jQuery: jQueryオブジェクトの変数名には$を付けるという慣習

learn.jquery.com

jQueryオブジェクトはラッパーです。セレクタで要素を選択するごとに、毎回新規作成されます。商品がレジ袋で包まれるようなものです。

var logo1 = $( "#logo" );
var logo2 = $( "#logo" );
alert( $( "#logo" ) === $( "#logo" ) ); // alerts "false"

全く同じ要素をselectしているのに、別々の袋に入れられているため === では別物として扱われるわけです。(C言語だったらポインタの比較で説明できそう)

しかし .get(0) で中身を取り出して比較すれば、これは同じものを参照しているので同一となります。

var logo1 = $( "#logo" );
var logo1Elem = logo1.get( 0 );
var logo2 = $( "#logo" );
var logo2Elem = logo2.get( 0 );
alert( logo1Elem === logo2Elem ); // alerts "true"

公式サイトでは、紛らわしいのでjQueryオブジェクトの変数名には$を付けようぜ!と言っています。

var $logo1 = $( "#logo" );
var logo1 = $logo1.get( 0 );
var $logo2 = $( "#logo" );
var logo2 = $logo2.get( 0 );
alert( logo1 === logo2 ); // alerts "true"

jQueryオブジェクトは $logo1、生のDOM要素は logo1 と書き分けることで、コードの見栄えが良くなりました。私も今後これに従おうと思います。


CDレビュー: Great Pianists of the 20th Century Vol.6 – Claudio Arrau III (CD2)

http://ecx.images-amazon.com/images/I/41MBPD5XECL.jpg

★★★☆☆

1曲目の邦題は「巡礼の年・オーベルマンの谷」。スイスへの旅で感じた印象を曲にしたものです。旅にしては一体何があったのかと思うほどドラマチックで激しい曲ですが、これは「オーベルマン」という小説からヒントを得て、リストが苦悩などを表現した結果であるためです。リストらしく大胆でぶっ飛んだ表現が印象的です。

2曲目以降は、曲は悪くないのですが私がアラウさんの演奏に飽きてしまいました。ポロポロと軽く弾くのはよいのですが、全然胸に染みないのです。この2枚組でアラウさんの演奏は終わりですが、正直他のピアニストに早く変わってほしいとさえ思ってしまいました。ごめんなさい。

Track List:

1 Franz Liszt: Années de Pélerinage Première Année: Suisse: 6 Vallée d’Obermann 14:59
2 Franz Schubert: Moments Musicaux, D.780 – No.1 in C 5:48
3 Franz Schubert: Moments Musicaux, D.780 – No.2 in A Flat 6:45
4 Franz Schubert: Moments Musicaux, D.780 – No.3 in F Minor 2:03
5 Franz Schubert: Moments Musicaux, D.780 – No.4 in C Sharp Minor 5:57
6 Franz Schubert: Moments Musicaux, D.780 – No.5 in F Minor 2:43
7 Franz Schubert: Moments Musicaux, D.780 – No.6 in A Flat 7:47
8 Claude Debussy: Images, Book2 – 1 Cloches à Travers les Feuilles 5:23
9 Claude Debussy: Images, Book2 – 2 Et la lune Descend sur le Temple qui Fut 6:10
10 Claude Debussy: Images, Book2 – 3 Poissons d’or 4:31
11 Wolfgang Amadeus Mozart: Fantasia in C Minor, KV475 12:59

 

 

クラシックの他のCDレビューはこちらです。


フィスコレポートを読む 8803平和不動産、2715エレマテック、3079 ディーブイエックス、3167TOKAIホールディングス、7467萩原電気、2487CDG、4718早稲田アカデミー、1301極洋、番外:パチンコ業界終了のお知らせ

8803 平和不動産

証券取引所、オフィスビルなどの不動産賃貸やニュータウンのタワーマンションの分譲で儲ける会社です。賃貸事業が売り上げの半分を占めますが営業利益率が39.6%と異常に高いです。オフィスビルの賃貸っておいしいんですね。証券業界からの要請で生まれた歴史から、日本橋兜町再開発事業に力を入れています。この事業で多額の除却損を計上し今期は減益となっています。今後も兜町の物件を続々と取得していくそうです。証券取引所を中心として街を再開発し周辺のオフィスビルを獲得するという、面白いドミナント戦略を持っています。実質の空室率は1.4%と非常に低い水準を達成しています。

東京証券取引所ビルの賃料減額 (2015年4月から、年間約12億円の減収インパクト)

が痛く、来期は減益の見込み。賃貸収入を業とする会社に投資する際は、賃料水準にも考慮が必要なのですね。

株価は不動産業の中ではかなり高値のPER25.39倍。オフィス・証券取引所の賃料収入の安定感によるものでしょう。兜町再開発事業の損失抜きでこの数字では、お得とは言いがたいですね。

2715 エレマテック

電子材料の商社です。2012年に豊田通商が株式の半分を握り、系列会社となりました。商社にしては営業利益率4.1%とかなり高率の部類です(業界平均は2.2%)。扱う商材がスマホ・テレビ向け液晶やエネルギー関連など成長性の高い商品であり、過去5年間安定して成長を続けています。今期決算は売上高+26.8%と大幅な伸びを達成しました。

