は世界と関わるインターフェースは自分自身だと意識しています。これが「正気」です。統合失調症患者は世界とのインターフェースは「自分ではない何か」を通して行われていると認識しています。自分ではない想像上の人間が外側に向かって会話をし、動いているのです。

ふつう人間は、極めて幼い頃に「自己-他者の境界線」を確立します。いわゆる「アイデンティティの確立」です。15年前に椎名林檎が歌って有名になりましたね。「私は私であって他の誰でもない」という自然で健康的な感覚のことです。自己と他者の境界線は親との関係の構築の失敗に起因することが多いようです。

以上3つの条件が揃うと、成長に伴い病理が表出します。というのも、これら3つの要因は原理的に増幅しあう関係となっているからです。過剰に他人の期待に応えることが常態化すると、ただでさえ委縮しがちな自己がさらにしぼんでいきます。自己と他者の境界線が薄ければ、弱い自己は他者に侵略されまいと「にせ自己」をさらに強化し増殖させます。しかし「にせ自己」が膨張すればやがて「自己」を押しつぶしてしまうことは明白です。

やがて彼らは自己を喪失したと感じます。彼らの中には「にせ自己」しか残っていません。精神世界はバーチャルな幻想的な世界に変化し、しかも「にせ自己」は複数ありますから、論理的整合性も失われます。これが彼らの話現実感のなさと文脈がすぐにぶっ飛ぶ理由です。また、典型的な症状である被害妄想は次のように説明できます。普通の人間は「自己」が「他者」に語りかけて他者に何らかの反応を引き出そうとします。しかし彼らは「自己」「他者」の区別がつかなくなっている上にその境界線の意識もありませんから、「他者」が超弱い「自己」を直接操作し脅かすことができると認識します。すると「あなたは私を殺すと考えている」「電波で殺される」というようなよくある妄想が生まれるというわけです。

参考文章

【1541】皆と同じようにipodの手術を受けたい

まだまだ盛り込まなければいけない条件や理論はたくさんあるのですが、単純化すると大体以上のようなことになると思います。

動機

さて、私がこの本を読もうと思った直接のきっかけになったのは次のイミさんと言う人の記事でした。

彼は文章がうまく本書の内容については私のまとめよりも優れていますので、時間がある人は読んでみてください。

 

私は自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)という診断を8年ほど前に受けました。統合失調症の病理は、表面だけ見ると「他人とのコミュニケーション不全」「世界の了解の仕方が通常人と異なる」という現れ方をするので、自閉症と共通するところがあります。彼らの生きづらさ生きにくさを知ることで何か自分の理解に参考になるのではないかと思ってこの本を取り寄せ、読んでみようと思った次第です。

感想

さて読んでみると、、彼らには全く共感できませんでした!!全く!!!

レインの分析を読んでいくと、共感できないのは当たり前です。だって彼らは「他人の感情を過剰に読み過ぎてしまう人」達なんですもの。どうやったって他人の感情なんぞ読めるわけがない自閉症患者とは、両極端に離れている存在だということが分かりました。

先日読んだ広沢先生の著書でも「自閉症と統合失調症は根本的に異なる」「統合失調症は一般人の心の理論アプローチから理解可能だが、自閉症は体系そのものが異なるため、新しい理論が必要となる」と書かれていましたが、まさにその通りでした。

読み違い?

さて上記のイミさんのブログは根本的な読み違いをしていると思います。

この本の力点は、身体と精神の分離、分離することによる自己の「石化」「モノ化」です。他人の「モノ化」については1Pしか記述はありません。それはあくまでの自己の「石化」を防ぐための数多くの手段の1つでしかありませんでした。後半で出てくる臨床例でも他人の「石化」の記述はありません。破壊衝動が向けられるのは自分です。彼らの関心は自己を殺しつくすことにあるからです。そして、彼らに自意識は存在しません。他人と融合してほんのわずかしかない自意識を喪失してしまうことが統合失調症の本質だからです。

