★★★★★
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741)といえばバロックの巨匠、IIDXにもいましたね。クラシックの随分初期の人なので制限が多く同じような曲ばっかりなのでは、という不安は一聴してすぐ消え去り、とても美しい1枚でした。彼はヴァイオリニストだったので、ヴァイオリン協奏曲を膨大に残しています。wikipediaに書いてあるだけで25曲。バッハといい昔の作曲家は多作ですね。超絶技巧が必要な曲もいくつかあります。ソロのGiuliano Carmignolaさんも上手。安心して何度も聴けそうな1枚。
<クラシック>
75 Jahre Donaueschinger Musiktage 1921-1996 (CD7) Iannis Xenakis, Jörg Herchet, Vinko Globokar, György Ligeti
★★★★☆
1曲目は弦の壮大な無駄遣い。大音量で聞くとそれはもうたまらないトリップ感が得られること間違いなし。ここで少し聞けます。
3曲目もタイトル通り実験室の中のような曲で、やっつけ感があふれていて楽しい。ここで3分だけ見られる。指揮者がいるのか!?なおフルバージョンでは中盤から謎のドイツ語のナレーションがあちこちを行ったり来たりしてとてもよい。
Track List 1 Ata, for 89 musicians Iannis Xenakis 2 Composition for baritone (voice), trombone & orchestra Jörg Herchet 3 Laboratorium 1973 Vinko Globokar 4 Lontano, for orchestra György Ligeti
Great Pianists of the 20th Century Vol.4 – Claudio Arrau I (CD2)
★★★★★◖ฺ|´⌣`*|◗·˳♪⁎˚♫
2枚目はブラームス集。1-2曲目はパガニーニの主題による変奏曲で、有名なパガニーニの奇想曲24番をひたすらアレンジしまくった大作。この曲はリスト、ラフマニノフといった人外ピアニストたちも編曲しており、現代ではビーマニに収録されるほど熱狂的なファンが多い。ブラームス版は超絶技巧を多用しているらしいが、アラウさんの演奏は全く苦しさを感じさせず、柔らかい。ソフト。なんという安定感。しかもかっちょいい。
3曲目はピアノ協奏曲第1番。イントロが私の大好きなダサカッコ良い境地で、いまさらながらブラームスは超がつくくらいの正統派なのだと感じた。第一楽章中盤のクライマックスゾーンは個人的なここ数日の憂鬱さが吹っ飛ぶ爽快感をもたらしてくれたので、このCDは今年一番のお気に入りです。最高。
Track List 1 Johannes Brahms: Variations on a Theme by Paganini, Op.35 - Book 1 13:57 2 Johannes Brahms: Variations on a Theme by Paganini, Op.35 - Book 2 11:23 3 Johannes Brahms: Piano Concerto No. 1 in D Minor, Op. 15 - 1. Maestoso - Poco piû Moderato 24:04 4 Johannes Brahms: Piano Concerto No. 1 in D Minor, Op. 15 - 2. Adagio 15:42 5 Johannes Brahms: Piano Concerto No. 1 in D Minor, Op. 15 - 3. Rondo (Allegro non Troppo) 12:49
Great Pianists of the 20th Century Vol.4 – Claudio Arrau I (CD1)
★★★★★
クラウディオ・アラウ(Claudio Arrau León 1903年2月6日 – 1991年6月9日)はチリ出身のピアニスト。最晩年まで活動をつづけた巨匠らしい。この人の演奏だけで2枚組が3セット組まれている。
1セット目1枚目は新旧織り交ぜたピアノソロで、リストの作品が多い。前半は若いころの演奏のためか、録音が悪いためか、私にはあまり合わなかった。しかし後半のリストの曲集はもう素晴らしいの一言に尽きる。この人は絶対に汚い音を出さない。リストの曲なんて爆音推奨、作曲した当人もドンチャン鳴らしていたと思われるのに、綺麗に演奏する。難しいはずなのに。ラスト2曲が特に光っている。プッシュしない、押し付けない演奏のため、キラキラした輝きだけが目立つ稀有な演奏。
Track List 1.Mily Balakirev: Islamey 7:37 2 Franz Liszt: Spanish Rhapsody 9:24 3 Johann Sebastian Bach: Chromatic Fantasy and Fugue 11:01 4 Isaac Albéniz: Iberia (Book I) - Evocatión 5:44 5 Isaac Albéniz: Iberia (Book I) - El Puerto 4:07 6 Isaac Albéniz: Iberia (Book I) - Fête-Dieu à Seville 7:04 7 Franz Liszt: Bénédiction de Dieu dans la Solitude 19:08 8 Franz Liszt: Les jeux d'eaux à la Villa d'Este 8:44 9 Franz Liszt: Chasse-neige (Ètude d'execution Transcendante No. 12) 6:04
75 Jahre Donaueschinger Musiktage 1921-1996 (CD6) Brian Ferneyhough, Mathias Spahlinger, Hans Zender, Hanspeter Kyburz, Pierre Boulez
★★★★★
1曲目がすごい!!16人の声で時間と運動?を表現しているらしい。練習させられる方はたまったものではない。みんなプロの声楽さんだろう、時々人間を超えた音を出さなければいけなかったり、どう聞いてもやけくそ気味な声を出していたりする。
Time and Motion Study III (1974) for 16 voices, percussion and electronics, – Ferneyhough, Brian – free listen online, download mp3
