書籍レビュー: 障害ってなおすものなの?『パーソナリティ障害―いかに接し、どう克服するか』 著: 岡田尊司

★★★★☆

 

著者の岡田尊司さんは2005年に「脳内汚染」を書いていわゆる「ゲーム脳」論で有名になった人ですね。哲学科をやめて医師になったという変わった経歴の持ち主です。

新書の割に300Pもあり分厚目ですが内容は平易で、サクサク読めます。

10種類のパーソナリティ障害

パーソナリティ障害等はDSM-IVによれば「著しく偏った、内的体験及び行動の持続的様式」です。本書では10種類のパーソナリティ障害が紹介されています。岡田さんによればそれは著しく偏ったパターンを単に列挙したものではなく、いずれも次の2点が核に存在するものである、と主張します。

  • 自分へのこだわり
  • 傷つきやすい自己

この2点が「対等で信頼しあった人間関係を築くこと」を障害している、これをパーソナリティ障害と定義しています。

具体的な10パターンは次の通りです。聞いたことがある名前もあると思います。

 

  • 境界性パーソナリティ障害
  • 自己愛性パーソナリティ障害
  • 演技性パーソナリティ障害
  • 反社会性パーソナリティ障害
  • 妄想性パーソナリティ障害
  • 失調型パーソナリティ障害
  • シゾイドパーソナリティ障害
  • 回避性パーソナリティ障害
  • 依存性パーソナリティ障害
  • 強迫性パーソナリティ障害

本書では10種類すべて解説がついています。盛り込み過ぎて1つ1つへの言及は短いような感があります。気になったパーソナリティ障害については、別途他の本を読むのが良いでしょう。

気になった累計2つ

さて私がなぜこの本に興味を持ったかと言うと、身内にパーソナリティ障害のような人がいるからです。この本を読むとどうも境界性パーソナリティ障害(+演技性?)っぽいのです。

境界性パーソナリティ障害とは簡単に言うと「最高」と「最低」を行き来する思考が極端な人です。ついさっきまで最高の気分だと思ったら、何かのきっかけで世界の終わりのようなどん底の気分に変わります。そして、その気分には持続性がありません。いわゆる「メンヘルちゃん」の類型を思い浮かべてもらえばよいです。躁鬱病はきっとこれに含まれるでしょう。

思考にグレーゾーン、中間がありません。米田先生は自閉症スペクトラムの人は思考のコントラストが高すぎるという説を唱えていたので、自己の傷つきやすさという要素が加われば境界性パーソナリティ障害に分類される確率は高いでしょう。

ちなみに最悪な気分のときに典型的な症状は自殺企図です。リスカする人とは違います。あれは死なないこと前提ですので。彼らはマジですので注意が必要です。

個人的に気になるのはシゾイド型です。絶望ちゃんセーレン・キルケゴールもこれに分類されるそうです。彼らの特徴は孤独を好み対人接触を望まないこと、しかも傷つけられるのが怖いのではなく本質的に孤独が好きだということです。欲に乏しく名声も望まない。最近私はこのシゾイド型の思考が育っててきているので、彼らの生き方は大いに参考になるのではないかと思いました。私の生涯の目標は「どうやったら老後に年100万円程度使える金を残し(もしくは稼ぎ)、その金額でいかに生存するか」です。

障害は治すものなのか

自閉症は人間の生物学的な基盤ですが、パーソナリティ障害は人間の適応上の表現型だと思いました。自閉症スぺクトラムだろうが定型だろうがどの障害にだって陥る可能性があります。さて「障害」とはなんでしょうか。それは社会生活が困難になるかどうかで判断されるようです。誤解を恐れずに言えばそれは社会から見て目障りかどうかです。本書では、10種類すべてのパーソナリティ障害について、「克服」の仕方が記述してあります。

今日、この記事を読みました。

私は「障害」を治すという考えが嫌いです。例えばこういう本です。

発達障害を治す (幻冬舎新書)

発達障害を治す (幻冬舎新書)

 

 