親分の豊田通商は名前通りトヨタの関連会社ですので、自動車向けの商材も取り扱っています。レポートでは自動車向け商材の今後の成長展望が今までどのレポートでも見たことがないくらい熱く語られています。中期的な成長は期待できます。

株価はアベノミクス後3倍になった後、直近の3か月間ほぼ横ばいが続いています。商社は利益率の低さと景気敏感であることからPERは1桁であることが多いので、エレマテックのPER11.4倍は商社としてはやや高めであるといえます。なお、親玉の豊田通商は例外で16.77倍と異様に高いです。

3079 ディーブイエックス

心臓ペースメーカーなどの医療機器の小売を手掛ける会社です。個人投資家に人気の銘柄です。分析については私なぞより遥かに優れた分析があるので紹介します。

決算説明会資料を見ると、2つ目虚血事業は輸入事業なので、円安リスクがあります。しかし昨今の大幅円安にもかかわらず減益幅は1%に留まりました。営業力の高さと商品の魅力の高さが感じられます。不整脈事業についても、償還価格が引き下げられ大きなマイナス要因となったにもかかわらず、それを上回る売り上げの伸びによりカバーすることができました。

なお償還価格とは、健康保険が適用されている医療機器について、国から医療機関に支払われるお金のことです。例えばペースメーカーの償還価格が12万円だとします。医療機関がペースメーカーを保険のルールに従って適正に使えば、病院に12万円が入ります。するとDVxは12万円以下でなければペースメーカーを病院に売ることができません。したがって償還価格が下がればDVxの儲けも減ります。

また、この事業はストックビジネスでもあります。ペースメーカー、虚血事業、いずれも耐用年数の高い商品ですので、アフターサービスや消耗品による利益も期待できます。医療機器という性質上、顧客が商品を手放す可能性はほぼ0です。強力なストックですね。

ニッチプロダクト、ほぼ約束されている市場の拡大と独占率の低さから、さらなる成長を期待できる優良銘柄でしょう。株価は今月に入ってから10%以上値上がりしていますが、まだPER13.96倍です。押し目買いを狙いたいところですが、そう簡単に下がらないでしょうね。。

3167TOKAIホールディングス

LPガス・都市ガス事業が売り上げの半分を占めます。じつは以前LPガスの会社がTOKAIだったことがあります。料金がめちゃめちゃ高いです。都市ガスの倍以上します。しかしマンションなので拒否権がありません。LPガス事業は生殺与奪を握れるのでウハウハなビジネスモデルですが、近年ガス原料価格が大幅に値下がりしたので同社の利益も落ち込んでいます。いい気味です。

収益性を判定するのに感情を持ち込んではいけませんね、この会社はISP事業もやっていて、2015/2/1に始まった「光コラボ」で自社の顧客をフレッツから自社光回線に鞍替えさせようと躍起になっています。ISP料1200円が光回線料5100円に化けるのだから必死です。この会社は静岡ローカル会社の趣が強いので、情弱地元民はそのまま乗り換える傾向が高そうです。

ところで光コラボについては見覚えがあります。

フィスコレポートを読む 9795 ステップ、8137 サンワテクノス、6730 アクセル、4574 大幸薬品、7502 プラザクリエイト、3393 スターティア、2915 ケンコーマヨネーズ – 六帖のかたすみ

こちらの3393スターティアですね。スターティアはISPではないので、光回線を新規に売り込むことになるでしょう。しかしTOKAIのように既存ユーザーを転換させるモデルを知ってしまうと、新規売込が入る余地はほとんどないと見てよいと思います。競争激化当然予想されるので、スターティアは売上を全然あげられないのではないでしょうか。

7467 萩原電気

自動車向け電子部品を扱う商社です。主な取引先はトヨタ・デンソー(トヨタ系自動車部品製作の巨大企業)、仕入れ先はルネサスが7割を占めます。 最近はデータセンター事業も手掛けています。ただの商社ではなく、技術者を有し自前で製品を開発・製造したりシステム開発もできるという一風変わった企業です。

トヨタ1点集中からの事業体制の脱却が望まれます。幸い、この企業は非常に技術力が高く、他社に売り込める価値を有しています。海外向け販売が増えており、円安ブーストで業績は絶好調です。前期は純利益+32.2%を達成しました。株価は右肩上がりですが今のままではトヨタと運命を共にすることになりますから、先行きが明るいわけではありません。

2487 CDG

トップニュースが

当社の野球部が、台東区軟式野球連盟主催の夏季大会にて準優勝となりました。当社社員の遠山は『優秀選手賞』を獲得!

