CDレビュー: Oliver Messiaen Complete Edition – Apparition de l’Eglise Eternelle, La Nativite du Seigneur(CD8)

★★★★★

 

8枚目からはオルガンです。メシアンはパリ高等国立音楽院でオルガンも専攻したオルガニストでもありました。教会のパイプオルガン向けの作品ですのでみな神をたたえる曲ばかりです。本CDの収録曲の邦題は「永遠の教会の出現」「主の降誕」です。ものものしいですね。

パイプオルガンと言えば私の年代で馴染みがあるのはFF6のタイトル画面の曲です。この曲、とても好きでした。

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この曲をめちゃんこ豪華にしたのが1曲目の「永遠の教会の出現」です。ぜひ大音量でお楽しみください。

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いや~これ生で聞いたら悶絶するな。荘厳過ぎ。

 

CDの大部分は二曲目の「主の降誕」が占めています。こちらは組曲で、

  1. 聖母とみどり児
  2. 羊飼いたち
  3. 永遠の摂理
  4. 御言葉
  5. 神の御子たち
  6. 天使たち
  7. イエスは苦しみを受けたもう
  8. 東方の三博士
  9. 神はわれわれのうちに

というわかりやすいキリスト誕生の物語になっています。西洋人の神フリークっぷりには毎回頭が下がる思いです。ラスト「神はわれわれのうちに」が一番起承転結がハッキリしていて面白いと思います。

Messiaen – Dieu parmi nous (Organ @ Rouen,France) – YouTube

うまく貼れないのでダイレクトリンクです。

 

残りのオルガン曲もみごとにみなキリスト賛歌ですね。教会で弾くから当たり前っちゃ当たり前ですが。次回も楽しみ。

 

 

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CDレビュー: Horowitz In Moscow (DG111 CD24)

★★★★★

DG111シリーズの24枚目です。ウラジミール・ホロヴィッツ(1903-1989)というと名前を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。彼は天才的ピアニストで、定番のユダヤ人です。

彼のアルバムは何度か聞いたことがありますが、ものすごく失礼ながら爆音お笑い系ピアニストだと思っていました。いや本当に笑っちゃうくらい音でかかったんですよ。

このアルバムは1986年の録音ですので、83歳。すげえですねこの年で弾けるなんて。爆音はさすがに鳴りをひそめ瞑想の向こう側と言った音を出してます。でも時々爆発する。すごい。

2~4曲目のモーツァルトのキラキラ曲が妙に情感豊かです。誰にも真似できない表情の付け方。

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後半のダイナミックな曲もいいですが、1曲目のスカルラッティのソナタのような簡素なもいいです。ライブ映像付き。手デカすぎ。

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CDレビュー: Hilary Hahn(Vn), Bach – Concertos (DG111 CD23)

★★★★☆

DG111シリーズの23枚目です。珍しく比較的最近のアルバムでした。2003年発売。

バイオリニストのヒラリー・ハーン(1979-)さんはドイツ系アメリカ人。ユダヤ人ではありません珍しい。演奏当時は20代前半とかなりの若手ですね。曲は全部バッハです。バッハのアルバムは今仕事中に無限ループしてますので今日まで通った歯医者のBGMがバッハだったりするとそれだけで燃えるくらい好きです。

ハーンさんのバイオリンは上手ですね。氷の上を滑っていくような音を出します。バッハの個人的なことについては全然知らないので想像で書くしかありませんが、彼は神に何百曲もの大量のカンタータをささげるような人間ですのでこれらの曲にも宗教的敬虔さが籠められているはずです。なのでこんな透明に演奏すると熱狂的とか一途さとかそういうことからは離れているように思います。近代都市的清潔さ、環境音楽的に楽しんで聞く分には優れていますが、自分としては、もうちょっと狂ったようなって言うか、パッションがほしいなあ。これはこれでありなんだけれども。

 

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やっぱ曲から受けた印象通り、雪の女王って感じでしたね。

 

 

 

ドイッチェグラモフォンのベスト盤であるこのボックス、2009年に出たものなのですが今年の12月に再販されるされるみたいですよ。

111 the Collector's Edition

111 the Collector’s Edition

 

ボックスセットは良いです。1枚当たりの単価が安いしいつまでも聞き続けられます。今のペースだと5年くらい聞けるんじゃなかろか。このシリーズ、当ブログで1枚目からずっと取り上げていますがおおむね好評価です。

