CDレビュー: Jaga Jazzist – Stix(2003)

★★★☆☆

 

ノルウェー発前衛ジャズ集団Jaga Jazzistの3枚目のアルバムです。前2枚よりもエレクトロな方向に流れており、特に2-3曲目なんかまるで音ゲー風味です。ビートをきつくしすぎたのでジャズ的要素がかなり薄められてしまい、かといって即興的要素が豊富なわけではないのでなんだか中途半端です。エレクトロ系ならもっと独創的なアーティストがたくさんいるので。。

ただ8曲目I Could Have Killed Him in Sauna(何故にサウナ!?)は斬新でしたね。これ1曲だけがヒットです。前半はよくあるエレクトロニカなんですが、突然ギターとドラムが入ってきてからの中~後半の足がふわふわと浮きそうなリズムと変な和音がとてもよいです。

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CDレビュー: Sonny Rollins – Way Out West(1957)

★★★★★

ジャズの100枚。シリーズの25枚目です。

Sonny Rollins – Saxophone Colossus(1956) – 六帖のかたすみ

に引き続き2回目の登場。あれ、音が全然違うぞ。。?全体を通して柔らかくて気持ちの落ちつく演奏が続きます。燃える曲はありませんが、疲れたときに聴くと精神が大いに安定しそうです。今後お世話になるかもしれません。

 

2曲目Solitudeがいいですね。右側から流れるベースも神業です。

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CDレビュー: Jaga Jazzist – A Livingroom Hush(2002)

★★★★★

 

先端ジャズ集団Jaga Jazzistの2ndアルバムです。器楽ジャズをベースとして前半はポップ寄りの構成、表参道明治神宮前系のオサレサウンドをミックスした曲が中心です。ラフォーレとかフランフランとかでかかってそう。

中盤からエレクトロやドラムンベース、訳わからん曲調に変わっていき私好みのサウンドとなりました。ラストCinematicが一番意味不明で好きですね。ほぼ電子音楽で、もはやどこらへんがジャズなのか分かりません。6曲目からが勝負です。

 

何かが終わってしまったような8曲目Made For Radio

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喪失感を二周くらい通り越したCinematic。ビデオクリップは気味悪すぎ

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CDレビュー: Sarah Vaughan – Crazy And Mixed Up (1983)

★★★★☆

ジャズの100枚。シリーズ24枚目です。邦題は『枯葉』。

くんせいジャズ

サラ・ヴォーン(1924-1990)はアメリカ出身のジャズヴォーカリストです。煙焼けしたハスキーボイスが特徴ですが予想通りヘビースモーカーで、死因は肺がんでした。

33分ちょいと短いアルバムですがいい曲揃いです。彼女の声によるところが大きいですね。2曲目That’s Allは彼女の可愛い一面が見られる名曲。3曲目Autumn Leavesはシャバダバしか言ってませんが滑らかに歌もドラムもピアノも流れていきます。ラストYou Are Too Beautifulも燻製しきった低音が出まくっててよいです。こんなに焼かなくても、、なんか切ないです。

 

1曲紹介するとしたらこれですね。邦題タイトル曲Autumn Leavesです。

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ボンボルッボルッボルッダッパッパ

 


CDレビュー: Jaga Jazzist – Jævla Jazzist Grete Stitz(1996)

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Jaga Jazzist – Jævla Jazzist Grete Stitz (CD) at Discogs

★★★★☆

 

現代ジャズ枠はノルウェーの前衛ジャズ音楽集団ジャガ・ジャジスト(ノルウェー読みではヤガ・ヤジスト)を聴くことにしました。仕事中にネットラジオなどを聴いてモチベーションを高めているのですが、このバンドの曲だけ毎回耳に残るのでとても気になっている集団でした。日本公演もしているらしく日本での知名度もそこそこあるようです。

1枚目である本アルバムは自主製作版でどこにも在庫が無いらしく、やむなくyoutubeなどで調達して聴きました。なのでこのレビューはCDレビューではありません。2枚目からはちゃんと手に入れますごめんなさい。

ジャンルの垣根を超えたダルダル

内容は期待通り狂っていました。イントロはノイズだらけの意味不明、次の曲がいきなりヒップホップでジャズあんまり関係ないのに歌詞でジャズジャズと言ってる、3曲目はブレイクビーツと現代ジャズを混ぜた意味不明な曲などなど。

7曲目Yo! It’s Christmasが一番狂っていてクリスマスソングっぽく始まったと思ったら途中で酩酊したラップが入ったりギターと一緒に奇声を上げたりしてダルダル色マリファナ味付けという感じでした。ノルウェーのクリスマスってこんな感じなのかいな。

ボーナストラック?の8曲目はいい感じのセッションプレイのあと、メンバーの一人が20分くらいメンバーの紹介っぽいことをノルウェー語で喋りまくるというまさにカオスな内容でした。

まだまだはじける余地はあると思うので星4つです。次回に期待

 

クリスマスソングをどうぞ。口から出てるのは凍える吹雪なのかエクトプラズムなのか

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CDレビュー: Eric Dolphy – Eric Dolphy Live at the Five Spot 1(1961)

★★★★★

 

ジャズの100枚。シリーズの23枚目。サックス奏者エリック・ドルフィー(1928-1964)のアルバムです。。早死にすぎ

バスクラやフルートも吹けるそうですよ多彩ですね。

 

1曲目のFire Waltzで左側から流れてくるソロサックスはジャズ聴き始めて日が全然無い私でもこいつアホかと思えるような演奏です。何考えてるかぜんぜんわからない。でも辛うじて意味不明にならないところのギリギリのラインでうへうへしながら吹いているように感じました。上のジャケット左側、目をつぶって吹いてる姿を思い浮かべながら聴くとシュールさが増してきてまた楽しい。この陽気キチな演奏にドラムが時々「いいねー兄ちゃん」って感じで応答しているからまたすごい。エド・ブラックウェルと言う人だそうです。

