75 Jahre Donaueschinger Musiktage 1921-1996 (CD4) Luciano Berio, Rolf Liebermann, Cristobal Halffter, Igor Stravinsky


★★★★★
開始2曲が素晴らしい。1曲目ベリオさんはこんな感じです。
Berio – Sinfonia 3rd movement – YouTube
どうやって真面目に演奏してるんだろう。歌?囁き?シャウト?オケパートは意味不明なようで、ちゃんと曲になってるところがすごい。
2曲目リーバーマンさん、これはcool!現代音楽とジャズの親和性が高すぎる!
Rolf Liebermann: Concerto for Jazz Band and Symphony Orchestra (1954) – YouTube

Track List
1
Sinfonia, for 8 amplified voices & orchestra
Luciano Berio

2
Sinfonia, for 8 amplified voices & orchestra
Luciano Berio

3
Sinfonia, for 8 amplified voices & orchestra
Luciano Berio

4
Sinfonia, for 8 amplified voices & orchestra
Luciano Berio

5
Concerto for Jazz Band & Symphony orchestra
Rolf Liebermann

6
Planto por las víctimas de la violencia, for electronics
Cristobal Halffter

7
Epitaphium für das Grabmal des Prinzen Max Egon zu Fürstenberg, for flute, clarinet & harp
Igor Stravinsky


Leonard Bernstein(Comp + Cond), Jose Carreras, etc – West Side Story: Highlights (1985 Studio Recording) (DG111 CD 6)


★★★★★
ウエスト・サイド物語。クラシックのボックスセットのCDであるが内容はほぼミュージカルで、50年代くらいの娯楽をあまねく取り込んだような曲ばかりだ。ビバップあり、マンボあり。曲がとてもいい!有名な”Maria”ももとより、序盤でカリビアンと複雑なリズムを混ぜた”America”や、派手な演出が想像される”Cool”も非常に良い。これ、バーンスタインさんが作曲したんだ。知らなかった。主役のキリ・テ・カナワさんは、異様にスペイン訛りがきついのでスペイン人かなぁと思ったら、ニュージーランド人だった。バリバリの英語人じゃん!プエルトリカンという設定なので、わざと訛ってるのね、上手すぎる。ホセ・カレーラスはポーランド系の役だけど訛りがスペインっぽい。これは地なんだろうな。いいのかそれで。


Morris Ravel, Daniel Barenboim(Cond), Orchestre de Paris(Orch) – Boléro, La Valse, Pavane pour une Infante défunte, Daphnis et Chloé, Suite No. 2 (111 Years of Deutsche Grammophon CD4)


★★★★★ヽ(•̀ω•́ )ゝ✧
オーケストラの魔術師ラヴェル特集のCD。素晴らしいです。
お馴染みボレロは、後半に向けて1次関数+ラストは2次関数で単調増加で盛り上がっていく、もっとも好みの構成。楽譜がそうなっているのか、バレンボイムさんがそうしているのかはわからないが、1拍目をわざと遅めに入って揺らぎを作っているのが軽い酩酊感を生み出し、不思議ワールドな雰囲気をより一層高めていた。この曲のラストを聞くとどうしてもTVチャンピオンを思い出してしまう。TVチャンピオンを見ていた時は、この曲が実はボレロだなんて知らなかった。ボレロと言ったら繰り返しのメロディーの部分が有名なので。
亡き王女のためのパヴァーヌはラヴェルの最萌曲と言っていいだろう。メロディーが優れすぎている。ラ・ヴァルス、ダフニスとクロエ、両方ともラストの盛り上がり加減は異常。改めてラヴェルかっちょいーー
バレンボイムさんは御年72歳ですが、なんと現役ピアニストです。去年にピアノリサイタルの番組やってました。共演のアルゲリッチもほぼ同い年か。すげぇ。


