フィスコレポートを読む セレクト 3630電算システム、8935FJネクスト、6722エイアンドティー、9468カドカワドワンゴ

 

3630 電算システム

株式会社電算システム

中堅SI。情報サービス事業、収納代行サービス事業の二本柱です。

情報サービス事業はシステム開発とgoogleのサービスを売り込む事業がメインですが、システム開発にやや難があり、中間決算では不採算案件が発生し目標を大幅に下回りました。

Google Apps for Business TM

収納代行サービスはコンビニ決済の料金回収業務で、右肩上がりのストックサービスという堅調な商売です。収入が減ることはなさそうですが、コンビニが全国に行き届いた今は、セブン銀行と同じく急激な成長は望めなくなるでしょう。

全国の皆様のお支払いに約400,000件/日のご利用を頂いております。

株式会社電算システム 個人投資家の皆様へ

売上は5年以上安定して増加していますが、本決算ではシステム開発の不調のせいで利益率が通期目標を下回ることも考えられます。

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最近の厳しい相場環境にもかかわらずなぜか爆上げしています。PERは約30倍。残念ですが見込みの成長率とかなり乖離しています。このあとは下がるだけでしょう。

 

8935 FJネクスト

http://www.fjnext.com/corp/images/rogo.gif

資産運用型マンションの大手で、「ガーラ」シリーズを擁します。都心部の単身用物件が主力のため入居率は98.7%と素晴らしい数字を叩きだしています。ただしこの会社は賃貸で稼ぐのではなくマンションを売って稼ぐビジネスモデルですので、物件を作りまくらなければ成長はありません。都心の土地の空きがどれくらいあるかを考えると長期的に心配なモデルです。

一方管理事業も行っており、同マンションでの収益をバックアップしています。マンションが売れるほど利益が上乗せされるストックビジネスでしかも利益率も高いのですが、残念ながら売上は分譲代金の1/20程度に過ぎず、現時点では同社の利益を大幅に押し上げるほどではありません。収益が落ちてきたときの保険にはなりそうです。自己資本比率は不動産業者としては異例の60%超。無理なレバレッジをかけない姿勢は評価できます。

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先週の2回目の下げでは大した被害を受けていません。PERは6.6倍と不動産業界の中でも低いレベルです。

悪くない成績ですが特筆するべきモデルでもありませんので、今後に期待と言ったところですね。

6722 エイアンドティー

株式会社 エイアンドティー

血液検査製品の開発・製造・販売というニッチトップ業者です。血液検査という特殊な市場を扱うため市場規模障壁・技術障壁が高く新規参入が容易ではありません。「戦わない」ことに特化したビジネスモデルと言えます。

しかも同社はここ数年の企業努力により販管費率を大幅に減らし、利益率を6.5%→15.6%に急上昇させました。さらに昨今の市場環境の悪化により株価が爆下げし、PERはなんと1桁に。

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4月の爆上げはおそらく来期予想+53.7%という激しい数字によるもので、その後過熱した後に中国ショックで過熱分が全部吹っ飛んだことになります。これだけ見ると買い時にしか見えません。

しかし血液検査業界は市場規模自体が小さく、大きな成長は望めないという大きな欠点があります。今年は企業努力で稼いでも通期決算で来期目標が小さく萎む恐れがあり、そうすると売りが膨らむでしょう。中国事業を展開しそうなところも不安です。長期投資には向かない銘柄と判断しました。

9468 カドカワドワンゴ

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まだ高い。

ニコニコ関連の売上高が全体の1/4しかないのは意外でした。なお、最も利益率が高いのはモバイル向けコンテンツ事業、最も赤字なのはニコニコ超会議を含むライブ事業でした(といっても宣伝費に近いものがあるので一概に不振とは言えません)。

セグメントが多すぎて評価の難しい会社です。今後の業績牽引役は電子書籍が伸びる書籍IP事業とニコニコ関連のモバイル事業でしょう。不採算の情報メディア事業(雑誌)をどう立て直すかに今後の未来がかかっています。

 

