Tchaikovsky, Boston Symphony Orchestra(Orch), Seiji Ozawa(cond) – Swan Lake


★★★★☆(一部★★★★★)
興奮冷めやらぬままCDを聞いた。白鳥の湖は組曲版で演奏されることが多い。バレエ用の完全版は演奏される機会が少なく、CDもあまりない。それは全曲通しで演奏すると2時間超と長いことと、演奏が難しい曲が多いためと考えられる。しかし一度完全版を聞いてしまうと、もう組曲版は聞けない。この作品の恐ろしいところは、一部の曲ではなく、すべての曲が名曲であることだ。チャイコフスキーのメロディーメイカーっぷりを2時間超にわたって味わうことができる。
指揮は最近体調が心配な小澤征爾さん。小澤さんのことは勝手に「ゆらぎの小澤」と呼んでいる。テンポの変化、ダイナミクスの変化が秀逸なのだ。このCDも非常に小さい音量で始まるが、フォルテッシモのときは音量全開となる。リタルダンドも過剰なくらいやる。短い曲でも最強に盛り上がって終わることが多いこれらの楽曲では、演奏後に拍手してしまいたくなる曲もいくつかある。
しかしこの録音には、最近聞いていたCDに共通する欠点がある。ズレだ。CD全体にわたって激しくずれる。特に打楽器や金管のずれがひどい。演奏は小澤ゆらぎが十二分に発揮されほぼ完璧だ。燃える萌える。なのにこのずれのせいでその熱狂が若干殺がれてしまう。本当に残念!やっぱりアメリカのオケだからなのか!?彼らの個性が一つにまとまることを許さないわけ!?
中にはずれてない曲もある。2枚目に収録されている、ヴァイオリンソロが特徴的な「ロシアの踊り」はチャイコフスキーのスラブ魂が込められた超名曲。今ならソロを樫本大進さんに弾いてもらいたい。オケ全員と小澤さんの呼吸が一致し、音が連鎖反応で爆発して奇跡のような1曲になっている。風呂場で聞いていて、ブラボーと叫びそうになってしまった。


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