自閉症は漢方でよくなる! (健康ライブラリー)

自閉症は漢方でよくなる! (健康ライブラリー)

 

 

でしさんの記事には全面的に同意します。ある特性を持って生まれてきたことは社会的に不利でしょう。それを他人に「社会にそぐわないよ」と言われるのは嫌です。いや本当にそぐわないので、おっしゃる通りで反論はできないんですけど。しかし一生ものの障害を「私たち素晴らしい普通人が矯正してあげます」と言われるのはもっと嫌です。岡田さんは誠意をもって克服法を書いてくれているのでしょうけれど、「障害」をどこか「未熟なもの」とみなし「克服」すべきものとする姿勢には、どうしても背後に大多数の普通人の圧力を感じてしまうのです。それがこの本で唯一引っかかる点です。

一般的なふつうの社会生活を送りたいならそりゃあ「克服」する必要はあるでしょう。でも克服したところで根っこは変わりませんから毎日苦しいに決まってます。ストレスでおかしくなるくらいだったらはじめっから普通じゃない道を究めた方が精神的にも可能性的にもいいんじゃないでしょうか。このような道は基本的に金になりにくいので甘すぎる考えだとは思っていますが、、

 

 

参考書籍

つー訳で次はこれですね。

境界性パーソナリティ障害=BPD 第2版

境界性パーソナリティ障害=BPD 第2版

  • 作者: ランディ・クリーガー,ポール・メイソン,荒井 秀樹
  • 出版社/メーカー: 星和書店
  • 発売日: 2010/12/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 1人 クリック: 1回
  • この商品を含むブログ (1件) を見る
 

 

岡田先生も書いてました。

境界性パーソナリティ障害 (幻冬舎新書)

境界性パーソナリティ障害 (幻冬舎新書)

 

 

 シゾイドも本出てますね。

シゾイド人間―内なる母子関係をさぐる (ちくま学芸文庫)

シゾイド人間―内なる母子関係をさぐる (ちくま学芸文庫)

 

 

サイコパスも気になります。

良心をもたない人たち (草思社文庫)

良心をもたない人たち (草思社文庫)

 

 


フィスコレポートを読む セレクト 4779ソフトブレーン、3666テクノスジャパン、3341日本調剤

 

4779 ソフトブレーン(地味)

http://www.softbrain.co.jp/images/logo.gif

何をやっているか分かりにくいですが「企業の持つ営業課題を解決し売上UPに繋がるサービスを提供」と書いてあります。具体的には営業支援・顧客管理ソフト「eセールスマネージャー」と、50000人の主婦を動員した消費者目線が売りのマーケティング・営業支援サービス「フィールドサービス」が主力です。この2つがそれぞれ売上の約半分近くを占めます。

SFA・CRM・営業日報・営業支援システム|eセールスマネージャー

リテールサポート・フィールドリサーチ・店頭調査ならソフトブレーン・フィールド

 

eセールスマネージャ―は営業を徹底的に管理し効率化するツールです。

営業を見える化|SFA/CRM eセールスマネージャーRemix Cloud

経営者にとってはヨダレが出そうなツールですが営業本人に取っちゃデータで雁字搦めにされてたまったもんじゃないですね。

 

なんとPepperを営業補助に導入するそうです。それモバイルデバイスでいいんちゃう、、って思いますが。

プレスリリース | ソフトブレーン株式会社

「eセールスマネージャーRemix Cloud」のスケジュールデータから、来社予定の顧客名と担当者名を自動的に「Pepper」に表示し、来社の際、担当者に連絡が入るような仕組みを予 定しています。また、担当者が来るまでの時間に会社やサービスなどの紹介、天気や地図情報など顧客ニーズに沿った情報提供も検討しています。

 

売上の伸びは順調、利益率もそこそこです。

売上高(連結)グラフ営業利益(連結)グラフ

 

株価は利益低迷してることもあって奮わないですね。無配ですし。

f:id:happyholiday:20151018103716p:plain

 

3666 テクノスジャパン(過大評価)