ですので何故共感したのかわかりません。私も共感できませんでしたが。とはいえ、彼らに共感することが目的で本書を読むわけではないでしょうから、分裂病うんぬんは完全に脇に置いておいて、このテキストの一部分を抜き出して自己について見直すきっかけになったのなら、それはそれで正しい読み方ともいえます。

自閉症と統合失調症の共通点、非共通点

次の箇所を読むとさらに、彼らの根本的な自意識のなさが明らかになると思います。私が一番衝撃を受けた箇所でもあります。レインが担当していた、ある回復へ向かった女性患者の次の告白に基づくものです。

私が存在するのは、あなたがそう望んだからに過ぎないのです。そして私は、あなたが見たいとおりのものでしかありえません。私は、あなたのなかに私の惹き起こした反応のゆえに、自分を現実と感じることができたにすぎません。もし、あなたをひっかいても、あなたがそれをお感じにならなかったのだったら、そのとき私は本当に死んでいたことでしょう。

あなたが私の中に善を見たとしたら、そのときだけ私は善でありえたのです。私はあなたの目を通して私自身を見た時にだけ、何か善なるものを見ることができたのです。でなければ、私は皆に憎まれる、飢えた、人を嫌がらせる餓鬼として自分を見るにすぎず、そしてこのような生き方をしているということで自分自身を憎んだに違いありません。そして、飢えのために、胃をむしり取ろうとしたに違いありません。(P243)

なんと、彼女が回復に向かったのは、レインの「あなたは存在する」と認識する自己と彼女自分の自己を一体化したためだって言うんですよ!!マジで驚きました。とことん自分の自己なんてものは存在しないみたいです。

そしてここに自閉症患者との表面的な共通点と差異も見出すことができました。自閉症者は、通常の人間とは違う方法で世界を把握します。上記の広沢先生の本でfolk physicsと呼ばれている方法、つまり世界から心的共感能力を排除し、理論的な枠組みだけで世界を理解する方法です。一般的な常識である共感をベースとしていないので、世界との関係は必ずきわめてぎこちないものとなります。このぎこちなさ、不自然さが統合失調症と自閉症の表面的な共通点です。しかし根本的な原理はこれほどまでに異なります。

ですので、自閉症者が統合失調症になることは、ありえないのではないかと思いました。もちろんこれはレインも述べているように過度に単純化したモデルでしかも想像上のものですから、これをひっくり返すような知見も見受けられるでしょう。しかし直感的には、自閉症者と統合失調症者は、とてつもなく対照的な存在でした。共感の右翼が統合失調、非共感の左翼が自閉症といったイメージを持ちました(右と左は適当です)。

結局自分についての理解は深まりませんでしたが、彼らの世界を覗くことができたのは「定型発達者の」ことを理解する一端になりそうです。

レインすごすぎ

ところで本書は著者が28歳のときに書かれた本だそうです。どうやったら28歳でこんな緻密で堅牢な文章が書けるんでしょうね。すごすぎます。

また、統合失調症患者の世界は本質的に独特で理解するのに時間も負担もかかり、また彼らの世界を構築するにあたって自らの世界が破壊される恐れも高いというのに、レインはこれを何人もの患者にたいしてやってのけ、しかも彼らより進んだ解釈を本書でもたらしてくれるのです。彼のあとに後進が続いてない(らしいです)ことからも、レインの取ったアプローチの特異性と彼の能力の高さが現れていると思います。

 

 

 

参考文献

自伝です。いつか必ず読みます。

レインわが半生―精神医学への道 (岩波現代文庫―学術)

レインわが半生―精神医学への道 (岩波現代文庫―学術)

 

 

 共感を学ぶために。

好き? 好き? 大好き?―対話と詩のあそび

好き? 好き? 大好き?―対話と詩のあそび

 

 

絶望を理解したいなら読めとレインが言っていました。

死にいたる病 (ちくま学芸文庫)

死にいたる病 (ちくま学芸文庫)

 

 

レインの友達。

存在と無〈1〉現象学的存在論の試み (ちくま学芸文庫)

存在と無〈1〉現象学的存在論の試み (ちくま学芸文庫)

 

 

引用されていました。

ゴドーを待ちながら (ベスト・オブ・ベケット)

ゴドーを待ちながら (ベスト・オブ・ベケット)

