CDレビュー: Great Pianists of the 20th Century Vol.8 – Wilhelm Backhaus(CD2)

★★★★★

2枚目はベートーヴェンのピアノソナタ25番とシューベルト・シューマン・リスト・ショパン・ブラームスからちょっとした曲を弾いた後に、メインのブラームスピアノ協奏曲2番という構成でした。1枚目もそうでしたがしょっちゅう拍手が入ります。ライブ版のようです。

ブラームスのピアノ協奏曲2番が見事

ベートーベン25番は小粒で演奏は面白いけれどあっさり終わってしまいます。他の小曲はリストの「ウィーンの夜会(シューベルトの「ワルツ・カプリス」)」という曲がダイナミックで楽しいですね。

真打はブラームスのピアノ協奏曲2番。クソ真面目という形容がぴったりです。この曲に限らず、ブラームスはベートーヴェンとも違う波動を帯びた気持ちいいダサさを感じさせる私好みの作曲家です。1952年録音、もちろんモノラルという技術上のハンデがあるにもかかわらず力強い演奏を聞かせてくれます。

この曲の萌えポイントは第一楽章の2回現れるダサカッチョいいソロゾーンでしょう。当CDと全く同じ音源の動画を見つけました。6:50~と13:48~です。


ブラームス ピアノ協奏曲第2番第1楽章 Brahms Piano Concerto No.2 – 1 …

 

何回聴いてもここが大好きです。ブラームスモエモエ

(Tracklist)

Ludwig van Beethoven:

1. Piano Sonata In G, Op.79: 1. Presto alla tedesca
2. Piano Sonata In G, Op.79: 2. Andante
3. Piano Sonata In G, Op.79: 3. Vivace

Franz Schubert:
4. Impromptu In E Flat, D.899 No.2: Allegro molto moderato

Robert Schumann:
5. Fantasiestucke, Op.12: No. 3: Warum?

Franz Liszt:
6. Soirees de Vienne: Valse-Caprice No.6, S.427 (After Schubert)

Frederic Chopin:
7. Etude In F Minor, Op.25 No.2

Johannes Brahms:
8. Klavierstucke, Op.119: No.3: Intermezzo In C
9. Piano Concerto No. 2 In B Flat, Op.83: 1. Allegro non troppo
10. Piano Concerto No. 2 In B Flat, Op.83: 2. Allegro appassionato
11. Piano Concerto No. 2 In B Flat, Op.83: 3. Andante – Piu adagio
12. Piano Concerto No. 2 In B Flat, Op.83: 4. Allegretto grazioso – Un poco piu presto

 

 

 

 

クラシックの他のCDレビューはこちらです。


CDレビュー: Great Pianists of the 20th Century Vol.8 – Wilhelm Backhaus(CD1)

★★★★★(*´ω`*)

ヴィルヘルム・バックハウス(1884-1969)は、ドイツ出身のピアニストです。

なんとベートーベン→ツェルニー→リストの直系、師匠はオイゲン・ダルベールというリストの弟子ということでこりゃ音楽的に純血のピアニストと言えますね。そんな彼が一番有名なのは無論、ベートーヴェンのピアノソナタの録音です。

天才ピアニストが一生を賭けて目指した境地

1枚目はベートーヴェンのピアノソナタから4点、第8番「悲愴」、第17番「テンペスト」、第26番「告別」、そして第32番。どれも有名なものばかりです。

第8番はのっけから彼の非常に特殊な歌い方を味わうことができます。とにかく溜める溜める。うねってうねって竜巻でも起こっているかのような演奏です。第17番も今まで聴いたどんな演奏とも違う弾き方です。

圧巻は26番の第3楽章と32番全部です。ベートーヴェンのピアノソナタは、以前にこのボックスで全曲通して聴いた(全部レビューを付けました)ことがあります。後期になるほど技術的にはもちろん高度な精神性が必要とされると感じました。バックハウスの演奏は、技術的にはよくとちるのですが、精神的には完璧に弾きこなしています。26番の第3楽章はピアノの間から光でも漏れてくるかと思いました。

