有価証券報告書を読む 3800ユニリタ

http://www.unirita.co.jp/wp-content/uploads/2015/06/150619_yuka.pdf

注目企業の1つ、ユニリタの有価証券報告書が出たので読んでみました。

まず目を引くのは個人投資家と自己株式の比率の大きさです。P24の表をみると個人投資家率は47.81%と半分近い数値です。このうち10.11%が自己株式です。なお、金融機関(主に三菱UFJ系)の比率は9.96%と1割程度しかありません。自己株式は5億8千万円と、バランスシートの一角を占めるほどの大きさです。ユニリタの株価が比較的低PERであるのも納得です。

参考としてトヨタの持ち株率を見てみましょう。

トヨタ | 株式の状況

個人投資家の比率は全体の20.67%、そのうち自己株式が8.07%であることがわかります。金融機関の比率は29.46%と3割に達します。

ユニリタの自己資本比率は69.2%。長期借入金は、すべて直近合併したビーコンITの借金を引き継いだものであると分かりました。金額も少なく全く問題ないレベルです。配当性向も30%とそれなりに高めです。

ユニリタは金融機関向けのメインフレーム事業に収益の多くを依存しています。利益率は高いですが、クラウド化が進む時代ではあまり未来がなくいずれは減収となることが運命づけられています。そこでデータ活用事業を主とするビーコンITを去年子会社化し、今年吸収合併しました。

稼ぎ頭であるが未来が不透明である事業に見切りをつけ、新しい成長産業に投資をする姿勢は、昨今株価が3倍以上になった3633GMOペパボと似ています。レンタルサーバー業の過剰競争を嫌い、ハンドメイド市場ECサービスのminneに集中投資を始めた企業です。

Data Analytics Park ~アナリティクスびより~

データアナリティクス事業部のブログです。「ビッグデータ」は社員さんによると死語なのでは、という指摘があったのでこれからは「データアナリティクス」と呼ぶことにします。


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