Joe Pass – Virtuoso (1973)

★★★★★

ジョー・パスはアメリカのジャズギタリスト。録音がいいのか彼の演奏が上手だからなのか、目の前に演奏者がいるような迫力のある音がする。ギターの細かいことは知らないが1曲目のNight And Dayでぶったまげた。ギターってこんないい音したっけ!?一人しか弾いてないのにどんどん引き込まれていく。5曲目How High The Moonもいい。弦を弾く音が耳にペチペチ当たるのが心地よく、これが中毒性を増すのではと感じた。心の底から楽しんでくる様子がこっちまで伝わってくるので聴いていて楽しい。おすすめです。


「企業の節税策に報告義務 政府検討―税理士・ コンサルに税逃れ防止へ罰金も」についてJIAから見解が出たが市場の反応なし。

本日昼頃にジャパンインベストメントアドバイザーから例の日経記事への見解が出た。

一部報道に関する当社の見解について

http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=announcement&sid=23872&code=7172

タックスヘイブンに関連会社を作って利益を飛ばす問題への対策が目的のはずだ、という見解は具体的で的を射ているように思う。日経の記事が節税策の例として挙げたオペレーティング・リースが的外れなのは分かっていたので、まあそんなところでしょう、という感じ。

ところがこの見解で一番怖いのは「減価償却費の定率法の廃止について・・・当社としましては2017年から廃止されることを前提にすでに準備をしております。」というところだ。なんとJIAは定率法の廃止をとっくに見込んでいる。定率法が廃止されるということはリース開始直後の減価償却費が少なくなり、投資家の節税効果がガクンと落ちて商品価値が激減するということだ。FPGはあの記事以降、まだ定率法への言及をしていない(有報にリスクとしては書いてある)。FPGホルダーから見れば、この記事はむしろマイナス要因だろう。私は先週の時点で撤退している。

FPGのモデルは古典的 – diary 六帖

この記事でも触れたように、リース品の定率法は実は1998年に一度廃止されている。この業界は昔から政府とのイタチごっこ、あるいは税法をめぐる駆け引きゲームなのだ。JIAは後発組だけあって賢い。既に再生エネルギー事業などに投資を分散し始めているので、2017年までに逃げ切るつもりかもしれない。

JIAもFPGも本日株価に反応が全くなかった。この見解が出ようが出なかろうが政府の出方次第であるビジネスモデルであることは変わらないので、一時の過熱感がいつも通りに戻ったと考えるべきか。明日日本証券新聞にこの見解が載るらしいが、明日も反応がなければこの結論が一応確からしいはずだ。


PHP、文字列インクリメント

PHPの可変変数に次ぐフリーダム仕様、文字列インクリメント。文字列aをインクリメントするとbになる。フハハ怖かろう。しかも繰り上がりもする。

$str = "a";
$str++;
echo $str; //b
$str = "z";
$str++;
echo $str; //aa
$str = "K9";
$str++;
echo $str; //L0
$str = "五";
$str++;
echo $str; //五

残念ながら日本語はインクリメントできないようだ。


PHP、演算子の優先順位

 PHPには多数の演算子がある。その優先順位は21段階にも及ぶ。

 

※上のものほど先に実行される

演算子の優先順位
結合時の評価 演算子 追加情報
結合しない clone new clone および new
left [ array()
right ** 代数演算子
right ++ ~ (int) (float) (string) (array) (object) (bool) @ および 加算子/減算子
結合しない instanceof
right ! 論理演算子
left * / % 代数演算子
left + . 代数演算子 そして 文字列演算子
left << >> ビット演算子
結合しない < <= > >= 比較演算子
結合しない == != === !== <> 比較演算子
left & ビット演算子 そして リファレンス
left ^ ビット演算子
left | ビット演算子
left && 論理演算子
left || 論理演算子
left ? : 三項演算子
right = += -= *= **= /= .= %= &= |= ^= <<= >>= => 代入演算子
left and 論理演算子
left xor 論理演算子
left or 論理演算子
left , さまざまな利用法

出典:PHP: 演算子の優先順位 – Manual

 

絶望的な気持ちになった。これを全部覚えるなんて死んでしまう。ところがProgramming PHPを読んでいたら、ありがたいアドバイスがあった。

One way many programmers deal with the complex precedence rules in programming languages is to reduce precedence down to two rules:
• Multiplication and division have higher precedence than addition and subtraction.
• Use parentheses for anything else. 

