CDレビュー: Opeth – Orchid(1995)

★★★★☆

 

久しぶりのレビューです。

最新アルバムが気に入っているスウェーデンのメタルバンドOpethのファーストアルバムを聴いてみました。以前は曲を風呂で聴いていましたが、いまは朝に家事をしている時に聴いています。

重厚で長大、演奏も上手と三拍子そろった優れたバンドなのですが、デスボイスがヴォーーヴォーーすぎてちょっと苦しい。私には合わないので★-1です。

しかし2曲目Under The Weeping Moonの後半、いきなりクリーンボイスに切り替わると同時に空間まで切り替えるような演出には驚きました。他にも似たような演出が行われる箇所があります。もう全部ふつーの声で歌ったらええんちゃう?

www.youtube.com

 

 

 

 

 


CDレビュー: DakhaBrakha – Na dobranich(2006?)

★★★★★

 

自称エスノカオスバンドDakhaBrakhaのライブアルバムです。DAKH Theatreという自前の劇場で行ったコンサートだそうで、観客の拍手の数からするとこまばアゴラ劇場のような小劇場なのではないかと思います。

 

会場のサイト

Contemporary Art Centre “Dah”. Saga : Theatre

 

全18曲78分とかなり長いですが、大半が1stアルバムYahudkyとかぶっています。1曲目からものすごく印象の強いNa Dobranichで始まりますので初めてきくとビビります。嫌この曲は何度聞いても見事ですね。呪術的ブラックエネルギーをよくここまで洗練できたもんだと思います。演奏はアルバム版とは異なりますがこっちの方がいいかも。

民族的な打楽器を多用、女性ボーカルの酩酊を招くこと必至の、というか彼女たちが酩酊してるんじゃないかというような雄叫びのような歌声はとても魅力的です。これを商業施設で流してみたい。

アルバムとかぶってない曲では、15曲目Tataryn-bratkoや17曲目Rapが打楽器全開で全員はじけまくっていて好きです。ウクライナのお祭りではこんな曲をかけていたのかな、楽しそうですね。いいアーティストを発掘できて嬉しい。

 

本アルバムは市販されていません。↓ここで全曲聞けます。ダウンロードも可能。

DakhaBrakha official site – ДахаБраха офіційний сайт

 

ワールドミュージックの他のCDレビューはこちらです。

 

さて、引越まであと2週間となってしまいました。考えることが多すぎて頭がパンクしそうです。仕事にも支障が出てきたし、風呂で音楽を聴いても心の中に入りづらくなってきたので、聴くことをやめます。再開するのは生活が落ち着いてから、おそらく年末ごろになるのではないかと予想しています。本はまだ積読となっているものが数冊あるので、それらを読んだら中断します。twitterで毎日行っている聖書通読も一旦ストップです。


CDレビュー: Jaga Jazzist – Stix(2003)

★★★☆☆

 

ノルウェー発前衛ジャズ集団Jaga Jazzistの3枚目のアルバムです。前2枚よりもエレクトロな方向に流れており、特に2-3曲目なんかまるで音ゲー風味です。ビートをきつくしすぎたのでジャズ的要素がかなり薄められてしまい、かといって即興的要素が豊富なわけではないのでなんだか中途半端です。エレクトロ系ならもっと独創的なアーティストがたくさんいるので。。

ただ8曲目I Could Have Killed Him in Sauna(何故にサウナ!?)は斬新でしたね。これ1曲だけがヒットです。前半はよくあるエレクトロニカなんですが、突然ギターとドラムが入ってきてからの中~後半の足がふわふわと浮きそうなリズムと変な和音がとてもよいです。

www.youtube.com

 

 

ジャズの他のCDレビューはこちらです。


CDレビュー: Sonny Rollins – Way Out West(1957)

★★★★★

ジャズの100枚。シリーズの25枚目です。

Sonny Rollins – Saxophone Colossus(1956) – 六帖のかたすみ

に引き続き2回目の登場。あれ、音が全然違うぞ。。?全体を通して柔らかくて気持ちの落ちつく演奏が続きます。燃える曲はありませんが、疲れたときに聴くと精神が大いに安定しそうです。今後お世話になるかもしれません。