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2曲目Bee Vampはドルフィーはバスクラで裏方に回り、右側からブッカー・リトル(1938-1961、収録してすぐ死んでる)がうっとりするようなでもハキハキした耳に残るサウンドを流してくれます。この曲もドラムいいなぁ。ドラム好きなんです

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CDレビュー: Paul Motian Trio – One Time Out (1989)

★★★☆☆

 

ジャズドラマーPaul MotianのComplete Remasteredシリーズ5枚目です。6枚目はEnrico Pieranunziさんのボックスとかぶっているので実質最終アルバムとなりました。

混沌としすぎ

本アルバムもかなりフリーに偏ったジャズです。1曲目One Time Outからして意味不明です。ていうか、トリオなのにドラムとサックスとギターってなんだよ。ベースとなる音など全く存在せず、なんだかよくわからない音の群れがそこら中に散らばっているような印象を受ける曲でした。

2曲目If You Could See Me Nowもベース音が無いためしっとりしているようで中空のような印象、ハンカチが空に舞ってますねぇ。

前2枚に続きBill Frisellのギターが入りますが、本アルバムでは切なさ成分がありません。全然和音を弾いてないからかもしれません。

わけわかりません、という印象以上のものを掴むことができませんでした。私にはフリージャズはまだ早いのかもしれません。でもAnthony Braxtonさんのアルバムは時々ツボったんだよなあ。波長が合わなかっただけなのかもしれません。

 

4曲目。一番混沌してる

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次の現代ジャズ枠はちょっと趣向を変えてみようと思っています。

 

 

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CDレビュー: The Bill Evans Trio – Moon Beams (1962)

★★★★☆

 

ジャズの100枚シリーズの22枚目、3回目?の登場となるピアニスト、ビル・エヴァンスのアルバムです。偶然にもドラムを叩いてるのがいま他のボックスセットを聴いてるポール・モチアンでした。

超瞑想エヴァンスZ

ほぼ全曲がしっとり静かな曲で構成されています。1曲目Re: Person I Knewや2曲目Polka Dots And Moonbeamsなんか超がつくくらいの瞑想ミュージックです。こういう曲を聴くとなぜか新宿ブックファーストが思い出されます。店の中はごく静かなのに本から漂う熱気を感じ手に取って人知れず興奮してしまうあの感じです。いや最近大型書店って会社に行った帰りにカンタンに寄れるブックファーストにしか行ってないからなんですが。東京に住んでたらまた別の印象を感じるのでしょう。静かな中に大きな力を感じることができます。モチアンのドラムは静かなくせに粒がしっかりしていて好きです。

全曲がこの調子で進むので精神が未熟な私にとってはどうしても物足りない印象になってしまいますが、精神を研ぎ澄ましたいときはこのアルバムをヘビーローテーションでまわしながら作業するととても良いんじゃないでしょうか。

ちなみに私の最近のヘビロテはVingt Regards sur l’Enfant-Jesusです。

 

いっきょくめ。ぬめぬめして死ぬ

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CDレビュー: Paul Bley with Paul Motian – Notes (1987)

★★★★☆

ジャズドラマーPaul Motianのボックスセット、Complete Remastered Recordings シリーズの4枚目です。

 

こんな風に年を取りたい

まずジャケットがいいですよね。これ書いた人絵のセンスあるなぁ。すてきすぎる。

コンビを組んでいるPaul Bleyはジャズピアニスト。穏やかにキラキラした演奏を聞かせてくれます。1曲目タイトルチューンNotesは控えめでかつ豪華という味のある演奏を堪能できます。この2人、他にもコンビでいくつかアルバムを出してるみたい。

一番好きなのは6曲目のNo.3です。2人ともいろんな楽器を使って遊びまくりながらこれまたおどけた音を出し続けるのです。タンバリンや鈴、音の高いベル?のようなものなで。10年ぶりに再会した年配の友人同士が語り合ったり、一緒にバーで飲んだり、街で遊んでみたり、ちょっとしたケンカもしてみたり、、派手で目立つ曲は一つもありませんが、こんな風に年を取れたらいいな、と思わせるアルバムでした。1987年の時点ではブレイが55歳、モチアンが46歳ですね。あと15年くらいしたら、こんな風になれるのかなぁ。

3曲目Piano Solo No.1ではブレイのピアノソロ、4曲目West 107th Streetでモチアンのドラムソロを聞くことができます。

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ドラムソロ大好きです

 

 

 

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CDレビュー: John Coltrane – Soultrane (1956)

★★★★☆

ジャズの100枚シリーズ21枚目。テナーサックス奏者ジョン・コルトレーン(1926-1967)の作品です。

 

まったりのようでいて激しかった

1曲目Good Baitは非常にゆったりとした曲調ですが中盤にわけわかめのアドリブを混ぜてきて油断がなりません。音は今まで聴いた中ではキャノンボール・アダレイに次ぐぶっとさ。直感的に思いつくイメージは、ワカメです。サザエさんではなく植物の方です。

2曲目以降はレッド・ガーランドさんのピアノが冴えます。ただ肝心のサックスが達人というよりちょっと下品に聞こえてしまって、むむむと思いました。

5曲目Russian Lullabyは燃えますね。この手の曲が好きな私はまだまだミーハーなのかもしれません。コルトレーンは「20世紀のジャズ最大の巨人」と呼ばれているらしいですが現時点では特別気に入る音を出してくれません。初期の作品ということもあるのでしょうけれど。ピアノのガーランドさんは素晴らしいです。

 

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