フィスコレポートのチェックを一週間さぼっていたら、

面白い銘柄ばっかり紹介されてて嫌になるね!
2186 ソーバル ファームウェア開発会社で唯一の上場企業。無借金、5期連続成長、営業利益率8%を維持、M&A・本社移転してるのに黒字、大手企業と契約多く安定、ソフト開発なのに有給休暇率が高くホワイト企業、増配しまくり、と優良な点しか見つからない。なぜこんな企業がいままでPER10倍程度で放置されていたのか全く理解に苦しむ。決算前後で、1.5倍に値上がってしまったが。1か月前に知っていたら買い間違いなし。ずいぶん上がってしまったので買うのは気が引ける。今後どのように価格が推移していくのか今後のためにチェックを続ける。
8771 イーギャランティ 信用保証会社。ビジネスモデルが面白すぎる!!倒産リスクにかける保険会社。金融機関の貸付→債権回収とは全く逆のパターンで、顧客はイーギャランティーに保険料?を支払う。顧客の取引先に倒産が発生したら、イーギャランティーが保証金を支払う。リーマンショックの前に問題になったCDSと非常に似た商売のようだ。ただこういう商売は、不況時に保証金支払いがかさんで破綻するケースが多い。が、実績を見ると2007-2008年を含め2004年から現在まで経常利益は右肩上がりだ。リスク算出が完璧ということなのか。営業利益率はなんと34.8%。最新の2015年第3四半期だと40.8%。ここも、かなりの優良企業なのでは!?しかし株価は、何故か横這いが続いている。現在でもPER22.3倍なので数年前の株価が高すぎたのだろう。今でも配当利回りは1.43%しかない。
フィスコのレポート

保証料率の低下は売上高の減少要因となるが、一方で、リスク移転先への支払いコストも低減するため、売上総利益率という点では中立要因となる。

つまり好況でも不況でも安定している。金融業なのにストックビジネス、保証は最終的には上流の提携金融機関がかぶるのでこの会社自体もリスクヘッジがなされている、という何重にも堅牢なモデル。しかも近年は最終リスク分散先のファンドを自前(!)で創設し、原価率を51%→27.5%までなんと半分程度まで引き下げることに成功している。
一番気になるリスクは次だ。

信用リスク保証サービスに関しては、「保険業法」 や 「金融商品取引法」 などの法的規制の対象となっておらず、今後、法的規制が制定された場合に、ビジネスモデルの変更が必要となってくる可能性

法的規制は大手金融機関がここからパクリ商法を行いたいと考えたときにできるのだろう。
2127 日本M&Aセンター M&A仲介業者。ウェブサイトに気合が入っており熱気が感じられる会社。業績は好調中の好調で売上も利益も株価も爆速で右肩上がり。株価は2013年初頭から2年3か月で4倍になった。利益2倍に対し株価4倍なのでかなり割高である。


