ゲーム株のボラボラ

f:id:happyholiday:20150520192430p:plain

いつ崩れるのか気になって、仕事中チラチラ見ていた。マイナス20%程度の値を付ける地獄から前日終値の間を何回も繰り返すとんでもないボラだ。掲示板はストップ高を信じる買い煽りで一杯。今日は朝一で大口がドカンと売っているから、天井を付けてしまった可能性が高い。

今日分かったことは、yahoo掲示板に群がる人間は間違いなく小口の集団であるということ。書き込みが株価に反映する度合いが小さいから。明日プラスになるか、マイナスになるかは誰にもわからない。みんないつかは崩れる橋と思って渡ってるんだろうけれど、目先の欲に目が眩んで見えなくなっちゃってるだろうな。

 

本日、ゲーム株の中でも注目していた、ボルテージという女性向けゲーム主体の企業の株価が+26.27%のストップ高を記録した。「花より団子」のゲーム化が大きな材料だ。ここはガーラと違って、自己資本比率70%超の無借金、最近不調だが辛うじて赤字にはなっていない、まともな企業だ。時々仕手株化し、でかい上髭を記録したこともあった。しばらく投機家たちのオモチャになるだろうけれど、一体どれくらいの株価で安定して、今後どれくらいの利益を生むのかは興味がある。


7172 ジャパンインベストメントアドバイザー

http://www.jia-ltd.com/
去年に上場したばかりの企業で、航空機・コンテナのオペレーティングリースが主要業務。FPGと全く同じ業務だ。競合企業がいたことに驚いた。相違点と言えば第三のリース品が太陽光発電ということくらいか。せっかくなので比較してみる。
FPGの規模は売上予想120億、ここは20億なので6倍の規模の差がある。まだ規模は小さいが、市場の食い合いにならないのか?今後、JIAが太陽光投資にシフトしていけば業務はかぶらなくなるが、このままでは共倒れにならないか。。?
自己資本比率12.2%、短期借入金が96億円と、超がつくくらいのレバレッジ経営だ。このレバを生かして、今年は2倍成長の予定。FPGは自己資本比率24.2%。
営業利益率は、FPGが71.2%、JIAは42.2%。原価率・販管費率はFPGが13%・15.6%、JIAが30%・26.9%。FPGに一日の長があるようだ。売ってる商品の数が違うのか、手数料率が高いのか、いったい何だろう?
PERは27.29倍とかなり高い。しかも無配。一度爆下げしないと、買うタイミングはなさそうだ。。数年後にはそこそこ大きな会社になっているだろうが、その頃には不況で商品に投資家が集まらないリスクがあるだろう。


4668 明光ネットワーク

http://www.fisco.co.jp/uploads/meikonet20150511.pdf
営業利益率25.4%、高い利益率を背景とした配当性向40%、配当利回り4%台と強い。自己資本比率は78%だし、M&Aで事業を拡大中だ。早稲アカも明光の傘下になっていた。生徒数の大半を占めるフランチャイズ教室の生徒数は伸び悩んでいる。フランチャイズ事業の営業利益率は50%程度と異様に高いので、ここにテコ入れして生徒数が増えればまだ儲かる余地がある。有報によるとフランチャイズを立ち上げるための初期費用が300万、上納金は月々の売上高(利益ではない)の10%。きっついな。有報には書いてないがテキスト代やシステム利用料金なんかも取られてるだろう。フランチャイズって独立したい人間を食い物にする商売だから、基本的にぼろ儲けになるようにできているね。雇われに戻りたくない、自分の力(のような気がする)で稼ぎたい、という彼らの弱みを握ることで、親元が高収益を達成できる。公文やドトールにも同じものを感じる。コンビニもきっとそうだろう。今度調べてみよう。
少子化により子供は減っているがその分教育に金を掛ける親が増えている。何しろ少子化で経済全体のパイが少なくなることは確定しているんだから、親は必死だ。今後も家計の教育費用は下がらないだろう。うちのような田舎でさえ近所に明光が3つもあるので教室数は頭打ちで、本業の拡大による高成長は望みにくい。拡大するとしたら幼児教育施設か。以前東京に引っ越した時は幼児教育施設の増加が目立った。ここは幼児教室がまだ赤字なのでまだまだ発展途上だが、事業の規模が小さく、当面は業績には貢献しそうにない。配当を目的としたディフェンシブな銘柄としては超優良の部類に入ると思われる。
個人的には幼児・小中高と塾業界自体が大嫌いなので買わない。


