JT強すぎ

工場がどんどん閉鎖され、桃の天然水からも撤退する、などと弱体化しているような気がするJTだが、全くそんなことはなかった。
アニュアルレポート | JT ウェブサイト
まずアニュアルレポートが158ページもある。さすが巨大企業。これによると国内市場・海外市場ともに、販売本数は漸減している。しかし利益は確実に増加している。

CAGR 13.2 %
過去 5 年間( FY2010 〜 FY2012 :営業利益、 2013 年 1 ─ 12 月、 2014 年 1 ─ 12
月:調整後営業利益)の年平均成長率
CAGR 31 %
一株当たり配当金の過去 5 年間の年平均成長率

収益増のからくりは、単価増。

2013 年の調査によると、世界全体の総需要は、中国を除けば、
わずかながらも減少傾向にあります * 。しかしながら、たばこ
産業の構造は強固であり、厳しい環境下においても、主に製
品価格の上昇により、全体としての売上収益は成長を続けて
います。この総需要の減少と売上収益の増加傾向は、今後も
継続するものと予想されます * 。

独占性と中毒性がこの会社の本質だ。ジャンキーを食い物にして、彼らが抗うことのできないゆったりとした値上げによって成長していくというモデルだ。価格支配ができる最大の利点を生かし、営業利益率27.5%を誇る。国内の利益率はわずかながら縮小傾向だが、海外市場での収益は飛躍的に伸びている。なお来期は、円安のため-11.4%と大幅に営業利益が落ちる予定。海外展開する企業の辛いところだ。
昨今の規制強化については、私はタバコが嫌いなのでよいが、JTにとっては飯の食い上げになるのでたまったものではない。当然、批判的な記述が目立つ。

近年、製品そのものに対する規制が高まっています。プレー
ンパッケージング規制の導入に加え、各国規制当局は、たば
この規制に関する世界保健機関枠組条約のガイドラインに
則り、たばこの原材料やたばこの煙中成分に対する規制を、
より積極的に施行しつつあります。また、欧州では、欧州た
ばこ製品指令の改定を受けて、警告表示面積の拡大、製品の
個装形状の制限や添加物が禁止されることになり、 EU 加盟
国は 2017 年 5 月までの対応を求められています。このよう
に、個々のたばこ製品の特徴を排除しようとする規制は、多
様化するお客様の需要に対応するための企業間の公正な競
争を阻害する可能性があります。また、こうした特徴のな
い製品は、偽造を容易にし、密輸品の摘発を困難にするため、
不法取引が増加します。

記述があからさますぎて政府と企業の対決という軸が見えてきそうだが、税収減につながる規制強化をなぜ各国が推進するのかわからない。税収減と医療費増を天秤に掛けると、医療費増の方が痛いってことなのかな?
海外展開の所の画像。フランスの煙草の警告はすごいですね。

「吸うと死ぬ」と書いてある。

今日までのところ、当社グループは喫煙と健康に関する訴
訟において一度も敗訴しておらず、また和解金を支払った
こともありません

なんで!?
あとこのアニュアルレポート、たばこの利点も欠点も書いてないね。なんで!?


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