CDレビュー: King Crimson – Starless And Bible Black(1974)


★★★★★
6枚目。1曲目The Great Deceiverはダルさが心地よく、2曲目Lamentも美しいです。5-6曲目のふわふわした感じから長大な7-8曲目に至る流れは素晴らしい。7曲目、表題のStarless And Bible Blackはほぼ完全即興と思われるが、これまでにないような展開だ。圧巻なのは最終曲Fracture。序盤で予感を感じさせておいて、中盤から終盤にかけてワクワク感が限りなく増大していく。そして爆発して終わる。この曲で、またこのバンドの新しい境地を見た気がした。
Redだけ何故自分にヒットしなかったんだろう。。

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CDレビュー: King Crimson – Red(1974)


★★★☆☆
7枚目。6枚目のStarless And Bible Blackより先に聞いてしまった。このアルバムで、キング・クリムゾンとしての活動は一区切りとなるそうだ。
内容は、自分としては期待外れだった。1〜3曲目は今までのアルバムと違い全く訴えかけるものがなかった。ギターはチープな音をだし、ヴォーカルはやる気がなくダルデレ、ドラムがずれすぎている上に哀愁もソウルもなくセンスの感じられないエフェクトまでかかっていて、ここまででこのバンドはもう終わってしまったのか。。と愕然とした。4曲目Providenceでようやく息を吹き返した(やっぱりドラムは下手)かに見えたが、5曲目Starlessは今までのEpitaphやIn The Wake of Posseidonのパワーダウンした焼き直しに聞こえる。後半は悪くはないがやはりパワーが足りない。聞き終わって激しく消化不良のようなものを残すアルバムだった。あとでレビューを見てみると絶賛の声が多いがなんでなんだろう。自分が未熟なのかおかしいのか。
8/19追記:納得いかないのでStarlessだけ聞き直してみたけれど、やはり感想は変わらない。終盤の疾走部分もEarthboundの21st Century Schizoid Manに及ばない。なんだかスタッフロールみたいに聞こえる。-King Crimson 1969〜1972- ってタイトルの後に、ライブで演奏している姿を左半分に移しながら、右半分でバンドのメンバーや関係者が下から上に流れてるようなイメージ。で、ラストに -END- って出せば完璧。爽やかなメロディー、特徴的なストリングス、激しいリズムが全部混じってなぜかスタッフロールになる。なんでかなぁ。

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データ整理

昨日に引き続きPC移行作業。古いPCのHDDを移し替えてPCを起動すると電源が入らない。電源ケーブルを変えたり、ケースの電源ボタンを確認したり配線をつなぎ変えたりいろいろ試したがなかなか起動しない。すわ故障か、初期不良か、やっぱり自作はやるもんじゃないか、メーカー製やBTOにしておけばよかったか。。と様々な考えが巡りつつ、結局電源からマザーボードにつながっている配線が抜けていた、ということに気が付くまで一時間かかった。問題は一つづつ切り分けて検証して潰していく、ということの重要性を学んだ。怪我の功名でHDDランプの接続のピンが1つずれていたこと、全面オーディオ端子が抜けていて機能していなかったこと、がわかり、これらも動作するようになった。
100GBしか空いていない旧500GBのHDDは、Windowsその他不要なアプリケーションを吹っ飛ばすと150GBの空きとなった。これはストレージとしてデータ専用のディスクにしよう。一時の自分の机の上のようにごちゃごちゃだったので、適宜分類してわかりやすいようにしておかないと。


