75 Jahre Donaueschinger Musiktage 1921-1996 (CD8) Pierre Schaeffer, Luigi Nono, Michaël Levinas, Younghi Pagh-Paan, Anton Webern


★★★☆☆
1-7曲目はオケ要素の少ないサウンドコラージュ。弦がうねり狂う9曲目Par-de làのみそこそこ面白かったが、あとは動きの少ない曲が多くいまいち。

Track List:
1-7
Orphée 53, spectacle lyrique
Pierre Schaeffer
8
Post-Prae-ludium No.1 "per Donau", for tuba & live electronics
Luigi Nono
9
Par-de là
Michaël Levinas
10
Nim, for large orchestra
Younghi Pagh-Paan
11
Bagatelles (6) for string quartet, Op. 9
Anton Webern


FPG

急騰急落で話題の銘柄FPGとはいかなる会社なのか知りたくて、ウェブサイトを読んでもよくわからないので前期の有価証券報告書(2014/12/22付)を読んでいる。
簡単にまとめると

○FPGは資金を調達して航空機・コンテナ・船舶といった陳腐化が少ないが高額な製品を買い、海運会社や航空会社にリースする。

○資金は7割を金融機関から借金する。残りの3割を投資用金融商品として、投資家に買ってもらう。FPGは全額金融機関から借金するよりも有利にリース品を取得できる。

○製品1つあたり「(株)SHIP第27号」などという名前の子会社を1つ作り、FPG+投資家で匿名の管理組合を設置する。投資用分譲マンションみたいな感じ。

○投資家には製品の運用によりで生じた利益を分配する。運用初期はリース料より減価償却費や支払利息が多く赤字になるため、投資家はこれを事業損失として申告して税金を減らすことができる。リースが終了したら製品を売却し、この利益も投資家に分配する。

○FPGはリース商品を投資家に売る際の手数料、投資家から徴収する運用管理料(マンションの管理費みたいなもの)、リース品賃借人へのアレンジメント料と三段階にわたって儲ける。

以上。リース商品が売れず外部に買い叩かれた時のリスクとリース品が外貨建てであるための円高リスクがある。

とても面白い企業と感じた。極端に円高にならない限りは安定して推移しそうな企業だ。また、ここ数年で資産が2倍以上になった投資家が多いだろうから、顧客もしばらくの間は離れないだろう。1/3程度暴落したのを好機ととらえ、トレダビでは963円で購入してみた。

(追記)リース品に関する情報は全く公開されていない。出資者募集のページに飛んでも詳細は不明で、「お問い合わせはこちら」とフォームが表示されるようになっており、出資しなければアクセスできなさそうだ。
例えばリース先の企業の情報がわからない。外貨建てであることから外国の企業であることは間違いなさそうだが、一体どこにリースしているのだろう。リース品によって投資家が得るリターンが具体的な実績がわからないし、リース品の売却益をどう分配しているかの情報もない。売却益を全額投資家に分配するとは思えず、管理費名目で若干ピンハネしてるのではないかな。リース品が売れず損失が出ても投資家にかぶせられるから、FPGは資金だけではなくリスクもヘッジしているようだ。投資は自己責任だから。ますます強固なモデルに思えた。

前期は営業利益率は55.3%、純利益率31.8%とぼろ儲け。損益計算書上は超優秀な数字だがキャッシュフロー計算書がとても変。税込利益32億は立派なのに商品出資金で-151億(!)のため営業キャッシュフローは-130億と大幅なマイナス、これは短期借入金85億と大幅増資の44億でカバーし、キャッシュフローはわずかにプラス2億で着地している。これだけ見ると不安になる。今期は1Q2Qまで決算書が出ているから一体どうやってやりくりしているのかチェックしないといけない。短期借入金はどうやって返したんだ?


the relatively unpopular large company

Even many corporate leaders fail to understand these odds (see sidebar on p. 184). The intelligent investor, however, gets interested in big growth stocks not when they are at their most popular―but when something goes wrong. In July 2002, Johnson & Johnson announced that Federal regulators were investigating accusations of false record keeping at one of its drug factories, and the stock lost 16% in a single day. That took J & J’s share price down from 24 times the previous 12 months’ earnings to just 20 times. At that lower level, Johnson & Johnson might once again have become a growth stock with room to grow―making it an example of what Graham calls “the relatively unpopular large company.”
―The Intelligent Investor, Commentary of Chapter 7