なのがいいですね。3月にも

アルティメット世界選手権大会 結果報告

というニュースがあります。ここは会社なのか運動部なのか。事業内容は「営業支援型商社ビジネス」と意味が分かりません。事業紹介ページから判断するとプロモもやる実務もやる、少しお節介なコンサルティングのように見えます。しかし社長のメッセージを見てようやく

当社はプロモーションで使用するグッズ製作を主力事業としています。 

ということがわかりました。具体的にはポケットティッシュ、メモ帳などだそうです。株主優待も

 高級ボックスティッシュ1ケース (20箱入り) 

 だそうです。

http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=announcement&sid=24260&code=2487

こういう可愛いプロモーションを作る活動が主力になりつつあります。知れば知るほど謎の企業です。株価はリーマンショック後からほぼ一貫して右肩上がりでPER25.66倍まで高騰しています。

4718 早稲田アカデミー

早稲アカは小中高まで手広く事業を手掛ける学習塾です。営業利益にはブレがあるものの、売上高は右肩上がりです。いままで3つの学習塾の資料を読みましたが、どこも好調ですね。親の保守化が見て取れます。

以前資料を読んだ明光・STEPと比べて明らかに利益率が悪いです。営業利益率が3.9%しかありません。原価と販管費が両方ともかなり高額です。CMのしすぎではないでしょうか。

売りは「早慶付属高校+開成高校の合格率NO.1」です。そのため主力は高校受験向けけですが、近年は中学受験にも力を入れており塾生数が中学生を抜いています。1997年に四谷大塚と業務提携したので、今後の目標は四谷大塚早稲アカ連合で「御三家合格率NO.1」を達成することだそうです。なお1位は昔からダントツでSAPIXです。高校生向け塾も医学部薬学部が専門であり、難関校ばかりなので原価(=講師の給料とシステム・教材費)と広告費がかさむのは仕方ないことなのかもしれません。

主要株主に明光(5位)がいます。したたかですね。

最近塾業界銘柄が突然2倍の価格になるケースが続出していますが、ここはまだ暴騰していません。もしかするとここは突然高値になるかもしれませんね。

1301 極洋

水産物を中心とする総合食品会社です。調達・加工・販売となんでもやります。養殖も遠洋漁業も物流もやります。ケンコーマヨネーズと並ぶほど企業サイトがキレイです。食品業界はこうでないといけないですね。

営業利益率は1.1%、非常に低くあまりもうかる商売ではありません。水産物事業は商社と、冷食事業は冷食メーカーと競合、常温食品は各種メーカーと競合、物流サービスは大手物流企業と競合、マグロカツオ事業も他の水産会社と商社と競合。食品業界はマーケットが大きいだけに競合だらけですね。

今期の決算説明会資料を見るとカツオ・マグロの売上が10%と大打撃を受けています。魚価の下落+コストの高騰のダブルパンチが原因です。主力の水産事業もサケの価格下落で営業利益大幅減の-38.0%となっています。食品は市場価格にも左右されて怖いですね。ちなみにサイトはキレイですがプレゼン資料は殺風景で右上の画像の位置が毎回微妙に変わるなど手作り感にあふれています。サイトを外部委託してるのがバレバレですね。

来期の目標にも魅力的な項目が見当たらずどうやったら生き残れるか心配です。

パチンコ業界終了のお知らせ

6/23に、日本株式市場とは関係ないけれどパチンコ業界についてのレポートが出ていました。大ざっぱにいうと、

  • パチンコを利用していたアホ層がみなスマホに流れてしまい客が激減した
  • 客の激減により店は収益率を高めざるを得ず出玉が悪くなり、更に客が減る負のスパイラルが起きている

ということが書いてあります。パチンコ人口は1995-2013年の18年間で1/3まで減ってしまったそうです。

 

ダイナムジャパンホールディングス(香港証券取引所)

http://www.fisco.co.jp/uploads/dynamjapanholding20150623.pdf

 


有価証券報告書を読む 3800ユニリタ

http://www.unirita.co.jp/wp-content/uploads/2015/06/150619_yuka.pdf

注目企業の1つ、ユニリタの有価証券報告書が出たので読んでみました。

まず目を引くのは個人投資家と自己株式の比率の大きさです。P24の表をみると個人投資家率は47.81%と半分近い数値です。このうち10.11%が自己株式です。なお、金融機関(主に三菱UFJ系)の比率は9.96%と1割程度しかありません。自己株式は5億8千万円と、バランスシートの一角を占めるほどの大きさです。ユニリタの株価が比較的低PERであるのも納得です。

参考としてトヨタの持ち株率を見てみましょう。

トヨタ | 株式の状況

個人投資家の比率は全体の20.67%、そのうち自己株式が8.07%であることがわかります。金融機関の比率は29.46%と3割に達します。

ユニリタの自己資本比率は69.2%。長期借入金は、すべて直近合併したビーコンITの借金を引き継いだものであると分かりました。金額も少なく全く問題ないレベルです。配当性向も30%とそれなりに高めです。

ユニリタは金融機関向けのメインフレーム事業に収益の多くを依存しています。利益率は高いですが、クラウド化が進む時代ではあまり未来がなくいずれは減収となることが運命づけられています。そこでデータ活用事業を主とするビーコンITを去年子会社化し、今年吸収合併しました。

稼ぎ頭であるが未来が不透明である事業に見切りをつけ、新しい成長産業に投資をする姿勢は、昨今株価が3倍以上になった3633GMOペパボと似ています。レンタルサーバー業の過剰競争を嫌い、ハンドメイド市場ECサービスのminneに集中投資を始めた企業です。