32番は現時点、すべてのピアノ曲の中で最高傑作だと思っています。このCDでも強く感じました。第一楽章は全ベートーベンまとめとも言うべき密度の濃い曲ですが、奏者の脳血管切れるんじゃないかとくらいの熱演です。ベートーヴェンのどんな作曲家にも真似のできないダサカッコパワーとその美しさには与える言葉が見つからないほどです。第二楽章は中盤のスウィング部分が胸が張り裂けんばかりに美しく、ジャズの発祥という人までいるほどの宇宙を感じさせる異次元ピアノ曲です。やっぱりこの曲が最強だな。

backhaus beethovenで検索をかけると32番がまずヒットしました。やっぱりこれなんですね。

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収録日が2年違うので、このCDとはまた別録音のようです。彼は活躍した時期が20世紀前半であるため録音が軒並み古いのが残念です。しかし、古さを超えてお腹にずっしりと響く演奏でした。このCDに収録されているのは1954年の演奏。つまり70歳のときの録音です。すげぇ。ピアノだけに打ち込んだ天才が、70年かけて辿りついた境地と言えましょう。

 

 

ここにすんばらしい紹介文があります。もっともっとピアノ曲を聴いて、全身で味わえるようになったらここで紹介されているアルバムを聞いてみたいです。

このバックハウスの『最後の演奏会』の模様は録音されて残っており、CDとして聴くことができる。人生の最後の瞬間まで演奏家として生きた感動的な記録で あると同時に、音楽が肉体を飛び越えてしまった稀有な演奏として僕には響いてくる。鍵盤の獅子王も晩年になるとミスタッチが見られるが、それ以上に曲と戯れているような優しさが演奏から感じられるのである。
とりわけ、シューマンの「夕べに」と「なぜに」はもはやこの世の音楽とは思えない。辞世の歌である。

 

最後の演奏会

最後の演奏会

  • アーティスト: バックハウス(ウィルヘルム),ベートーヴェン,シューベルト,モーツァルト,シューマン
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1997/09/10
  • メディア: CD
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Track List:

Ludwig van Beethoven

1. Piano Sonata In C Minor, Op.13 ‘Pathetique’: 1. Grave – Allegro di molto e con brio
2. Piano Sonata In C Minor, Op.13 ‘Pathetique’: 2. Adagio contabile
3. Piano Sonata In C Minor, Op.13 ‘Pathetique’: 3. Rondo. Allegro
4. Piano Sonata In D Minor, Op.31 No.2 ‘Tempest’: 1. Largo – Allegro
5. Piano Sonata In D Minor, Op.31 No.2 ‘Tempest’: 2. Adagio
6. Piano Sonata In D Minor, Op.31 No.2 ‘Tempest’: 3. Allegretto
7. Piano Sonata In E Flat, Op. 81a ‘Les adieux’: 1. Das Lebewohl. Adagio – Allegro
8. Piano Sonata In E Flat, Op. 81a ‘Les adieux’: 2. Abwesenheit. Andante expressivo, 3. Das Wiedersehn. Vivacissimamente
9. Piano Sonata In C Minor, Op.111: 1. Maestoso – Allegro con brio ed appassionato

10. Piano Sonata In C Minor, Op.111: 2. Arietta. Adagio molto semplice e cantabile

 

(リンク先の曲リストは間違っています)

 

 

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CDレビュー: the HIATUS – ANOMALY(2010)

★★★★☆

日本のバンド、the HIATUSの2枚目のアルバムです。

ヘッドホン向けゴリ押しロックを確立

まず1曲目The Ivyが耳を引きます。音の繊細さや作りの細かさを全部かなぐり捨てて音圧だけ上げまくって音割れさせまくって上書きしたゴリ押し音楽です。ある意味大きな印象を残す曲でしょう。

2曲目Talking Reptilesもよいですね。5連打の連続は聞いていて気持ちが良い。このバンドはリズム隊が優れているのが特徴です。ドラムが上手なバンドはどこも好き。