今回も魅力的な企業はありませんでした。次はまた来週。


3031ラクーン1Q決算 コンセンサスに到達せず下がる

株式会社ラクーン

3031ラクーンの1Q決算が27日木曜引け後に発表されていました。

http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1282990

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営業利益52.2%増、純利益54.2%増。素晴らしい数字です。

ラクーンの事業は三本立て、主力は売上の7割を占める雑貨・アパレルのEC事業です。ラクーンは「スーパーデリバリー」において出品企業と消費者の商品を仲介する卸業者として振る舞い、企業と利用者の双方から手数料を獲得します。EC事業は、売上が前期比プラスであるものの流通額が若干鈍化しました。資料を読むと客単価が落ちていることが原因です。しかし出展企業数の大幅増加により会費収入が増え、利益自体は65.6%増と非常に好調。依然として利益率14.9%を確保しており堅調と言えます。

2本目は売上の2割を占める売掛債権保証事業。一定の保証料を企業から受け取り、貸し倒れが発生したら保証金額を企業に支払う仕組みで、売上高・営業利益共に前期比20%以上の増加と絶好調、利益率も14.6%と優秀です。

3本目は残りの1割弱、保証付掛け売り決済の手数料で稼ごうというPaid事業です。未だ赤字ですが、赤字幅が大幅縮小し営業損失率1%まで下がりました。もはや誤差の範囲です。売上の伸びが著しいので今期中の黒字転換は間違いないでしょう。

とても順調に見えますが、1Q実績の経常利益0.86億円に対してコンセンサス予想は1.15億円。つまり利益2倍の予想でした。

どれだけ期待高いんだよ!ということで金曜日の超リバウンド相場にもかかわらず、ラクーンの株価は下がりました。

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8/25の寄りで買っとけばよかったなーと思いつつ、過去の業績を見ると1Qに売上がやや下がるのはいつものことなので、一時的なものと考えて金曜の底で少しだけ拾ってみました。それでもPER28倍と、全然安くはないのですが。


モンサントのアニュアルレポートを読んでみた――アメリカ企業レポート初体験

今週はフィスコレポートが3件しかない上にロクな企業が無いのであきらめました。

代わりに宿題だったモンサントのアニュアルレポートを読んでみます。アメリカの企業のレポートを読むのは初めてです。

http://www.monsanto.com/investors/Documents/Annual%20Report/2014/2014_Monsanto_AnnualReport.pdf

サマリー

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好成績。年間売上158億ドル(約1.9兆円)という巨大企業で売上高7%成長ってすごくないですか。EPSなんて13%も伸びてますよ。絶好調拡大中ですね。

とはいえ、日本で売上高2兆円というとだとだいたいJTと同じくらいの規模です。大きな方ですが、決してトップではない。

Fortune 500 – Fortune

ここによるとアメリカ内ランキングは197位です。米国トップ企業ウォルマートの売上高は4856億ドル(約58兆円)ですのでその30分の1にも満たないのです。想像していたよりもはるかに小さくて驚きました。

アメリカはEBIT(Earnings before Interests and Taxes、経常利益+支払利息-受取利息+法人税等)で企業の強さを表すんですね。日本だと営業利益や経常利益そのまんまのことが多いですのでこれは文化の違いでしょうか。

売上高EBIT率を単純に計算すると24.9%と、これは大体営業利益と読み替えられるでしょうからかなり高いパーセンテージです。ぼろ儲け。純利益率も17.2%と異様な高さです。

Form 10-Kと有価証券報告書 | 米国株投資ガイド『米国株.com』

アニュアルレポートの90%以上は10-Kというフォームに基づいた報告書です。日本だと有価証券報告書に相当するそうです。つまりこのレポート、ほぼ有報と等しいのですね。あっさりしてます。企業のホットな情報を手に入れたかったら、ウェブサイトを読んだ方がいいかも。

2大セグメントは種子部門と除草剤部門で変わらず

この本の原著が出版されたのは2008年ですが、2014年時点でも大きな収益頭は種子・遺伝子ビジネスと除草剤ビジネスであることは変わっておらず、種子・遺伝子ビジネスを成長産業として位置付けています。一方、農業製品部門(除草剤)は maintain という言葉を使い、成長ではなく安定事業であるという位置づけを感じさせます。

We view our Seeds Genomics segment as the driver for future growth for our company. In our Agricultural Productivity segment, global glyphosate producers have substantial capacity to supply the market and we expect this global capacity to maintain on margins. 