NHK 君が僕の息子について教えてくれたこと

君が僕の息子について教えてくれたことを見た。自分は自閉症スペクトラムである、という医師の診断を受けているので、当事者という立場として見ることとなった。
東田さんはせつなすぎる。思考がまともにできるのに言語と思考が結びついていないらしく、考えを言葉で表現するのが難しい。よい言葉を思いついても、すぐに消えてしまう。文字盤を通してしか会話できず、でも言葉になる以前のものを大量に持っているらしく、表現するのが難しいだけでしかるべき手段さえあれば豊かで美しい文書を量産することもできるのだ。2時間で800字程度と、速度が遅い制限は付くけれど、それで十分だ。
彼の発声は、自動読み上げの音声と一致していると思われる。自閉症患者は経験を自分流にアレンジしてフィードバックすることが難しい。完璧なコピーはできる。したがって発声が難しいならコピーするしかないのだ。彼は自分のことを「思考の点と点が繋がって線にならない」と表現している。ここらへんの記述は自分の経験と合致しすぎていて、芯をついてなおかつやさしく美しい言葉が並びすぎていて私は家族に隠れて号泣してしまった。が、よくよく考えると、それは嘘だ。嘘というか、言葉足らずなのだ。彼は言葉と言葉が繋がらない、つなげにくいことを表現しているのであって、彼の頭の中では本当は思考が繋がっている。繋がって面や立体になっている。だって文章が完璧なのだもの。私が書く文章は、私が把握している限り、発散していて矛盾も多いと思われる。なぜなら、全体の構造を考えながら作ることができないからだ。彼は「持っている者」の側の人間だ。
と思ったが、彼の言語表現は非常にスローだ。スローなら、頭の中で何度もループが発生する余地がある。全体を考えざるを得ない。全体を考えないとそもそも言葉が発生してこないのかもしれない。それは非常に疲れることだろう。事実、彼は毎回会話を終わるための「終わり」というボタンを押して「終わり〜!」と叫んだあと、呼吸を荒くしながらすぐどこかに立ち去ってしまうのだ。ということは、「持っている」ように見えるのは、彼の努力の賜物であったとみるべきであろう。我慢強く、辛抱強く、途中で投げ出さないで、それでも伝えたいことがあって、並々ならぬエネルギーをかけてその結晶である小さな言葉を発し、積み重なってやっと一つの本ができた、と考えられる。雨垂れ石を穿つ。
翻訳者のデイヴィッド・ミッチェルさんはとても誠実で悩む姿が好感の持てる方だったけれど、アメリカのブライアンさんの親は具体的なこと何もしゃべらないし偽善的な感じがする、ブライアンさんは知的な遅れがあるように見えるから家族がいい顔をすれば騙されるよなあ、自分も経験あるし、と思っていたら、東田さんがアメリカで講演会をする話が始まった。これはひどすぎる。紙に書いた原稿を東田さんが読むのだがまともに発音できず単語は飛ばすし文章の体を全然なしてない。しかし会場には彼が読む原稿の要約が英文で配られていてそれがスクリーンに映し出されている。じゃあ彼が読む意味あるのか?それに何故彼に通常の速度で読ませるのか。デイヴィッドさんがそうしたように、ゆっくり1語10秒の速度で行きつ戻りつ読んでもらうのが本来だろ!?何もわかってねぇ!彼にはストレスでしかないよ!それを聞いて喜んでる参加者って何なの?飛行機で十数時間拘束してこの仕打ちかよ!ふざけんじゃねえよ!元気をもらいました、息子のことがわかりました、とか自己満足してるんじゃないよ親どもめ!東田さんはいい人だからあんたらの役に立ちたいと思って頑張ってきたんだろうけど企画そのものがおかしいよ!と家族に内緒で怒りながら見ていた。理解されないだろうし。
でも、自由の女神像見られてよかったね、東田さん。

8/19追記 ※要約は配られていなかったそうです。ごめんなさい。


PC引っ越し

古いPCのHDDは2基搭載されていたので、その中でも古い160GBのハードディスクをフォーマットし、Windows8.1を入れなおした。さらに、新しい500GBのハードディスクを新しいPCに接続し、主要なデータをバックアップした後にフォーマットしてゴミを消し、さらにバックアップしたデータを戻す。この作業だけで半日掛かりだ。まだ現在進行中。HDDの進歩はすごい。5年前に買ったPCの標準搭載は160GB。2年半くらい前に買ったHDDは7千円で500GB。1月前に買ったHDDは7千円で2TB。5年でなんと10倍以上の容量になっている。すごい。いまやSSDですら128GBや256GBになっている時代だ。
筋トレがほぼ3日に1回のペースになった。2日に1回だと腹筋が回復しきっておらずあまり効果がないように見受けられたため。その分、腕立て・腹筋・腕・脚の全工程で45分くらいかかるのでしんどい。しばらくの間全力疾走した後のような肺の状態になる。
柔軟はあと1cmで前屈が床につく。3cmを1cmにするのに2週間くらいかかっている。もうすこし。


LanguageTrainerほぼβ版

六帖Webアプリ更新
LanguageTrainerに編集機能を付け、致命的なバグを取ってついでにいくつか機能を付けて、一通り使えるバージョンになった。miraiserverのアクセス制限については、そんなに頻繁にSQLアクセスはしないだろうということで、とりあえず放置。あとはデータベース次第なので、問題を増やしていきます。


CDレビュー: Enrico Pieranunzi – Stories(2014)