他にも3曲目My Own Worst Enemy、4曲目Monkeys、5曲目Insomniaの後半もゴリ押し系です。7曲目Walking Like A Manの後半のリバーブ歪みかけ過ぎ押せ押せゾーンも嫌いじゃありません。10曲目Notes Of Remembranceも同様に歪ませ過ぎゾーンがありますね。ヘッドホンで聞く分には良い音響効果を出しています。

ただ一つ残念なのは6,11の日本語詞曲がすっごくダサいこと。この手の軽いだけの曲を一掃すれば★5つ付けてもよかったのに。ゆるい曲だと私のやや苦手なビジュアル系的歌声が耳についてしまうのです。

全体的にゴリ押しに頼り過ぎていた感のあるアルバムですが細美さんはエレクトロニカを上手に取り入れたりエフェクトの使い方も巧みで、インスト曲の才能があると思います。どうせならヴォーカルを抜いて純エレクトロ曲だけのアルバムを作ると私の好みの音を出してくれること間違いなしだと思うので、やってくれないかなぁ。

 

 

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CDレビュー: Metallica – Load(1996)

★★★☆☆

賛否両論を巻き起こしたメタリカの6枚目のアルバムです。

オッサン達ははっちゃけすぎた

完成度が高いのかというと、高いんだと思います。アルバムとしてはよくまとまっているし、緩急もそれなりにある。演奏レベルも高い。

でも、残念ながらつまんねぇです。1996年だとメタリカのメンバーももう30代、いい年です。ロックは中二的な要素が強く私もそれを分かってて聞いていますが、ちょっとはっちゃけすぎです。ヴォーカルのヘットフィールドさんは「ッア!」「ッダ!」みたいなコブシ入れ過ぎです。ギタードラムベースも下手ではないのですがどうもお腹に響いてこないのです。ふつーーに聞こえます。いくらカントリー要素やらブルース要素やらが入っていたって良い曲はいくらでもあるのですが、だめです。ビビッと来ません。

このアルバムから出たシングルは、いくつか聞き覚えがありました。昔、小学生のときにCATVで見ていたビデオクリップを流す番組に、Mama SaidやKing Nothing、Until it Sleepsが流れていました。これを聴いて懐かしい気持ちがしました。でも、でもダサいよう。。それもワクワクしない意味でださいよう。懐かし恥ずかしいすごく複雑な気持ちです。

 

懐かしかったといえば最近聞いたこの人たちもそうでした。

 

力が欲しい。私をブッ飛ばしてくれるような力が欲しいです。それはスラッシュ特有のスピードや早弾きでなくともよいのです。大多数の人と同じく、私もこのアルバムには「軽い」という評価を付けざるを得ません。しかも14曲、80分近いフルレングスで長々と聞かされるのは苦しいです。とても残念。次作に期待します。

 

 

 

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CDレビュー: Yes – Talk (1994)

★★★★★

イエスの1994年のアルバム。スタジオアルバムとしては14枚目です。

明るいイエスが返ってきた

90年代も中盤に突入し、ダサかった音もようやく洗練されてきました。相変わらずキャッチーなメロディーや安直なポップ路線の曲も一部見られますが、本作はよくできています。

1曲目The Callingは普通のポップかと思ったら後半からオルガンと共に左右に動き回る面白い構成、2曲目I Am Waitingも単純ながら聞かせるナンバーです。

3曲目Real Loveがよいですね。中盤のワクワクを煽る展開と王道のメインメロディーの組み合わせが大好きです。

そして何よりもラストEndless Dreamでしょう。久しぶりにイエスお得意のスケールの大きな明るいプログレを聴くことができました。イントロのSilent Springはまるでゲーム音楽のようなスピード感あふれる流れ、本体のタイトルチューンTalkは長い前フリと重厚なメインテーマから構成される約12分の超大作です。納得の出来、特に言うことがありません。

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曲は感動的なのですが、3分20秒~のあたりで使われているエフェクトの音が子供時代に流行っていた筒を傾けると変な音が出るオモチャの音と一緒だったので吹き出してしまいました。

