Slayer – South of Heaven(1988)


★★★★★
4枚目。前作とはうって変わって、ヘビメタ的メロディアス要素も若干ながら取り入れ、新たな方向性を打ち立てたアルバムだろう。1曲目South of Heavenはスローテンポながら重さを見せつけた後、2曲目Silent Screamでバカみたいな速さのツーバスの嵐を投げてくる。Behind the Crooked Cross、Mandatory Suicideのように初のまともなメロディーのある曲も存在する。全曲にわたって前アルバムよりも遥かに磨かれたドラムリフが光る。ドラムかっこいいーー。


75 Jahre Donaueschinger Musiktage 1921-1996 (CD2) Arnold Schoenberg, Alban Berg, Roman Haubenstock-Ramati


★★★☆☆
2枚目はシェーンベルク、ベルク、ハウベンシュトック=ラマティ(この人は知らない)。全曲意味不明すぎて私にはちょっと早かったかな。最初の2人は純弦楽、3人目は要約すると、ウハハハハホアーークァックァッチーーンビロロンビロロンtime will tell…ワハハハハwho’s liar? defect continues!フシューーフシューーthere!ハアーーーーthe skull!!ヘアッ!ヘアッ!という曲でした。youtubeに音源が無いのが残念。何かの劇なのだと思われます。ここで少し聞けます。一番上の曲。ベルグさんのカルテットの後半戦は辛うじて聴けたものの、あとは秩序世界よりも混沌世界に振れ過ぎていて、まだ私には理解できませんでした。

トラックリスト
Serenade for baritone & septet, Op. 24
1
Marsch
Arnold Schoenberg

2
Menuett
Arnold Schoenberg

3
Variationen
Arnold Schoenberg

4
Sonett No. 217 von Petrarca
Arnold Schoenberg

5
Tanzscene
Arnold Schoenberg

6
Lied (Ohne Worte)
Arnold Schoenberg

7
Finale
Arnold Schoenberg

Lyric Suite, for string quartet
8
No. 1, Allegro gioviale
Alban Berg

9
No. 2, Andante amoroso
Alban Berg

10
No. 3, Allegro mysterioso
Alban Berg

11
No. 4, Adagio appassionato
Alban Berg

12
No. 5, Presto delirando
Alban Berg

13
No. 6, Largo desolato
Alban Berg

14
Credential or Think, Think Lucy
Roman Haubenstock-Ramati


CDレビュー: Yes – Time And A Word(1970)


★★★☆☆
2枚目。正直いまいちだった。オーケストラを導入したり、大好きなオルガンを多用したり、サウンドコラージュ的な物を導入したり、色々工夫を凝らし始めた過渡期のサウンドと思われるが、あまりよくない意味で荒い。Everyday は前アルバムのボーナストラックのバージョンの方が好き。The Prophet、Astral Travellerはそこそこの小ヒットだが、Astral Travellerのヴォーカルのエフェクトはいただけない。タイトルチューンTime And A Word が一本調子なのと所々コードがおかしくてがっかりしたのが一番のマイナス要因。ドラムが前作ほど歌えておらず全然耳に残らない。次作に期待。

プログレッシブロックの他のCDレビューはこちらです。rokujo.hatenadiary.com


The Rough Guide to Reggae (1997)


★★★★☆
レゲエはジャマイカ発祥のポピュラー音楽。ロックの影響をかなり受けているように感じました。暑くて気怠い感じを混ぜて、なんとなくこなれてない英語をラップのように混ぜる。このアルバムには洋楽的なポピュラー寄りの曲から、スカっぽい古臭い曲、ヒップホップに非常に近いCockney Translation(これが一番好きです)のような曲まで非常に幅広く収録されています。初代beatmaniaで最も簡単な曲だったのがJam Jam Reggaeというレゲエだったので、やや感慨深いですが、あのような陽気な曲は数曲しかありませんでした。フラメンコのときと同じで、先入観を持って聞くといい意味で裏切られます。


Enrico Pieranunzi Trio & Ada Montellanico – Ma L’amore No (1997)


★★★★☆
The Complete Remastered Recordings on Black Saint & Soul Note のピエラヌンツィさんのシリーズも最後の1枚になった。これはAda Montellanicoさんというヴォーカリストをフューチャーした歌ものアルバム。トリオの演奏は言うことなし。素晴らしいです。たまに現れるEnrico Ravaさんのフリューゲル・ホルンも全く隙が無くまーーっすぐな音を出す。すげぇ。しかし肝心のヴォーカルが私にはあまり届きませんでした。悪くはないけれど、ふつーで、訴えてくるものが少なかったです。


Wes Montgomery – Full House(1962)


★★★★☆
Wes Montgomeryは1950-60年代に活躍したジャズギター奏者。ライブ版で、緊張感があるというよりは、とてもリラックスした演奏を聴くことができた。今のジャズギター奏者のお手本となるスタイルを作り上げた偉いお人だそうです。4曲目04 Blue ‘n’ Boogie-West Coast Bluesが一番好き。10分前後のサックスソロかっちょいいい。全体的に少し軽くないか?


