King Crimson – Three of a Perfect Pair(1984)


ヽ( ´ー`)丿★★★☆☆
2年ぶり10枚目。うーーん、いまいち。。なぜ、なぜ四つ打ちなのか。
4曲目までの前半戦はいかにもな80年代サウンドに、オリジナルのテイストを振りかけたような作品群。1曲目表題のThree of a Perfect Pairには前作前々作に引き続きミニマルテイストのギターが使われており、もう定番として定着したような感がある。
5曲目Nuagesは少し時代の早すぎたエレクトロニカもどき、6曲目以降はいつものような意味不明路線になるが、ドラムに80年代電子タムタムが使われているせいか、迫力に欠ける。欠けすぎ。特に8,9曲目はこの気の抜けた電子ドラムがなかったら、もっといい曲だったんじゃないかなぁ。ラスト9曲目Lark’s Tongue In Aspic Part IIIも、前半はよいが後半に期待していたような衝撃がなかった。むぅ
このアルバムで80年代のキング・クリムゾンとしての活動は終了する。Redのときといい、毎回、終わりが良くないのう。


Marco Minnemann – Eeps(2014)


★★☆☆☆
Steven Wilson – The Raven That Refused To Sing (2013) – diary 六帖 のドラムス、Marco Minnemannの最新ソロアルバム。彼はドラムの腕が一級品だというのに、他の楽器もできるらしい。このアルバムは18曲中17曲は全部一人の演奏で作ったそうだ。それはすごいことだ、、なんだけれど、私には合わなかった。器用貧乏というのか、ギターは上手くないし、シンセの入れ方、ヴォーカルの散りばめ方、曲の構成、展開、、どれをとっても心に響いてこない。何故かはわからない。ただ一つ、10曲目 The Split の終盤へ向かうドラミングだけは心に残ったが、あとはどれもいまいち。レビューサイトは各所でべた褒めだけどなんでかなあ。。確かにカテゴライズできない、他にあまり類のない曲たちではあるんだけどさ、どうも、あまりいい意味でないジャンクって感じだなぁ。
このCDで一番良いところは、ジャケット!ジャケットすっごいかっこいい。


Billy Hart – All Our Reasons (2012)


★★★★☆
Paul Bley – The Nearness Of You(1989) – diary 六帖 のドラマー Billy Hart さんのリーダーアルバム。彼のドラミングは前回聞いたときよりも遥かに目立たず、さらに暖かみを追加した演奏になっていた。音色も極めてスモーキーに調整してあり、アルバム全体に薄い煙のかかった様な効果が出ている。柔らかいサックス、とても優しいピアノとベース。演奏としては完璧に思える。ラスト9曲目 Imke’s March の口笛の背後に響いているベースがしみてくる。3曲目Tolli’s Danceはなんとかノッていけたが、全体として先鋭的な楽曲たちで頭が追い付かず、ジャズ一通りの耐性ができていない私にはまだ早かった。あと何年かしてから聞くと、心安らぐかもしれない。


Antonio Sanchez – New Life (2013)


★★★☆☆
ドラム分を補給したい。しばらくの間、気になったドラマーのアルバムをピックアップして、聞いていく。今回は、少し前に聞いた Enrico Pieranunzi – Stories(2014) – diary 六帖 のドラマー、Antonio Sanchezさんから1枚。
やはりこの人は、後ろに引きながら密かに超絶テクニックを叩きこむ職人だ。ソロだろうと絶対に目立たない。注意して聞かないとすごさが分かりにくい。腕が8本あるんじゃないか。
このアルバムは曲がいい。8曲とも名曲、特に3,7,8がよい。7曲目はヒップホップとの融合によるジャズ、という自分にとっては新世界な曲だった。時々大好きなローズピアノも混じってドキドキに拍車をかける。ピアノの人も素晴らしい演奏をしていた。
が、2本のサックス、これはどうしても受け入れられなかった。2人とも、ペラペラで鼻の先っちょの音しか聞こえてこない。サックスが入るごとにがっくりする。せっかくいい曲ばかりなのにぶち壊しだ。自分の感性の問題なのかもしれないが、ちょっと、これはないんじゃないの?曲がとっても良かっただけに、残念。ピアノトリオでよかったんじゃないか?


Schumann, Beethoven, Fritz Reiner(Cond), Van Cliburn(pf), Chicago Symphony Orchestra (Orch) – Schumann: Piano Concerto in A Minor / Beethoven: Emperor Concerto (RCA Living Stereo Collection CD60)

★★★★☆

このシリーズもとうとう最後です。
前半はシューマンのピアノ協奏曲。シューマンはピアノソロでは意味不明な曲を多数輩出していますが、この協奏曲はオードソックスなドイツカッコつけ系で、とても聞きやすく爽快な曲、演奏です。ところどころゾクっとするダイナミクスの変化があり、名演といえるのではないでしょうか。クライバーンさんの演奏もいい感じにキラキラしてます。
後半はベートーヴェンのピアノ協奏曲5番皇帝。何度聞いてもベートーヴェンは天才だと思う。重苦しいようで迫力のある、チラッと聞いただけですぐベートーヴェンと分かる音の響きってありますよね。ただの和音なんだけど、何故か人が分かる。不思議。序盤、ピアノが半音の上昇で入ってくるところは、普通の人なら川の流れとか天井からわずかに差し込む木漏れ日とでもいうのでしょうが、私には何故か各停を急行停車駅で降りたあとに間髪入れず颯爽とやってくる急行電車のように感じました。「やあ僕急行!速いよ!長いよ!キラッ☆彡」昨日時刻表プログラムばっかり作ってたからかもしれない。
美しくていいんだけど、第一楽章でクライバーンさんが一番いいところで豪快にぶっ飛ばして外した!さらに、第三楽章のラストが決まらない!実にがっかり、がっかり。これがなければ文句なしだったのに!惜しかった。
RCAにはアメリカの本気レコードを沢山いただきました。どうもありがとうございました。


