Swan Lake @ 東急シアターオーブ

8年?ぶりにマシューボーンの白鳥の湖を観に行った。これで2回目。
シアターオーブや渋谷ヒカリエには初めて入った。非常に新しいホールで、作りも洗練されているように見えるが、前の人の頭が邪魔で見づらい、音響が今一つ、など設計にやや問題がある。今までに訪れたホールの中で最も良いのはここ。マイナーすぎるなので、まともな公演がないのが最大の欠点だけれど。
とはいえ、久々に劇場に入るとその雰囲気にドキドキした。巨大な幕と、大量の席。高ーい天井、通路、パンフレット売り場、異様に並んでるトイレ。劇場っていいよね!
日本ではなんと2003年から4度目という超ロングラン公演。最初の公演では子供の姿も多かったそうだが、回数を重ねたリピーターが多いと思われ、子供の数はほぼ0。年配の女性が多い。男女比1:9くらいだった。
幕が開く前に1ベルが鳴るともう観客が静かになった。5分後、照明がフェードアウトするとあの有名なイントロが流れる(リンク先は「通常版」の白鳥の湖です)。正直、一度あの舞台を見た後だと、イントロだけで胸が高まる。幕が開くと巨大なベッドに王子が寝ていて、悪夢を見ている。そこに白鳥が出てくるのだがここの音楽がすごすぎる!チャイコフスキーは偉大だ!
バレエが本格化するのはこの後、執事や使用人らが大量に出てきてから。あーどうしてこんなに体が動くんだろうね、あんな風に跳べたらなあ。途中、劇中劇でクラシックバレエを明らかに茶化しているようなシーンも挟みながら、前半の山場、打ちひしがれた王子の前に現れる大量の白鳥たち。14人の上半身裸でムキムキの白鳥たちが汗まみれになりながらそこら中飛び跳ねまわる姿は圧倒の一言。初めて見た人は普通度肝を抜かれる。今回、今までで一番近くで見られたのでもうそれは美しかった。しかも極めて動物的、クチバシは出すし無表情で首をぐるんぐるんしてキモかわい。白鳥のリーダーは今回、ジョナサン・オリヴィエという方だった。妖艶さはないが、背がとても高く端正な顔で明らかに他の人とは違うオーラを感じ取れた。不気味で魅力的というのではなく、頼れるかっこいいお兄さんという感じだった。素は絶対いい人だこれ。でも舞台上では表情が(意図的に)なさすぎてこわい。
後半、ストレンジャーとして登場した白鳥はちゃんとワルやってた。魅力的だけど、でもどことなくぎこちなさも感じた。ちょっと作ってるような感じ。ガールフレンド役の人が前半に引き続き非常に目立ってました。キャリー・ジョンソンさんというらしいです。とても上手。
ラスト、頭を壊された王子のところに集まる白鳥たちの迫真のシーンは、白鳥たちもすごいが音楽が超弩級に素晴らしい。最後に貼る参考リンクでいうとpartIIの53分17秒あたりから夢かと思うような美しい洪水に流されてしまいます。ここで涙が出た。その後はメインテーマがなんとメジャー調に変わって、もう後は終了まで一直線。王子を抱きかかえるザ・スワンの姿に涙しつつ、カーテンコールはお客さんがみんなスタンディングオベーション!!舞台はいいよね。バレエも素晴らしい。
参考リンク
Classical Ballet – Matthew Bourne – Swan Lake (1996) – part I (※クラシックじゃないだろ?)
http://www.youtube.com/watch?v=q4LDNlc_AQI
Classical Ballet – Matthew Bourne – Swan Lake (1996) – part II
http://www.youtube.com/watch?v=0tV6RfqSgYc
これのDVD持ってます。アダムクーパーはイっちゃってる。後半ストレンジャーとして登場してからは、全員を完全に食ってしまっている。


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