猛暑

一昨日から室温が夜・早朝でさえ33度を下回らない。昨日今日の猛暑で日中は最大36度まで上がった。鉄筋コンクリートの部屋は冬は暖かいが、夏は地獄だ。コンクリートに溜まった熱が輻射し、夜も空気の粒子が容赦なく肌を叩き付ける。マンションは日本の気候に合ってないよ。
現在夜22時で室温は34度。涼しい。
5年前から同じ状況なので自分は慣れたが、猫には過酷すぎた。2匹のうち片方の白三毛は一日中体を縦に伸ばして謎の紐状の物体になっているし、もう一匹はおそらくサイベリアンというふっかふかの毛の種(野良)なので暑くてしょうがないらしく日中は呼吸のBPMが300を超えている。でもこいつは冬は寒がって猫用の小屋から出ない。今のBPMは160くらい。
かわいそうなので明日ヤマダで窓枠用エアコンを買うことに決めた。借金が4万増える。


何を目標として生きるのか

大学を中退し、今勤務している会社にアルバイトとして入り、その後税金を節約したい社長の意向で、外注で仕事を請け負う自由業扱いとなってしまった。もちろん厚生年金も社会保険もない。退職金も有給休暇もない。交通費すら出ない。将来の保証はないし、病気になったらとたんに飢える。生命保険を払う金はない。1年前くらいまでは、この事実にひどく怯えていた。
facebookでは昔の友人たちがどうなっているか検索できてしまう。順当に大学を卒業し、一般企業や官公庁に入ってトントン出世していく友人たちが羨ましかった。
しかし最近になって、それがどうした、自分は死ぬまで生きるしかないじゃないの、と思えるようになった。
横山三国志全60巻を全巻立ち読みしたことが大きいかもしれない。
−−以下ネタバレ注意
主人公の劉備玄徳は乱世において(作者に贔屓されてだけど)志の高い名君で、裸一貫から苦労して耐え忍んで部下にも恵まれてやっとこさ蜀という国を乗っ取る。国は繁栄し強国の魏や呉とも張り合えるくらいの規模になる。が、劉備は志半ばで死ぬ。個人的に好きだった張飛は無敵の強さなのにちょっとした裏切りで死ぬ。他の部下もつまらんことでどんどん死ぬ。相手方の名将も病気で死んだり裏切りで死んだりすぐ死ぬ。あんなに苦労して発展した蜀は劉備の子供がヘタレだったのですぐ魏に滅ぼされる。そこで漫画は終わるが、史実を見ると魏もすぐ滅びるそうだ。
−−以上ネタバレ注意
この物語と結末、史実は大きな衝撃になった。世の中の些事なんかどうでもよくなった。
どんな偉業を成し遂げたって、人間は死んでしまう。高給取って老後ウハウハだろうと、退職後すぐ認知症になってしまうかもしれない。良く言われていることで世の中に溢れている観念の一つではあるが、実感は全然なかった。
(時間が無くなったので明日に続く)


CDレビュー: 上原ひろみ – Alive(2014)


★★★☆☆
ジャズピアニスト上原ひろみの最新作。ここ最近の3作はいずれもピアノ+エレキベース+ドラムのトリオであり、ジャズというよりは殆どロックに近いスタイルの楽曲が特徴。上原さんのこなれた曲作りはさすがと言わざるを得ないが、何かが足りない。このアルバムはドラムの下手さが際立つ。特に3曲目Dreamerはひどい。序盤にピアノとベースが半拍ずれてドラムがシンコペーションになるところでずれまくりで、がっくりとくる。期待が高かった分がっくりも大きい。1曲目の後半のドラムラッシュもよく聞くとピアノと激しくずれている。のれない。8,9曲目は良かったので残念。

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CDレビュー: 猫叉Master+ – Backdrops(2009)


★★★☆☆
IIDX trocoroの氏の猫叉Master+名義の曲が良かったので、期待して聞いた。プラス名義を使うときは冒険する曲が多いらしく、2曲目being torn the skyはヴォーカル+猫叉節+サビの前の溜めが上手く非常に良かったが、その後パンチの効いた曲がなかった。唯一、11曲目Crackはサックスソロとブレイクビーツをぶつける意欲作だと思ったが、肝心のサックスソロに破壊力が足りず「き・・・きかぬ きかぬのだ!!」と涙するラオウのような気分になった。ゲーセン現役時代にプレイした曲が6曲も入っていて感慨深かったが単一の楽曲として聞いてみるともうひとひねり欲しかった。