 

2曲目Solitudeがいいですね。右側から流れるベースも神業です。

www.youtube.com

 

 

ジャズの他のCDレビューはこちらです。


CDレビュー: Oliver Messiaen Complete Edition – Apparition de l’Eglise Eternelle, La Nativite du Seigneur(CD8)

★★★★★

 

8枚目からはオルガンです。メシアンはパリ高等国立音楽院でオルガンも専攻したオルガニストでもありました。教会のパイプオルガン向けの作品ですのでみな神をたたえる曲ばかりです。本CDの収録曲の邦題は「永遠の教会の出現」「主の降誕」です。ものものしいですね。

パイプオルガンと言えば私の年代で馴染みがあるのはFF6のタイトル画面の曲です。この曲、とても好きでした。

www.youtube.com

 

この曲をめちゃんこ豪華にしたのが1曲目の「永遠の教会の出現」です。ぜひ大音量でお楽しみください。

www.youtube.com

いや~これ生で聞いたら悶絶するな。荘厳過ぎ。

 

CDの大部分は二曲目の「主の降誕」が占めています。こちらは組曲で、

  1. 聖母とみどり児
  2. 羊飼いたち
  3. 永遠の摂理
  4. 御言葉
  5. 神の御子たち
  6. 天使たち
  7. イエスは苦しみを受けたもう
  8. 東方の三博士
  9. 神はわれわれのうちに

というわかりやすいキリスト誕生の物語になっています。西洋人の神フリークっぷりには毎回頭が下がる思いです。ラスト「神はわれわれのうちに」が一番起承転結がハッキリしていて面白いと思います。

Messiaen – Dieu parmi nous (Organ @ Rouen,France) – YouTube

うまく貼れないのでダイレクトリンクです。

 

残りのオルガン曲もみごとにみなキリスト賛歌ですね。教会で弾くから当たり前っちゃ当たり前ですが。次回も楽しみ。

 

 

クラシックの他のCDレビューはこちらです。


CDレビュー: Horowitz In Moscow (DG111 CD24)

★★★★★

DG111シリーズの24枚目です。ウラジミール・ホロヴィッツ(1903-1989)というと名前を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。彼は天才的ピアニストで、定番のユダヤ人です。

彼のアルバムは何度か聞いたことがありますが、ものすごく失礼ながら爆音お笑い系ピアニストだと思っていました。いや本当に笑っちゃうくらい音でかかったんですよ。

このアルバムは1986年の録音ですので、83歳。すげえですねこの年で弾けるなんて。爆音はさすがに鳴りをひそめ瞑想の向こう側と言った音を出してます。でも時々爆発する。すごい。

2~4曲目のモーツァルトのキラキラ曲が妙に情感豊かです。誰にも真似できない表情の付け方。

www.youtube.com

 

後半のダイナミックな曲もいいですが、1曲目のスカルラッティのソナタのような簡素なもいいです。ライブ映像付き。手デカすぎ。

www.youtube.com

 

 

 

クラシックの他のCDレビューはこちらです。


CDレビュー: Hilary Hahn(Vn), Bach – Concertos (DG111 CD23)

★★★★☆

DG111シリーズの23枚目です。珍しく比較的最近のアルバムでした。2003年発売。

バイオリニストのヒラリー・ハーン(1979-)さんはドイツ系アメリカ人。ユダヤ人ではありません珍しい。演奏当時は20代前半とかなりの若手ですね。曲は全部バッハです。バッハのアルバムは今仕事中に無限ループしてますので今日まで通った歯医者のBGMがバッハだったりするとそれだけで燃えるくらい好きです。

ハーンさんのバイオリンは上手ですね。氷の上を滑っていくような音を出します。バッハの個人的なことについては全然知らないので想像で書くしかありませんが、彼は神に何百曲もの大量のカンタータをささげるような人間ですのでこれらの曲にも宗教的敬虔さが籠められているはずです。なのでこんな透明に演奏すると熱狂的とか一途さとかそういうことからは離れているように思います。近代都市的清潔さ、環境音楽的に楽しんで聞く分には優れていますが、自分としては、もうちょっと狂ったようなって言うか、パッションがほしいなあ。これはこれでありなんだけれども。