75 Jahre Donaueschinger Musiktage 1921-1996 (CD3) John Cage, Alois Hába, Dieter Schnebel, Paul-Heinz Dittrich, Friedrich Cerha


★★★★★(°ω°)
2曲目String Quartet No. 2 (“In quarter-tone system”)に衝撃を受けた。quater-tone systemというのは四分音とう半音の半音を使った曲のことらしい。この曲が美しい。美しいけれど、四分音だから音がずれて聞こえるので、物理法則が狂った世界に居るかのような感覚になる。狂っているから美しいのか、美しいのに狂っているのかわからなくなる。2楽章目はいまいちだが。。
1曲目のジョン・ケージと言えば無音の「4分33秒」で有名だ。本CDでは、弾けば弾くほどぶっ壊れるピアノ、というわけのわからん曲が入っている。これは映像で見なきゃ意味がないが、残念ながら映像を見つけられなかった。
5曲目もやばい。スタジオのような狭い音場の中で、楽器と歌が適当にめちゃめちゃやってるようにしか聞こえない。楽譜はどうなっているのだろう。歌のテンションは、昔「DL52便」といって友人がひたすら一人語りでアナウンスやら効果音やらをマシンガンのように並べ立てる作品を作っていたことがあったが、あれのノリに近い。ディキディキディキディキブッポーブシャーーーー
6曲目も、55本の弦が弧を描いて突っ込んでくるような序盤の迫力は類を見ないものがある。
現代音楽ってすごい。既存のものを超えようともがいているのかバカが吹っ飛ばしてるのか判別できない。しかし、その熱量を感じ取ることはできる。時々、星屑が爆発するようなものを聴き取ることができる。このボックスは12枚もあるけれど、最後まで聴いてみて、この後いったいどんなものが出てくるのか楽しみで仕方がない。

Track List
1
12’55.6078″, for two prepared pianos (condensation of 34’46.776″ and 31’57.9864″ played simultaneously
John Cage

2
String Quartet No. 2 (“In quarter-tone system”), Op. 7
Alois Hába

3
String Quartet No. 2 (“In quarter-tone system”), Op. 7
Alois Hába

4
DIAPASON, Kanon à 13 für ungleichartige Instrumentalgruppen
Dieter Schnebel

5
Areae Sonantes für instrumentale und vokale Gruppen
Paul-Heinz Dittrich

6
Spiegel II für 55 Streicher
Friedrich Cerha


Great Pianists of the 20th Century Vol.02 – Martha Argerich I(CD2)


★★★☆☆
やはり危惧していた通りソロだときつかった。まずバッハ Partita No. 2 。いやいや、これは敬虔なキリスト者としてのバッハのイメージと全然違う!ヘイ、神様カモーン!むしろ私こそ、神!って感じの強烈打鍵の演奏だった。これはこれでありなのか?私こそ、神、とは彼女のドキュメンタリー映画が元ネタです。映画『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』オフィシャルサイトすげー邦訳。ちなみに原題はBloody Daughter。原題も怖い。
次にラヴェルが2曲。Sonatine, Gaspard de la nuit。前者はうるさく、後者はもとの曲がそうだから仕方ないんだけど、ぼやけて何がしたいのかよくわからないイメージ。
最後はプロコフィエフのピアノ協奏曲3番。このプロコフィエフって人は私は苦手で、時代のトレンドには逆らうけど方向性の見えない曲ばっかり作るような先入観がある。第一楽章はメインテーマと途中の展開がとても良かったけれど二、三楽章で失速、ピアノとオケの掛け合いも外れっぱなしで、個性的な単音連打のラストも取ってつけたようないまいちな印象となった。


Great Pianists of the 20th Century Vol.02 – Martha Argerich I(CD1)