くにおくんシリーズのあれとは別の会社です。

システムの総合コンサル事業からデータ解析、データマイニング、IoT、ディープラーニングなど旬の話題だけ盛り込んだ事業に展開していこうとしている会社です。

https://www.tecnos.co.jp/IR/upload_file/library_01/2015_kessansetsumei.pdf

バラ色な雰囲気ですね

 

会社自体は成長しそうですが高すぎ。。レポートには「同業他社並みのバリュエーションまで上昇が期待される」って書いてあるけどそれってPERが37→58~81倍くらいになることらしいです。それって現実味あるんですかね。

 

3341日本調剤(長期おすすめ)

日本調剤

調剤薬局チェーンです。ここの特徴は自社でジェネリック医薬品の製造まで行っているということが挙げられます。またドラッグストアのように物販はせず、調剤に特化した薬局ですので非常に1店あたりの売上高が高いです。f:id:happyholiday:20151018110603p:plain

ジェネリック医薬品は、調剤すると点数が加算されます。1調剤あたりの利益が増えます。自社でジェネリックを作ってるのですから調剤と製剤と両方で儲けられるって面白いビジネスモデルだと思いました。

また医療従事者派遣事業もここのところ大きく伸びていて、営業利益をかなり押し上げています。製剤と派遣どちらも本業と直接関係してますので、グループシナジー効果も大きいでしょう。

ただ調剤事業に投資する上での最大の欠点は2年に一度の法改正に振り回されることですね。利益率がは保険点数に大きく左右されますので、ちょっと苦しいものがあります。ここは売上高はなにもいうことない素晴らしい伸びなのですが、営業利益がドンブラコッコと揺れてます。

f:id:happyholiday:20151018110854p:plain

長期的には伸びる余地がまだまだありますので、仕込み時期が肝心ですね。2年前に投資していたら最強だったのになぁ。残念です。

f:id:happyholiday:20151018111431p:plain

一時4倍ですかすごいですね。いまは仕込み時期なのかどうかよくわかりません。5年スパンならまだ2倍になる余地があるんじゃないかと。

 

今週は日本調剤が面白いですね。ここは検討します。


CDレビュー: Metallica – Death Magnetic (2008)

★★★★★

 

メタリカ9枚目のアルバムにして最新、最後のアルバムです。

総決算を超えて次のステージへ

結論から言うと、本アルバムがメタリカの中で最も優れていると感じました。名盤と言われている3rdよりもいいです。

10曲ほとんどが7分超、しかもハズレ曲なし。長さが苦にならない上手な曲作りは本作でピークに達しています。昔あったような青臭い曲調や斜め向きのカッコつけた曲が存在せず、彼らの円熟を十分に感じさせる内容です。音量バランスは時代を反映してかなり爆音寄りになっており耳にも刺激的です。爆音のせいでバスドラがヘタクソなのがばれてしまうのですが。

何がいいって1曲も妥協が無いところです。4、7曲目はバラード要素が入っているものの決して軟派じゃないしきっちりぶっ飛ばしてます。特に7曲目The Unforgiven III は、Unforgivenシリーズは好きじゃないのになんでまた第三弾なんか作ったのかねバカねーと思ったら後半が全然別物になっていていい意味で裏切られました。

おすすめは5、9曲目です。5曲目All Nightmare Longは燃えがった後一瞬のブレークのあと入ってくる構成がカッチョいいし、9曲目Suicide & Redemptionはインストオンリー曲で、約10分を使って今までの道のりを振り返りつつさらに次の段階へ進んでいき、ラストにかけては肩肘張らない純粋なメタルを堪能することができます。

www.youtube.com

ライブ版です。マッチョオヤジナイスヒゲ46歳

 

やはり変わっていくバンドというのが私は好きなようです。もう新譜が出ることはないかもしれませんが、メタリカは面白いバンドの一つでした。

 

 