Data Analytics Park ~アナリティクスびより~

データアナリティクス事業部のブログです。「ビッグデータ」は社員さんによると死語なのでは、という指摘があったのでこれからは「データアナリティクス」と呼ぶことにします。


詰碁印刷3 碁盤と碁石と手順の描画、javascriptで配列の簡単なシャローコピーの作り方

詰碁印刷2 – 六帖のかたすみ
の続きです。

ソースはこちら
kickzone/SGFPrint · GitHub

f:id:happyholiday:20150628111339p:plain

碁盤と手順を表示できるようになりました。使っている技術は大したことはなく、easeljsでゴリゴリ碁盤や碁石を描いているだけです。
一番苦労したのはノードの全分岐をゲットする処理です。これは先週大まかにできていましたが動作はさせておらず、今週デバッグに時間がかかりました。
詰碁用のSGFファイルは正解図を表示させるだけではありません。この手ならここがだめ、じゃあ少し戻ってここはこう打つ…と分岐がいくつも存在するファイルがありますので、すべてのパターンについて出力が必要となります。スタックと配列のコピーで実装できました。

SGFElement.prototype = {
//全てのノード組み合わせ(=すべての分岐)をゲット
getAllBranch: function(){
var retArr = [];
var nodeStack = [];
var terminals = [];
nodeStack.push(this.root);
while(nodeStack.length){
var currentNode = nodeStack[nodeStack.length-1];
//子ノードがなければ終端とみなし、nodeStackの内容をretArrにコピー
if(currentNode.childNodes.length == 0){
terminals.push(currentNode);
retArr.push([].concat(nodeStack)); //配列をシャローコピーするちょっと変わった書き方
nodeStack.pop();
}
else{
//terminalsに入っていない子ノードをスタックに入れる
//一つもなければ、探索が終了したものとして終端一覧に入れ、自分自身をpop
var findChild = false;
for(i in currentNode.childNodes){
var node = currentNode.childNodes[i];
if(terminals.indexOf(node) == -1){
findChild = true;
nodeStack.push(node);
break;
}
}
if(!findChild){
terminals.push(currentNode);
nodeStack.pop();
}
}
}
return retArr;
}
}

配列のシャローコピーはとても簡単な方法があります。

var newArr = [].concat(oldArr);

と書くだけでよいです。空の配列に古い配列をコピーした結果がnewArrに返ってきます。

残りの作業は、SGFファイルに書かれているコメントの出力と、大詰めのCSSによるページ設定です。これができれば一通り完了です。


インプット偏重の危険性、アウトプットの重要性、フィードバックとソーシャルによる連鎖反応の可能性

f:id:happyholiday:20150627122628j:plain

私は昔からインプット偏重で生きてきました。そのために多くの弊害を被りました。もっと早くに気づいておくべきだったアウトプット、フィードバックの重要性について書いていきたいと思います。

インプット

インプットとはいわゆるお勉強です。ものを読み、理解し、暗記します。インプットがなければ何もできないため、それ自体は必要不可欠です。例えば教科書を読まなければあなたの定期試験の成績は目も当てられなくなります。それだけではなく、詰め込んだ知識がなければ議論はできません。単語を知らなければ外国語で書かれた文章を読めません。インプットはすべての行動のバックグラウンド、前提となります。インプットは多ければ多いほど好ましいです。

インプットの落とし穴

ところがインプットには落とし穴があります。インプットは一方通行です。情報は外側からあなたの内側の方向に流れていきます。しかし、本当に流れているのでしょうか?

インプットの欠点は、あなたが本当にそれを理解しているのかどうか誰にもわからないということです。本人にさえわかりません。難しい本を最後まで読み通して分かった気になり満足感に浸っていませんか?中学高校時代、テスト前に「俺は昨日8時間も勉強したぜ!」と言っていたのにテストの点数が異様に低い人を見たことがありませんか?「俺は1000冊本を読んだんだぜ!」と公言しているのに客観的に見てアホな芸能人がいませんか?

インプットの量はあなたの思考の明晰さと必ずしも比例しません。矢印が一方向だけを向いているというのは不健全です。インプットのみでは独善的になる可能性が高いといえます。

さらにもう1点。インプットしたことは必ず忘れます。時間がたてばたつほど忘れます。これは宿命です。すべてを覚えていられる人間はいません。

アウトプット

そこでアウトプットの登場です。アウトプットとは文章を書いたり、物を作ったり、他人と会話したりテストを受けたりすることです。情報は内側から外側へ出る矢印に沿って出ていきます。

アウトプットの創作性

アウトプットは全て創作的です。インプットの段階で蓄積された知識・情報を概念化し、肉付けし、形式はどうあれ一つのもの・作品に仕上げていく行為です。何気ない私たちの会話一つ一つも全てが創作的です。

アウトプットをするためには、インプットしたものへの理解が必要です。理解していないものをアウトプットすることはできません。無理やりアウトプットしても支離滅裂なものが出来上がるだけです。

