塾の仕事も決まったことですしライターの仕事は今日辞めました。けっきょく3週間で3記事しか書けませんでした。
生活の中で、ちょっとだけ深く考えてみよう
「プチ」哲学とは
哲学というと私たちは実存の危機とか、万物の根本的原理は何かとか、難しくて取っつきにくいものを想像します。しかし「プチ」とタイトルにあるように、本書のタッチはやわらかく簡潔に、しかしユニークな視点から物事を見つめ、時には私たちのアタリマエがアタリマエでなくなってしまうような威力をもつ考え方を提供します。これが「プチ哲学」です。佐藤さんは巻頭で、あまり難しく考えず、 しかしちょっとだけ深く考えてみることを薦めています。
佐藤雅彦さんは「ポリンキー」のCMやNHKの「だんご三兄弟」「ピタゴラスイッ チ」で有名です。絵は彼が書いたものです。本書では佐藤さんによるイラストと解説がメインとなって進行していきます。トイレットペーパーやカップ、ネズミ、カエル、眼に見えないようなアリたちが動き回っています。実にかわいらしくほのぼのする絵なのですが、しかしこの絵柄とは裏腹に、内容は日常の気付きに溢れた奥深いものなのです。以下では、本書で書かれていることをほんの少しだけ紹介します。
価値の測り方を変えてみよう
時間で測るか、長さで測るか
おろしたての若いトイレットペーパーが「みんなのために一生懸命生きるんだ」と意気揚々としています。ところが使う人が多くてあっという間になくなってしまい、一瞬で老人になってしまったと自分の短い人生を嘆きます。しかし彼はこう言 います――「でも、役に立った長さはみんなと同じだ。」彼は、自分の価値をはかるものさしを時間ではなく長さに変えることで、誇らしくあることができたのです。
ものさしを変える自由はあなたが持っている
私達は年収や恋人がいるかどうか、子どもがいるかどうかなどの固定化されたものさしで大小を比べ、幸不幸を計った気になってしまうことが多々あります。しかしそのものさしは本当にあなたの価値の大小を表しているのでしょうか?他人や世間が用意したものさしで自分を計測していないでしょうか?大事なことは、ものさしをあなたが自由に選べるということなのです。あなたの価値を決めるのは他人ではなく、あなた自身です。トイレットペーパーの話はほんの2枚のごく簡単なイラストで、このようなことを教えてくれます。
動いているものと、一緒に動いてみよう
動いているものは、動いているものにしか見えない
ツバメは素早く動いている虫を食べなければいけません。小さな子ツバメは、あんなに速くては無視なんか食べられないと不安がります。親ツバメは子ツバメを励まし、一緒に飛び立ちます。
するとどうでしょう、子ツバメには虫が止まって見えるのです。それは、虫の速度と同じ速さで飛んでいるからだったのです。
相対速度という言葉があります。電車の中に乗っている人は、電車の中のものが止まって見えます。これは電車とその中のものの速度が等しく、相対的に速度が0となるからです。一方電車の外側にいる人からは、電車が速すぎて中で何が起こっているのか全く分かりません。動いているものは、動いているものにしか見え ません。
まずは行動してみること
動いているものにしか見えないものは、物理的なモノに限りません。社会的なもの、経済的なもの、人間の心理などあらゆることに応用できます。例えばどのような商品が売れ筋なのか知りたければ、実際に商品を買うために動き回っている消費者へのリサーチは欠かせません。優れた報道記事を書くためには、現場に行ってその場の雰囲気を掴んだり、その場で起きていることを体験したりしなければパワーのある文章を作成できません。何かを成し遂げようと思ったら、まず行動し、動いてみなければ見えないものがたくさんあるということがわかります。子ツバメのようにおそれず羽ばたいてみましょう。そして、動くためには親ツバメのようなメンターや先駆者も必要になるのです。
コーヒーカップに何が入っているか、考えてみよう
本書にはとても難しいクイズが一問ついています。次のようなものです。
可愛いコーヒーカップが、階段の低い方から3つ並んでいます。コーヒーカップには、ミルクかコーヒーのどちらかが入っています。全て同じ種類の飲み物が入っ ているということはありません。階段の上にいるカップは、下にいるカップの中身が見えますが、自分の中身は見えません。一番下のカップは何も見えず、真ん 中のカップは一番下のカップにコーヒーが入っていること、一番上のカップは下からコーヒー・ミルクが入っていることがわかります。しかしこれだけでは情報 が足りません。カップたちはみな考え込んでしまいました。
しかしこの中で1人だけ、自分の中身に何が入っているかわかったカップがいるのです。さ て誰でしょう?ビックリするような発想の転換が必要です。答えはこの本の中に書いてあります。私は、答えることができませんでした。ちょっと深く考えてみて、世界を見る目を変えてください!
テスト記事では無理してベタ褒めしていますが、本音はこちらに書いてあります。一読してつまんねえじゃんと思っても本心と裏腹にプッシュしなければいけないのも苦しかったです。