言葉2

言葉は表象であり、媒介である。言葉自身は、物事そのものを表さない。ある物事にアクセスするためのキーとなるにすぎない。
自分が発した言葉を他人が聞いて、自分と全く同じものを思い浮かべることはまずありえない。それどころか、自分自身、ある言葉に対して抱くイメージは時と場所によって変化する。
しかし我々は自分と同じイメージを抱くであろうと期待し、またそのように努力して、毎日言葉を発する。

言葉は表現だ。他の人間に、自分の抱くイメージ、感情、抽象的概念、物語などを確実に伝えるために表現する。
ある物事を正確にとらえ、自らの意図したイメージを喚起するための言葉を丹念に選び、精巧に組み立て、発信する。素材となる言葉が不正確であったり構成が悪ければ、他人には伝わらない。誤解を招く。我々はみな職人であり、芸術家である。


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