お祭りとか駄菓子屋で売ってる – 30センチぐらいの筒で傾けるとグェーと… – Yahoo!知恵袋

これこれ。

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これこれ。

 

今後もよい作品を生み出していってほしいものです。

 

 

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CDレビュー: The Rough Guide To Tex-Mex (1999)

★★☆☆☆

テクス・メクスとはテキサスーメキシカンの略で、主にテキサスに移住したメキシコ人による音楽です。テハノミュージックとも言います。テキサスになぜメキシコ人が多いのか、は歴史をもっと調べてみたいです。

ほぼ全編にわたってアコーディオンが鳴り響き、フォークやカントリーと融合したような曲が大多数です。言語は主にスペイン語ですが時々英語もあります。前知識ゼロで聞いたので何故スペイン語?と思っていましたがメキシコ系がルーツとくれば納得です。

選曲の問題か、単調

残念なことにほとんどの曲がみな同じように聞こえます。確かにアメリカ南部を思わせる陽気な曲が多いのは良いのですが全部そうだと飽きます。

11曲目のJuarezだけはアコーディオンがいい感じにアドリブをかましてくれてよかったですね。

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やっぱりお気楽なんですけどね。注目は終盤の大アドリブ地帯です。ドラムもイケてます。

 

 

 

 

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CDレビュー: Paul Motian – Jack Of Clubs(1985)

★★★★★

ジャズドラマーPaul MotianのComplete Remasteredシリーズの2枚目です。

ピアノなしで自由度の高い作品、ギターが独自の世界を作る

1曲目Jack Of Clubsからいきなりフリーダム!モチアンさんはこの手の曲を好むのでしょうか。ドラマーにしては珍しく、2作連続で自分自身があまり目立たない演奏です。サックスが2本好き勝手に吹いています。真ん中にビル・フリセールのエレキギターが入り、不思議な空間を作ります。

2曲目Cathedral Songで一息ついた後、3,4曲目が素晴らしい。まず3曲目Split Decisionはベースがウォーキングしドラムがライドシンバルを4分打ち+スイングで、、ってこれ普通のジャズじゃん!?ところが普通のジャズではありません。真ん中にエレキギターが浮遊霊のように常にぼんやり位置取ることで独特の緊張感というか気味悪さのようなものを浮かび上がらせたまま疾走していきます。

4曲目Hide And Go Seekが本作で一番好きですね。ロックかと思うようなギター一人のイントロで始まり、ドラムは高音域だけ、サックス2本がミニマル的な繰り返しでもって幻想的な空間を作っています。

他にも7曲目Drum Musicという直球なタイトルのイントロも聴きごたえがあります。ギターと融合したジャズも面白い!

 

 

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CDレビュー: Thelonious Monk – Brilliant Corners (1957)

★★★★★

ジャズの100枚。  の19枚目です。セロニアス・モンクのアルバムは2枚目。

モンクのピアノに合わせて周りもエキセントリックに。。

彼のピアノはとっても癖があり、堅めの音と時々鳥や動物の鳴き声のような逸脱の即興を混ぜるスタイルが特徴です。この印象は前回聞いたときと変わりません。

 

しかしこのアルバムは1曲目Brillian Cornersから全員が普通のスタイルを逸脱しています。なにこのダルダルなサックス。しかも2本。これがモンクのピアノとうまい具合に溶け込み、彼の変なピアノを上手に引きたてていると感じました。

2曲目Ba-lue Bolivar Ba-lues-areはダルデレな雰囲気はそのままピアノが目立ちます。ブキーボキーと悲鳴を立てるようなピアノも聞き苦しさは感じさせません。ダルさが洗い流してくれているのでしょう。

3曲目Pannoicaはさらにグロッケンが入り大きく萌え化します!鉄琴のあの音って胸がきゅんとしませんか?このタイミングでピアノソロの4曲目I Surrender, Dearが入りますが萌え萌えしている私の耳はカタブツだと思っていた彼のピアノもかわいく聞こえてしまいます。