この論理に従えばシャープ・東芝は買いということになる。もちろん復活の余地があれば、という条件があるが。


雑感

セブン銀行が1週間で約12%の下げ、逃げておいて助かった。長期的には元に戻るかもしれないが、1桁成長&成長鈍化の株にPER33倍は荷が重かったのだろう。
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=8410.T&ct=w
箱根が噴火しても下げない小田急 +0.26%、影響は限定的とみられたか、そもそも鉄道より百貨店の売り上げの方が多いから当然か?
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=9007
99%減資のシャープ崩壊 -26.36% 年初来安値。減資と言っても資本金取り崩しのことなので即株主に損失が出るわけではないが、1/4以上の市場価値はすでに吹っ飛んだ。株価も99%崩壊するのか?
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=6753.T
不正会計発覚の東芝崩壊 -16.55% S安値段付かず、明日も危険、どこまで下がるのか?不正会計の実態が全く明らかになってないのに連続大幅下落なのか!?株主は一体どこまで先を見ているのか?
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=6502.t
AKB効果で株価倍増のガーラ、またもイナゴタワー発生。今年の初頭に馬鹿みたいに上がった後に1/4まで下がったのに大丈夫!?アホじゃないの?
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=4777.T&ct=z&t=1m&q=c&l=off&z=m&p=m65,m130,s&a=v
小田急の件以外は人間心理のアホさ加減や欲深さを大きく感じる。ここから発生する激しい揺らぎに耐えて堅実に利益を得るか、揺らぎを利用して大儲けを狙うか、どちらのタイプの投資家が賢明なのかまだ私にはわからない。


CDレビュー: Yes – Going For One(1977)

★★★★★=͟͟͞͞⊂( ’ω’ )=͟͟͞͞⊃
前作で天に昇ってしまった後、今作では前衛的な度合いがガクッと減り、地上に降りてきたという感じ。今作は曲構成が神がかっている。1曲目タイトルチューンGoing For Oneがいきなりスマッシュヒット。さらに3曲目ParallelsはYesで私が一番好きな曲かもしれない。和音構成のせいなのかヴォーカルのせいなのかパイプオルガンのせいなのか、ぱっと聴いた感じ普通の曲なのになぜか涙が出てきてしまう。そして目玉となる重厚の5曲目Awakenでまた昇天してしまう。悪い曲一切なしの傑作。

プログレッシブロックの他のCDレビューはこちらです。rokujo.hatenadiary.com


JR東日本のサイトから運行情報をゲットするスクリプト1

retDict = {}
lines = ['東海道線', '中央線快速電車']
import lxml.html
import requests
try:
target_url = 'http://traininfo.jreast.co.jp/train_info/kanto.aspx'
target_html = requests.get(target_url).content
root = lxml.html.fromstring(target_html)
TblInfo = root.cssselect('#TblInfo')[0]
trs = TblInfo.cssselect('.px12')
for tr in trs:
for line in lines:
if tr.text_content() == line:
time = tr.xpath('../../following::tr')[0]
content = tr.xpath('../../following::tr/following::tr')[0]
dict = {}
dict['time'] = time.text_content().rstrip()
dict['content'] = content.text_content().rstrip()
retDict[line] = dict
except Exception as ex:
print(ex)
print(retDict)

実行例

{‘中央線快速電車’: {‘content’: ‘中央線快速電車は、日野駅での人身事故の影響で、上下線で一部列車が運休となっています。’, ‘time’: ‘2015年5月10日21時49分 配信’}, ‘東海道線’: {‘content’: ‘東海道線は、横浜駅での人身事故の影響で、東京〜小田原駅間の下り線の一部列車に遅れがでています。高崎線への直通運転を終日中止します。’, ‘time’: ‘2015年5月10日21時20分 配信’}}

初めて作成、難しいねぇ。。最も時間がかかったのは、実はlxmlのインストール。
参考サイト:
http://d.hatena.ne.jp/hippu/20091103/1257259317
http://ivis-mynikki.blogspot.jp/2013/03/pythonvcvarsallbat.html


列車運行情報通知アプリ

今日家に帰る時間の直前に中央線快速が止まり、とても困った。そこで列車運行情報通知アプリを作ろうと思い立った。新聞記事自動取得アプリの前哨戦だ。
即席で考えた仕様は次の通り。
・メインのモジュールは1分ごとに運行情報サイトを巡回する
・サイトの内容をスクレイピングし、あらかじめ登録しておいた路線の運行情報に変化があったら、SMTPサーバーにアクセスしてメールを送信する
・設定はtxtファイルで保存?
・巡回用のスクリプトはプラグイン形式にして、いくらでも追加可能にする。決まった形式のファイルを返す(JSONがよい)。更新時刻と本文をリターンする。
・運行情報はHashTableに蓄えておけば十分!変化があったかどうかは、HashTableの内容、本文だけ比較すれば十分。
はじめてのPythonアプリ制作。来週の日曜を使えばできるかな。。?すでに、SMTPサーバにアクセスしてメールを送信する処理の作成は完了した。


人は一般にただ己の分相応のものしか看取し理解するを得ない

けだし人は一般にただ己の分相応のものしか看取し理解するを得ないが故に、誠実ではあるが、しかし平凡にして情熱なくかつ頭のきわめて狭いクセノフォンもまたその畏敬せる師の本質の中から独り彼自身の性質に親縁あるもののみを了解し得たに止まるであろう。
――ソクラテスの弁明・クリトン 岩波文庫版 訳者解説(久保勉)

きついですな。我々も分相応のレベルを上げましょう。
直後

これに反して高遠深奥なる心霊と最高度の芸術的天稟とを兼ね具えたる最大の弟子プラトンは、その師の偉大なる人格と精神との本質を完全に理解し尊重しかつ表現し得たに違いない。