例えば文章を書いていると、しばしば理解が曖昧なことに気が付くものです。書きながら「本当にそうだっけ?」と感じたときは、文献を調べ直したり、最後の手段・ネット検索に頼ったりして、自分の理解の足りなさを補強しながら書いていきます。この過程で、インプットが定着していきます。文章を書くことでぼんやりしていた理解に一本の道が付き、思考は明快になります。書くことで知識は反復され、インプットのさらなる定着にも役立ちます。

フィードバック

アウトプットをもってしてもまだ不十分です。文献やメディアやネットからのインプットにより自分への矢印が描かれ、アウトプットにより自分から外側への矢印が描かれますが、このままではせっかく連続した矢印が空中に雲散霧消してしまいます。アウトプットも一方通行ですから、独善的になる危険性を孕んています。

そこでフィードバックが必要です。フィードバックとは、アウトプットに対して外側から何らかの反応があることです。例えば、会話はフィードバックの仕組みを内包しています。わたしが話せば相手が返答します。他にもテストを受ければ評価が返ってきます。文章を書けば反響があります(ただし読者が多い場合に限る)。

あなたの理解が間違っていればフィードバックにより批判がなされます。コメント欄や2chで叩かれ友や家族に欠点を指摘されます。フィードバックはあなたの知識や思考の正確性、蓋然性、妥当性や面白さ、独創性などのテストの役割を果たします。

フィードバックによりアウトプットの矢印が自分に戻ってきて、新たなインプットを得ることができます。それは好意的な意見であったり辛辣な批評であったり0点のテストだったりするでしょう。どんな反応であれ、自分が形にしたことを相手がインプットし、さらにアウトプットを創作して返してくれるわけです。一種の回路のようなものがそこに創られ、回転しながらより大きな創作へと繋がっていきます。

個人的な経験

自分の話を挟みます。私はアウトプットをほとんどしないで過ごしてきました。例えば授業で発表をしません。質問をしません。本を読んでも感想を書きません。そもそも宿題の読書感想文に何も書けません。その結果、インプットしたものはなにも残らずすべて消え去ってしまいました。妥当性も正確性も何も保障されないまま自己満足的な達成感だけが残り、空っぽな自己だけが残ってしまったのです。

インプットやアウトプットの例として勉強を出しましたが、私は受験勉強はある程度やりました。しかし受験勉強というのは、インプットの割にアウトプットとフィードバックが非常に小さいシステムです。決められた位置のマークを塗ったり、枠内に記号を書くと点数が返ってくる。それ以上のことはありません。知識の妥当性も思考の深さも実はほとんど問われません。書いてある答えが合っていればよいだけですから。いきおい、私の試験対策は問題の決まった手順をなぞることにとどまり、本質から外れていきました。

そして大学に入った後大きく挫折しました。授業で何を言っているのか全く分からないのです。いままで分かったつもりになっていたのに、何も分かっていなかったことが露呈されてきます。試験日程は理解を待ってくれません。私は落第ののち、大学を中退しました。

アウトプットを始める

それから10年ほどたって、オフラインで日記を付けるようにしました。はじめは何も書けませんでした。書くことを知らなかったからです。文章を組み立てる能力がなく、概念や単語が独立して宙に浮いたまま結合しなかったからです。読書感想文を書けなかった小学生時代と同じです。書くとすぐに話題が尽きてしまい、書けなくなって何日か経つとまた少し書く、ということを続けていました。

次に、読んだもの・聞いたものを題材にするようにしました。題材が存在すれば自分の中にわずかながらも反応がありますから、それを書き留めることができます。なんとか、毎日書けるようになりました。去年、手違いでオフラインの日記がすべて消失しました。しばし呆然としました。

日記が消えた – 六帖のかたすみ

大昔にアカウントを取って放りっぱなしだったはてなダイアリーを見つけ、オンラインなら消えないだろう、と思って書き始めました。このころの日記は分量が短く、しかも他人に伝えるつもりが全くありません。アウトプットはフィードバックのためのものであるという思想を持っていれば、もう少しまともな書き方があったはずです。しかし書くという行為を続けていられたことは幸いだったと思っています。400字の原稿用紙を埋められなかった自分が、いつのまにか4000字超の文章を書けるようになりました。

ソーシャル化によるフィードバック連鎖反応

インターネットはソーシャル時代に突入し、一昔前の静的HTML(ホームページと読ん でいました)で一方的なアウトプットをする時代ではなくなりました。ブログ、twitter、facebookは洗練されたフィードバックの仕組みを取り入れています。面白い文章を書けば人気記事として取り上げられたり大量のRTをされたり、togetterやまとめブログで批評されたりします。

はてなブログには、アクセス解析に表示されるPV、はてなスター、人気記事、コメント、はてなブックマーク、などなど様々な報酬系が完備されています。 これらがアウトプットを促し、ひいてはフィードバックを促して強力な連鎖反応を引き起こす可能性を秘めています。しかしそれは記事が読まれ、ユーザーがレスポンスを送りあって初めて形成されるものです。読まれない記事からは反応が起きません。