 

 


虫歯と実存

本とCDのストックがすっかり無くなったのですごくくだらない話を書きます。

私が十数年前に不適応を起こして引きこもりになった時歯を磨くのもおっくうになり1年ほど放置しました。1年の間に脳内では「歯を磨くの面倒」が「虫歯にはならない」という確信に変わっていました。そして虫歯が6本できました。認知の歪みです。歯医者で治療したはいいものの、抜歯を拒むと「どうせだめになるよ」と言われたことを覚えています。

悔しいことに10年経ってその通りになりました。去年から最も虫歯の酷かった箇所の隣の歯が少しずつ欠け始め、とうとう歯の半分が無くなってしまいました。今年に入ってから時々軽い痛みがありました。それでも放っておいたら、シルバーウィークがも中盤に差し掛かった21日月曜日、骨を削るような痛みが襲いました。おそらく欠けた歯の下にあった神経が露出したのでしょう。歯医者で歯を診察する時チクってすることがありますよね。あれが何時間も続きます。

シルバーウィーク中で歯医者は休み、しかも水曜日まで祝日、、この痛みが何日も続くかと思うと絶望的になりました。よくドラマで末期がんの主人公や登場人物が痛みに苦しんで動きを止めるシーンがありますがあれに似た気持ちになりました。本物のがん患者の痛みの方が大きいだろうし虫歯なんかで痛がってちゃいかんなぁと思いつつもやっぱり辛いし、こうなったら典型的な手段を使うことにしました。身体の客体化です。

「痛みを感じているのは歯の神経。私ではない。」と念じます。そうして肉体と精神を切り離すのです。「私じゃないから痛くないもんね」この呪文は1日目は全く効きませんでした。神経はやはり私の一部分であり私自身と切り離すことができませんでした。痛みをいくら無視しようと思っても、強制的にポップアップする恐怖のskypeコール画面(たいてい急ぎの仕事とか大きなミスがあった時に表示されるので本当に恐怖)のように痛みがZ座標ゼロで割り込んできて消せず何事を行うのにも効率が落ちました。

6時間ほどで痛みの波は去りました。しかし2日後の23日水曜日、またも4時間ほど強い痛みに苦しめられました。今度は神経と精神の切り離しにやや熟練して、痛みが「今すぐWindows10にアップグレードを予約しましょう」というウインドウくらいの邪魔さ程度まで緩和しました。おかげで仕事への影響も少なくて済みました。このまま熟達していけば痛みが携帯電話のバイブレーションくらいのレベルまで緩和できるようになりそうです。幸いそれ以来大きな痛みはありませんが、昨日歯医者に電話したところ予約がいっぱいで、私も都合が合わずあと二週間以上経たないと治療ができないこととなりました。あと何回痛みに苦しまなければいけないのかと思うと気が塞ぎますが、「やあ痛みよ今日も来たのか。どんな具合だい?コーヒー飲む?」と呼び掛けられるくらいの余裕をもって、彼らを私から分離することで対抗しようと思っています。

しかし今読んでいる本「ひき裂かれた自己」によるとこの方法は大層危険です。身体と精神の分離は現実感の喪失を通して自己の崩壊へと至るからです。自己から遊離し「それ」となってしまった肉体は価値をなくし、すっかり空虚となってしまった自己は自滅するよりほかなくなります。。要するに死にます。ホンマかよ。おそらく今日読み終わるので、詳しい感想は明日書くことになります。

何が言いたいかと言うと歯は磨かなきゃダメということです。磨かないと死にます。


CDレビュー: The Rough Guide to Merengue & Bachata(2001)

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★★★☆☆

メレンゲって何?