ガーラは分析不能

短信を真面目に見てみたらこりゃ、えらいことですよ。まず今期の損益計算書は売上6.8億に対して原価1.9億販管費7.8億、営業利益-2.8憶(営業利益率-41%)、純利益-2.7億。やばすぎ。

貸借対照表については株主資本に利益余剰金-29.3億・為替換算調整-5.1億(円安損)ととんでもないマイナスの勘定があり、負債の欄にも長期前受収益(あやしい)1億、資産は現金3.8億と長期貸付金1億(なんで貸せる?)くらいしか目ぼしいものが無い。売掛金1億だって怪しいもんだ。この会社が持ちこたえているのは株主から吸い取った資本金+資本余剰金36億があるおかげだ。

キャッシュフロー計算書は営業キャッシュフローが純損失に諸々足して-3.4億、投資キャッシュフローは定期預金の解約で辛うじてプラス0.2億、投資はほとんどなし。(たぶん借金できないから)財政活動で毎年株式を発行して3-4億円の増資でしのぐ、もちろん無配。

とどめに、ラストに「継続企業の前提に重要な疑義」と書かれている。真っ黒。いままで見たどの企業と比べてもダントツに悪い状態だ。AKB効果で売り上げが倍になったとしてもせいぜいプラス3億くらいだから、配当が出るまで10年かかる。それまでにAKBが終了したり、スマホ業界に大幅な転換が訪れている可能性は高いだろう。

MBAバリュエーションという本を読んでいて、会社の値段の付け方が具体的に示されているので、これを参考にして株価予想をしてみようと思ったが、ガーラでは不可能だった。赤字が多すぎるからだ。PER、EBITDA倍率などで同業他社と比較すればそれなりに予想はできるのだが、これだけ赤字が多いとEBITDAすらマイナスなので、どうにもならない。

仕方ないので、資産の少ないゲーム業界では当てにならなさそうだが、同業他社のPBR比で分析してみよう。例えばガンホー3.88倍、イグニス11.87倍、ミクシィ7.82倍、メディア工房5.65倍、これらの平均値は7.3倍。いまガーラのPBRは119.7倍(!)なので、同業他社比で16.4倍も過剰に評価されていることになり、適正な価格は2160/16.4=131.7円ということになる。。驚異の数字だが、昨年末に急騰する直前の株価は150〜200円だったのであながち間違った値ではないことがわかった。AKB効果によるプレミアムに加えて投機プレミアムとでもいうべきものが発生し、それらは1540%という頭の狂った値に膨れ上がっている。普通、株式市場プレミアムは3%、シナジー効果や経営合理化効果を目指すM&Aですらせいぜい20〜50%くらいのプレミアムしかつかないので、AKBごときで乗せられる1540%という値がどれだけ危険なのか、波に乗ってる人はわかってるんだろうか。。?

(13:00追記)
http://info.finance.yahoo.co.jp/kabuyoso/article/detail/20150517-00021969-minkabuy-stocks-5010
黒岩先生の買い煽り砲が投下された。


スマホゲームは生モノです

フィスコ企業調査レポート、3689 イグニス – diary 六帖
以前フィスコのレポートを読み始めたときにチェックしたイグニスが3500→2500へと爆下げした。だいたい-28.5%。
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=3689.T&ct=w
当時の記事から私の嫌悪感が読み取れる。スマホゲーは競争が激しい・短期間で一気に売れる・短期間で一気に不人気化するので、値動きが激しすぎる。バズドラ効果のガンホー100倍化、モンスト効果の効果のミクシィ大復活が有名で、急騰急落が当たり前のイナゴ発生源市場だ。もちろん参加者はギャンブラーの割合が高く、掲示板は非現実的な楽観悲観、売り煽り買い煽りの魑魅魍魎が跋扈する。もちろん彼らは効果があるからこそ煽る。ソロスさん言うところの世界操作機能を十分発揮できる。彼が好きそうな市場だ。ああ愚かなり人間の欲よ。私はまだ、こんな場所に踏み込む度胸はない。
次の急落候補はこちら(赤字企業です)。

本日決算だそうな。一体何が起こるのかとても楽しみ。ノンホルダーの私は今、こんな気分です。
http://djs.seesaa.net/upload/detail/image/A1D6B0C2C1B4A4C7A4A2A4EBA4B3A4C8A4CECCFBB1D9A1D7A5ABA5A4A5B86B4AC.jpg.html
(17:00追記)決算発表と同時に5千万円の営業外費用、1.5億円の特別損失を計上するお知らせが出た。売上前年比-15.9%の6.8億、営業利益-2.8憶(5/1に出た予想-1.48億の倍くらいの赤字)というこの上ないクソ決算に見える。何故か純利益は予想の-3.3億→-2.7億と若干の回復だがここまで来るとどうでもよさそう。月曜はAKBカンフル剤効果で株価が維持されるか、一気に雪崩れるか、いったいどっちだ?まあ常識的に考えればS安だろうけれど。
せっかくなので日曜を使って真面目に読んでみようと思う。無駄な努力かもしれないがダメな会社の財務も見てみたい。純利益が何故か上がった理由が読み解ければはっきりした結論が出そうだ。