クリティカル・シンキング―「思考」と「行動」を高める基礎講座


★★★★☆
ブックオフでタイトルに惹かれて購入。ブックオフは新本屋の敵だけれど、我々貧乏人にとってはゴールドラッシュだ。ただし都市部の大型店に限る。新宿西口店は100円コーナーですら山のような一般書があり感動した。近くの西新宿小滝橋通り店とは月とスッポンだ。小型店はマンガくらいしか見るものが無い。といっても、地方だと大型店ですらほとんど漫画とゲームソフトばっかりだが。
クリティカル・シンキングと大仰な用語が付けられているが、一言でいうと「理性に照らして妥当かどうか考えよ」とまとめられる。本全体がこれの言い換えに過ぎない。その考えは権威に従っているだけではないか、自分の感情による非理性的なバイアスがかかっているのではないか、根拠があるのか、その根拠は正しいか、信頼できるか、基準があるか、、、などなど。
この本は原書の半分程度しか抽出されていないと冒頭にあった。いきなりがっかり。内容自体は、amazonでボロカスに言われているようなものではない。訳も素直に読めたので悪いわけではない。失礼だが、内容が理解できなかったんだと思う。。
抽出した箇所は特に自己中心性の認識、修正に重点が置かれていると感じた。自己中心性は、自己の中にあるがゆえに自分で意識することが非常に難しい。自分の中の第三者の力を使って認識しなければいけないからだ。したがって自らの誤りは他人に指摘される可能性の方が高い。ところが私たちは自分が間違っているとは思いたくない。自分を変えることには大きなエネルギーが必要であるから、できるだけ避けたいと思う。私たちは問題をすり替えたり、非論理的に反駁したり、最終的には無視することでエネルギー消費を節約している。この本は理性の力で誤りを正し、客観的妥当的な思考を養うことが目的だ。自己欺瞞を自分の力で発見し修正するのは困難だ。本書に指摘されて治るのならこんな良いことはない。
この本の欠点は概念的な解説が大部分を占め、具体的な記述が不足していることだ。学生向けに書かれたと思われ、ワークショップ形式の設問が多い。なので授業で使ってみて初めて意味がある。読むだけでは得られるものは少ない。なお回答例は邦訳者が追記したと思われる。携帯メールの良しあしなど卑近な例に問題が落とし込まれてしまい、今どきの大学生ならちょうどいいのかもしれないがいい年をした自分にとっては不満だ。多数存在する設問に、自分なりに回答を出してみる必要がある。
自分としてはここ10年何となく考えてきたことがほぼそのまま書いてあることが多く、思考が文章化されてとても助かった。


Billion Laughs

Introducing Pythonに載っていた。次のXMLを読み込むと大抵のPCが落ちるか、動作不安定になる。

<?xml version="1.0"?>
<!DOCTYPE lolz [
 <!ENTITY lol "lol">
 <!ELEMENT lolz (#PCDATA)>
 <!ENTITY lol1 "&lol;&lol;&lol;&lol;&lol;&lol;&lol;&lol;&lol;&lol;">
 <!ENTITY lol2 "&lol1;&lol1;&lol1;&lol1;&lol1;&lol1;&lol1;&lol1;&lol1;&lol1;">
 <!ENTITY lol3 "&lol2;&lol2;&lol2;&lol2;&lol2;&lol2;&lol2;&lol2;&lol2;&lol2;">
 <!ENTITY lol4 "&lol3;&lol3;&lol3;&lol3;&lol3;&lol3;&lol3;&lol3;&lol3;&lol3;">
 <!ENTITY lol5 "&lol4;&lol4;&lol4;&lol4;&lol4;&lol4;&lol4;&lol4;&lol4;&lol4;">
 <!ENTITY lol6 "&lol5;&lol5;&lol5;&lol5;&lol5;&lol5;&lol5;&lol5;&lol5;&lol5;">
 <!ENTITY lol7 "&lol6;&lol6;&lol6;&lol6;&lol6;&lol6;&lol6;&lol6;&lol6;&lol6;">
 <!ENTITY lol8 "&lol7;&lol7;&lol7;&lol7;&lol7;&lol7;&lol7;&lol7;&lol7;&lol7;">
 <!ENTITY lol9 "&lol8;&lol8;&lol8;&lol8;&lol8;&lol8;&lol8;&lol8;&lol8;&lol8;">
]>
<lolz>&lol9;</lolz>

まずlolzエレメントが読み込まれ、これはlol9を参照している。しかしlol9は10個のlol8エレメントと定義されていて、さらにlol8は10個のlol7エレメントと定義されている。以下10回繰り返して、最後にlol1は10個の”lol”に変換される。10の9乗個の”lol”、すなわち3GBのメモリを消費する。シンプルかつ効果の高いDoS攻撃の一種だ。
lol(laughing out loud)、というのは日本語にすると(笑)と大体同じ意味だ。lolでは日本人になじみがないが、をに変えれば4GBの(笑)で画面が埋め尽くされる。この攻撃のウザさが良く分かるだろう。なおWikipediaによれば発祥は2003年、有名になったのは2008年らしいのでセキュリティ業界にはとっくに膾炙されている問題と思われる。なお手元で実行してみようと思ったらセキュリティソフトに “XML Bomb” と警告されて実行できなかった。