 

 

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CDレビュー: Oliver Messiaen Complete Edition – Catalogue d’oiseaux, Livre 4, 5 (CD6)

★★★★☆

 

メシアン「鳥のカタログ」2枚目です。4,5集は次の鳥たちが登場します。

  • 第4巻

第7番 ヨーロッパヨシキリ

Acrocephalus scirpaceus Vlaskop cropped.jpg

ヨーロッパヨシキリ – Wikipedia

一夫一妻を取る珍しい鳥です。曲は28分26秒という超大作で、途中にはガラガラドーンとこれ絶対鳥の鳴き声じゃねぇって音も現れます。もしかすると環境音が混じってるのかもしれません。メシアンの鳥観察日記を8mmフィルムで撮ったらこんな音になる、っつーことです。鳴き声は比較的かわいい系ですね。単音の鳴き声は分かるとして、時々コードっぽいベース音が入れるなんてどういう感性をしていたら作れるんでしょうねぇこの曲。

  • 第5巻

第8番 ヒメコウテンシ

ヒメコウテンシ

ヒメコウテンシ – Wikipedia

日本名「姫告天子」、見た目と違って厨二臭のする名前です。ヒバリ科スズメ属ということで鳴き声はほぼスズメと同じです。スズメと思ってこの曲を聴いてみると面白いかも。私が住んでいる付近の川でよくスズメが大群で木に群がって鳴きまくっていることがあるんですが確かにこんな感じです。曲は5分と短め、やはり謎の低音部分などがあります。これは歩いている音なのか?

 

第9番 ヨーロッパウグイス

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Bouscarle de Cetti — Wikipédia

名前の通り残念ながら日本にはいない鳥です。鳴き声も日本のものとはずいぶん異なりチィーチィーと鳴くらしく、曲も全然ホケキョじゃないです。もっと甲高くて耳につく感じです。CD収録曲中一番気合の入っている曲でしょっちゅうピアニストが息吸ってる声が拾われてます。スズメくらいの大きさの鳥なのにパワフルですね。

 

別の人の演奏ですがヨーロッパウグイスです

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CDレビュー: Great Pianist of the 20th Century Vol.10 – Jorge Bolet I (CD2)

★★★★☆

2枚目はライブ版ともあってレパートリーがぐっちゃぐちゃです。美しきドナウの流れにはじまりタンホイザーやらクマンバチやら愛の喜びやら小曲の集合です。

聞くたびに毎回思いますが熊蜂の飛行をピアノに編曲したラフマニノフとこれを弾こうとするピアニストはキチガイだと思います。

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ラストに入ってます。7:00から。

 

あとはタンホイザーがいいですね。リスト編曲だけあって超ド派手です。前のCDに引き続きややべたっとしてますがリスト派手パワーのおかげで過度の甘みが酸味料ですっきりするかの如く聴きやすくなっています。

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 途中までですけど、youtube上なら続きも聴けます。

 

Tracklist:

Johann Strauss/Adolf Schulz-Evler

2-01     Arabesques On “An Der Schönen, Blauen Donau”     11:25

 

Richard Wagner/Franz Liszt

2-02     “Tannhäuser” Overture     16:39

 

Moritz Moszkowski

2-03     La Jongleuse (From Etudes, Op. 52)     1:55

 

Anton Rubinstein

2-04     Etude In C, Op. 23 No. 2 “Staccato”     4:53

 

Nicolai Rimsky-Korsakov/Rachmaninoff

2-05     The Flight Of The Bumble Bee     1:07

 

Fritz Kreisler/Rachmaninoff

2-06     Liebesleid     4:47
2-07     Liebesfreud     5:35

 

Felix Mendelssohn Bartholdy/Rachmainoff

2-08     Scherzo (From “A Midsummer Night’s Dream”)     4:40

 

Johann Sebastian Bach/Rachmaninoff

2-09     Prelude (From Violin Partita No. 3)     3:35

 

Modest Moussorgsky/Rachmaninoff

2-10     Hopak     1:43

 

Sergei Rachmaninoff

2-11     Polka De V.R.     4:13

 

Peter Iryich Tchaikovsky/Rachmaninoff

2-12     Lullaby, Op. 16 No. 1     4:10

 

George Bizet/Rachmaninoff

2-13     Menuet (From “L’Arlésienne”, Op. 23     2:45

 