メレンゲは中米のドミニカ共和国発祥のダンス曲です。成立は18世紀ごろと古く、2ビート+頭に付点4分音符を付けるのが特徴です。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e1/Merengue_dance_pattern.png/250px-Merengue_dance_pattern.png

Merengue music – Wikipedia, the free encyclopedia

ギロとマラカス。コンガが入る曲が多く、曲調は古臭くて音もチープなものが多いです。はじめはアフリカ系の曲かと思っていましたが、スペイン語なのでアフリカではないですね。スペイン圏の曲の例に漏れずこの音楽たちもみな暑苦しく直情的です。

ドミニカ共和国は中米で最も早くヨーロッパ勢が進出した土地で、長い間スペインの植民地でした。ドミニカ共和国が属するイスパニョーラ島は西半分近くが元フランス領のハイチです。分割統治されていたんですね。香川と徳島がスペインのもの、愛媛と高知がフランスのものだった、というようなものです。

 

メレンゲ

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メレンゲと言えば

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Meringue – Wikipedia, the free encyclopedia

まずこれが思い浮かびます。しかしこの音楽は菓子のメレンゲとも関係あるそうです。

In an origin’s version, the dance originated from the enslaved laborers working in sugar beet fields.

Merengue (dance) – Wikipedia, the free encyclopedia

ドミニカ共和国の砂糖ダイコン(ビート)のプランテーション農場で働いていた黒人奴隷たちの踊りから始まった音楽だそうです。つい今月読んだ本とかぶっていてビックリ。

 

もう一つのバチャータはずいぶんと歴史が新しく、20世紀にできたものです。メレンゲとは違いエスニック的な要素が抜けており、スローテンポのムード歌謡的な感じですね。

 

バチャータ

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どちらも随分と扇情的な踊り。黒人文化と白人文化の融合体ともいえる歴史を感じさせる本アルバムは、残念なことに似たような曲が多く長時間聞くのはやや苦痛です。動画はとてもいい感じなので最近の曲をきいたほうがよさそうです。ダンス曲は聞くだけではなく踊ってこそ本領を発揮しますね。

 

 

ワールドミュージックの他のCDレビューはこちらです。


CDレビュー: Paul Bley with Paul Motian – Notes (1987)

★★★★☆

ジャズドラマーPaul Motianのボックスセット、Complete Remastered Recordings シリーズの4枚目です。

 

こんな風に年を取りたい

まずジャケットがいいですよね。これ書いた人絵のセンスあるなぁ。すてきすぎる。

コンビを組んでいるPaul Bleyはジャズピアニスト。穏やかにキラキラした演奏を聞かせてくれます。1曲目タイトルチューンNotesは控えめでかつ豪華という味のある演奏を堪能できます。この2人、他にもコンビでいくつかアルバムを出してるみたい。

一番好きなのは6曲目のNo.3です。2人ともいろんな楽器を使って遊びまくりながらこれまたおどけた音を出し続けるのです。タンバリンや鈴、音の高いベル?のようなものなで。10年ぶりに再会した年配の友人同士が語り合ったり、一緒にバーで飲んだり、街で遊んでみたり、ちょっとしたケンカもしてみたり、、派手で目立つ曲は一つもありませんが、こんな風に年を取れたらいいな、と思わせるアルバムでした。1987年の時点ではブレイが55歳、モチアンが46歳ですね。あと15年くらいしたら、こんな風になれるのかなぁ。

3曲目Piano Solo No.1ではブレイのピアノソロ、4曲目West 107th Streetでモチアンのドラムソロを聞くことができます。

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ドラムソロ大好きです

 

 

 

ジャズの他のCDレビューはこちらです。


書籍レビュー: DNAとウイルスこわい『カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第2巻 分子遺伝学』 著:D.サダヴァ他

★★★★★

 

2巻は染色体分裂~メンデル遺伝学~DNA~ウイルス遺伝学~生物の遺伝学がテーマです。1巻と同様豊富な図表が理解を強力に助けてくれることと、今回は化学知識も不要で誰でもバリバリ読み進めることができる素晴らしい本です。

 

DNAやばすぎ

DNAや遺伝子と言えばすっかり比喩として使い古された感があります。威張ってる好調が「我が校のDNA」なんて言いますよね。でも本書を読むと軽々しくDNAなんて言えなくなります。