せっかくはてなブログに移行したので、フィードバックの仕組みを最大限に生かしたいものです。アウトプットを検証し、批評する外部のプロセスを通して思考や精神は健全になります。独善的、一方通行的になることを免れ、さらなる昇華と発展への道が開けます。そのためには、読まれる記事を書けるようにならないといけません。。

ここまで書いて、私は優れた記事にスターを付けたり、コメントを付けたりしたことが一度もないことに気が付きました。今日からは違う自分になろう。

参考文献

バカの壁 (新潮新書)

バカの壁 (新潮新書)

 

 一昔前のベストセラーです。日本人はアウトプットしない、としきりに言っているのはこの人。

 

哲学の教科書 (講談社学術文庫)

哲学の教科書 (講談社学術文庫)

 

日本人の学者は哲学を知っているが哲学しない。インプットしかしない人間への批判がこもっています。

自分を知るための哲学入門 (ちくま学芸文庫)

自分を知るための哲学入門 (ちくま学芸文庫)

 

フッサールの現象学の解説が今でも印象に残っています。現象学とは根拠を様々な人間の主観に照らした「妥当性」に求める学問です。妥当性はまさにインプット→アウトプット→フィードバックの流れで明らかになるものです。フッサールの本はいずれ読んでみたいと思っています。


書籍レビュー: インターネットはプル型メディア 『売上と集客が確実にアップする 儲かるキーワード広告の使い方』 著: 竹内謙礼

★★★☆☆

偶然ですが、意図して選んでいないのに直近に読んだ本と著者がかぶっていました。

要点とそれ以外

この本のポイントは、次の2点に絞られているようです。

  • 従来の広告はプッシュ型だが、キーワード広告はプル型である
  • コストを最適化せよ

1点目については、おおむね次のようなことです。従来のTV広告や新聞広告はプッシュ広告、すなわち内容に興味がないユーザーに広告を押し付け、興味を持たせるものです。テレビ・電車・新聞などのメディアを利用して目に触れる人数を多くすることと、奇抜なキャッチコピーで目を引くことに特化する傾向があります。これに対してキーワード広告はプル型、ユーザーが積極的に検索エンジンを使って情報を探してもらってはじめて成立する広告です。プッシュ型広告と戦略が変わってくるのは当然です。この点については目から鱗が落ちました。

2点目はコストの最適化についてです。キーワード広告にかかるコストは

クリック単価*クリック数

ですべてが決定します。明快ですが、話はそう単純ではありません。

クリック単価はオークション形式で価格が決定し、金を出すほど上位に表示されます。したがって、クリック単価を下げればコストは安くなるものの、広告効果も落ちます。

クリック数についても、クリックされれば必ず商品が売れる(コンバージョンする)わけではありません。広告に使用したキーワードによって、コンバージョン率が変化します。コンバージョン率がなるべく高いキーワードを選ぶことが必要になります。

以上が要点です。この2点については読む価値があります。しかし280Pとそれなりの長さがあるものの、アドワーズやスポンサードリンクの使用方法、経験則などに終始し、あまり濃い内容とは言えません。前回読んだ本とは気合の入り方が違うように思いました。

買いか

上の2点の要点を押さえておけば、あとはアドワーズ、スポンサードリンクをしばらくの間使っていればこの本に書いてあるくらいの内容については自然と経験できるのではないでしょうか。評価は高いですがあまりお勧めできる本ではありません。


CDレビュー: Great Pianists of the 20th Century Vol.6 – Claudio Arrau III (CD1)

★★★★☆

前半はショパンの前奏曲集。正直なところ、はじめの14曲はいまいちでした。。アラウさんは決して汚い音を出しません。こんなこと言うと世界的ピアニストにすごく失礼なのですが、現代音楽に毒されている私にはメリハリがなく飽きてしまいました。ところが15曲目の「雨だれ」以後は激しい曲が増え俄然面白くなってきます。ラスト24曲目は初めから終わりまで積乱雲でもかかっているような不安定さで落ち着きませんが、締めくくりにfffという最強音をぶつけてきます。彼はなんとここに強弱をつけてきました。いいですね。

前奏曲集は12音階+長調短調を全て使用した画期的な曲集です。私なんかよりずっとエレガントな解説がこちらにあります。読んでみてください。

ショパン・前奏曲(プレリュード)〜作品解説・難易度・演奏法〜

30曲目のリストによるアイーダ」から神前の踊りと終幕の二重唱、は全体的にかわいらしく、なのに悲劇的要素も威厳に満ちたフレーズも備わっている不思議な曲です。これもよいですね。

Track Lists:

