★★★★☆
111 Years of Deutsche Grammophonの22枚目です。けっこ―新しいCDですね。2004年発売のものです。
ジャケに写ってるピアニストのエレーヌ・グリモー(1969-)さんはフランス生まれのピアニスト。ところがユダヤ人です。お決まり過ぎ。ピアニストはユダヤ人でないといけない法則でもあるのでしょうか。動物生態学を学ぶ共感覚者だそうですから、メシアンとかぶってますね。彼女はオオカミの生態が専門だそうですので、そのうちオオカミの曲を作ったりするかもしれません。楽しみです。
クレドが惜しい
1曲目はジョン・コリリアーノ(1938-) という作曲家の「ファンタジア・オン・オスティナート」。捉えどころのない曲調ですが途中に突然ベートーヴェンの交響曲7番第2楽章が挿入される謎曲です。
次はベートーヴェンのピアノソナタ17番「テンペスト」。か、かたーーい。あんたブレイクかけられて徐々に石化にでもなってるんとちゃうのか。と思うと学校の階段をヒョイヒョイ昇るように進んでいくこともあるしよくわかりません。ベートーヴェンのソナタは人気曲だけに演奏者によってずいぶんと印象が変わりますね。
3つ目はまたベートーヴェンで「合唱と管弦楽のための幻想曲 ハ短調 作品80 《合唱幻想曲》」。合唱と言ってるものの合唱は最後の最後にしか出てきません。第9にとても近い曲です。いい曲ですね。
ラストはアルヴォ・ペルト(1935-)の「クレド」。アルバムのタイトル曲ですのでこのCDのキモです。序盤は派手寄りな教会音楽っぽいのですが途中から不穏な雰囲気が漂って行ったあとに一気に爆発する中盤の大音量カオスゾーンで私は爆笑してしまいました。ビアノぶっ壊れてるし志村音割れすぎ!で、ラストにバッハの平均律クラヴィーア1番(アヴェ・マリア)をまるまるトリビュートしてシメるというとても変な曲でした。
彼なりの思想を持つ曲なんでしょうがアヴェマリアの部分はいらないんじゃないんかねぇ、と私は感じました。中盤で終わってたら超がつくお笑い曲だったのになぁ。
ニコニコ動画にこの演奏のクレドが上がってますね。
※日本版はクレド終盤元ネタのバッハの曲が別収録で入ってます
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