とてつもないシャープ

短信
1200億円減資しても今期の赤字2223億円の半分ちょいにしかならない。しかもB/Sを見ると短期借入金+長期借入金+社債で9534億円。自己資本比率は空前絶後の1.5%。今後増資したって株価が下がるだけだから焼け石に水、マジで倒産では。
悲しいことに、昨日の決算による株価への影響はなし。
(19:00追記)11時ごろから突然7%も下がった


決算=死神or天使の二択?

ここのところ、比較的好調な株価を付けていた銘柄が決算直後に暴落する、というパターンが多すぎる気がする。決算は来期の見通しとセットなので、来期の数字に少し不安があるとすぐに去っていくタイプの人が1割くらいいるのではないか。
セブン銀行 来期は成長率やや減の見通し 661→564(-14.7%)
エスクリ 来期は減益見通し 1340→1150(-14.24%)
FPG 上方修正がなかっただけ 1230→980(-20.3%) ※一週間後、M&AのIRが出て反転中
チャームケア 介護報酬改定などで減益 1911→1480(-22.5%)
今日気になるのは過去最高益、営業利益成長率18%、来期も同等の成長見通しという決算を発表したイー・ギャランティー。好況でも不況でも揺るがないビジネスモデルは最強安定クラスだと思っているけれど、昨日の時点ですら金融業としては割高のPER(21.56倍)であるため株価はずっと低迷してきた。この決算により予想PERが18.27倍に下がる。FPGは一度30倍程度まで急騰したけれど、この銘柄は急成長ではなく安定して売り上げを伸ばしていくタイプなので、今後1年は急騰したり下がることはないが、時間をかけてじわじわ2割ほど上がるんじゃないかな。
(10:00追記)年初来高値おめでとう


エスクリ爆下げ

http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=2196.t
全銘柄中8番目の下げ幅、-14.24%。決算は売上20%増、営業利益28.3%増、純利益30.7%増と好調だが、来期は投資増強のため売上18.3%増、純利益-16.8%の予定。このため株価もこれに応じて爆下げした。
ところでYahoo掲示板で指摘されていたが、決算短信にとても気になる注記事項が書いてある。

「当社グループでは、従来、有形固定資産の減価償却方法について定率法(ただし、建物については定額法)を採用しておりましたが、当連結会計年度より、主要な有形固定資産の減価償却方法について定額法へ変更致しました。(中略)この変更により、従来の方法によった場合と比較し、減価償却費は417,486千円減少し、当連結会計年度の営業利益、経常利益および税金等調整前当期純利益はそれぞれ417,486千円多く計上されております。」

定率法→定額法に変えたということは、設備投資直後にたんまり償却されるのをやめて毎年均等に償却されるようにしたということだから、4億円の減価償却費を後回しにしてしまったことに等しい。今期の営業利益は2,419百万円だから、実質の営業利益はなんと、2,002百万円ということに。。営業利益の成長は28%増から6%増まで落ち込んでしまう。決算説明会資料では962百万円→825百万円(-14.2%)と書いてあるが、実質は825+417=1242百万円で、前年比+29.1%と他の販管費よりも大幅な増加だ。これまずいんじゃないの!?この成長率(6%)がエスクリの実力なんじゃないか!?

で、ここのビジネスモデルは店舗拡大型+積極M&A型だから、来期に新規施設を4つもオープンするから減益ですと言われても、今後も新規施設は作り続けるから、売り上げは伸びるが借金も膨大だし利益は減速しっぱなしかもしれない。すると株価は伸びない。むしろ下がるかも。危険だ。気が付かないうちに買い増ししてしまったので、明日撤退するかどうか決めなければならない。今日下がり切ってるので明日は爆下げはないだろうが、2年間くらいは低迷するかもしれない。財務諸表もっと読んでおかなきゃ。。

(追記)キャッシュフローは投資が3倍になったことで営業+投資キャッシュフローが大幅なマイナスに転落、穴埋めに長期借入金を29億円から52億円と79%も増やしている。見かけ上の自己資本比率は24.9%→25.6%と改善しているようにみえるが、例の減価償却の先送りを考慮すると実質23.6%と悪化している。危なっかしいな。来期も投資がでかいから営業+投資キャッシュフローは赤字だろう。それをさらに借金で補うのか??