Gaetano Donizetti/Franz Liszt

2-14     Réminiscences De “Lucia De Lammermoor”     6:20

編曲ラフマニノフばっかだった

 


CDレビュー: Great Pianist of the 20th Century Vol.10 – Jorge Bolet I (CD1)

★★★★☆

Great Pianistsシリーズの10組目のセット1枚目です。

ホルヘ・ボレット(1914-1990)はキューバ出身のピアニストです。フレディマーキュリーに似てますね。

このセットは1974年のカーネギーホールでのライブ録音で、彼の出世作だそうです。

1枚目はバッハのシャコンヌ(ブゾーニがアレンジした奴)、ショパンの前奏曲集、ヨハン=シュトラウスのワルツが2曲です。シャコンヌはややべったりした印象を受けました。納豆バッハ。

前奏曲集もべっとりしてますがこれは陰鬱なショパンの曲調とマッチしていい効果を生んでいます。ピアニストによって向き不向きがはっきり出る曲なんですね。この人見た目はマッチョですが前奏曲のラストなど心の奥まで粘着してきそうなDV的怖さがあります。

 

前奏曲の最後の方

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Tracklist:

Johann Sebastian Bach/Feruuccio Busoni

1-01     Chaconne In D (From Violin Partita No. 2)     15:04
    Préludes, Op. 28

Frederic Chopin
1-02     No. 1 In C     0:35
1-03     No. 2 In A Minor     2:08
1-04     No. 3 In G     0:52
1-05     No. 4 In E Minor     2:04
1-06     No. 5 In D     0:33
1-07     No. 6 In B Minor     2:01
1-08     No. 7 In A     0:50
1-09     No. 8 In F Sharp Minor     1:48
1-10     No. 9 In E     1:34
1-11     No. 10 In C Sharp Minor     0:30
1-12     No. 11 In B     0:41
1-13     No. 12 In G Sharp Minor     1:08
1-14     No. 13 In F Sharp     3:45
1-15     No. 14 In E Flat Minor     0:27
1-16     No. 15 In C Sharp     6:30
1-17     No. 16 In B Flat Minor     1:05
1-18     No. 17 In A Flat     3:50
1-19     No. 18 In F Minor     0:49
1-20     No. 19 In E Flat     1:15
1-21     No. 20 In C Minor     1:45
1-22     No. 21 In B Flat     2:05
1-23     No. 22 In G Minor     0:45
1-24     No. 23 In F     0:53
1-25     No. 24 In D Minor     2:43

Johann Straus/Carl Tausig
    From “Nouvelles Soirées De Vienne”
1-26     Man Lebt Nur Einmal, Op. 167     7:30
1-27     Nachtfalter, Op. 157

 

 


CDレビュー: Oliver Messiaen Complete Edition – Catalogue d’oiseaux, Livre 1-3 (CD5)

★★★★☆

 

鳥シリーーーズ1

5~7枚目のピアノ曲はすべて「鳥のカタログ」です。メシアンは前衛的な曲の探求がいやんなっちゃって、次は鳥の探求を始めることにしたそうです。「鳥のカタログ」は全7巻13曲、3時間30分に及ぶ大作です。

 

1枚目の収録内容は次の通りです。

 

・第1巻
第1番 キバシガラス(黄嘴烏、Le Chocard des Alpes)
キバシガラス

キバシガラス – Wikipedia

ボヘーンホヘーンとぶっきらぼうな和音が多く確かにカラスのように聞こえます。

 

第2番 キガシラコウライウグイス(Le Loriot)

鳥のカタログについて〜キガシラコウライウグイス – KEN Diary (アナリーゼしてる!すげぇ。。)

小柄な鳥ですので単音でピチピチ鳴いています。かわいい

第3番 イソヒヨドリ(磯鵯、Le Merle bleu)
イソヒヨドリ

イソヒヨドリ – Wikipedia

23cmほどの小さな鳥ですが12分半ほどのかなり壮大な曲となっており野太い幻想的な声です。

 

・第2巻
第4番 カオグロヒタキ(Le Traquet Stapazin)

http://www.woodpecker.me/bird/slaty-b_flycatcher/cover.jpg

キツツキの探鳥記

丸くてかわええっすね。旋律のような鳴き声が多く、このCDの中では一番メロディー性が高いように感じました。14分半の尺の中では絶望的な展開もあり一体どんな思いを持ってこの曲を書いたのかしのばれます。