★★★★★
ピアニスト界きってのヒステリーピアニスト、アルゲリッチ。とても硬質な音を出すので、昔から苦手だった。昔と言ってもまともにクラシックを聴き始めて3年くらいしか経ってないけれど。暴走する感情をそのまんまピアノで出すような人なので、時々バチンバチンと頭の神経に触れるような音が出る。それが聴いていて苦しかった印象が強い。が、このCDはピアノ協奏曲ばかりなので、ピリピリ感がかなり薄まって、何とか聞くことができた。
1曲目はリストのピアノ協奏曲。まずイントロが信じられないくらいダサい!リストは天才だね!ちゃーーらちゃっちゃっちゃちゃちゃーーぱぱーん(このぱぱーんがダサい)。常人には絶対思いつかないイントロ!たまらん!褒め言葉です。リストは自分の演奏技術を見せびらかす曲を書くことに長けているので、アルゲリッチさんにとっては当たり曲と思った。第一楽章の終盤の鬼のような階段譜面をわざと速く弾いてるし。
2曲目はラヴェルのピアノ協奏曲。終始発散していてつかみどころがない。第三楽章にはゴジラ地帯があって、ここもふざけているような変わった曲。伊福部昭さんはラヴェルのファンらしいので、ここから拝借したと思われる。
3曲目がラフマニノフのピアノ協奏曲3番でライブ版、伝説の演奏となっていて、CD化されることが多い演奏です。うちにも実は以前からありました。オケが異様に上手く、抒情的な曲のはずが迫力で押す謎の熱気に包まれた曲になってしまっている。オケがドカーーンと鳴らしたと思ったらピアノが「おーっほっほっほ!私よ!」と前に出てくる、その繰り返しで成り立つ、かなり特殊な演奏と感じた。またラフマニノフさんが、うっとりするような演奏を突然終盤でバレエ曲にシフトさせラストまでどんちゃんして終わる、というこれも素人が絶対に思いつかない構成が大好きなトンデモ作家なので、そりゃあ熱くもなる。生で聞いてたらブラボーって言ってただろうなぁ。久しぶりに聴いて、評価が変わった。
このCDのおかげで、彼女の私の中での評価はホロヴィッツと並ぶドカ弾きネタピアニストとなった。クラシック愛好家に怒られるだろうなぁ。


75 Jahre Donaueschinger Musiktage 1921-1996 (CD2) Arnold Schoenberg, Alban Berg, Roman Haubenstock-Ramati


★★★☆☆
2枚目はシェーンベルク、ベルク、ハウベンシュトック=ラマティ(この人は知らない)。全曲意味不明すぎて私にはちょっと早かったかな。最初の2人は純弦楽、3人目は要約すると、ウハハハハホアーークァックァッチーーンビロロンビロロンtime will tell…ワハハハハwho’s liar? defect continues!フシューーフシューーthere!ハアーーーーthe skull!!ヘアッ!ヘアッ!という曲でした。youtubeに音源が無いのが残念。何かの劇なのだと思われます。ここで少し聞けます。一番上の曲。ベルグさんのカルテットの後半戦は辛うじて聴けたものの、あとは秩序世界よりも混沌世界に振れ過ぎていて、まだ私には理解できませんでした。

トラックリスト
Serenade for baritone & septet, Op. 24
1
Marsch
Arnold Schoenberg

2
Menuett
Arnold Schoenberg

3
Variationen
Arnold Schoenberg

4
Sonett No. 217 von Petrarca
Arnold Schoenberg

5
Tanzscene
Arnold Schoenberg

6
Lied (Ohne Worte)
Arnold Schoenberg

7
Finale
Arnold Schoenberg

Lyric Suite, for string quartet
8
No. 1, Allegro gioviale
Alban Berg

9
No. 2, Andante amoroso
Alban Berg

10
No. 3, Allegro mysterioso
Alban Berg

11
No. 4, Adagio appassionato
Alban Berg

12
No. 5, Presto delirando
Alban Berg

13
No. 6, Largo desolato
Alban Berg

14
Credential or Think, Think Lucy
Roman Haubenstock-Ramati


Ludwig Van Beethoven, Amadeus Quartet – String Quartets Op. 59 No. 1, Op. 131 (111 Years of Deutsche Grammophon CD2)