Ludwig Van Beethoven, Amadeus Quartet – String Quartets Op. 59 No. 1, Op. 131 (111 Years of Deutsche Grammophon CD2)


★★★★★
ベートーヴェンのカルテットを2本。Op.59 の1〜4曲目がすごくいい!ベートーヴェンとしては独特な部類の曲に入ると思います。バロックっぽくないし、ダサさもない、誰の曲とも違う気持ちの良い曲です。少々音が古いけれど、演奏はとても上手で、雨上がりで快晴のときに見る山々のようにきらきらしてます。後半Op.131は素直で親しみやすく、最終曲では得意の泣きメロも見られます。おすすめ。


Johannes Brahms, Claudio Abbado(cond,), Vienna Philharmonic Orchestra(orch.) – 21 Ungarische Tanze (Hungarian Dances) (111 Years of Deutsche Grammophon CD1)


★★★★☆
20世紀のピアニストたち、と並行して聞いていこうと思うボックスセット Amazon.co.jp: 111 Years of Deutsche Grammophon: 音楽。今日は1枚目の、ハンガリー舞曲集。マイナー調全開で、泣きの舞曲。何となく演歌に通じるところもある。とても美しい。しかし、美しいんだが感動できない。どことなく淡泊じゃない?と思った。ジャケットはすごくいい!


Slayer – Reign in Blood(1986)


★★★★★─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ
もはや語る必要もないほどの名盤。8年ほど前にこのアルバムを聞いた時は、本当にびっくりした。あまりの速さと破壊力にのけぞり、世界は広いと思った。久々に聞いてみたら、彼らにはこの時何かが取りついていたんじゃないかと思った。演奏レベルは2nd以前とは比べ物にならないほど上がっている。Angel of Death, Necrophobic, Jesus Saves, Postmortem, Raining Bloodあたりは本当にどうかしてる。陳腐だが「悪魔が降臨した」という表現が最も適切だ。


75 Jahre Donaueschinger Musiktage 1921-1996 (CD1) Paul Hindemith, Igor Stravinsky, Ernst Krenek, Kurt Weill, Hans Haass


★★★★★_(┐「ε:)_ズコー
電子音楽に幻滅してきたことと、現代音楽成分が足りないことから、このボックスをセレクトした。
Donaueschinger Musiktag(ドナウエッシンゲン音楽祭)は、ドイツの小さな町ドナウエッシンゲンで開催される、初演作品のみの現代音楽祭。アクの強い曲を期待して聞いたら、やっぱりびっくりするような曲がある。
1枚目のトラックリストは次の通り。

1.
Quartet for Strings [no 3] in C major, Op. 16 by Paul Hindemith
Orchestra/Ensemble: Buchberger String Quartet
Period: 20th Century
Written: 1920; Germany
2.
Sonata for Piano in F sharp minor by Igor Stravinsky
Performer: Maria Bergmann (Piano)
Period: 20th Century
Written: 1903-1904; Russia
3.
Lustige Marsche (3), Op. 34 by Ernst Krenek
Conductor: Erich Schmid
Orchestra/Ensemble: Southwest German Radio Symphony Orchestra
Period: 20th Century
4.
Der Lindberghflug by Kurt Weill
Performer: Betty Mergler (Spoken Vocals)
Conductor: Hermann Scherchen
Orchestra/Ensemble: Berlin Radio Symphony Orchestra, Berlin Radio Chorus
Period: 20th Century
Written: 1929; Berlin, Germany
5.
Capriccio, Fugue and Intermezzo for player piano by Hans Haass

注目すべきは1と5。1曲目、ヒンデミットの弦楽四重奏は演奏が超高レベルで、意味不明すれすれの、まだ調性がわずかだけ残っているドキドキカルテット。この崩壊と調和のエッジを歩くような曲は大好きです。弦楽四重奏って宇宙だよな。Youtubeにありました
5曲目は、自動ピアノのための曲。当時は1929年、パソコンのなかった時代の自動ピアノは、演奏データをパンチ穴で記録していたと思われる。パンチ穴だけでこんな複雑な曲を演奏させようなんて。。一体どんな苦労をしてパンチ穴の大群を空けたというのか。想像すると込み上げるものがある。っていうか馬鹿じゃねーの!!!!その馬鹿をあえてやってのけた Hans Haassさんすごい!Youtubeにありました。あまり有名な人ではないので、他の音源が全然残ってない。残念。現代なら、PCの力を借りてもっと高音質な音源が作れそうな気がする。が、楽譜が残っているとは思えないし、この曲の耳コピは無理か。