書籍レビュー:『金閣寺』著:三島由紀夫

★★★☆☆

京都旅行に行ったとき金閣寺に寄らなかったので、どんな寺なのかなと思って読みました。1950年の金閣寺放火事件をモチーフとした小説です。三島がマッチョになりかけている途中で書いた小説らしいです。彼の長編作品を読むのはこれが初めてです。

主人公はきもいです。金閣寺に妄執と言っていいほどの執着があります。これから女性と初体験というときに、彼にとっての永遠の美の象徴である金閣がイメージとして現れ、不能になるという設定でした。しかも2回も。この設定自体きもい。クライマックスでは金閣の美について何Pにも渡って饒舌に語られ、ぼくは高校の同級生でNHK教育テレビの出演者や番組について長々と説教を垂れてくる友人のことを思い出しました(彼はいい人です)。

三島の日本語は美しく精緻ですが、ぼくには理解力や感受性が足りず、高尚な美について理解できませんでした。巻末の解説で「三島はその溢れる言語宇宙できもい人間を的確に描写してるんだぜ!(意訳)」と書いてありましたが本当なんでしょうかね。

現代が舞台だったら主人公はオタで、永遠の美=二次元キャラに翻訳されるであろうと思います。想いのままの妄想をぶつけられる点で金閣とよく似ています。世界的文学作品にこんなこと言ってごめんなさい。あと金閣にもごめんなさい

大槻ケンヂが三島にハマってた理由がよくわかりました。

サウンドはいいんだけどなぁ。。


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