CDレビュー: Enrico Pieranunzi – Stories(2014)

★★★★★
最近のものも聞いてみたいので、モダンジャズから1枚。ピアノ・ベース・ドラムのスタンダードなトリオ。エンリコ・ピエラヌンツィさんのアルバムは、初めて聞いた。1949年生まれだからもう御年65歳、それでいてこの情感あふれる美しく熱のこもった演奏ができるなんて。こんな老人になりたい。
1曲目No Improper Useは、いきなりロックの香りが感じられるしかし曲調のコロコロ変化する流れの速い川のような曲。
この変化の具合が絶妙で、ある小節を境にぱっと変化するのではなく、数小節かけてじわじわと変化していく。スティーブ・ライヒのフェーズ・シフトを思わせるような漸次的な変わり方で、印象に残った。この変わり方は後のWhich Way Is UpやFlowering Stonesでも使われている。
2曲目Detras Mas Allaはラテンの魂を帯びたエネルギーにあふれた曲。3人とも全力出し切ってるのではないか。
4曲目The Slow Geneは静かな曲ながらドラムがすごい。静かなのにこれでもかというくらい叩いていて、かつ3人の和を乱さない。主張しすぎない。ドラムはこのアルバム全体を通して手数が非常に多い。動の曲でも静での曲も数も音色も多く、かつ正確だ。それでいて魂も込められており、所々ドキッとさせるリフを叩いてくる。Antonio Sanchezという人らしい。この人もチェックしておかなければ。
一番の山が7曲目Flowering Stones。静かで妖しく始まり、中盤以降はテーマを保持しつつ盛り上がっていく、最も好みの構成の曲です。
非の打ちどころのない素晴らしい演奏でした。
Cam Jazzのサイトでアルバム全体を試聴できます。太っ腹だなぁ。

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