Frederic Chopin

1. Preludes, Op. 28: No. 1 In C
2. Preludes, Op. 28: No. 2 In A Minor
3. Preludes, Op. 28: No. 3 In G
4. Preludes, Op. 28: No. 4 In E Minor
5. Preludes, Op. 28: No. 5 In D
6. Preludes, Op. 28: No. 6 In B Minor
7. Preludes, Op. 28: No. 7 In A
8. Preludes, Op. 28: No. 8 In F Sharp Minor
9. Preludes, Op. 28: No. 9 In E
10. Preludes, Op. 28: No. 10 In C Sharp Minor
11. Preludes, Op. 28: No. 11 In B
12. Preludes, Op. 28: No. 12 In G Sharp Minor
13. Preludes, Op. 28: No. 13 In F Sharp
14. Preludes, Op. 28: No. 14 In E Flat Minor
15. Preludes, Op. 28: No. 15 In D Flat ‘Raindrop’
16. Preludes, Op. 28: No. 16 In B Flat Minor
17. Preludes, Op. 28: No. 17 In A Flat
18. Preludes, Op. 28: No. 18 In F Minor
19. Preludes, Op. 28: No. 19 In E Flat
20. Preludes, Op. 28: No. 20 In C Minor
21. Preludes, Op. 28: No. 21 In B Flat
22. Preludes, Op. 28: No. 22 In G Minor
23. Preludes, Op. 28: No. 23 In F
24. Preludes, Op. 28: No. 24 In D Minor
25. Prelude In C Sharp Minor, Op. 45 – Chopin
26. Prelude In A Flat, Op. Posth. – Chopin
27. Nocturnes, Op. 48: No. 1 In C Minor
28. Nocturnes, Op. 48: No. 2 In F Sharp Minor

Enrique Granados:
29. Quejas O La Maja Y El Ruisenor (From: Goyescas)

Giuseppe Verdi(arr. Franz Liszt)

30. Aida: Danza Sacra E Duetto Final 

 

 

クラシックの他のCDレビューはこちらです。


フルッタフルッタが仕手株化、掲示板がお花畑モードに。BS11はまたも長期低迷の道へ。

フルッタフルッタが仕手株化

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フルッタフルッタが本日も+6.49%と大幅高、完全に仕手株化しました。

掲示板がお花畑モードに

 修羅の国(Yahoo掲示板)では上げ調子のときは御花畑、下げ調子のときは恨み節で埋め尽くされる特徴があります。ここも例に漏れず、浮かれています。

 

昨日私がこき下ろした決算説明会資料を根拠に持ち上げている人がいらっしゃいます。私は13番さんと全く同じ意見です。アグロフォレストリーを行っているのはCAMTAというアサイー仕入先の会社であり、フルッタフルッタではありません。

なおYahoo掲示板は情報が早く重宝しますが、経験上80%以上の情報はゴミです。上の投稿なら11(=14,15)は仕手を利用したい買い煽りですし、29の言うような株価予報は絶対に聞いてはいけません。ノイズです。16は一般人ですが心配です。

新たなリスクと矛盾を発見

フルッタフルッタの有価証券報告書をちらっと読んだところ為替リスクについて書いてありました。

⑥ 為替相場の変動について
当社は、CAMTAへの商品代金の支払いはドル建てで行っており、為替相場の影響を受けております。為替予約等の活用により、為替リスクを回避する努力を行っておりますが、業容の拡大に応じて適時にすべての為替
リスクをヘッジできる保証はなく、為替変動が短期間に乱高下した場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
いまは超絶円安ですから、原料は大幅高騰間違いないですね。

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よく見ると昨日張った画像にも書いてありました。

ところでこの一番下の「アグロフォレストリー自社プランテーション開発への取り組み」ってなんでしょうね。アグロフォレストリーとプランテーションはどう考えても相反する概念ですよね。

バナナやパームヤシなどの単一の作目を大量生産するプランテーションへの反省から広がりを見せている環境保全型一次産業がアグロフォレストリーです。 

そりゃそうですよね。プランテーション=単一作物の大量生産=森林破壊ですよね。経営陣がアホなのか、CAMTAが怪しいのか、どっちにしてもだめですね。

BS11はまたも長期低迷の道へ。

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いかにもこれから元の1050円に向かいそうなチャートですね。まあしょうがないです。無限ナンピンで身動きが取れなかった反省を踏まえ、本日保有割合を20%強まで減らしました。

昨日今日と日経平均は続落しました。今週はBS11復活効果などのおかげで、一時+4%まで落ち込んだ年初来からの損益は+17%まで回復しました。持株ではユニリタ、イーギャランティが好調です。イーギャランティは明らかに過熱していますが、こちらも以前の反省を踏まえ換金せず数年見守りたいと思います。今月中に有価証券報告書が発行される予定なので、ゆっくり読んでみたいです。


フルッタフルッタが大幅高。そもそもどういう会社なの?決算説明会資料から読み解いてみる

(21:00 画像を追加して追記しました。)

突然の株高

本日、2586フルッタフルッタが謎の値上がりをしています。

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今年2月、上場ゴールで有名に

フルッタフルッタと言えば、いわゆる「上場ゴール」で話題になった銘柄です。上場ゴールとは、上場するために実力を過大評価させるような怪しい決算の数字を作り投資家の期待を煽ることで、公募値と比較して異様な高値で株価が取引された後に、激しい下方修正を出して株価が実力相応の位置に落ち着くまで下がり続ける銘柄のことです。もちろんベンチャーキャピタルや証券会社などの初期出資者は初期に売り抜け、莫大な利益を出しています。ひどい会社に至っては社長や取締役が高値で株を売り抜けることがあります。まさに上場自体が「ゴール」で、後のことは知らないという企業です。

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どんな会社?アサイーって何?