いわゆる「ビッグ4(スレイヤー、メタリカ、メガデス、アンスラックス)」については全アルバムを聞いてみたいと思っていますが、他にも気になるアーティストは沢山いるので、次回はちょっと寄り道してみようと思います。

 

ロック等の他のCDレビューはこちらです。


CDレビュー: Yes – Maginification(2001)

★★★★★

 

プログレバンド、イエス18枚目のスタジオアルバムです。

新しい試み

本作はオケを大々的にフィーチャーし全体的に美しい仕上がりとなっています。特に1、8、9曲目は大作であり構成も上手でさすがと言うしかない出来栄えです。間にいやな感じのしないポップな曲も交え、これまでのキャリアの総集編と言えるアルバムではないでしょうか。

オケも単純に盛り上げるために入れてるわけではなく、現代映画音楽のように面白い和音構成を混ぜてきたり一筋縄ではありません、これは特に8曲目Dreamtimeの後半で顕著です。

www.youtube.com

この曲は中盤の展開が今までにないパターンでこのアルバムでは一番好きです。前進していくバンドはいいですね。

もう少しびっくりさせてくれるものがあると歴代1位を付けたかもしれません。とはいえ、キャリア後半のイエスのアルバムの中では抜きんでている1枚です。

 

 

プログレッシブロックの他のCDレビューはこちらです。


書籍レビュー: 信用創造ってなんだ 『金融入門』 著: 岩田規久男

★★★★★

 

岩田規久男さんは経済学者。現在(2015年)、日銀副総裁です。任期は2018年まで。

副総裁:岩田規久男(いわたきくお) :日本銀行 Bank of Japan

本書は貨幣とは何か、というところから始まります。銀行の役割、金融とは何かの解説とその必要性、金利や金融市場とは何か、などなどを経て最終的にはマクロ経済学と金融政策にまで至ってしまう非常に射程の広い本です。専門用語のオンパレードですが繰り返しも多く、付いていくための工夫もされています。欲をいうならもっと図やグラフが多ければさらに分かりやすいのですが、ページ数の都合を考えると仕方ないでしょう。

金融ってなんですか

読んで字のごとく「金の融通」です。Aさんはお金が足りないが、Bさんはお金が余っている。Aさんは1か月後に金が入る当てがあるが、今すぐお金が入るわけではない。Bさんは金が余っているが、1か月寝かしておくのも勿体ない。そこでBさんはAさんに金を貸して、Aさんが1か月後返す時に一定の利子を取って儲けたい。

しかしAさんは本当に金を返してくれるのかどうか信用できない。夜逃げされたらおしまいだ。でもAさんの収入状況を調べるのはとても手間がかかる。Aさんからしてみても、Bさんがどんな人かわからないし暴利を要求されるかもしれない。支払いが遅れるとスマキにされて東京湾に沈められるかもしれない。

そこで登場するのが、銀行をはじめとする専門の金融機関です。調査のプロフェッショナルにより調査コストを抑え、AさんとBさんのような顧客を多数抱えてマッチングさせ、仲介料を取る仕事、それが金融だということが序盤で説明されています。この方式ならAさんは金を借りる機会が増え、Bさんは安全に資産を運用でき、銀行は仲介で儲けられる。3者が得するという関係になります。

銀行は貨幣を創造する

私全く分かってなかったんですが、銀行が会社に融資する時って、銀行が貨幣を文字通り「創造」するんですね。金を借りたい企業が銀行に行って融資を頼み、審査が終わると次のようになります。

…銀行が企業Aに100万円貸し出すとしてみよう。銀行はこの貸し出しを、企業Aに預金口座を開設させ、その預金口座に100万円だけ入金することによって実行する。この企業Aへの預金口座の入金は、単に、企業Aの預金口座に100万円と印字するだけであり、銀行は1円の現金も必要としない。

えー!!!知らなかった!!!てっきり、銀行は顧客が預けた金全額がプールされていて、そこにある金額を上限として貸し出せるんだと思ってました!