 

・第3巻
第5番 モリフクロウ(La Chouette hulotte)

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モリフクロウ – Wikipedia

フクロウといえばハリーポッターですね。あれはシロフクロウという奴らしいです。ホーホーって感じはしませんが、見た目通りモフモフした音があちこちに入ります。夜のハンターというイメージのする曲です。日本では残念ながらこいつを野生でみかけることはできないそうです。

 

第6番 モリヒバリ(L’Alouette lulu)

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モリヒバリ – Wikipedia

渡り鳥です。13-15cmとかなりの小型。チリチリとちっちゃい声が続き瞑想的な演奏です。弾く方も聴く方も大変だこりゃ。

 

どれもフランスでよくみられる鳥だそうです。4番目のカオグロヒタキが一番良かったので動画を貼っておきます。

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CDレビュー: Arvo Part, Beethoven, Corigliano, Helene Grimaud(pf) – Credo (DG111 CD22)

★★★★☆

111 Years of Deutsche Grammophonの22枚目です。けっこ―新しいCDですね。2004年発売のものです。

ジャケに写ってるピアニストのエレーヌ・グリモー(1969-)さんはフランス生まれのピアニスト。ところがユダヤ人です。お決まり過ぎ。ピアニストはユダヤ人でないといけない法則でもあるのでしょうか。動物生態学を学ぶ共感覚者だそうですから、メシアンとかぶってますね。彼女はオオカミの生態が専門だそうですので、そのうちオオカミの曲を作ったりするかもしれません。楽しみです。

クレドが惜しい

1曲目はジョン・コリリアーノ(1938-) という作曲家の「ファンタジア・オン・オスティナート」。捉えどころのない曲調ですが途中に突然ベートーヴェンの交響曲7番第2楽章が挿入される謎曲です。

次はベートーヴェンのピアノソナタ17番「テンペスト」。か、かたーーい。あんたブレイクかけられて徐々に石化にでもなってるんとちゃうのか。と思うと学校の階段をヒョイヒョイ昇るように進んでいくこともあるしよくわかりません。ベートーヴェンのソナタは人気曲だけに演奏者によってずいぶんと印象が変わりますね。

3つ目はまたベートーヴェンで「合唱と管弦楽のための幻想曲 ハ短調 作品80 《合唱幻想曲》」。合唱と言ってるものの合唱は最後の最後にしか出てきません。第9にとても近い曲です。いい曲ですね。

ラストはアルヴォ・ペルト(1935-)の「クレド」。アルバムのタイトル曲ですのでこのCDのキモです。序盤は派手寄りな教会音楽っぽいのですが途中から不穏な雰囲気が漂って行ったあとに一気に爆発する中盤の大音量カオスゾーンで私は爆笑してしまいました。ビアノぶっ壊れてるし志村音割れすぎ!で、ラストにバッハの平均律クラヴィーア1番(アヴェ・マリア)をまるまるトリビュートしてシメるというとても変な曲でした。

彼なりの思想を持つ曲なんでしょうがアヴェマリアの部分はいらないんじゃないんかねぇ、と私は感じました。中盤で終わってたら超がつくお笑い曲だったのになぁ。

 

ニコニコ動画にこの演奏のクレドが上がってますね。

 

※日本版はクレド終盤元ネタのバッハの曲が別収録で入ってます

 

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CDレビュー: Pachlbel, Bach, Handel, Vivaldi – Musica Antiqua Koln, Goebel – Baroque Favoiltes (DG111 CD21)

★★★★☆

 

古楽器を作って演奏

DG111の21枚目です。ラインハルト・ゲーベルという古楽専門の指揮者に率いられた、ムジカ・アンティクワ・ケルンというアンサンブルが演奏します。

曲目はパッヘルベルのカノン、ヘンデルのソナタ、ヴィヴァルディの「ラ・フォリア」、バッハの管弦楽組曲第2番です。パッヘルベルのカノンはおなじみですよね。

 

古楽器でお楽しみください

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古楽器は今の楽器と異なる音がして面白いです。ピアノはこの時代にまだないのでチェンバロのポロポロした音が歯切れ良いですね。弦楽器も今のヴァイオリンとは違い、ヴィオラ・ダ・ガンバなんて洒落た名前がついています。古楽器アンサンブルは徹底してますから専用の楽器を作って演奏してます。