The Rough Guide to The Music of Portugal (1998)


★★★★★
ポルトガルはスペインと同様にイスラム化された歴史があるにもかかわらず、スペインほどイスラム的な要素は少ない。ギターを中心としたファドという民謡が多い。明るく大きく歌い上げる、しかし哀愁を帯びた歌。イタリアと雰囲気が似ている。2曲目DULCE PONTES – FADO DA SINA が聞かせてくれる。10曲目LENDAS & MITOS – BARQUINHA DO MARはまさかのロックだが、なかなかアツい仕上がりとなっていてグッド。11曲目ANABELA – AVENIDASは随分と現代風だがこれもよい。地中海的ダラり曲だ。新旧ハズレの曲が少なく同シリーズの中でも上位の作品。


becoming more familiar with a subject does not significantly reduce people’s tendency to exaggerate how much they actually know about it.

Psychologists led by Baruch Fischhoff of Carnegie Mellon University have documented a disturbing fact: becoming more familiar with a subject does not significantly reduce people’s tendency to exaggerate how much they actually know about it. That’s why “investing in what you know” can be so dangerous; the more you know going in, the less likely you are to probe a stock for weaknesses. This pernicious form of overconfidence is called “home bias,” or the habit of sticking to what is already familiar:
(略)
In short, familiarity breeds complacency. On the TV news, isn’t it always the neighbor or the best friend or the parent of the criminal who says in a shocked voice, “He was such a nice guy”? That’s because whenever we are too close to someone or something, we take our beliefs for granted, instead of questioning them as we do when we confront something more remote. The more familiar a stock is, the more likely it is to turn a defensive investor into a lazy one who thinks there’s no need to do any homework. Don’t let that happen to you.
―The Intelligent Investor, Commentary of Chapter 5

持っている物を高く評価してしまう効果:endowment effectに加えて、よく知っている物事を高く評価してしまう効果:home biasが登場した。良く知っていることはむしろ盲目につながる。気を付けないといけない。ともに人間の虚栄をよく突いている概念だな。


Anthony Braxton – Six Monk’s Compositions (1987)


★★★★★
相変わらずインプロでピロピロしまくってるけれど、このアルバムはベース、ピアノ、ドラムとフルで稼働しているため、彼のピロピロがうまく吸収され、絶妙な味付けに昇華されている。ラーメンで例えると、もやしがタワーになっていて見た目迫力があるけれど、麺とスープが正統派の味付けであるために全体として美味しいラーメンである、という感じだ。Four In Oneが一番の当たり曲。


株価は2-3年先の成長を織り込み済みと言うが

嘘だと思った。
今日読んでいる資料は、3382 セブン&アイホールディングスの2013年度の事業概要。これの4ページ目に、過去10年間の業績の変遷が書いてある。2009年に大きく底を打っていることが分かる。その後2010年には2007年度の水準にV字回復、そのまま2011年には過去最高益を叩きだしている。しかしチャートを見ると、2009年12月に最低額を付けるのは分かるが、そのあと何故か2010年8〜10月にさらに低迷する。株価が上昇基調に乗るのは2012年に入ってから、なのだ。
2009年1-3月で30%も下げているのは下方修正でも発表されていたのかもしれないが、2008年中にその兆候は明らかになっているはずだ。
つまり株価は2-3年先の成長なんぞ織り込んでいない。目先の業績につられて乱高下するだけだ。成長に関してはむしろ、1年遅れてついてくる。2010年度の決算を見れば、ふつう2011年4月にはもっと上がっているはずだ。マーケットは業績を予測できない。こんな大会社ともなれば、価格を上下させるのは大口の機関しかいない。彼らもまた失うことを恐れ、得るタイミングを先延ばしにするのだ。少し安心した。
また、2008年3月、10月に大きな下ヒゲが現れている。いずれも25%(2週間), 30%(1週間!)と強烈な下ヒゲであり、これを利用すれば短期間で大幅な利益を得ることができる。ただしそのあとの2009年1月の20%下げは本物で、その後2013年まで復活しないので、ギャンブルには違いないが。。
2012年時点でセブンアイの売上高規模はアマゾンに次ぐ世界17位なのね。でかいね。イオンは世界13位。なお、この数字はセブンイレブンを含んでない、イトーヨーカドー等のみの数字らしい。含めば世界2位だ。