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先週末から本格的に夏になった。いつも作業している部屋は鉄筋コンが熱を放出する上に、部屋の窓がない側にいるので空気が籠って室温は涼しくても30度、最大35度と暑い(エアコンはない)が、数年来で身に着けた対処術でそこそこ快適に暮らしている。
・ハンカチで頻繁に体を拭く
汗が乾いて体にベタベタ張り付くと熱が全く発散しなくなる。汗はすぐ拭きとるべきだ。ハンカチは1日数回石鹸で洗って皮脂を取る。
・ハンカチに水を含ませて手足につけ、扇風機で乾かす
まず気化熱が奪われてハンカチが冷える。これは触るだけで気持ちいい。手足は服ごと濡らしても構わない、扇風機と気温ですぐに乾き、エアコンの風の真ん前で10秒くらい冷やし切ったような状態になり、しかも乾ききるまで効果が続く。乾ききったらまたハンカチを濡らす。ハンカチ1枚が生命線だ。薄いハンカチでは水を含む量に限度があるからハンカチ大のハンドタオルの方がいいかもしれない。
・風呂には寝る前に入る
汗を少しでもかいたら布団は汚れるし熱が発散しないし良いことがない。風呂上がりではわざと体を湿らせて扇風機で一気に熱をふっとばし、すぐ寝る。風呂は朝までに乾かさなければいけないからあまり遅くにも入れず夜更かしが出来なくなるため、生活リズムも安定する。
以上を実践していると扇風機に当たっていさえすれば室温32度でも涼しく感じる。自分は熱がこもりやすい体質だと思っていたが、汗が脂じみているのが原因のようで、拭きとれば楽に乗り切れそうだ。炎天下買い物に行ってもバテなくなった。
部屋の模様替えをしたので猫が隣にいる。今年からエアコン抜きだ。可哀想だが1日中首振りで扇風機を当てていることと、窓のすぐそばにいるので全くバテてない。東向きなので日光が射すのは朝一番だけだし、食欲もあるし1日中寝ていて快適そうだ。部屋の隅のこちらの作業デスクより絶対涼しい。


CDレビュー: Giacomo Puccini, Rome Opera Orchestra, 1959 – Turandot (RCA Living Stereo Collection CD49,50)


★★★☆☆
トゥーランドットはイタリア語の勉強の事始めとして教材に使っていたもので、大学の音楽論の講義でも使われていたこともあり思い出深い。

プッチーニさんの楽曲はとにかくド派手。オペラなのに登場人物がみなキャラ立ちしていて魅力的で、特にピン・ポン・パンの大臣三人衆が好き。一番好きな個所は、第一幕ラストの鐘を3回鳴らすまでの部分。登場人物が掛け合いながらクライマックスに向かうこの場所は何回聞いても鳥肌が立つ。

この演奏は海外では評価が高いようだけれど、個人的には声が埋もれてるし迫力も薄いので残念だった。初めに衝撃を受けたこの演奏の方が好み。日本語字幕のついたDVDもある。このDVDは超豪華な舞台装置、小林幸子もびっくりなトゥーランドット姫の衣装など見どころも満載で、おすすめ。

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CDレビュー: King Crimson – Larks’ Tongues in Aspic


★★★★★
5thアルバム。
まず1曲目から衝撃の表題曲Larks’ Tongues in Aspic, Pt. 1。冒頭に流れてる爪で金属の板をはじく楽器、良く行く雑貨屋で流れてて好きなんだけれど名前は何て言うんだっけ?(追記:カリンバです)

と考えてたらギターが流れてきて、あとは即興の嵐。アルバム全体に流れている民族楽器とロックが程よく調和している。3曲目Exilesがまたツボにハマる構成で泣ける。和音や弦も素晴らしいが何よりドラムが泣かせる。スネアロールだけで泣けてくる。何なんだこの人。

5曲目The Talking Drumもドラムが主役。6曲目Larks’ Tongues in Aspic, Pt. 2も後半部のドラムが神がかっていて戦慄した。このアルバムの邦題は「太陽と戦慄」って言うらしいけどなんか間違ってないか?最初から最後までドラムばかり聞いてしまうアルバムだった。