私はフルッタフルッタの企業情報など見たことがないので、早速読んでみました。

【アサイーのフルッタフルッタ オフィシャルサイト】トップページは無駄に重く、カクカクしています。ここはコピペで埋め込みリンクが作成できませんね。何かHTMLに足りてないタグがありそうです。

さてフルッタフルッタは主にアサイー製品を売る会社です。アサイーとは、アマゾンに自生するブルーベリーみたいな果実です。

https://www.juice100.jp/img/acai-2.jpg

オフィシャルサイトによる解説

ポリフェノール、鉄分、食物繊維、カルシウム豊富と健康食品の見本のようなフルーツです。南国の植物にありがちな味の癖が少ないものの、甘味もあまりないそうです。商品のターゲットは主に若い女性層でしょうから、スイーツにするならかなり砂糖を入れないといけないですね。コンビニにあるでしょうから、一度買ってみようかと思います。

さてこの会社は短信にリスクの一つとして「アサイーに9割以上依存しています」と書いてあります。つまりアサイーのブームが去れば終わりです。怖いですね。

前期決算の様子と見通し

http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=ir_material_for_fiscal_ym&sid=15998&code=2586

こちらは2015年3月期の決算説明会資料です。今期の純利益は+31.2%の2.01億円ですが、営業利益が-56.7%の1.06億円とかなりやばい数字です。主に販管費の伸び過ぎによるものです。計画性なさすぎですね。純利益が増えたマジックは「外貨預金の時価評価0.88億円+デリバティブ取引の時価評価益1.67億円」だそうです。やっつけすぎます。来期損失出たらどうするの。

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むろんこれらはキャッシュフロー計算書には組み入れられませんから、こちらの数字はメタメタになります。新株発行で何とか持っている感じに早変わりです。

 

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21Pに「戦略:アサイーに次ぐスーパーフードの育成」と書いてあるのにP25は「期待されるアサイーの市場性」とさらにアサイーフードを開発しまくる矛盾、「ベンチマークは青汁:市場規模800億円」って青汁とアサイーじゃ全然ターゲット違わないか!?アサイーはスイーツ系だと思うんですけれど。。

 

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P27に一応ココナッツとピタヤの育成を進めると書いてあるがココナッツの商品名は「アサイーボウルアイス・ココナッツミルク」ってやっぱりアサイーじゃん!?

アグロフォレストリーという美辞麗句

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同社は「アグロフォレストリー」を提唱しているようです。これまでの、自然のコントロール(=破壊)により人間が効率的に作物を生産するシステムとは正反対の、自然を再生しながらその過程で作物を生産していくという画期的な仕組みです。

この思想は自然農法に近いか、全く同じものだと感じました。

 

自然農・栽培の手引き

自然農・栽培の手引き

 

自然農とは、無農薬は当たり前、雑草は生えっぱなし、土を耕さない、有機肥料すら与えないという男前の栽培方法です。実は、我が家は自然農の野菜を定期購入して食べています。土に自然に存在する微生物がそのまま生きていること、過酷な環境でも育つ野菜しか商品にならないことから、めちゃんこ美味しいし栄養価も高い上に絶対安全です。アグロフォレストリーの思想自体は、持続的な農業であること・自然に可能かなぎり手を加えないことから、自然農と共通します。それ自体は素晴らしいことです。

しかし当然ながら、自然そのまま=人間にとって効率が悪いという大きな欠点があります。ぶっちゃけ、価格が高いのです。自然農の野菜は市場で売られている野菜の価格の何倍もします。もちろん大量生産もできません。一般的に行われている集約的な農業とは縁遠いです。アグロフォレストリーも、作物の組み合わせが難しいでしょうし・森林が回復するにつれて樹木相が変わったりすることで栽培できなくなる作物が増え、目的の農産物を栽培するには他の土地の買収が必要になったり、技術者が必要になったりするでしょう。つまり、コスト高が運命づけられています。市場が求める効率主義とは正反対に位置する思想です。

本当にアグロフォレストリーを実施していれば、年々原価が大幅高となってフルッタフルッタは破綻するでしょう。イオンなど大手企業に卸す業者がそんな質めんどくさいことをするとは思えません。生産地はブラジルですから、実際何をやっているかユーザーは分からないでしょう。経営者すら把握していない可能性もあります。イメージアップのために、それっぽく導入しているように見せかけているだけだ、と思います。無理ですよ工業製品では。

まとめ

以上のことより、きわめて胡散臭い企業であることがわかりました。資料の〆の言葉も「ヒット商品が世界を救う」と偽善的です。具体的な収益性の構想が全く見えてきません。

 

 

ちなみに、来期はデリバティブや為替損益のスペルが消えて、純利益の予想は-63.5%の0.73億円だそうです。私は資料全体から漂うお花畑な雰囲気から、来期も下方修正して赤字になるんじゃないかと思います。今日の株高は一時の投機熱に過ぎないのでしょう。