信用の力で金が生まれる

もう少し読み進めていくと謎が解けました。銀行には顧客の預金全額が常に存在するわけではありません。顧客の数が多ければ、顧客が預けている金の何%かを持っていさえすれば日常の引き出しには十分応じることができますので、銀行にある現金は少ない量でよいのです。残りは貸してしまって利子をつけ儲けることができます。なので、上記のような「突然預金が100万円増えた」なんてことをしてしまっても、顧客が日常使用する金額さえ銀行内に存在すれば業務が十分成り立つわけです。こうして銀行は貨幣を創造し、利潤を極限まで高めます。この創造機能が信用です。そこに存在しない金をあたかも存在するように変える、「ない」を「ある」に変換する機能が信用だと言えます。

「あの銀行はやばい」という噂が流れるとこの信用が崩れ、顧客が預金を引き出しまくると銀行は潰れます。顧客が預けているお金全部が銀行にあるわけではないからです。信用は現物を遥かに超える量のお金を生み出しますが、前提が崩れると何もかも無くなります。危ういですね。

他にも、今私が金を借りている消費者金融、すなわちノンバンクは何故~銀行系列って言うのかなと思ってましたが、それはノンバンクが必ず銀行に金を借りて営業しているから、でした。ですのでノンバンクは金の又貸しです。親玉の銀行に利子を払わなければいけませんので、金利が高いのは当たり前というわけです。

基本的なことで知らないことだらけだったので、非常に良い本でした。1999年に発行された本ですが古さが気になりません。90年代ですからバブル崩壊はストック過剰の調整だった、などの考察も載っています。おすすめの1冊です。岩田さんが今の国債や手形を買いまくる量的緩和をどう思っているか、知りたいものです。

 

 

関連書籍

わかりやすかったので、次はこれを読んでみようと思います。

国際金融入門 (岩波新書)

国際金融入門 (岩波新書)

 

 

推進派でしたか。

リフレは正しい アベノミクスで復活する日本経済

リフレは正しい アベノミクスで復活する日本経済

 

 

 これも面白そうですね。

昭和恐慌の研究

昭和恐慌の研究

 

 

金融と言えばこれ。以前立ち読みしたことがありますが、この本を読んでからにすればよかったと後悔しています。またゆっくり読みたい。

ナニワ金融道 文庫 全10巻 完結セット (講談社漫画文庫)

ナニワ金融道 文庫 全10巻 完結セット (講談社漫画文庫)

 

 


CDレビュー: The Rough Guide to Calipso & Soca (1999)

★★★★★

 

ラフガイドシリーズを手あたり次第聞いてみる枠、今回はカリプソとソカです。

カリプソってどんなプソ?

カリプソとはそのまんまカリブ海の音楽です。レゲエをちょっと早くしてマイルドにした感じかなぁと思っていたらやっぱりレゲエのルーツだそうですよ。

ソカはソウル+カリプソから分岐したもの。16ビートをきつくしてディスコ的要素が強化されておりタバスコをかけたようにラテン風味が増しています。こちらはトリニダード・トバゴが発祥だそうです。本アルバムだと9曲目以降がソカ、8曲目までがカリプソです。

 

私はカリプソが好みです。何となくしか歌詞が分からないですが8曲目Voices From The Ghettoなんて歌詞これめちゃめちゃシビアなんじゃないのかなと感じたので調べてみたらやっぱりきついものでした。

The sun rises slowly over the hills,
Everywhere is golden sunlight but still
Most nights with sad tales are crowded
Their days with dark clouds are shrouded
They don’t smile and they never will,
Only vultures get their fill.
Empty promises is what they hear
No running water from year to year
Hearts that know one desire –
That if there is a Messiah,
Someday He’d hear their whispered prayer.