ここで視聴できる。なんと楽譜がある。耳で聞くとただのカオスにしか思えないのに、精緻に作りこまれた曲ということが分かる。一体どういう頭の中になっているんだ。
3曲目はタイトルから察するに日本通の人が作曲したと思われる。調べてみると「無字の経」というらしい。仏教が分かっていないとだめだな。こういう人は日本人より日本に詳しいんだよなぁ。ピアノと弦の難解な演奏に合わせて西洋人が謎の日本語を連発するという内容。お経なのかもしれない。
Track List
1
Time and Motion Study III
Brian Ferneyhough2
und als wir für 54 Streicher
Mathias Spahlinger3
Muji no Kyo, for voice, flute, cello & keyboard
Hans Zender4
Cells, for saxophone & ensemble
Hanspeter Kyburz5
Tombeau (5th part of “Pli selon pli”), for soprano & orchestra
Pierre Boulez
Igor Stravinsky, Pierre Boulez (Cond), The Cleveland Orchestra : Petrouchka; Le Sacre du Printemps (DG111 CD 8)
★★★★★
ストラヴィンスキー(1882-1971)はロシアの作曲家。このアルバムには三大バレエ曲?のうち二曲が収録されている。初出は1910年代前半とのこと。リズム、調整、曲の構成、どれも当時は異色のものだったに違いない。特に「春の祭典」に何度も登場する同音リズム地帯からほとばしるエナジーは計り知れない。彼の作曲キャリアにおいて、これらバレエ曲はごく初期のものであり、収入源でしかなかったようだ。ぜひ中期後期の曲も聞いてみたい。オケはめちゃんこ上手で、非の打ちどころなし。
ストラヴィンスキー・エディション(22CD) : ストラヴィンスキー(1882-1971) | HMV ONLINE – 88697103112
全集も出ている(売り切れてるけど)ので、何とかして手に入れたいものだ。
Mozart, Karl Böhm (Cond), Vienna Philharmonic Orchestra : Requiem (DG111 CD 7)
75 Jahre Donaueschinger Musiktage 1921-1996 (CD5) Henri Pousseur, Mauricio Kagel, Rolf Riehm
★★★★★
後2曲がアホと馬鹿と天才の境目に位置する名曲。どうやったらこれをまじめに演奏できるのか。
まず2曲目。驚異の47分23秒。タイトルと音から考えて、2人でありとあらゆる「音」を演奏することに特化した曲のようだ。マラカスのような音、シンセ、弦楽器、打楽器、管楽器、なんでもありだ。2人でこれやるのつらいべ!?ついさっき動画が見つかったので一部分を見てみた。予想の遥か上を舞う動画!!アホですね!!!!!
Mauricio Kagel: Two-Man Orchestra
やっぱり天才は考えることが違う。言葉で説明するのがアホらしいのでぜひ見てください!ああ全体バージョン見てみたい!!誰か公開してないか!
3曲目O Daddyも明らかにオーケストラの無駄遣い!!「オーケストラとテープのための」という副題が付いている通り、途中にセリフの応酬や謎のシンセ祭りが乱入する、何がやりたいのかわからないが混沌とした曲。
こういうチャレンジ精神を掻き立てられる曲が現代音楽にはゴロゴロ存在しているようだ。もっと聞かせてほしい。
Tracklist
1
Quintette à la mémoire d’Anton Webern
Henri Pousseur2
Zwei-Mann-Orchester, for two 1-man orchestras
Mauricio Kagel3
O Daddy
Rolf Riehm
Great Pianists of the 20th Century Vol.03 – Martha Argerich II(CD2)
★★★★☆
アルゲリッチも最終章となった。ピアノソナタ3本、ショパン・シューマン・リスト。予想通りうるせぇー。硬いーー。汚いーーー。
ラストのリストのピアノソナタはピアノを壊しに来たのではないかと思うくらいベチンベチン叩いていて、ここまでくると痛快だ。この人は打鍵力があるわけではないが、指の硬さでそれをカバーしているから、棍棒で殴ったような音が出る。素手で殴るのではなく、凶器で殴るような感じ。ロックなんだね。業界が違えばジャニス・ジョプリンのような活躍ができたんじゃないのかな。
世界一?と言ってもよい評価をされているピアニストだけれど、万人に薦められる演奏ではないと思う。激賞している人には「ネタですか?」と聞きたいくらい。
トラックリスト
Frédéric Chopin: Piano Sonata No. 3 in B minor, Op. 58 Robert Schumann: Piano Sonata No. 2 in G minor, Op. 22 Franz Liszt: Piano Sonata in B minor, S. 178 Hungarian Rhapsody No. 6 in D flat major, S. 244
Great Pianists of the 20th Century Vol.03 – Martha Argerich II(CD1)
★★☆☆☆
アルゲリッチ3枚目はショパン特集で、プレリュード全部、マズルカ・ポロネーズ・スケルツォ。この人のショパンの演奏はとても苦手だ。硬いし、盛り上がるところはうるさいし、ピアノ・ピアニッシモの歌わなければいけない所で全然抒情が感じられない。そのくせ、かっちょよくキメてほしい所だけ何故か淡泊に弾く。ラストの英雄ポロネーズなんかがっかりの連続だ。絶対に期待に応えてやらないという気持ちなのか?意地悪?
(Tracklist) Frédéric Chopin : Prelude in C sharp minor, Op. 45 Polonaise in A flat, Op. 61 'Polonaise Fantasie' 3 Mazurkas, Op. 59 Scherzo No. 3 in C sharp minor, Op. 39 24 Preludes, Op. 28 Scherzo No. 2 in B flat minor, Op. 31 Polonaise in A flat, Op. 53 'Heroic'