これは言い過ぎでは。。


プラトン – ソクラテスの弁明・クリトン


★★★★★(´・-・。)
おそらく世界でいちばん有名な哲学書(むしろ物語?)。昔背伸びして買った古い岩波文庫が眠っていたので読んだ。対話篇と称されるように全編が実在の裁判に沿ったソクラテスの一人語りでできており、彼の弁論がソクラテスという思想家を構成する仕組みとなっている。物語形式であるためか文章は明快で、哲学に全く明るくない私でも通勤の往復時間(2時間くらい)で読み通すことができた。
本編は高校倫理などでおなじみ「無知の知」を核とする。彼はいわゆる知識人・偉大な人物と称される人間に会い、どれだけすごい人物かと期待し対話するのだが果たして自分より賢くないことが分かってがっかりする、ということを繰り返すうちに、勘違い知ったか野郎の目を覚ましてやることを生きる目的とするようになった。ソクラテスは言う、「彼らは自分が何も知らないのだということを分かっていない」と。そして真に賢明なのは神のみで、人間には何も知ることができないということこそが智慧であると主張する。このことを弁えている自分は彼らより賢い。
こう言うのだから自称知識人達を敵に回して当然である。ざっくりまとめてしまうとソクラテスは真実を言い当てられた人間たちの手で死刑に処される。詳しくはweb上で読める日本語訳があるのでこちらを読んでいただきたい。序文は後で読んだ方が良いかも。
彼が何も知らない・知ることができないと語るのは、少し前に読んだソロスの思想とも通じる。驚くことに、西洋哲学数千年の歴史をもってしても、人間が何も知らないという事実は全く揺らがなかった。私も実感として、さまざまな書物を読むにつけ、私だけではなく人類も何も知らないのだという事実だけが積み重なっていくのがわかる。知ったつもりになっている人間は須らく間違っている。ラストでソクラテスが「私が死んだ後、私の息子がひとかどの人物になったような気になっていたら君たち諌めてくれ」と言うのが切ない。
クリトンはこの話の後日談、ソクラテスの友人クリトンが脱獄を薦めるものの、ソクラテスに説得され諦めるという話。この説得は国家への完全なる服従が前提となっている。詳しくは当時のギリシャに関する書物を読まないとわからないが、彼の言い分からするとアテナイ市民は国家を相手に保護と服従のギブ&テイクの厳格な契約をしたことになっている。契約に不満があれば国家を勝手に出ていってもいいらしい。これを前提として、私は国家から70年も出ていななかった、つまり国の論理に従って生きることを選択した以上、私はこの国の法に則らねばならない、これを破って脱獄するのは国を破壊する行為であり正しくない、と言うのが彼の主張の骨子だ。ああ彼らは大陸人なんだなぁと思った。日本人のような島国の国民にとって国家からの脱出は難しい。言葉の壁も大きい。また現代の人権思想を軸とした見かけ上ゆるい統治体制のせいで、国家を相手に契約した覚えなんかないよ、という人間が大多数だろうと思う。そんな私たちにとってはソクラテス国なんかに殺されて馬鹿じゃねーの逃げろよ!と反発を覚える内容だが、当時のギリシャ人から見れば我々こそ間違っていることになるだろう。
この作品からは理性・論理への完全な信頼が伺える。感情から生まれる非論理的思考を徹底的に排除し、議論によって正しい論理だけを採用する。ソクラテスは自分が正しくないと心の底で感じたとき、「ダイモニオンの声」が聞こえるという。これが何であるかは様々な解釈があると思われるが私は「良心」や「第六感」のようなものだと感じた。ソクラテスはこの声を裏切ることは決してできなかった。どこまでも正しい人であった。そして正しいがゆえに彼は死なねばならなかった。
個人的には、当作品にはこれまでに自称知識人を叩きのめしてきた過程が全く書かれていないので、具体的にどうやって論破するのかを知りたい。


The Rough Guide to Australian Aboriginal Music (1999)


★★★★★
ほとんどがディジュリドゥを使った曲で、モダンな物からトラディショナルなものまで揃う1枚。ディジュリドゥは昔この曲で知った。現代の曲を聴くとじーさんも英語しゃべってるし、ホント英国に侵略されちゃったんだなぁということを悲哀をもって感じられるアルバムだった。1曲目Saltwaterのようにローカルな曲は燃えるが、2曲目Kurongk Boy, Kurongk Girl、3曲目Native Bornのように完全に英語化されてしまった世代の曲を聴くとすごく切なくなる。地元の文化を守るために外から来た言語・外から来た音楽様式を使って発信しなくてはいけないなんてなぁ。他には6曲目Bullimaは現代テクノの要素が入っているがよい。9,12,15の完全ローカル曲も素晴らしい。アボリジニーには太鼓系の打楽器が無いようだ。パーカッションは木を叩いてカンカンやる程度にとどまる。オーストラリアは暑くないからそこまで高揚する必要が無いのか?もしくは太鼓用の動物の皮が取れなかったのかな。
なお同名の2008年版のアルバムの方が評判がいい。1999年版も個人的には満足だ。