と思いましたが、二大部門の売上比率は4:6で農業製品部門の方が大きく、成長率も農業製品部門の方が高いです。

新製品が登場するも基本方針は変わらない種子・遺伝子部門

種子・遺伝子部門では2013年にRoundup Ready 2 Yieldという新製品が登場しています。

http://www.monsanto.com/products/pages/genuity-roundup-ready-2-yield-soybeans.aspx

Yieldという名前の通り収量をアップさせるとともに、更なる害虫耐性・除草剤耐性を持たせた Next Generation という位置づけの製品です。現在この遺伝子特性が導入されているのは大豆のみ。アメリカとカナダで販売されています。まもなくブラジルに売りつける準備中と書いてあります。

このほか遺伝子組み換えトウモロコシと第二世代の遺伝子組み換え綿花については今後10年は拡大期にあるそうです。

取り扱う野菜の種子の種類も膨大ですね。

Open field and protected-culture seed for tomato, pepper, melon, cucumber, pumpkin, squash, beans, broccoli, onions, and lettuce, among others

これらの野菜の種子をモンサントは「germplasm(遺伝資源)」と呼び、ブラジル、パラグアイ、アルゼンチンに売りつけていると書いてあります。

製品名はIntacta RR2 PROだの SmartStax だのまるで新しいPCのパーツ名であるかのようですね。

製品別の売上を見ると稼ぎ頭はトウモロコシ種子で、全品種のうち60%以上を占めます。次点は大豆の20%ですが、こちらは伸び率が大きく急拡大中です。主にラウンドアップ・レディのライセンス料が増えたことと、ブラジル向けの新製品の売り上げが増加したことが原因だそうです。ライセンス料というのは素晴らしいストックビジネスモデルですね。

農業製品部門は除草剤一辺倒

一方農業製品部門は除草剤しか取り扱っていないようです。ラウンドアップは特許が切れたので競争が激化、新製品のHarnessも投入しています。主にアメリカ国内へ、庭や芝生(ゴルフ場など?)向けにもラウンドアップを投入していると書いてあります。

ところで農業製品部門には環境保護についての記載がありますが、なぜか種子部門には記載がありません。遺伝子組み換え作物は環境に配慮しなくてよいということなのでしょうか。

農薬部門は売上が急速に伸びており、2014年度は利益が26%も増えています。主に全世界でラウンドアップの売り上げが伸びたためと書いてありますが、これは上で挙げた「モンサント」で告発されている通り、昆虫や雑草の除草剤耐性が上がったため、単位面積当たりに使用するラウンドアップの量を増やさざるを得ないからなのではないかと思います。環境は汚染されますがモンサントにとってはウハウハです。

リスク

有報ではおなじみのリスクファクターの列挙はおおむね次のようなことが挙げられます。

・種子遺伝子部門の競争激化

・知的所有権の管理にかかるコスト増大(主に農家が種子を保存することへの文句)

・バイテクの規制強化(開発が成功するかどうかもわからないのに金だけがかかると文句、遺伝子組み換え作物の輸入を禁じている国があると分別に金がかかると文句)

・遺伝子組み換え作物への懸念(安全性が保障されているにもかかわらずと文句)

・開発の失敗、製品商業化の失敗

・裁判に負ける

・海外展開の失敗(特に大口のブラジル、カナダ、メキシコ、アルゼンチン)

・原料価格の高騰

・農家の需要との乖離(特に除草剤の規制ができると困ると文句)

文句多すぎです。

まとめ

ほぼ「モンサント」に書いてある自体そのままのレポートでした。原著出版から7年経ちましたがビジネスモデルは全く変わっていません。ラウンドアップはこれからも売上が拡大しますし、種子ビジネスも順調です。ライセンス料を背景とした強固なストックビジネスと、高い利益率をもって大きな投資(最近1000億ドル投資したそうです)を行い、更なる拡大を目指すようです。新製品はまだまだ開発されるでしょう。ビジネスモデルが根本的にひっくり返される事態が起きない限り、安泰です。