FPG

急騰急落で話題の銘柄FPGとはいかなる会社なのか知りたくて、ウェブサイトを読んでもよくわからないので前期の有価証券報告書(2014/12/22付)を読んでいる。
簡単にまとめると

○FPGは資金を調達して航空機・コンテナ・船舶といった陳腐化が少ないが高額な製品を買い、海運会社や航空会社にリースする。

○資金は7割を金融機関から借金する。残りの3割を投資用金融商品として、投資家に買ってもらう。FPGは全額金融機関から借金するよりも有利にリース品を取得できる。

○製品1つあたり「(株)SHIP第27号」などという名前の子会社を1つ作り、FPG+投資家で匿名の管理組合を設置する。投資用分譲マンションみたいな感じ。

○投資家には製品の運用によりで生じた利益を分配する。運用初期はリース料より減価償却費や支払利息が多く赤字になるため、投資家はこれを事業損失として申告して税金を減らすことができる。リースが終了したら製品を売却し、この利益も投資家に分配する。

○FPGはリース商品を投資家に売る際の手数料、投資家から徴収する運用管理料(マンションの管理費みたいなもの)、リース品賃借人へのアレンジメント料と三段階にわたって儲ける。

以上。リース商品が売れず外部に買い叩かれた時のリスクとリース品が外貨建てであるための円高リスクがある。

とても面白い企業と感じた。極端に円高にならない限りは安定して推移しそうな企業だ。また、ここ数年で資産が2倍以上になった投資家が多いだろうから、顧客もしばらくの間は離れないだろう。1/3程度暴落したのを好機ととらえ、トレダビでは963円で購入してみた。

(追記)リース品に関する情報は全く公開されていない。出資者募集のページに飛んでも詳細は不明で、「お問い合わせはこちら」とフォームが表示されるようになっており、出資しなければアクセスできなさそうだ。
例えばリース先の企業の情報がわからない。外貨建てであることから外国の企業であることは間違いなさそうだが、一体どこにリースしているのだろう。リース品によって投資家が得るリターンが具体的な実績がわからないし、リース品の売却益をどう分配しているかの情報もない。売却益を全額投資家に分配するとは思えず、管理費名目で若干ピンハネしてるのではないかな。リース品が売れず損失が出ても投資家にかぶせられるから、FPGは資金だけではなくリスクもヘッジしているようだ。投資は自己責任だから。ますます強固なモデルに思えた。

前期は営業利益率は55.3%、純利益率31.8%とぼろ儲け。損益計算書上は超優秀な数字だがキャッシュフロー計算書がとても変。税込利益32億は立派なのに商品出資金で-151億(!)のため営業キャッシュフローは-130億と大幅なマイナス、これは短期借入金85億と大幅増資の44億でカバーし、キャッシュフローはわずかにプラス2億で着地している。これだけ見ると不安になる。今期は1Q2Qまで決算書が出ているから一体どうやってやりくりしているのかチェックしないといけない。短期借入金はどうやって返したんだ?


雑感

セブン銀行が1週間で約12%の下げ、逃げておいて助かった。長期的には元に戻るかもしれないが、1桁成長&成長鈍化の株にPER33倍は荷が重かったのだろう。
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=8410.T&ct=w
箱根が噴火しても下げない小田急 +0.26%、影響は限定的とみられたか、そもそも鉄道より百貨店の売り上げの方が多いから当然か?
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=9007
99%減資のシャープ崩壊 -26.36% 年初来安値。減資と言っても資本金取り崩しのことなので即株主に損失が出るわけではないが、1/4以上の市場価値はすでに吹っ飛んだ。株価も99%崩壊するのか?
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=6753.T
不正会計発覚の東芝崩壊 -16.55% S安値段付かず、明日も危険、どこまで下がるのか?不正会計の実態が全く明らかになってないのに連続大幅下落なのか!?株主は一体どこまで先を見ているのか?
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=6502.t
AKB効果で株価倍増のガーラ、またもイナゴタワー発生。今年の初頭に馬鹿みたいに上がった後に1/4まで下がったのに大丈夫!?アホじゃないの?
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=4777.T&ct=z&t=1m&q=c&l=off&z=m&p=m65,m130,s&a=v
小田急の件以外は人間心理のアホさ加減や欲深さを大きく感じる。ここから発生する激しい揺らぎに耐えて堅実に利益を得るか、揺らぎを利用して大儲けを狙うか、どちらのタイプの投資家が賢明なのかまだ私にはわからない。