 

www.youtube.com

やっぱ曲から受けた印象通り、雪の女王って感じでしたね。

 

 

 

ドイッチェグラモフォンのベスト盤であるこのボックス、2009年に出たものなのですが今年の12月に再販されるされるみたいですよ。

111 the Collector's Edition

111 the Collector’s Edition

 

ボックスセットは良いです。1枚当たりの単価が安いしいつまでも聞き続けられます。今のペースだと5年くらい聞けるんじゃなかろか。このシリーズ、当ブログで1枚目からずっと取り上げていますがおおむね好評価です。

 

 

クラシックの他のCDレビューはこちらです。


CDレビュー: Ametsub – All Is Silence (2012)

★★★★★◖ฺ|´⌣`*|◗·˳♪⁎˚♫

 

Ametsubさんの最新作です。これまでの特徴である斬新な繰り返し+切ない音場という要素を極限まで洗練させ、自然音などのサンプリング音を多用するようになってさらに北の果てまでぶっ飛んで行った感のあるアルバムです。音のセンスが良すぎる。壊れやすそうなのに大胆です。

おすすめは3曲目Blotted Out。曲調はどんどん移り変わっていきますが中盤~ラストにかけてキンキンに冷やされること間違いなしです。

www.youtube.com

 

10曲目Over 6633も好きです。自然音(風?)が大幅に取り入れられた実験的な、迫力のある曲です。

www.youtube.com

 

また新譜出してほしいですね。楽しみです。

 

 

さて日本人アーティストのストックが切れたので、次はこのシリーズをさかのぼって聞いていこうと思います。わたしは邦楽を知らなさすぎるので、日本語のものも聞いていきたくなりました。90年代以降?しりません

青春歌年鑑 1990

青春歌年鑑 1990

  • アーティスト: オムニバス,JITTERIN’JINN,久保田利伸,JUN SKY WALKER(S),チェッカーズ,高野寛,UNICORN,B.B.クィーンズ,米米CLUB,たま,PRINCESS PRINCESS
  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2000/11/22
  • メディア: CD
  • 購入: 1人 クリック: 15回
  • この商品を含むブログ (5件) を見る
 

このシリーズ、昭和1桁まであります。すごいです。

 

 

電子音楽の他のCDレビューはこちらです。


CDレビュー: Electric Wizard – Come My Fanatics…(1997)

★★★★★

 

Electric Wizard2枚目です。1枚目と比べると重低音と曲の「遅さ」が際立ちます。

1曲目Return Tripが一番やばい。やばすぎます。この1曲でお腹一杯。

www.youtube.com

ただ苦しんでいるだけのヴォーカル、胃の内容物を上に押し上げる効果しかなさそうな低音強調し過ぎのギター*2とベース、そしてずっと泣いているドラム、、この苦しみはいつまで続くのか、10分これを演奏し続けるなんてホンマモンのアホですな。

3曲目Doom Mantiaも聞いていると魂が遊離しそうです。4曲目Ivixor B/Phase Inducerも頭がどうかしている。

このアルバムの怖いところは、よく若いモンが背伸びしてカッコつけてタバコ吸っちゃうもんねーっていうような痛さが全く見えない、ごく自然にプレイしているところだと思います。日常なんでしょうねこれが。

 

 

ロック等の他のCDレビューはこちらです。


CDレビュー: Yes – Heaven & Earth (2014)

★☆☆☆☆

 

イエス最新アルバム。20枚目です脅威ですね。よくこんなに出せたもんです。

しかし、、薄い!薄すぎる!タンパク質が半分以下になったトモエ乳業の低脂肪乳って感じ!つまらなさすぎて1曲も印象に残る曲がありませんでした。残念。全く付けるコメントもありません。最後の最後でこれは悲しすぎる。

 

 

 

次回から、最新アルバムのPale Communionが非常に良かったスウェーデンのOpethというバンドのアルバムを順番に聞いていこうと思います。

 

 

プログレッシブロックの他のCDレビューはこちらです。