まもなく批准されるTPPについてはレポート内で全く言及がなかったので、日本で種子ビジネスを展開するつもりはなさそうです。広い土地が無いのでそりゃそうですよね。


フィスコレポートを読む セレクト 3435サンコーテクノ、2928健康コーポレーション、3186ネクステージ、2412ベネフィット・ワン

 

今週もレポートは少なめでした。

 

3435サンコーテクノ

http://www.sanko-techno.co.jp/img/share/logo.gif

壁面に器具を固定するアンカーというとても地味な業界の日本トップ企業です。主力製品は「あと施工アンカー」という、コンクリートが固まった後に取り付ける器具で、これだけで全売上の3/4を占めます。アンカーや取り付け工具の製造・販売はファスニング事業と呼ばれており、営業利益率は8~10%と高めです。イメージ

あと施工アンカーのサンコーテクノ株式会社|ファスニング営業本部

このページが面白いですね。

あと施工アンカーのサンコーテクノ| こんなところにサンコーテクノ

同社の営業成績は建築需要と連動します。したがって不景気の時は絶不調になります。しかし過去の実績のグラフを見ると最悪のリーマンショック期でも赤字には至らなかったようです。底堅い製品です。

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また同社の強みは、新築マンションだけではなく、中古マンションのリニューアルや、高速道路・自動販売機・ガソリンタンク・ソーラーパネルなど、固定が必要なあらゆる場所に需要があることです。これらはどれだけ不況であろうとも全くなくなることは決してありません。近年の目覚ましい利益率の上昇にも驚かされます。

肝心の株価は、直近の8/11発表で営業利益-35.8%というクソ1Q決算を発表したため、なんと2割以上も下がっています。

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波があって不安定なチャートですね。面白い企業ですが手を付けるのは憚ります。

2928 健康コーポレーション

健康コーポレーション株式会社

ある意味日本で最もホットな銘柄ですね。メイン事業は誰もが知ってるライザップ。1Qにライザップの広告を大量投入する同社は先日の1Q決算でまさかの営業黒字を達成し、通期決算への大きな期待が生まれました。同時に海外展開やら医療データ活用サービスへの進出やらビッグなIRを打ち出し、期待感を煽ります。

 

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中期計画はネジが吹っ飛んでいます。

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イメージ通りのお笑い銘柄ですね。

14年→15年の230億→390億という実績も凄まじいですが6年後に3000億って頭おかしいんでは!?利益率も2倍以上になってるし、、ここまでやるには、アップルのように放っておいてもユーザーが物凄い勢いで増加し、しかも高い製品を買ってくれるという新興宗教のようなブランド力を構築しなければなりません。次の本を読んで私はアップルを新興宗教と判断しました。私は同社にこれの真似をすることはできないと思います。

 

投資家の目は現実的でした。株価はいまいちな動きをしています。

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5月末をピークに全くぱっとしませんね。決算発表後も700→610と奮いません。先週の株安の流れを引き継げばピーク時の半額になりそうな勢いです。5月末が熱狂し過ぎていただけなのかもしれませんが。

3186 ネクステージ(やや良)

http://www.nextage.jp/themes/nextage/images/header/imgShop.png

名古屋が本拠地の中古車販売業者です。典型的な店舗数拡大の成長モデルですが、近年店舗数を大幅に増やしたことで、売上高が急成長しています。

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同社の急成長の理由はオートオークション市場からの中古車の調達が可能になったことです。中古車業界は一般的に自分の縄張り内で車の売買をするため、商圏が限られ多店舗展開をすることがなかなかできませんでした。しかし同社は他社に先駆けて全国展開し、名古屋の企業ながら関東圏にも中京圏と同数の店舗を展開しています。ここ3年で店舗数は2.3倍になりました。

今期は店舗数を48→60に急増させる予定です。同社は低価格を売りにしており、市場競争力が強く他店を圧倒する力があります。このまま順調に店舗数を増やしていけば、高成長はほぼ間違いありません。