 

(適当訳)プログラミング言語の複雑な優先順位のルールに対して、多くのプログラマーは次の2つのルールに絞って対処する:

・掛け算割り算は足し算引き算より優先順位が高い

・あとはカッコに入れる

 なんだ自分がいつもやってることじゃないの!!あーよかった。


クロスドメインAjax

通常、ajax通信は同一ドメイン内でしか行えない。自サーバーのphpスクリプトなどを実行し動的に結果を取得するのに使われる。
しかし、ドメインを飛び越えてajaxを動作させる方法があるらしい。jquery.xdomainajax.js というスクリプトを使用する。

jquery.fn/cross-domain-ajax at master · padolsey-archive/jquery.fn · GitHub

公式サイトより抜粋

$('#container').load('http://google.com'); // SERIOUSLY!
$.ajax({
url: 'http://news.bbc.co.uk',
type: 'GET',
success: function(res) {
var headline = $(res.responseText).find('a.tsh').text();
alert(headline);
}
});
// Works with $.get too!

マジで!?URL入れるだけじゃん!?楽勝すぎる!しかも返ってくるのはjQueryオブジェクトなんだから、DOM操作もセレクタを使ったデータ収集も楽勝じゃん!

GitHubのコードを見ると、タネはYQLというYahoo.comのAPIを使っていることらしい。

       YQL = 'http' + (/^https/.test(protocol)?'s':'') + '://query.yahooapis.com/v1/public/yql?callback=?',
query = 'select * from html where url="{URL}" and xpath="*"';

つまり米Yahoo様の力を借りて、プロキシ的に他のサイトのデータをゲットしてしまうというわけなのか。リソースと金が余りまくってる会社の力を借りるのなら罪悪感はないね。採用決定!!
クロスドメインAjaxを使用する最大の利点は、回線や処理の負荷をクライアントに肩代わりしてもらう(悪い言い方をすれば、ユーザに押し付ける)ために、サーバーの負荷が大幅に軽減できるということ。レンタルサーバーを使っていても、転送量を気にすることなく他のサイトのhtmlを拾ってくることができる。これはとてもありがたい。


PHPの可変変数

Programming PHP で仕様の総確認をしていたら、「可変変数」なるものに出会った。なんじゃこりゃ?
簡単に言うと、「変数名を格納する変数」ということらしい。

$arg1 = "nannkadaru-";
$arg2 = "arg1";
echo ${$arg2}; // nannkadaru-

応用例は、例えば連番になっている変数をforループで処理する時など。

if($BUTTON1)
//略,10回繰り返し
if($BUTTON10)
↓
for ($i = 1; $i <= 10; $i++){
  if( ${"BUTTON".$i} ){

  }
}

わかりやすくなるが、可読性が下がるというトレードオフに悩まされそうな機能だ。もっとスマートな使い方があるような気がする。


Johann Sebastian Bach , Emerson String Quartet – Art of Fugue for String Quartet (DG 111 CD12)

★★★★☆

DG111の12枚目。BWV1080は最晩年に書かれた曲で、楽器指定がなされていない。チェンバロやピアノでも演奏されることがあるそうだが、このCDは弦楽四重奏版。彼の宗教家と言うよりは職人芸の極みという感のある曲をヴァイオリン四本が丹念に弾いてゆく。

wikipediaには次の評がある。

単純な主題を入念に組み合わせることによって究極へと導いた。

私にはまだ彼の創造性を理解することができない。分かりやすい現代商業音楽に毒されてしまっているためだろう、どうしても展開に乏しかったりドラマチックさに欠けるように感じてしまう。音楽に何を求めるか、という姿勢の問題だ。冒険や高揚感、ドキドキするスリルや奇抜性を求めるのか、調和や静寂、安心感、論理的整合性、音階や理論の緻密さを求めるのか。ふつーの人間は前者を求めてしまうだろう。私もそうだ。年を取れば後者を求めるようになれるのだろうか?知識と経験は音楽体験を豊かにしてくれるのか?もっとたくさんの音楽を聴き続けなければいけないのだろう、とごく当たり前のことを考えた。