DNAは私たちの体を構成する全タンパク質の鋳型です。DNAからRNAがサブセットとして抜き出され、リボソームで解釈されて細胞を構成するタンパク質ができます。

2行で書ける内容ですが、この間にはもう涙なくては読めないほどの超精巧な作業、順番が完璧に整った化学反応、適材適所の酵素の配置、エラー訂正機構、正と負のフィードバックによる濃度調節、などなど万馬券を1万回連続で当てるよりずっと難しい特大奇跡の積み重ねによって我々が生きていることを認識させてくれます。15年くらい前に流行った泣きギャルゲーとかセカチューとかコブクロとか何それちっちゃすぎ!って思えるくらいの奇跡です。生物学者はみんな宗教がかってもおかしくないです。本書ではその詳細を400P以上使って解説するのですすごい。

全体的に抱いた印象は以上ですので残りは特に気になったところを紹介します。

わたしたちの中の遺伝子組み換え

減数分裂という細胞分裂があります。ふつうの体細胞分裂は染色体が2倍になって細胞分裂し、1倍の細胞が2つできます。ところが精子と卵子は2倍になりません。染色体は半数になります(正確には2倍になってから1/4になります)。半数と半数の染色体が結び付いて一人前の受精卵ができるというわけです。子供は精子と卵子の遺伝子をランダムで受け継ぐため多様性が生まれます。

ところがたまげたことがあって、減数分裂時も組換えがあるそうなのです。分裂前に染色体同士が交差して、そのまま入れ替わってしまうらしいです!乗り換えと呼ばれています。

http://www.metabo-help.com/images/gene/gene5_06.jpg

特定健診(メタボ)対策・ダイエット レシピ集|生活習慣病予防の総合健康情報サイト|メタボヘルプ ドットコム【遺伝子ふしぎ発見!】

つまり我々のキンタマの中では毎日遺伝子組み換えが起こっているというわけですよ!びっくり!これは有性生殖に加えてもう一段階進んだ遺伝的多様性を生み出します。精子や卵子全員に遺伝的な個性があるだなんて知りませんでしたよ。

宇宙人バクテリオファージ

これは高校生物でも習うので知っている人も多いと思います。私は習ったような気がしますが忘れました。

ウイルスとは自己増殖だけを目的としたDNAとそれを囲むタンパク質だけでできた存在です。自分で栄養を合成したりできないので、生物とはみなされません。他の生物に寄生することだけが彼らの生きる道です。

で、このウイルスの例として挙げられているT4バクテリオファージが怖いのです。

なんですかこの宇宙人!

ウィルス『ファージ』がまるで人工物のようだと話題に。 – NAVER まとめ

 

http://livedoor.blogimg.jp/chaos2ch/imgs/9/8/98c56a52.jpg

細胞を刺してDNAを注入するファージ

ウィルス『ファージ』がまるで人工物のようだと話題に。 – NAVER まとめ

 

 

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ファージに取りつかれた細胞は破裂して死ぬ

高等学校生物 生物I‐遺伝 – Wikibooks

 

DNAを注入された細胞はお人よしなことに細胞内器官が「わーいDNAが来たよー合成合成」とウイルスのDNAを使って、しかも自分のエネルギーを使ってウイルスのタンパク質を合成してしまい、上図のようなことが起きます。しかもウイルスなんて単純ですから大量に合成してしまいます。増殖したウイルスは細胞壁を溶かす酵素を出して細胞を壊し大量のウイルスが飛散、被害が拡大していきます。おそろしい

また、ウイルス由来のDNAは宿主細胞のDNAを組み替えてしまいます。そして宿主のDNA内で長い間潜伏し、例えば宿主の体調が良くなった時など(細胞内の特定の物質の濃度でわかるそうです)を狙って発現し増殖します。トロイの木馬ウイルスみたいなもんです。コンピューターで発明される前に、生物プログラムとして存在していたとは。見た目の怖さも抜群ですがここは心底ゾッとしました。

インフルエンザにかかったあなたはこれが体内で起きています

ところがこいつを病原菌にとりつくように改造(というか抽出と培養)すれば、病原菌だけを安全に殺すことができます。これを使って最近流行の多剤耐性菌を退治することも期待されています。ファージセラピー です。宇宙人も使いよう。

 

他にも遺伝的多様性に貢献したり病気の原因になったりするきまぐれなトランスポゾンとか細胞内のちょっとした物質の増加でスイッチの入るアポトーシス(細胞死)の仕組み怖いとか近親婚に病気が多い理由(劣性遺伝子がかち合いやすいから)とかDNA複製の心細すぎる仕組みとか驚愕した例はいっぱいあるのですが、時間と紙面の関係でここまでにします。気になる方はぜひ読んでみてください!