一方弱みもあります。中古車業界共通の悩み、消費増税です。14年度決算は売上が急増しているにもかかわらず純利益が13年度の半分になっています。増税があれば競争力うんぬんよりまず需要が無くなります。1年半後の消費増税時には、大幅な業績低迷が運命づけられているようなものです。逆にそこをうまく乗り切れば、安泰といえるのですが、、

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株価はうねりまくりながら近年大きく上昇しています。7月に投機的に2倍近くに急上昇した後下がり、直近でも金曜日に-7.32%も下げてPER9.11倍となっていますので、明日激しく下がれば買い時かもしれません。

2412 ベネフィット・ワン(面白い)

福利厚生サービスのアウトソーシングを行うというとても面白いビジネスモデルの会社です。企業が同社に入会金と月会費を払い、同社は企業に向けて従業員向けのサービスを提供するというモデルです。例えば、

・英会話スクールの割引

・研修に使う国内・海外施設の割引利用

・ベビーシッター・託児施設の割引利用

・分譲住宅の割引(!)

・心の悩み・育児・介護相談

などなど。分かりやすい図が有報にありました。

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クライアントには官公庁もいます。会員数はすでに700万人以上と巨大です。割引サービスはあまり金がかからないからなのか、利益率は15.5%と非常に高い優秀企業です。中期計画では会員数1000万人を目指し、成長規模を拡大させるために更なる多角的な展開をする予定です。

上で説明した福利厚生事業は売上高の約半分を占める中心事業ですが、最近伸びが著しいのはパーソナル事業です。これは福利厚生事業の個人版です。個人から会費を徴収し割引サービスを提供するというものです。すでに同社の売上の1割以上を数え、伸び率も前期+90%超と有望な事業です。そのサイトは

とく放題

ここです。ソフトバンクと提携し、月会費500円を払うとラクーア734円割引だのマック・ケンタッキーの割引だの抽選でコンビニの商品プレゼントだのさまざまな割引サービスが受けられます。スマホと連携しているので流行りそうです。

他にも多数新規事業を用意していて前途有望ですが、残念ながら株価が高すぎました。

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1年で3倍という偉業を成し遂げていますがそれから1/4ほど下げ、未だにPER32.18倍です。明らかに急成長株の上がり方ですから、今後業績が加速しない限り大幅な伸びは期待できないでしょう。2000円台を割り込んだらちょっと興味が出そうですが、金曜日に余り下げていないことを考えるとたぶんありえません。

 

おわりに

さて、世の中には面白い企業がたくさんあることをフィスコのレポートと企業のウェブサイトからたくさん教えていただきました。感謝しています。

この試みはしばらく続けるつもりですが、フィスコは同じ銘柄を3か月ごとにレポートし続けることが多く、以前と同じ企業のレポートが続出してきました。以後、取り上げられる銘柄の数が減りそうです。

直近、金曜のえげつない下げと、明日予想される暴落で年初来成績がマイナスになる恐れがあり泣きそうですが、それとはまた別の理由で、株の記事の趣向を変えるつもりです。

私の投資スタンスは中長期なので、短期的に株価動向を書いたりする記事はもう書かないつもりです。というのも、テクニカルな数字の大小を細かく議論するのって、正直言ってつまらないのです。それよりも、いろんな企業がいろんなことを考えていろんなビジネスをしている、その事実を追っかけるのが楽しくて仕方ありません。

以前Core30の銘柄調査をしていましたが、時間が無くなっていったん打ち切りました。大体7割くらいの企業のウェブサイトをざーっと見ました。これはとても面白い経験でした。日本を支配している企業がどのようなものか知り、ビジネスの動向や日本経済の仕組みを極めて分かりやすくしかも実践的に把握することができます。