★★★★★
ベートーヴェンのカルテットを2本。Op.59 の1〜4曲目がすごくいい!ベートーヴェンとしては独特な部類の曲に入ると思います。バロックっぽくないし、ダサさもない、誰の曲とも違う気持ちの良い曲です。少々音が古いけれど、演奏はとても上手で、雨上がりで快晴のときに見る山々のようにきらきらしてます。後半Op.131は素直で親しみやすく、最終曲では得意の泣きメロも見られます。おすすめ。


Johannes Brahms, Claudio Abbado(cond,), Vienna Philharmonic Orchestra(orch.) – 21 Ungarische Tanze (Hungarian Dances) (111 Years of Deutsche Grammophon CD1)


★★★★☆
20世紀のピアニストたち、と並行して聞いていこうと思うボックスセット Amazon.co.jp: 111 Years of Deutsche Grammophon: 音楽。今日は1枚目の、ハンガリー舞曲集。マイナー調全開で、泣きの舞曲。何となく演歌に通じるところもある。とても美しい。しかし、美しいんだが感動できない。どことなく淡泊じゃない?と思った。ジャケットはすごくいい!


75 Jahre Donaueschinger Musiktage 1921-1996 (CD1) Paul Hindemith, Igor Stravinsky, Ernst Krenek, Kurt Weill, Hans Haass


★★★★★_(┐「ε:)_ズコー
電子音楽に幻滅してきたことと、現代音楽成分が足りないことから、このボックスをセレクトした。
Donaueschinger Musiktag(ドナウエッシンゲン音楽祭)は、ドイツの小さな町ドナウエッシンゲンで開催される、初演作品のみの現代音楽祭。アクの強い曲を期待して聞いたら、やっぱりびっくりするような曲がある。
1枚目のトラックリストは次の通り。

1.
Quartet for Strings [no 3] in C major, Op. 16 by Paul Hindemith
Orchestra/Ensemble: Buchberger String Quartet
Period: 20th Century
Written: 1920; Germany
2.
Sonata for Piano in F sharp minor by Igor Stravinsky
Performer: Maria Bergmann (Piano)
Period: 20th Century
Written: 1903-1904; Russia
3.
Lustige Marsche (3), Op. 34 by Ernst Krenek
Conductor: Erich Schmid
Orchestra/Ensemble: Southwest German Radio Symphony Orchestra
Period: 20th Century
4.
Der Lindberghflug by Kurt Weill
Performer: Betty Mergler (Spoken Vocals)
Conductor: Hermann Scherchen
Orchestra/Ensemble: Berlin Radio Symphony Orchestra, Berlin Radio Chorus
Period: 20th Century
Written: 1929; Berlin, Germany
5.
Capriccio, Fugue and Intermezzo for player piano by Hans Haass

注目すべきは1と5。1曲目、ヒンデミットの弦楽四重奏は演奏が超高レベルで、意味不明すれすれの、まだ調性がわずかだけ残っているドキドキカルテット。この崩壊と調和のエッジを歩くような曲は大好きです。弦楽四重奏って宇宙だよな。Youtubeにありました
5曲目は、自動ピアノのための曲。当時は1929年、パソコンのなかった時代の自動ピアノは、演奏データをパンチ穴で記録していたと思われる。パンチ穴だけでこんな複雑な曲を演奏させようなんて。。一体どんな苦労をしてパンチ穴の大群を空けたというのか。想像すると込み上げるものがある。っていうか馬鹿じゃねーの!!!!その馬鹿をあえてやってのけた Hans Haassさんすごい!Youtubeにありました。あまり有名な人ではないので、他の音源が全然残ってない。残念。現代なら、PCの力を借りてもっと高音質な音源が作れそうな気がする。が、楽譜が残っているとは思えないし、この曲の耳コピは無理か。