 


CDレビュー: John Coltrane – Soultrane (1956)

★★★★☆

ジャズの100枚シリーズ21枚目。テナーサックス奏者ジョン・コルトレーン(1926-1967)の作品です。

 

まったりのようでいて激しかった

1曲目Good Baitは非常にゆったりとした曲調ですが中盤にわけわかめのアドリブを混ぜてきて油断がなりません。音は今まで聴いた中ではキャノンボール・アダレイに次ぐぶっとさ。直感的に思いつくイメージは、ワカメです。サザエさんではなく植物の方です。

2曲目以降はレッド・ガーランドさんのピアノが冴えます。ただ肝心のサックスが達人というよりちょっと下品に聞こえてしまって、むむむと思いました。

5曲目Russian Lullabyは燃えますね。この手の曲が好きな私はまだまだミーハーなのかもしれません。コルトレーンは「20世紀のジャズ最大の巨人」と呼ばれているらしいですが現時点では特別気に入る音を出してくれません。初期の作品ということもあるのでしょうけれど。ピアノのガーランドさんは素晴らしいです。

 

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ジャズの他のCDレビューはこちらです。


CDレビュー: Oliver Messiaen Complete Edition – Petites Esquisses d’oiseaux, Etudes de rythme, etc(CD2)

★★★★☆

 

鳥先生メシアンのボックスセット2枚目です。本CDは小~中規模のピアノ曲が収録されています。

鳥鳥鳥

2枚目も鳥がよく登場します。先頭のPetites Esquisses d’oiseaux「鳥の小スケッチ」はその名の通りrouge-gorge(ヨーロッパコマドリ)やmerle noir(クロウタドリ)などなどの鳥の声だけで構成される曲を6つ集めたものです。しかし6曲中rouge-gorgeが3曲も入ってますのでメシアン先生はよほどコマドリが好きだったと見えます。

鳥と馬鹿にするべからず、演奏者には相当体力が要求されるようです。時には爆音時には静謐、演奏者の荒い息遣いまで聞こえるという地味に燃える曲です。

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楽譜付きの素晴らしい動画がありました。リストのような殺人的な楽譜ではありませんがやはりすんげぇ変です。一体どのような感性が必要とされるのでしょうか。

 

もう一曲好きな曲があります。Rondeau(ロンド)という2分ちょいの小品です。練習曲めいていますが、所々ピチョーンとか鳥の鳴き声っぽいものが挿入され、軽く狂気を帯びた魅力的な子供のようなとても変な曲です。

Messiaen: Rondeau

Messiaen: Rondeau

 

練習曲っぽいという予想は当たり、youtubeには子供の演奏がいくつかアップロードされています。上のRoger Muraroさんの演奏(当BOX収録分です)と比べるとやはり情緒に欠けてしまいますが、12歳でこれ弾けるのはオソロシイですね。一体どんな練習を積んでいるのか、ピアノの世界はこわい。

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Tracklist:

Petites esquisses d’oiseaux
1 I. Le rouge-gorge [2:12]
2 II. Le merle noir [2:15]
3 III. Le rouge-gorge [2:18]
4 IV. La grive musicienne [2:08]
5 V. Le rouge-gorge [2:31]
6 VI. L’alouette des champs [2:14]
Etudes de rythme
7 I. Ile de feu 1 [2:00]
8 II. Mode de valeurs et d’intensités [3:28]
9 III. Neumes rythmiques [7:02]
10 IV. Ile de feu 2 [4:25]
11 Cantéyodjaya [13:05]
12 Rondeau [2:25]
13 Fantaisie burlesque [7:27]
14 Prelude pour piano [2:50]
15 Piece pour le tombeau de paul dukas [3:31]

 

 

 

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