これをもう一度、TOPIX100でやってみようかな、と思いました。以前やっていたよりもう少し時間をかけて、1企業に関するレポートを作るのです。たぶん1年以上かかるので、その間に日本経済の動向も少々変わってしまうかもしれません。銘柄の入れ替えも行われるでしょう。でも企業のサイトって面白いんですよ。インターネットが発展し、企業がIRで情報を公開しなければいけなくなったことは、すばらしいことです。私たちが生きていく上でモノやサービスを購入する時、その裏で企業がどんなことを考え、どんな風に社会や人間を捉えて行動しているかを知ることができるのです。親切にも彼らはその仕組みを、すなわち意識から無意識に至るまで消費者に金を払わせるための動機づけのために彼らがしていることを、(都合のいいことだけとはいえ)オープンにしてくれているのです。これを利用しない手はありません。

前回は番号が小さい順だったので、今度は大きい順に。まずは9984ソフトバンクです。他にもやることが多く一体いつになるか分かりませんが、地道に調べていきます。


ガーラとイグニスがクソ決算を発表していた。ボルテージは好調決算。スマホゲー銘柄の明暗分かれる。

今週は株に多くの時間をさけず、面白い決算を見逃していました。まず、一時日本中(の短期投資家)が沸いた4777ガーラです。13日木曜日引け後に1Q決算を発表していました。

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なんと大幅な売上減です。そしてAKBに支払った広告費は1.6億円。売上が広告費にすら達していません。ここの累積赤字の量を考えると、もう会社としての維持すら不可能と思われます。。

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一時3000円を誇った株価も14日は一時800円をつけるゴミのような値段になりました。

 

次は最近材料もなく株価が急騰した3689イグニス、こちらも13日に3Q決算を発表していました。

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大赤字です。宣伝でブーストしてネイティブゲームの売り上げは伸びてますが、スマホゲーは寿命が短い。これもいつまでもつか分かりません。現に、全巻無料型ハイブリッドアプリ(漫画を読ませて広告収入を得る)は瀕死です。1年持たないのです。

この寿命の短さゆえにスマホゲーに投資する気は全く起きません。当たれば2倍、外れれば半分となる宝くじ的な銘柄だと思っています。

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14日の金曜日はストップ安に。最近の意味のない上げをほとんど帳消しにする下げとなりました。26週線の通りに推移しています。まだ下がるかもしれませんのでどん底かも。

 

一方3639ボルテージもやはり13日が本決算発表日でした。順調な黒字決算を発表し、来期の強気決算によって予想PER23.32倍というごくまともな値段がつきました。

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一時の熱狂は冷めたもののこれから危なげない推移をたどるのかもしれません。私が今年2月頃に株式投資を始めて3番目に買った銘柄はここでした。当時は決算書も読めず女性向けスマホゲーは売れる!という直感だけが頼りでした。爆上げになる前に他の銘柄に乗り換えて一獲千金を逃しました。あと3か月持っていれば3倍だったのに。。もう買いませんが個人的に業績が伸びてほしい銘柄の一つです。

 

さてお盆休みを挟むからか、今週は決算発表がなんと日本全体で6件しかありません。来週も11件しかありません。今週は注目銘柄なし。来週27日に3031ラクーンの1Q、再来週9/4に7605フジ・コーポレーションの3Q、3657ポールトゥイーン・ピットクルーHDの2Qと3週間で3つしか見るべき決算がないので悲しいです。


フィスコレポートを読む 3038神戸物産、2159フルスピード、3738ティーガイア

今週はフィスコもお盆休みのようで、3銘柄しか紹介がありませんでした。

 

3038 神戸物産

https://www.kobebussan.co.jp/img/home/top_kobebussan.png

神戸物産といえば業務スーパー。他のスーパーとは違った独自のルートで製品を仕入れ、特異な自社PB製品(全商品の1割)も多数取り揃える異色の企業です。すでに696店舗を数え、日本内ではメジャーな存在になりつつあります。フランチャイズが中心の店舗展開で、フランチャイザーの一つに7508 G-7ホールディングスがあります。ロイヤリティは神戸物産からフランチャイザーへの出荷額の1%とかなり低い率です。もっとも神戸物産は商品の仕入れも生産もしていますから、商品を売った金額自体も儲けになるのでこの数字だけを使うことはできませんね。子会社ではジャガイモ・大豆の生産や養鶏まで行っているそうです。