Cupboard always bare and scanty
Ten people in a one-bedroom shanty
Forced to sell on the pavement
No vacancies, no employment
Can’t tell firecracker from gunshot
Blood does flow when things get hot
Ah ‘fraid to look out mih window
To hear voices from the ghetto…

[Crying,] crying [crying] ay Lord, Lord [crying] crying, voices from the ghetto
[Crying,] crying [crying] Lord, Lord, Lord [crying] aye ay, voices from the ghetto
Help us Father! Oh, Lord!

www.youtube.com

 

マジで夢も希望もありませんが曲を聴いていただければわかるように、めちゃんこ明るいです。そしてSandraさんのこの恰幅のよさ。素晴らしいですね。どんな状況でも明るくなれそうです。

この曲に限らずカリプソは社会的メッセージの強い曲が多いようです。

 

4曲目Cyar Take Datもよかった。

www.youtube.com

歌詞の一部を見つけたので貼っておきます。こちらも骨太です。

I work my finger to the bone for me country
I squeeze blood out of stone for me country
The people in authority
mashing up my family
So much a years that we sweat and toil
Is we blood and tears what till the soil
But we still suffering
And we children can’t see the way, hey
I wake up in the morning and it’s more unemployment
I cyar take dat
I wake up in the morning and it’s more retrenchment
I cyar take dat
When they going to stop all this humiliation
I cyar take dat
Wake up in the morning more frustration
I cyar take dat…No!

Ain’t taking that, so
People ain’t taking that (x4)

 

 

ラフガイドシリーズだけでは芸が無いので、ちょっと気になる変なアーティストを発掘しました。次回それを聴いてみます。

 

ワールドミュージックの他のCDレビューはこちらです。


書籍レビュー: 苦しいことは良いことだ 『力学 (物理入門コース1)』 著: 戸田盛和

★★★★★

物理入門という触れ込みだが。。

12年ぶりに物理の勉強本です。目標は学士卒業くらいの知識をつけること。理由は知らないことが嫌だからです。

市内の図書館にあったので、次にどんな勉強が必要か目を通して調べるためにとりあえず取り寄せてみたのですが、数学入門を読んで微積分をなんとなく思い出したのでもういいかな?と思って試しに読んでみました。

大学初年度向けの初心者向けという触れ込みだったのですが12年も経つと数式は忘れていて難しすぎ!微積分の公式はなにも説明なしでポンポン使われるし微分方程式も「~の解は~なので~」と勝手に解いてしまうし苦しいよう。1982年の本なので、当時の大学1年生にとってはちょろい本だったのでしょうが、私達ゆとり一歩手前の世代は微分方程式なんて知らんよ、数学入門でもついてくのヒーコラだったよ、と思いつつ苦行だと思ってなんとか読み通すことはできました。高校では習わないベクトルの外積を1から定義してくれていたので助かりました。

読むのが苦行というのは頭を使うということですから苦しんだ分効果は非常に高くしかも達成感のあるもので、終盤の剛体の運動のところではバットにどのようにボールを当てると手に衝撃が加わらないのか、という問題やビリヤードの問題などとても面白い例題が書かれていて、なんとか理解できた時にはエキサイトしました。

一番面白かったのは歳差運動ですね。なぜ地球ゴマの円盤が周りコマ自体も別の運動をするのか、ということが明らかになります。

歳差 – Wikipedia

さらに地球の歳差運動を別の原理で導き、地軸は僅かな速度で回転していて、1万年くらいすると北極星から外れてしまうということを導いたときには感動しました。天体論は必ずスケールのでかい話になるので心がぶわっと広がります。そういえば大学時代の知り合いに天文部の部長がいました。彼が天体に惹かれる理由が分かった気がします。彼の名前を思い出したので検索してみたら、宇宙学者ではなく、塾講師になっていました。。

https://www.youtube.com/watch?v=xHK_ppa7vk8

当時よりも声が高くて喋るのが早い。元気にしていたようでよかった。

 

一般的なことを言うと、高校のときに数学と物理で受験した人ならきっと読めます。大学1年の授業と並行するもよし、春休み中に読むもよし。それでも高校とはかなりギャップがありますのでこれで慣れておくのは有効です。

 

 

参考文献

さて教科書っていうのは得てして内容が詰まり過ぎているので何回でも読まなきゃいけません。本書も3回は読み返したいのですが今日が返却日だったので残念ながら手放さざるを得ませんでした。そういう意味で図書館で借りたのは失敗でした。買わなきゃダメ。

私が教科書にしたいのはこの本です。

ファインマン物理学〈1〉力学

ファインマン物理学〈1〉力学

 

ところがこの本5分冊で1冊3000円以上もするのです。痛い。ところが検索しているうちになんと、原書が全文web公開されていることが分かりました!!

