書籍レビュー: 苦しいことは良いことだ 『力学 (物理入門コース1)』 著: 戸田盛和

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物理入門という触れ込みだが。。

12年ぶりに物理の勉強本です。目標は学士卒業くらいの知識をつけること。理由は知らないことが嫌だからです。

市内の図書館にあったので、次にどんな勉強が必要か目を通して調べるためにとりあえず取り寄せてみたのですが、数学入門を読んで微積分をなんとなく思い出したのでもういいかな?と思って試しに読んでみました。

大学初年度向けの初心者向けという触れ込みだったのですが12年も経つと数式は忘れていて難しすぎ!微積分の公式はなにも説明なしでポンポン使われるし微分方程式も「~の解は~なので~」と勝手に解いてしまうし苦しいよう。1982年の本なので、当時の大学1年生にとってはちょろい本だったのでしょうが、私達ゆとり一歩手前の世代は微分方程式なんて知らんよ、数学入門でもついてくのヒーコラだったよ、と思いつつ苦行だと思ってなんとか読み通すことはできました。高校では習わないベクトルの外積を1から定義してくれていたので助かりました。

読むのが苦行というのは頭を使うということですから苦しんだ分効果は非常に高くしかも達成感のあるもので、終盤の剛体の運動のところではバットにどのようにボールを当てると手に衝撃が加わらないのか、という問題やビリヤードの問題などとても面白い例題が書かれていて、なんとか理解できた時にはエキサイトしました。

一番面白かったのは歳差運動ですね。なぜ地球ゴマの円盤が周りコマ自体も別の運動をするのか、ということが明らかになります。

歳差 – Wikipedia

さらに地球の歳差運動を別の原理で導き、地軸は僅かな速度で回転していて、1万年くらいすると北極星から外れてしまうということを導いたときには感動しました。天体論は必ずスケールのでかい話になるので心がぶわっと広がります。そういえば大学時代の知り合いに天文部の部長がいました。彼が天体に惹かれる理由が分かった気がします。彼の名前を思い出したので検索してみたら、宇宙学者ではなく、塾講師になっていました。。

https://www.youtube.com/watch?v=xHK_ppa7vk8

当時よりも声が高くて喋るのが早い。元気にしていたようでよかった。

 

一般的なことを言うと、高校のときに数学と物理で受験した人ならきっと読めます。大学1年の授業と並行するもよし、春休み中に読むもよし。それでも高校とはかなりギャップがありますのでこれで慣れておくのは有効です。

 

 

参考文献

さて教科書っていうのは得てして内容が詰まり過ぎているので何回でも読まなきゃいけません。本書も3回は読み返したいのですが今日が返却日だったので残念ながら手放さざるを得ませんでした。そういう意味で図書館で借りたのは失敗でした。買わなきゃダメ。

私が教科書にしたいのはこの本です。

ファインマン物理学〈1〉力学

ファインマン物理学〈1〉力学

 

ところがこの本5分冊で1冊3000円以上もするのです。痛い。ところが検索しているうちになんと、原書が全文web公開されていることが分かりました!!

The Feynman Lectures on Physics

うおおカルテック(カリフォルニア工科大)すばらしい!神!というわけでこのサイトの記述を何度も読み返すことにします。時間かかりそう。

 

その前に数学を復習しないと話になりません。理工書は荷物を減らすため一度大半を売ってしまいました。今思うと愚行です。一冊だけ残っていたこれで復習をするつもりです。

解析入門 原書第3版

解析入門 原書第3版

 

 

 

 


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