2930 北の達人コーポレーション

昨日は久々にフィスコのレポートを一気に最新分まで読んだ。最も注目すべきは2930北の達人。IRページだけ見ると創業者によるワンマン経営っぷ りで怪しさ満点、売っている物も怪しい健康食品・化粧品等。でも事業の内容自体はまともで、開発・販売から物流・マーケティング・システム開発まで自前で 全部やってしまう。よく外注を排して商売できるな。徹底的にマーケティングをして売れそうな商品を残し、製品特化のホームページを作成、商品ごとにチーム を結成し売りまくる。カイテキオリゴと検索してみるとアフィリエイトサイトがドサドサひっかかる。アフィリエイトは比較的高年齢のネット慣れしていない人をひっかける上手い手法なので、儲かるだろうね。公式販売サイトもいかにもな煽り文句まるけ。商品自体は詐欺じゃないんだけどさあ。

情弱をターゲットとしたこの商売の営業利益率はなんと23.7%。すげぇ。札幌の企業なので人件費が比較的安いのも強みなのかもしれない。PERは10倍台 とまだ割高ではないので早速買ってみたらすぐに年初来高値を更新した。ここもビジネスモデルが強固、5年くらいは安泰だが、昨今は上がりすぎでいつ調整が入るかドキドキだ。健康コーポみたいに強くなりすぎたら売ろう。


雑感:コラボス、BS11、ペパボ、Eギャランティなど

以前から気になっていた3908コラボス。クラウドサービスを使ったコールセンター事業ということで、地味で手堅く今後5年くらいは成長が見込めそうな企業なので注目していた。IPO上場時は異様な高値で全く手が出なかったが、とうとう半額まで下がってくれたので今日の朝成買いして1日放っておいたらストップ高になっていた。

BS11(意味なし下げ)、エスクリ(来期投資拡大赤字下げ)、毎日コムネット(権利落ち下げ)と暴落を続けた株たちのせいで年初来14%→4%くらいまで落ち込んでしまったポートフォリオにわずかながらの油を注入してくれたものの、この上がり方には材料が全くない。どうやら他のIPO銘柄からの乗り換え買いらしい。そういう企業と関係のない高値はやめてほしい。この後また一気に下がる可能性が高すぎる。発行済み株式数が少ない株はちょっとした資金で浮動し過ぎる。怖い。

そういえばもう一つ注目していたGMOペパボもいつのまにか上下動の激しい投機株になってしまっていた。さみしい。一時は8800円(分割前の17600円)というとんでもない高値を付けていた。将来的な利益はまだ不確かだが、いまの6820円も過熱気味にしか見えない。ガーラのように未来が見えずふわふわしている株は怖い。

BS11で無現ナンピン貧乏になっていたところ、フィスコのレポートのおかげでやっと上昇トレンドに乗れた。このまま上がってくれると嬉しい。業績が悪化する要素はオリンピックあたりまでは見当たらないので、数年は持ち続けるつもり。

過熱感があるEギャランティを売ったら今日見事に下がった。また買ってみようかと思わせられる。ここも数年スパンで見れば、下がる要素は全くない。


真山仁 – ハゲタカ


★★★★☆

経済に興味が出てから、以前ドラマ版を見たことがあったこの作品をどうしても読みたかったので手に入れて読んだ。日本人である鷲津を主人公に添え、彼によって日本人のバブル期の欲望が生み出してしまった巨大な負の遺産を総整理していく、というのが骨子。文章が上手なわけではなく文学的な価値はないのだが、とにかく取材が丁寧!まるでバブル崩壊後の90年代後半~2000年代前半を追体験しているような気になれる。日本企業がいかに腐っているか告発してるんじゃないかというくらい、政府と銀行に対する糾弾が垣間見える。またそのような歪みを見つけて行動することが莫大な利益を生むことに繋がる、という今まで何度も見聞きしてきた実例とも合致した。一週間くらいで一気に読み終えることができた。

なお一番描写が秀逸だと思ったのは、序盤の釣りのシーンだ。取材と技術に裏打ちされた、釣りのことは知らないけれどなんだかすごいような気にさせる、ヒカルの碁のような上手い手法だと思った。逆に鷲津がカッコつけるシーンはやや過剰演出。。マイルス聴きながら爆走できるか!?わたしゃできん。彼は精神を解き放つのではなく、トランぺッターの中でも稀な、感情を音に圧縮して外に出さない瞑想タイプの演奏をする人だから。