Kenny Dorham – Quiet Kenny(1959)


★★★★★
1曲目のイントロがすごい!!ベースのPaul Chambersさんの技が光る、かっちょいいーー。イメージとしては、川崎の港沿いのうらびれたスナック街。いい意味で気が抜けているトランペットの音のせいだ。続く2曲目My Idealも悶絶するほどあったかい名曲。派手でも奇抜でもないが、何度も繰り返し聞きたい1枚。


JT強すぎ

工場がどんどん閉鎖され、桃の天然水からも撤退する、などと弱体化しているような気がするJTだが、全くそんなことはなかった。
アニュアルレポート | JT ウェブサイト
まずアニュアルレポートが158ページもある。さすが巨大企業。これによると国内市場・海外市場ともに、販売本数は漸減している。しかし利益は確実に増加している。

CAGR 13.2 %
過去 5 年間( FY2010 〜 FY2012 :営業利益、 2013 年 1 ─ 12 月、 2014 年 1 ─ 12
月:調整後営業利益)の年平均成長率
CAGR 31 %
一株当たり配当金の過去 5 年間の年平均成長率

収益増のからくりは、単価増。

2013 年の調査によると、世界全体の総需要は、中国を除けば、
わずかながらも減少傾向にあります * 。しかしながら、たばこ
産業の構造は強固であり、厳しい環境下においても、主に製
品価格の上昇により、全体としての売上収益は成長を続けて
います。この総需要の減少と売上収益の増加傾向は、今後も
継続するものと予想されます * 。

独占性と中毒性がこの会社の本質だ。ジャンキーを食い物にして、彼らが抗うことのできないゆったりとした値上げによって成長していくというモデルだ。価格支配ができる最大の利点を生かし、営業利益率27.5%を誇る。国内の利益率はわずかながら縮小傾向だが、海外市場での収益は飛躍的に伸びている。なお来期は、円安のため-11.4%と大幅に営業利益が落ちる予定。海外展開する企業の辛いところだ。
昨今の規制強化については、私はタバコが嫌いなのでよいが、JTにとっては飯の食い上げになるのでたまったものではない。当然、批判的な記述が目立つ。

近年、製品そのものに対する規制が高まっています。プレー
ンパッケージング規制の導入に加え、各国規制当局は、たば
この規制に関する世界保健機関枠組条約のガイドラインに
則り、たばこの原材料やたばこの煙中成分に対する規制を、
より積極的に施行しつつあります。また、欧州では、欧州た
ばこ製品指令の改定を受けて、警告表示面積の拡大、製品の
個装形状の制限や添加物が禁止されることになり、 EU 加盟
国は 2017 年 5 月までの対応を求められています。このよう
に、個々のたばこ製品の特徴を排除しようとする規制は、多
様化するお客様の需要に対応するための企業間の公正な競
争を阻害する可能性があります。また、こうした特徴のな
い製品は、偽造を容易にし、密輸品の摘発を困難にするため、
不法取引が増加します。

記述があからさますぎて政府と企業の対決という軸が見えてきそうだが、税収減につながる規制強化をなぜ各国が推進するのかわからない。税収減と医療費増を天秤に掛けると、医療費増の方が痛いってことなのかな?
海外展開の所の画像。フランスの煙草の警告はすごいですね。

「吸うと死ぬ」と書いてある。

今日までのところ、当社グループは喫煙と健康に関する訴
訟において一度も敗訴しておらず、また和解金を支払った
こともありません

なんで!?
あとこのアニュアルレポート、たばこの利点も欠点も書いてないね。なんで!?