The Feynman Lectures on Physics

うおおカルテック(カリフォルニア工科大)すばらしい!神!というわけでこのサイトの記述を何度も読み返すことにします。時間かかりそう。

 

その前に数学を復習しないと話になりません。理工書は荷物を減らすため一度大半を売ってしまいました。今思うと愚行です。一冊だけ残っていたこれで復習をするつもりです。

解析入門 原書第3版

解析入門 原書第3版

 

 

 

 


CDレビュー: Paul Motian Trio – One Time Out (1989)

★★★☆☆

 

ジャズドラマーPaul MotianのComplete Remasteredシリーズ5枚目です。6枚目はEnrico Pieranunziさんのボックスとかぶっているので実質最終アルバムとなりました。

混沌としすぎ

本アルバムもかなりフリーに偏ったジャズです。1曲目One Time Outからして意味不明です。ていうか、トリオなのにドラムとサックスとギターってなんだよ。ベースとなる音など全く存在せず、なんだかよくわからない音の群れがそこら中に散らばっているような印象を受ける曲でした。

2曲目If You Could See Me Nowもベース音が無いためしっとりしているようで中空のような印象、ハンカチが空に舞ってますねぇ。

前2枚に続きBill Frisellのギターが入りますが、本アルバムでは切なさ成分がありません。全然和音を弾いてないからかもしれません。

わけわかりません、という印象以上のものを掴むことができませんでした。私にはフリージャズはまだ早いのかもしれません。でもAnthony Braxtonさんのアルバムは時々ツボったんだよなあ。波長が合わなかっただけなのかもしれません。

 

4曲目。一番混沌してる

www.youtube.com

 

次の現代ジャズ枠はちょっと趣向を変えてみようと思っています。

 

 

ジャズの他のCDレビューはこちらです。


数独ソルバー続々

昨日も数独ソルバー野続を作業していましたが、もう無理だ!プログラムにバグがあって必ずフリーズしてしまう!と頭がパンクして、昨日は京王のダイヤDBを作って眺める作業に逃避してしまいました。

疲れたので答え見てやる!とweb検索すると引っかかったのが次のサイトでした。

nihemak.hatenablog.com

例えば空のマス目の数が30、そこに入る候補の数の平均が4になるとすれば探索範囲数は下記のようにしぼられます。(これでも処理時間は相当かかります。)
 42391158275216203514294433201(9の3乗)→1152921504606846976(4の30乗) 

ああ、これは時間がかかるのも当たり前ですね。9*9のマスしかないならブラウザ上でも処理時間は全然かからないでしょ、と思っていたのが甘かった。天文学的数字になるんじゃしょうがないです。

私がとった方法は「候補が複数あればそれに応じて分岐を作成、数字を入れていって矛盾があればその分岐は無効、最後まで残った分岐を採用」というやり方ですが、これは分岐が天文学的数字になってメモリも処理時間もバカみたいに食います。で、ブラウザに「反応が無いですよ」と言われてしまってアウトとなりました。

この記事を読んで、数独ソルバーというのはルールの実装は実に単純なので「いかにして処理の無駄をなくし正解を素早く見つけるか」が勝負になるということがわかりました。

来週もチャレンジしてみよう。

 

10行で解くおそろしいコードもあるらしいです。すごい

 

ブラウザ上で実用になる程度のjavascriptのコードが書けたら自分としては満足です。

 

(追記)K, Perl, Rubyなら2行なんてバカみたいなコードもあります。世界広すぎ

ShortestSudokuSolver


フィスコレポートを読む セレクト 3680ホットリンク、3076あいホールディングス

 