ヴィオラ・ダ・ガンバ – Wikipedia

ジャケットの左端の人が持ってる縦笛っぽいものなんでしょうね。

 

個々の曲で言えばヴィヴァルディの曲が緩急がきつくて展開しまくりで一番燃えますね。日本では徳川吉宗が改革していた頃にこんな曲が演奏されていたかと思うともやもやワクワクする気持ちです。

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昔の曲は比較的パターンが決まっていて単調になりがちですがこのCDは解釈が現代的で一様でない面白い演奏だと思いました。たくさん聞いてみると色々発見がありそうです。

 

 

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CDレビュー: Oliver Messiaen Complete Edition – Vingt Regards sur l’Enfant-Jesus (CD3, 4)

★★★★★=͟͟͞͞(✹)`Д´)

 

3,4枚目は「幼子イエスに注ぐ20の眼差し」という邦題です。メシアンは作曲家であるとともに神学者ですので、超敬虔なキリスト教徒でキリストが主題の曲も沢山作曲しています。なにしろ彼への眼差しを想像するだけで2時間に及ぶ大曲を作ってしまうほどなのですからその信仰の深さたるやどれほどのものでしょう。

20曲の邦題は次の通りです。

1. 父の眼差し
2. 星の眼差し
3. 交換
4. 聖母の眼差し
5. 子を見つめる子の眼差し
6. それに全ては成されたり
7. 十字架の眼差し
8. 高き御空の眼差し
9. 時の眼差し
10. 喜びの聖霊の眼差し
11. 聖母の初聖体
12. 全能の言葉
13. 降誕祭
14. 天使たちの眼差し
15. 幼子イエスの接吻
16. 予言者たち、羊飼いたちと博士たちの眼差し
17. 沈黙の眼差し
18. 恐るべき感動の眼差し
19. 我は眠っているが、私の魂はめざめている
20. 愛の教会の眼差し

イエスの誕生日と言われているクリスマスに何となくノリでクリスマスソングをかけたり、「聖夜」のイメージだけでイチャイチャしたりそれに嫉妬したりするライトユーザー日本人から見るとドン引き間違いなしのタイトルが勢ぞろいです。

しかし欧米人の多くの人にとっては神が存在するかどうかは死活問題ですから、これくらい真面目に考える方が健全なのです。イエスのことを思って思って苦しみぬき絞り出した慈愛に満ちた曲がこれらと考えました。言い換えるとイエス好き好き大好き俺どうにかなっちゃうぜという曲です。

理解不能な生の迫力

内容は、、意味が分からないがすごい!!音楽理論はまったく理解できませんがそれだけ全体に漂う愛と死と迫力だけが生々しく伝わってきます。むしろ耳に馴染みのある音がほとんど排除されてますので、それらから生じる経験的な観念がノイズとなって邪魔をせず、彼の伝えたいこと(具体的には「イエス愛してる!イエス偉大!イエス見守ってるよ!」)がダイレクトに耳に入ってくるのかもしれません。音楽だけに言葉で伝えるのがあほくさい。単に前衛的なだけだったら以前に聴いたドナウエッシンゲン音楽祭のボックスセット(一番下のリンクから飛べます)のように乱雑過ぎて感想も抱けないようなめちゃめちゃな曲ばっかになりますが、それらとはまた質が大きく異なる曲集でした。

10分程度の長めの曲がどれもこれも優れています。6,10,14,15,19,20曲目あたりです。特に最終曲「愛の教会の眼差し」は久しぶりに音楽を聴いていて涙が出ました。クラシック部門だと最も感動した曲にランクインです。なぜって言われると理由は答えられませんわかりません。演奏者の気迫によるところも大きいように思います。

 

最終曲。ボックス収録と同じピアニストだけど録音は違うっぽい

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ピアニストはイエス好き好き人間なんでしょうか。

 

イエスの曲のはずなのにところどころ鳥の鳴き声を入れるメシアンさんパネーっす。っていうか、ここまでの鳥へのこだわりようは異常です。たぶん少し自閉症入ってると思います。だから余計自分にマッチしたのかもしれません。なお13曲目の原題は「Noel」ですからこれはクリスマスそのまんま、なんとクリスマスソングでした!!まじか

 

 

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