典型的な店舗拡大型成長ストーリーを持つ企業ですが、すでに全国あまねく出店されており、九州地区にまだ出店余地があるものの全国的に人口の多い地域はほぼ網羅され尽くしている印象を受けます。

店舗案内|食品業として日本最大の製販一体企業 神戸物産

安さが売りですから利益率は低めの3%前後。円安で2Q決算の営業利益が計画比9%減の被害を受けています。ただしリスクヘッジのための為替予約・デリバティブの評価益がかなり大きく、経常利益は計画比+41.2%と大きく上振れしました。営業利益も未達とはいえ前期比+48.7%ですので、堅調です。

M&Aで外食産業に進出したり太陽光発電に取り組むなど多角化を進めていますが、自己資本比率が14%まで低下しているのが気になるところです。支払利息は2Q時点で3億円と経常利益の7%に達しています。

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株価は絶好調のPER40.53倍。今年5月からほんの2か月で7月に倍以上になっています。一体どこまで織り込み済みなのか。成長性はありますが長期的には爆発力の低下が予想されるので、今はとても買える水準ではありません。

2159 フルスピード

http://www.fullspeed.co.jp/img/wide/cmn/h_ci.png

インターネット広告代理・SEOサービス・アフィリエイトASP事業を手掛ける企業です。

SEOサービスが流行らくなり収益性が低下、変わってASP(アフィリエイトの広告提供者)事業やDSP(オンライン広告で広告主側の広告効果最大化を支援するためのプラットフォーム)事業を成長の牽引役とする事業転換を図っている最中です。特にASPが効果を上げ始めており、年成長率は17.7%に達しています。baiduと組んで中国向け広告を展開してインバウンド需要も取り込もうという計画もあります。インバウンドについては私はやや懐疑的です。中国バブルがはじけると、金持ち層が日本にやってこなくなりますので。

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なお株価はキレイに下げまくる一方のようですね。

3738 ティーガイア

T-GAIA

ひたすら携帯電話を売りまくる企業です。代理店としては日本トップのシェア12%。全国に2,186店舗を構えます。ドコモショップやauショップは

しかしこの店舗数、3年前は3,412店舗もあったとのことですので、2/3に激減しています。主に家電量販店や併売店での店舗数が落ち込んだことが原因です。しかし売上や利益率は順調に伸びています。単価や利益率の高いスマートフォン・タブレットに売上をシフトしていっているため、との説明があります。スマホはキャリアから支払われる奨励金が大きいのですね。

ROEは30%に近づく勢いでなかなかの収益性ですが、携帯を売るだけというビジネスモデルがなかなか好きになれません。

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株価はここ1か月を除けばなかなか綺麗な推移ですね。PER16.24倍、あまり高い水準ではありません。

 

今週は数が少ないこともあり、これは!という企業がありませんでした。来週に期待します。

 


昨日の3銘柄の行方 ダイキアクシス・エスクリ沈み、PCデポは浮上

今日はチャイナ切り下げショックがあったため全体的に大下落していて、私のポートフォリオもボッコボコです。

そんな中、昨日の見た目いまいち決算3銘柄はどうなったでしょうか。注目してみましょう。

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-8.37% 値下がり率20位

 

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-6.63% 値下がり率47位

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+4.67% 値上がり率46位 年初来高値更新

 

何とも明暗分かれる結果となりました。3銘柄とも計画通りだったのにもかかわらず、です。

私はエスクリ、ダイキアクシスは直近手放していて、PCデポは持っています。こんなにビンゴだったのに、他の銘柄が沈んでポートフォリオは1日で2%ほど下がりました。泣けてきますね。


PCデポ1Q決算 ここも見た目で売られそうだが、将来性に期待が持てる。ついでに分析。

http://www.pcdepot.co.jp/images/shop/shop_img02.jpg

本日3本目。7618PCデポも1Q決算発表がありました。ここは近年、物販からサービス中心に商売の舵を切り直した面白いモデルの企業で、今後がとても楽しみな銘柄の一つです。最近購入しました。

ヤマダ電機をはじめとする家電量販店は近年売り上げの落ち込みが深刻となりつつあります。PCデポはPC専門店ですから、PCからスマホへとトレンドが移ることによって二重の苦境に陥っていました。私が住んでいる近所にもPCデポがありますがハッキリ言って客は少ないです。