セロニアス・モンクは不器用可愛い。と知ることのできたある意味衝撃的な1枚でした。

 


CDレビュー: Ola Gjeilo – Stone Rose(2007)

★★★☆☆

ノルウェー出身の作曲家オーラ・ヤイロ(1978-)の2007年のアルバムです。前回聞いた2012年発売のNorthern Lightsが良かったのでこちらも聞いてみました。

 

 

ソロピアノ中心で美しいが満足できなかった

アルバムはほとんどがソロピアノで、ヤイロ自身が弾いています。時々弦やトランペットが共演します。クラシックに分類しましたがポピュラーかジャズピアノに分類するのが適当かもしれません。

The LineやThe Hudson, Manhattanなど彼に影響を与えた風景からインスピレーションを受けて作られた曲が多いですね。全体的に一般ウケしそうな美しさを放つのですが、これといったインパクトがありません。普通なのです。普通。聴き手としてはどうにも不完全燃焼っぽさが残ります。街の診療所の待合室あたりで流すのには適当なのでは。

1曲だけ例外、14曲目North Country II だけはとても良いですね。特に後半部のトランペットが入ってから盛り上がって3分30秒~50秒の間の、静かにゆっくりと連続していた波が突然反転するような和音の展開は大好きです。そうそうこういうのが欲しいの!!I need you うほうほ


NORTH COUNTRY by Ola Gjeilo – YouTube

 

せっかく名立たる音楽学校を出てるんだからもっとドキドキするものを作ってほしいなぁ。もったいないよ。まだ若いんだからエキセントリックに走っちゃってもいいのに。今後の活躍に期待します。

 

 

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CDレビュー: Robert Schumann, Joseph Haydn, Berliner Philharmonikier(orch), Wilhelm Furtwangler(cond) – Symphony no.4, Symphony no.88 (DG111 CD17)

(画像は新バージョン、1曲オマケがついたものです)

★★★★☆

 

DG111の17枚目。シューマンの交響曲4番、ハイドンの交響曲88番です。

古い演奏ながらシューマン4番が見事

前作に続いて1950年代の非常に古い演奏です。指揮者のフルトヴェングラーは最近亡くなった吉田秀和さんも絶賛している伝説名高い人物ですが1954年没であるため、彼の録音は軒並み古く、正直聞くに堪えないものも沢山出回っています。あと10年生きてくれていれば素晴らしい録音が残せていただろうのに残念です。

 

Wilhelm Furtwängler.jpg若きフルヴェン。かっちょいい~

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wikipedia

このCDはリマスターがかかっているのかモノラルながらド迫力です。まずシューマン4番、ベートーベンから続いていると思われるドイツ系お得意の微ダサ旋律をくどいくらい繰り返す第一楽章はテンション上がること間違いなし!調べてみるとシューマンはベートーベンに憧れてたんですね。憧れてたってこのような胸をくすぐる旋律は一朝一夕で生み出せるもんじゃないです。素晴らしい。

第三楽章もやはり気持ちのいいダサさです。これでバレエできるんじゃない?

 

一方後半のハイドン88番は極めてお上品な印象です。まだまだ私にはこの手の曲を心から味わうことができません。もっと枯れなきゃ無理です。そういえば数年前に年配の彼のことを枯れ死と呼ぶと聞いたことを思い出しました。

ハイドンは108曲も交響曲を作曲しています。モーツァルトの倍以上。書きすぎです。モーツァルトの序盤の交響曲もそうですが、本曲も交響曲というよりは弦楽の合奏がちょっと発展しただけというような雰囲気です。木管金管が全然目立ってません。これが年を経るにしたがってどんどん楽器が増えていくわけですがどういう経緯で大編成化していったのでしょう?マーラーなんか1000人編成というキチガイ的な超編成の交響曲を作ってますし。西洋音楽史を学んだらそこらへん詳しく解説されてるのでしょうか?とても興味があります。西洋音楽史は西洋の本が一番詳しいでしょうから、探すのが大変です。

 

 

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