★★★★★
最近のものも聞いてみたいので、モダンジャズから1枚。ピアノ・ベース・ドラムのスタンダードなトリオ。エンリコ・ピエラヌンツィさんのアルバムは、初めて聞いた。1949年生まれだからもう御年65歳、それでいてこの情感あふれる美しく熱のこもった演奏ができるなんて。こんな老人になりたい。
1曲目No Improper Useは、いきなりロックの香りが感じられるしかし曲調のコロコロ変化する流れの速い川のような曲。
この変化の具合が絶妙で、ある小節を境にぱっと変化するのではなく、数小節かけてじわじわと変化していく。スティーブ・ライヒのフェーズ・シフトを思わせるような漸次的な変わり方で、印象に残った。この変わり方は後のWhich Way Is UpやFlowering Stonesでも使われている。
2曲目Detras Mas Allaはラテンの魂を帯びたエネルギーにあふれた曲。3人とも全力出し切ってるのではないか。
4曲目The Slow Geneは静かな曲ながらドラムがすごい。静かなのにこれでもかというくらい叩いていて、かつ3人の和を乱さない。主張しすぎない。ドラムはこのアルバム全体を通して手数が非常に多い。動の曲でも静での曲も数も音色も多く、かつ正確だ。それでいて魂も込められており、所々ドキッとさせるリフを叩いてくる。Antonio Sanchezという人らしい。この人もチェックしておかなければ。
一番の山が7曲目Flowering Stones。静かで妖しく始まり、中盤以降はテーマを保持しつつ盛り上がっていく、最も好みの構成の曲です。
非の打ちどころのない素晴らしい演奏でした。
Cam Jazzのサイトでアルバム全体を試聴できます。太っ腹だなぁ。

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Windows8.1(64bit)+XAMPPユーザーのみなさん

通常使用のPCを新旧交換した。
CPU速度は目算1.5倍、メモリは2GBから4GBに、同じWindows8.1だけど32ビットから64ビットOSに、ディスプレイは15→21インチと作業環境が劇的に改善した。
まずFireFoxがフリーズしない。すばらしい。FireFoxはメモリが足りなくなるとひたすらGCするのか悲鳴を上げてフリーズする。これがメモリが増えてなくなった。
ディスプレイが広い。1024*768ではそろそろ限界だった。会社のPCが変わりフルHDになったのに、リモート接続すると画面が狭くなっていてもったいなかった。
ところが、自作PHPアプリケーションを動かしてみるとなぜか遅い。。SQLの実行に毎回2秒くらいかかる。前のPCでは一瞬だった。
調べてみると、どうもWindows7/Vista以降はlocalhostの名前解決にDNSを使っているらしい。こりゃ遅い。
http://lazesoftware.com/blog/12/0926/

なのでたった一か所変えるだけで劇的に速度改善した。以下引用。

// これを
mysqli_connect('localhost', 'user', 'password', 'dbname');
// こう変更すれば良い...
mysqli_connect('127.0.0.1', 'user', 'password', 'dbname');

ローカルでWebアプリケーションを開発している人は気を付けてください。
ここには書いてないけど、32ビットOSでもこの現象は起こらないと思われる。変更前も変更後もWindows8.1だったので。

古いPCは作業場で電源入れっぱなしだが突然の再起動は起こらない。おそらく、夏になって電力消費が増え家全体の電圧が下がっていたところ、老朽化したマザーボードのコンデンサーが電圧差に耐えられなくなり再起動を繰り返していたと思われる。時々PC用の間接照明の明かりが暗くなっていたので。


PCの寿命

DELLのvostro 220sを購入して5年と少し経つ。とうとうマザーボードがダメになってきたらしい。1日に2-3回、突然再起動するようになった。ローカルで作業して保存していない文章がその度に消えることになるのですぐ保存するよう心掛けている。仕事はweb経由で行っているので、手元のPCが再起動したところで仕事にほとんど支障がないのはありがたい。いい時代になった。
といっても突然再起動するのでは日常困るので、少し前に買った仕事場用のPCと交換することにした。今日から夏が復活したようで、朝から室温が30度越えで暑い。徒歩6分程度の距離だが重いPCとディスプレイを持って往復するのはしんどい。


夏の植生

田んぼに大量の稲がひしめき合って生えているのを見るのは、電車からだときれいだけれど、目の前で見ると怖い。高さ50cmの板状の緑の集団が視界数10m広がっているのはなんだか異様なものを感じる。夏の植物は怖い。太陽から養分を吸っているとはいえ、日に日に目覚ましい速度で大きくなる姿に親しみを感じられない。田から漂う枝豆が発酵したような臭いがなんとなく死や寄生を想像させるからかもしれない。