Richard strauss, Fritz Reiner(Cond), Chicago Symphony Orchestra(Orch) – Sinfonia Domestica / Suite From Le Bourgeois (RCA Living Stereo Collection CD59)


★★★★★
ちょっと息抜き
映画音楽のような曲の多いR.シュトラウスですが、この2曲も例に漏れず幅のでかい曲です。Sinfonia Domesticaのラストは決まりすぎていてブラボー、Le bourgeois gentilhomme(町人貴族)もVI. Prelude to act II (Intermezzo)がめちゃめちゃよいです。録音が古いため音が爆裂してますがそれがまたエネルギーを感じさせ、ああ生で聞いてみたいなぁと思うのです。


Gustav Mahler, Fritz Reiner(Cond), Chicago Symphony Orchestra(Orch) – Das Lied Von Der Erde(RCA Living Stereo Collection CD58)


★★★★★
マーラー作の「大地の歌」。マーラーは日本で演奏されることが少ない。よくあるベスト盤みたいなクラシックのCDには必ず入っていない。いままで馴染みがなかった。
歌というよりは交響曲(歌曲つき)という感じだ。ドイツ語がまったく聞き取れないのが残念だが、どの曲もオペラ並みの重厚な構成になっており、少し疲れる。圧巻なのは第六楽章で、なんと30分もある。そしてこれがド名曲で、後半の全楽器が渦を巻くように絡まって押し寄せてくるような個所は抜きんでている。ラストはこの時代の交響曲としては珍しい和音(6度の音が入っているらしいです)で、そのせいでかなり余韻が残る。演奏もいうこと無し、完璧です。みんなこれ1枚でマーラーファンになること間違いなし。私はなりました。
なんとWikipediaの記事に全歌詞と全訳が載っている。すばらしい。


Amon Tobin – Bricolage(1997)


★★★★☆
前から気になっていたAmon Tobinさん。昔、supermodifiedというアルバムを聴いたことがあって、これがまた攻めるリズムのよく乗ったテクノ?ブレイクビーツ?のような不思議なサウンドだったことを覚えている。今回は、1stアルバムを聞いてみた。
輪郭のぼやけた都会の裏通りの霞がかった夜の風景にブレイクビーツが密集する、なんともジャンル分けできないトラックが14も入っていた。ジャズっぽいものから歌舞伎町か荒木町かと思うような不気味なバックトラックもある。1997年ということもありビートのエッジがあまり効いておらず、野菜のような音がする。それがまたよい効果を生んでいるように思う。東京っぽい。
全曲安定して良いが大きな衝撃になるような曲もなく、敢えて挙げるなら6曲目The New York Editorと11曲目One Day In My Gardenがよかった。


Faust – Faust(1971)

★★★★★┐(´ー`)┌

ドイツ出身のバンド、ファウストの1stアルバム。
わけわかりません。
でたらめなようで、曲の構成があるにはあるが、最初から最後までどこをどう聞いても予想の斜め上の音しか出てこない。ここまで混沌としたものは狙ってもなかなか作れないんじゃないか。壊れたおもちゃとUFOと電波、ネオンサイン、喫茶店の古びたテーブルゲーム、それらを体育館に整列させたような感じ。まず曲名が変だ。Why Don’t You Eat Carrots「にんじん食え」。
3曲目Miss Fortuneは16分36秒と超巨編だけれどこれは感動巨編。今までに聞いたことがなく、これからも聞くことのできないようなサウンドだろう。なんというか言葉で説明するのがあほらしくなるような楽曲なので、一聴をお勧めします。昔はこんなバンドにお金出してたんだからすげぇよな。
今年一番わけわからん衝撃を受けたアルバム。


Ministry Of Sound – Ibiza Annual 2014(2014)


★★☆☆☆
最近のクラブ・ミュージックを聞いてみたくてセレクト。
10年前と使っている音はあまり変わっていない。新しいといえば時々ガラージのようなサウンド、ダブステップのようなサウンドを4つ打ちに絡めてくるくらいか。
全体的にパンチが足りなすぎる。ググッとビビッと来る曲が全然ないぞ!はずれと思った曲は飛ばし飛ばし聞く羽目になった。特に1枚目は全然ダメ。2枚目はアップリフティングな曲も入ってくるけれど、ワンパターンだったりサウンドに魅力がなさすぎだったりでまいった。もうクラブミュージックは聞けないんだろうか。。
1曲、Galantis の You という曲だけはよかった。サウンドコラージュと不思議なヴォーカルを天空城に乗せていざボブルの塔へ(DQ5)・・・という感じだ。この曲だけ目立ってるね。スウェーデンから最近出てきたユニットで、まだアルバムもないらしい。リンク先のPVは全然天空じゃなくてアンダーグラウンドだった。