Great Pianists of the 20th Century Vol.5 – Claudio Arrau II (CD1)


★★★★★(ฅΦωΦ)ฅ
1枚まるごとベートーベン三昧。ワルトシュタインの2曲目が最高!!塞ぎこみがちな気持ちを一気にぶっとばしてくれる美しさ!1曲目の特徴的なイントロはなんとスピードを落として優しく優しく弾く、というサプライズな表現に。すげぇなあ。
ホントこの人は綺麗な音を出す。ピアノコンチェルト「皇帝」もトレビアーンセブレシューペールブボンソワール(アラウさんはフランス人ではない)。

Track List:
Ludwig van Beethoven
1. Piano Sonata No. 21 In C, Op. 53 'Waldstein': 1. Allegro con brio
2. Piano Sonata No. 21 In C, Op. 53 'Waldstein': 2. Introduzione. Adagio molto - Rondo. Allegretto moderato - Prestissimo
3. Andante favori In F, WoO 57
4. Piano Concerto No. 5 In E Flat, Op. 73 'Emperor': 1. Allegro
5. Piano Concerto No. 5 In E Flat, Op. 73 'Emperor': 2. Adagio un poco mosso
6. Piano Concerto No. 5 In E Flat, Op. 73 'Emperor': 3. Rondo. Allegro

Slayer – World Painted Blood (2009)


★★★★★
現時点の最新アルバム。1〜3曲目が何故かあまりぐっと来ずスレイヤーも終わってしまったのか?と思ったら4曲目Beauty Through Orderからドラムの切れが突然良くなり、そこから最後まで本気の演奏。最初から本気出せよ!いつものテンポが目まぐるしく変わるジェットコースターメタルは健在で、9曲目Psychopathy Redで全力出し過ぎたり、ラストNot Of This Godで6/8拍子に挑戦してみたり最後まで挑戦をやめない姿勢に脱帽した。このバンドはいつまでも伝説であり続けそうだ。
次回からスレイヤーと並ぶスラッシュ四天王の一角、メタリカを聴いていこうと思う。


75 Jahre Donaueschinger Musiktage 1921-1996 (CD8) Pierre Schaeffer, Luigi Nono, Michaël Levinas, Younghi Pagh-Paan, Anton Webern


★★★☆☆
1-7曲目はオケ要素の少ないサウンドコラージュ。弦がうねり狂う9曲目Par-de làのみそこそこ面白かったが、あとは動きの少ない曲が多くいまいち。

Track List:
1-7
Orphée 53, spectacle lyrique
Pierre Schaeffer
8
Post-Prae-ludium No.1 "per Donau", for tuba & live electronics
Luigi Nono
9
Par-de là
Michaël Levinas
10
Nim, for large orchestra
Younghi Pagh-Paan
11
Bagatelles (6) for string quartet, Op. 9
Anton Webern


CDレビュー: Yes – Going For One(1977)

★★★★★=͟͟͞͞⊂( ’ω’ )=͟͟͞͞⊃
前作で天に昇ってしまった後、今作では前衛的な度合いがガクッと減り、地上に降りてきたという感じ。今作は曲構成が神がかっている。1曲目タイトルチューンGoing For Oneがいきなりスマッシュヒット。さらに3曲目ParallelsはYesで私が一番好きな曲かもしれない。和音構成のせいなのかヴォーカルのせいなのかパイプオルガンのせいなのか、ぱっと聴いた感じ普通の曲なのになぜか涙が出てきてしまう。そして目玉となる重厚の5曲目Awakenでまた昇天してしまう。悪い曲一切なしの傑作。

プログレッシブロックの他のCDレビューはこちらです。rokujo.hatenadiary.com


The Rough Guide to Australian Aboriginal Music (1999)


★★★★★
ほとんどがディジュリドゥを使った曲で、モダンな物からトラディショナルなものまで揃う1枚。ディジュリドゥは昔この曲で知った。現代の曲を聴くとじーさんも英語しゃべってるし、ホント英国に侵略されちゃったんだなぁということを悲哀をもって感じられるアルバムだった。1曲目Saltwaterのようにローカルな曲は燃えるが、2曲目Kurongk Boy, Kurongk Girl、3曲目Native Bornのように完全に英語化されてしまった世代の曲を聴くとすごく切なくなる。地元の文化を守るために外から来た言語・外から来た音楽様式を使って発信しなくてはいけないなんてなぁ。他には6曲目Bullimaは現代テクノの要素が入っているがよい。9,12,15の完全ローカル曲も素晴らしい。アボリジニーには太鼓系の打楽器が無いようだ。パーカッションは木を叩いてカンカンやる程度にとどまる。オーストラリアは暑くないからそこまで高揚する必要が無いのか?もしくは太鼓用の動物の皮が取れなかったのかな。
なお同名の2008年版のアルバムの方が評判がいい。1999年版も個人的には満足だ。


Dizzy Gillespie, Charlie Parker and other – Concert in Toronto (2010)


★★★★☆
Amazon.com: The Quintet: Jazz At Massey Hall (OJC): Music
↑の完全版。ライブ版で音がとてつもなく悪いのが欠点。巨匠が5人も揃っているが個人的には↑に収録されている6曲が終わった後、サックスとトランペットが抜けてトリオでの演奏となるEmbraceable You、Sure Thingがすごく好き。ピアノがこの上なく生き生きしている。マックス・ローチの爆裂ドラムソロ、ラストBass-Ically Speakingのベースプレイも悪い録音を補って余りある演奏。


Antonio Vivaldi, Giuliano Carmignola (Vn), Venice Baroque orchestra : Concertos For Violin, String and Continuo (DG111 CD 9)


★★★★★
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741)といえばバロックの巨匠、IIDXにもいましたね。クラシックの随分初期の人なので制限が多く同じような曲ばっかりなのでは、という不安は一聴してすぐ消え去り、とても美しい1枚でした。彼はヴァイオリニストだったので、ヴァイオリン協奏曲を膨大に残しています。wikipediaに書いてあるだけで25曲。バッハといい昔の作曲家は多作ですね。超絶技巧が必要な曲もいくつかあります。ソロのGiuliano Carmignolaさんも上手。安心して何度も聴けそうな1枚。


Slayer – Christ Illusion(2006)


★★★☆☆
うーん。
今までに聞いたスレイヤーのアルバムの中で、唯一ドキドキできなかった。印象に残る曲が少ない。辛うじて聞けるのは9曲目Cultくらいか。いつも通り速い、強い。しかし、それだけだ。前作まで進化し続けてきたおどろおどろしさ、歌詞だけではなく曲全体から当然のように発せられる暴力性、聞き手をグイグイ引っ張る力、それらが抜けてしまった。とても残念だ。最近の画像を見るとみんなデブってしまっているので、毒気が抜けていい人になっちゃったんじゃないのか!?また、ドラマーが変わってしまったのが一因かもしれない。私は、ボスタフさんの方が好きです。
スレイヤーの現存するアルバムもあと1枚。なお、2015年に新譜が予定されているらしい。