日本株久々に反落するも、6731ピクセラが2連S高。後ろ盾のOakキャピタルってどんな会社?

日本株は久々に反落

今日の日本株は7日ぶりの反落、日経平均は-248円の20593円で引けました。利益確定売りにより下がったようですが、ギリシャ・中国ショックと比べれば屁みたいなものですね。

今バブルですか?

http://static.reuters.com/resources/media/editorial/20150721/survey0722wEUt8X-1-min.gif

バブルである、と答えた企業は2割。7割の企業が「実力相応」と回答しています。

私はおおむね実力相応、これ以上値上がると割高だがまだまだバブルには程遠い水準だと思います。根拠はPERです。

現時点の日経平均のPERは19.45倍です。

アメリカDJIAのPERが16.08倍とふつうのレベル、NASDAQが22.49倍とやや高めで、この間くらいが日本の値です。上海総合のPERはバブルの高値のときですら19.18倍です。全然バブルじゃないじゃん!?一体なぜあんなに煽られていたのかわからなくなってきました。ずっとPER10倍程度だった(=中国市場はリスクが大きいと見積もられていた)のが突然2倍になったからなんでしょうかね。

この表を見ると、リーマンショック時はどこの企業も収益がガタ落ちだったため、未曽有の株安にもかかわらずPERは40倍程度で推移したことが読み取れます。金融危機の真っただ中ではPERなんぞ役に立ちそうにないですね。2010年中旬以降は、おおむねフェアバリュー内で推移していたようです。今後株価が上昇するかどうかは、企業の成績次第というわけです。

ちなみに日本のバブル期のPERはなんと70倍でした。異常です。投資した金額が70年経ってやっと回収できるレベルがまともな投資基準とは思えません。

ピクセラとOakキャピタル

6731ピクセラが今日もストップ高、+32.89%と2日でツーバガーとなりました。立役者のOakキャピタルという会社に興味がわいたので調査してみました。まずは有報を読みます。

http://pdf.irpocket.com/C3113/yZlC/p9ZZ/CS2O.pdf

創立は慶応4年(1868年)と超老舗ですがこの時点ではなんと漁網製造会社です。ところが2001年に突如投資事業に進出し、2005年に海洋事業を切り離し投資事業に特化した会社になる、という異色中の異色です。

投資方針は「純粋な投資」「口を出さない」がモットーであると書いてあります。

http://www.oakcapital.jp/common/img/jigyo/equity/feature_01.gif

投資方針・5つの特長|Oakキャピタル株式会社

再建計画を全く建てないというのはものすごく気にかかります。例えば最近読んだ「ハゲタカ」の主人公鷲津が率いるホライズン・キャピタルは経営に口出しまくり、役員の総取り替えすらも辞さない強硬派ですが、それは資本投入先企業の経営を必ず立て直せる自信があってこその判断です。潜在価値の高い企業をファンドの手で立て直し、その結果として利益を得るというモデルです。投資先企業はいずれも大復活を遂げます。

さてOakの手法を要約すれば「金は出すが後のことは知らん」となります。なんかものすごく無責任に見えます。

過去に投資した企業をいくつかピックアップして、その後を見てみましょう。

・2011年2月 7992セーラー万年筆に出資→株価2倍→すぐに元に戻る→5年連続赤字記録更新中

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・2013年7月 2321ソフトフロントに出資→イナゴで2倍→すぐ元に戻る→純損失は過去最悪を更新中

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・2015年4月 4777ガーラに出資→株価5倍→元に戻る→ゲーム売れてない

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経営が良くなっている企業がひとつもなさそうです。株価が死んでいる企業に投資すればピクセラのように株価は爆上げ必至です。1を2にするのは難しいですが、0.1を0.2にするのはあまり難しくないという論理ですね。

経営実績はまるでジェットコースターのようです。

回次 第150期 第151期 第152期 第153期 第154期
決算年月 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年
3月 3月 3月 3月 3月
売上高 千円 4,351,979 926,885 1,538,774 4,167,096 8,315,754
経常損益 千円 8,152 △656,078 △342,391 564,038 1,862,608
(△は損失)
当期純損益 千円 115,419 △659,537 △485,518 554,651 1,809,145
(△は損失)
 

平成24, 25年の成績から、この会社は投資ではなく投機を行う会社と判明しました。大儲けもするけど大損もする。そして、ギャンブルの原資はOakへの投資家から徴収し、ギャンブルの儲けはイナゴの高値掴みの連中から出るというわけです。

ちなみに株価は低迷しているようです。時価総額から割り出した平成27年度の実績PERは8.43倍ですが、高いのか安いのか全く分かりません。

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本質的にギャンブルを行う会社ですので、競馬やプロレスの勝ち負けの予想に等しく、私にはとても怖くて手を出せない企業です。。


日本株久々に反落するも、6731ピクセラが2連S高。後ろ盾のOakキャピタルってどんな会社?」への3件のフィードバック

  1. 実績を考えると元に戻る可能性は高いです。ピクセラの描いている再建計画も実行性があるかどうか怪しいですし。
    ただしガーラの株価が1000円を割ってないことから考えると、底値が数10%上がる可能性はあります。安定値は投機家の「またタワーができて上がるに違いない」と心理と「この株オワコン」という心理の平衡状態によって決定されます。
    「Oakがこの株を掴むだろう」という予知能力があれば、大儲けできます。私には無理です。

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