調べてみるとこのアルバムで打楽器担当のジェイミー・ミューアさんは、収録後アルバム発表前に仏教修行のため脱退してしまったらしい。惜しまれる。

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CDレビュー: beatmania IIDX 20 tricoro ORIGINAL SOUNDTRACK vol.1

(ちょっと恥ずかしい)
★★★☆☆
昔ハマっていたゲームの第20弾サントラ。自分はまともにプレイしたのが13くらい、17以降は触ってもいないので、とうとう20も出たか、と思うと感慨深い。
回を追うごとにターゲット層が低年齢化していって、硬派な曲がどんどん少なくなっていって気持ちも離れて行ってしまった。前回Lincleのサントラが非常にイマイチだったこともあり、このサントラには期待していなかったが、どうしても気になるので効いてみた。いつも通りボーカル曲はほぼすべて量産型女性ボーカルなので飛ばしてしまったが、それ以外の曲のクオリティは高い。ほとんど、常連の作曲者ものだけれど。。

・気になった曲Top5

1.DJ MURASAME – 仮想空間の旅人たち
一番ツボに入ったのはこの曲。非常に不思議な音の使い方をする。ダサい一歩手前のガケを行ったり来たりする。メロディーも全然予測できない動きをする。古臭いような定番のようなでも一風変わっているアルペジオ。それらが全体的に組み合わさって曖昧で宙ぶらりんな浮遊感を形成している。4分もあるのでおかしいなと思ったら、なんとSPとDPで1曲を構成しているのだとか。プレイ末期はDPerになっていた自分としては嬉しい仕掛けだ。

2.yu_tokiwa.djw – rumrum triprets
好きだった曲 murmur twins + Linus のリアレンジバージョン。やっぱりいい曲でした。

3.Eagle – S!ck
流行りのダブステップを一応取り入れてみたものの、それの向こう側に駆け抜けてしまっている姿勢が素晴らしい。展開が慌ただしくごちゃ混ぜなのも非常に良いです。

4.ユニバーサル度胸兄弟 – Thor’s Hammer
ジャニーズ的存在のイケメンであると同時に天才ピアニストとして有名なリスト様が作曲した超絶技巧の代表曲ラ・カンパネラをIIDXで叩かせようとする意欲作。最初から最後まで爆音のクライマックスのまま進んで終わるので始め聞いたときは笑ってしまいました。

5.猫叉Master+ – portal
氏の曲は独特の哀愁コードを必ず使用していてそれはとても良いのだけれどワンパターンになりがちであまり得意ではありませんでしたが、この曲では独自性を保ちつつ6/8+4拍子混在など斬新なリズムパターン、今までにないメロディーなど新たな境地を見た気がします。

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CDレビュー: Charles Koechlin – Quintettes

★★★★★

[Youtube]同CDの後半、Quintette pour piano et cordes, Op.80

20世紀前半、フランスの作曲家ケクランの室内楽。弦楽4本+ピアノのクインテット。
以前NHKで「クインテット」という番組をやっていた。宮川彬良さんと人形4体がコントや歌、そして本格的な演奏会をする素敵な番組だった。彬良さんのアレンジが優れていることもあって、とにかく演奏がすごい。ピアノと弦が4本あれば、オーケストラに負けない音楽的宇宙が表現できることに毎度感動しながら見ていた。そして、このCDでクインテットの持つ力を再認識した。

音楽史に疎いことを断ってから書くと、20世紀前半に作られた曲は、新しい表現を探すために調性をぶっ壊している過渡期であるためか、崩壊と調和の狭間をさまよっている曲が多いように感じる。調性から外れると秩序から外れるので不安になる。この時代より下ると外れっぱなしで不安なまま終わって意味不明、心にもなかなか訴えかけないのだが、このあたりの時代の作曲者(特にフランス系の人たち)は最後に必ず調和をもたらしてくれるので、自分はそのギャップのせいか、いたく感動する。

後半のOp.80は、1-3曲目ははっきり言ってわけわかめだ。しかし最後の4曲目が素晴らしい。タイトルの”La Joie”という言葉通り、演奏を聴いている間も聞き終わった後も、体の中が喜びで満たされることこの上ない。

別アーティストによるOp.80の演奏。

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