書籍レビュー: 朗読CD10作品 芥川龍之介・浅田次郎・池波正太郎など

芥川龍之介 橋爪功『河童』|新潮社

 

ランニング中や料理中に時間を有効活用するため、朗読CDを聞いています。スマホにジップロックをつけて防水し、風呂でも聞いてます。CD1枚だとせいぜい短編1つ、文庫本50~100P分くらいでしょう。累計10作品になったので本1冊とカウントし、簡単なレビューをしておきます。

相模大野図書館にあるCD推定400枚を制覇することが目標です。アイウエオ順ですので今回はア行の作者ばかりです。

 

1

食味風々録 (中公文庫)

食味風々録 (中公文庫)

 

 

食味風々録 新潮CD

食味風々録 新潮CD

 

★★★☆☆

2015年8月に亡くなったばかりの阿川弘之さんによる、「食」に関するエッセイです。娘の阿川佐和子さんによる朗読でした。文章はとてもきれいです。戦争絡みの食堂車の話がおもしろかった。

阿川さんと言えばこれですよね。

きかんしゃやえもん (岩波の子どもの本)

きかんしゃやえもん (岩波の子どもの本)

 

 

2

三角の野望【朗読CD文庫】

三角の野望【朗読CD文庫】

 

★☆☆☆☆

南青山で金満する話。まじつまらん。はずれ

 

3

名作を聴く 芥川龍之介

名作を聴く 芥川龍之介

 

★★★☆☆

収録作品は「蜘蛛の糸」「杜子春」「羅生門」「鼻」「トロッコ」。定番ですね。朗読は上川隆也さん。へたです。もうちょっと上手に読めなかったかなぁ。

内容だけで判断するなら「杜子春」がいいですね。寓話なんでしょうけれどぶっ飛んでます。私は母親にこんな感情を抱けるのか疑問ですけれど。

芥川龍之介 杜子春

お前は何を考えているのだ。

 

4

★★★★★+

内容もさることながら、橋爪功さんの演技がキレすぎていて最強です。聴きながら何回も爆笑してしまいました。

河童は人間の一面をデフォルメしたり価値を反転したりした存在ですので、風刺入り不条理ギャグマンガ的な世界の先駆となる作品だと思います。大好きです。

新潮社のサイトで買えますが、お近くの図書館にあればぜひ聞いてみてください。笑い死にます。amazonにはなぜか無いようです。

芥川龍之介 河童

 

5

遺影

遺影

 
遺影(『霞町物語』講談社文庫所収)

遺影(『霞町物語』講談社文庫所収)

 

★★★☆☆

ぽっぽやの浅田次郎さんです。ちょっと複雑な、渋いじいさん達の話。

 

6

月島慕情【朗読CD文庫】

月島慕情【朗読CD文庫】

 
月島慕情 (文春文庫)

月島慕情 (文春文庫)

 

★★★★☆

吉原の話。朗読の小川道子さん、ドスが効いてて上手です。舞台を吉原にするのはずるく、状況押し切り勝ちって感じですがおもしろかったです。東京に住んでいた頃が懐かしくなります。MVPはダントツで人買いの卯吉。

 

7

聖夜の肖像

聖夜の肖像

 

★☆☆☆☆

フランスで別れた昔の男が想像の中で膨らんで苦しむ女の話。現夫がいい人すぎてお前絶対妻愛してないだろ、現実感なさすぎです。舞台が現代だと途端につまんなくなりますね。

 

8

井関道場・四天王

井関道場・四天王

 

★★★★☆

池波正太郎さんの小説を読む(聴く)のは初めてです。「剣客商売」シリーズから。井関道場の跡取り問題をめぐる騒動を描きます。朗読の神谷さん、すっげー上手!四天王の剣闘場面は臨場感があります。

 

9

徳どん、逃げろ

徳どん、逃げろ

 

★★★★☆

またも「剣客商売」シリーズから。登場人物は「井関道場・四天王」とリンクしています。ちょっと硬いラノベみたいなもんですね。スケベ気味なのもラノベと変わりません。そういえばちらっと読んだ吉川栄治の作品もすけべでした。歴史小説とラノベの一致を見ました。

 

10

唖の十蔵

唖の十蔵

 

★★★★☆

今日聴きました。「鬼平犯科帳」シリーズより。おそらく、シリーズ0話か1話のような位置づけなのではないでしょうか。拷問のシーンは心臓に悪いです。江戸時代も韓国王朝も自白させるためになんでもやりすぎです。ラストは何とも言えない気持ちに。

このシリーズも朗読は神谷さん。上手でした。

 

鬼平犯科帳(一): 1

鬼平犯科帳(一): 1

 

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。