そこでPCデポはサービス中心に戦略を転換し、サポート等の月額料金で稼ぐ戦略に出ました。

例えばこれです。

メニュー 一般 会員
AppleID(アカウント)設定 ※ozzio.JP(当社)プロバイダご利用時 3,000円 500円
他社プロバイダメール設定 ※ozzio.JP(当社)プロバイダご利用時 7,000円 3,000円
iCloud設定 4,000円 1,000円
OSアップグレード 6,000円 3,000円
Wi-Fiスポット設定 3,000円 1,000円
テザリング設定 4,000円 1,000円
ご自宅・ホテルWi-Fi設定 ※モバイルアクセスポイント付 10,000円 5,000円
省電力設定 3,000円 1,000円
iPhone画面保護シート貼り付け ※保護フィルム付 2,000円 500円
iPad画面保護シート貼り付け ※保護フィルム付 3,000円 500円

 

見てくださいこの強気の価格設定。デジタルガジェット大好きだぜ!というギーク層はこの料金を見て「メール設定で3000円!馬鹿じゃねーの?」と思うことでしょう。こんなに金を払う人間といったら…そうデジタル音痴年金野郎の高齢者ですね!少子高齢化で今後激増するであろうデジタルが苦手な層に向けてバンバンサービスを売っていくわけです。それにサービスは物販とよりも遥かに利益率が高い。ただPCを売るだけでは近年の価格破壊の進行+円安のせいで雀の涙ほどの利益しか出ないことがハッキリしています。

他にもこんなのもあります。

日経ビジネス(デジタル版)+iPad Air 月々2,000円

日経ビジネスデジタル版+タブレットセット | インターネットデバイス・ネットワーク総合専門店【PC DEPOT】

PCデポの広告にいつも載ってる雑誌の定期購読の案内です。これ、日経ビジネスは週刊690円ですから、iPadがついてくるのに雑誌より安い。おまけにスペースを取らない。PCデポには安定したバックマージンが入るというわけですね。上手いこと思いついたもんです。

以上を踏まえて決算を見てみましょう。

 

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ぱっと見は売上が微減で不安の残る決算ですが、物販は減るから、売上が微増・微減になるのはすでに予想済みです。2Q決算予想から逆算すると、これはほぼ進捗通りと考えて良いでしょう。ダイキでも出てきたように消費増税前の駆け込み需要の直後であることを考えると、健闘した方だと言えると思います。

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http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1279566

決算説明会資料を見るとさらに安心できます。商品の売上は極めて落ち込んでいますが、それを補うようにサービスの売上が急増しています。去年も今年も20%以上の増加ですね。この調子だと今期末には商品の売り上げを抜くんじゃないでしょうか。光回線の自由化も始まっていますので、インターネット関連事業の伸びにも期待したいところです。

売上減に反応して売られそうな雰囲気ですので、やはり下がったら買いですね。


エスクリ1Q決算、大赤字も売上は計画通り増加中、ここも明日チャンスか

ESCRIT

2196エスクリも1Q決算発表です。私は前回の本決算で借金の多さと著しい利益率の低下に不安を覚え、手放してしまった銘柄です。尊敬しているゆうゆーさんの主力銘柄の1つでもあります。

http://contents.xj-storage.jp/xcontents/21960/e620f617/4930/440f/96c6/dc788c138a62/140120150811475708.pdf

 

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大赤字…に見えますがこれも明豊と同じく

と説明会資料に書いてあります。

セグメント別でも各事業が、ほぼ計画通りに進捗

 http://contents.xj-storage.jp/xcontents/21960/a913de97/03bc/4587/8ade/dc5465e25171/140120150811475794.pdf

 むしろ2Q予想を見ると上振れしているように見えます。主力のブライダル事業の売上は18.3%増とばっちり伸びていて順調ですね。

明日の株価は下がるかもしれませんが、期末に一度爆下げしてますから、むしろ上がる可能性もあります。ダイキアクシスと見比べてみても面白そうです。こちらもやはり下がったら買いですね。