3680 ホットリンク(ギャンブラー向け)

hottolink

今流行りのビッグデータを取り扱う会社です。何のデータを扱うかと言うとtwitterやfacebook、weiboなどのソーシャルメディアや、2chも分析対象に入っているそうです。

これらを分析してアウトプットたる企業に売りつけるデータは何かというと、

クチコミ@係長

クチコミ@係長 | 業界No.1ソーシャルメディア分析ツール | 株式会社ホットリンク

画像でかいですね。

 

http://www.hottolink.co.jp/wordpress/wp-content/themes/hottolink/2015/img/service/kakaricho/index/fig01-03.png

口コミ情報を企業に提供するそうですよ。マーケティングにご活用ください、月額料金10万円~。ビッグデータという割にはすごく役に立つのかどうか分かりません。

もういっちょ

http://www.hottolink.co.jp/wordpress/wp-content/themes/hottolink/2015/img/fig-service-emining-promo.png

導入実績No1リスクモニタリングサービス「e-mining」 | 株式会社ホットリンク

リスクマネジメントという触れ込みですので、主に風評被害を事前にキャッチするためのツールのようです。これも月10万円~。

アメリカのSocialgistという会社を買収したため、来期の売上が突然2倍になるそうです。Socialgistは世界中のブログや掲示板などのデータを漁って解析する企業です。世界で唯一weiboのデータにフルアクセスできることが強みだそうです。ここの買収に伴うのれん償却やライセンス料発生で2Q決算は売上高の1割を超える特大の営業赤字となりました。でも期末予想は強気の変更なし。大丈夫なんでしょうか。ちなみに株価は予想利益ベースでも63バイト高すぎです。ギャンブル性が強いですね。

3076 あい ホールディングス(ブラックボックス)

あいホールディングス株式会社

セブン&アイではありません、あいです。景品表示法に引っかかりそうですが問題ないようです。

事業は7つと多岐に分かれていますが稼ぎ頭は監視カメラなどのセキュリティ機器事業、診察券発行などのカード機器事業、カッティングマシン・ラベルプリンタなどを作成する情報機器事業です。

いずれも非常に独自性が高いからなのか、利益率が非常に高く直近の2015年6月期決算では17.2%を記録してます。しかも2期連続で30%以上の成長率、脅威ですね。

成長産業はまずセキュリティ機器。監視カメラの需要は高まる一方で、特に賃貸マンションや大手企業(食品偽装や進研ゼミ漏洩などのせい)への需要が期待されています。

カード機器事業も地方銀行でキャッシュカード発行機の需要が高まりつつあるらしく、急成長中です。さらに、情報機器事業はカッティングマシン(個人向けペーパークラフト作成用らしい)の消耗品類の売上+新規顧客開拓が貢献し、来期は45%の伸びを見込んでいるそうです。

主力産業が全部成長産業である上に、同社はM&Aで有力な企業を取り込みさらに成長を続ける方針だそうです。

来期の予想が非常に控えめな成長率2.4%ですが売上は25.8%増を見込んでいます。おそらく大きなM&Aをするのでしょうがここの欠点は企業のサイトがテキトーで今後何をやるのかさっぱりわからないことです。もっとIRサイトを充実してもらいたいものです。

総合的に見ると企業を見る目と成長性はありそうだが内情がよくわからないので気持ち悪いという印象です。経営陣を信頼できるなら買ってもいいかもしれません。

 

 

ホットリンクは面白いですが投資対象としてはかなり危険でした。あいホールディングスは筋がよさそうですがIRが貧弱なのが残念です。また来週。

 

来週注目している決算は次の通りです。

10/13

4645 市進ホールディングス 2Q (塾業界その2)

10/14

3048 ビックカメラ 本決算 (BS11の元親分)

3387 クリエイト・レストランツ・ホールディングス 2Q (M&Aで巨大化する外食)

7581 サイゼリヤ 本決算 (高成長外食)

10/15

2930 北の達人 2Q (持ってます。マーケティングの雄)