仕送りを裁判所基準にして生きる

元家族に送る仕送りの金額を常識的な金額に減らすことにした。

養育費は裁判所のサイトに詳しい数字が出ている。

裁判所|養育費算定表

ぼくの年収、向こうが働いた場合の想定年収を勘案するとこの表では6~8万円の枠に入る。

いま送っている金額はこれを数十万円上回る金額だ。

異常だ。

このお金で、あの家での異常な生活が維持されている。

自然食品、自然栽培など極端に産地と出所と生産者を制限した高額な食事、洗濯に4時間以上を投入するなど無駄に複雑になった家事でがんじがらめになり、成人した長女も含めた子供3人が家から出られない生活が行われている。ぼくが送っているお金でみんなが不幸になっている。

どこから考えても異常だけれど、いろんな人に異常だと指摘されても、異常なことだと思えなかった。

生きるために11年間異常なことを正常と思いこんで暮らしていたから、あの家から離れてもしばらくの間は、他人の言葉が入ってこなかった。

ぼくは11年の間にいろいろなものを奪われていたようだ。お金。自尊心。名前。こども。言葉。考える力。

奪われていたという実感はまだ薄い。11年間の習慣の力は強い。

心の奥底でうすうすおかしいことはわかっていた。2年前、無駄になった引っ越しと食費の高騰で借金が100万円を突破したとき、食費を減らそうと言ったら「どこに減らせるところがある」と言われ、もうだめだと思った。

勉強は禁止されていたが、図書館で借りた本は勉強とはみなされなかったから、読めた。ブログやツイッターは、誰もぼくの作業部屋に入ってこなかったから、読めた。1年間仕事の空き時間を全部投入して読み続けたことで、ある程度洗脳を振り切ることができた。

家を出た後に、親兄弟や友達、ネットで知り合った人たちとたくさん話した。親兄弟は11年間悪の権化のように抱かされていたイメージと全く違う人間だった。異常だったのはぼくたちの方だった。

 

一昨日、元家族に仕送りを減らす旨のメールを出した。

メールの送信ボタンを押すまでにかなり躊躇した。

メールだけは今後のやり取りに使わなければいけないから、返信がいつかは来る。まだ来ていない。どんな罵詈雑言が書かれているかわからないから、怖い。

携帯電話は着信拒否にしたし、法律的に全く問題ないし、何の手出しもできないはずなのに、怖い。

今後2か月分は現行のお金を送る、と書いたので十分に猶予はあると思う。

あんな生活はリセットするべきだった。ぼくは人間的な生活ができるようになるし、あっちはこどもが外に出ざるを得なくなって、健康的になるはずだ。

 

ここ数日、反動でたくさんお金を使っている。証券口座で5万円近くの含み益が出たので、それを使ってまともな食事をしている。

肉が食べられるし、魚も食べられる。毎日牛乳が飲める。お茶が飲める。お菓子を買った。果物を買った。外食だってできる。コーヒーを飲んだ。カツ丼を食べた。パフェを食べた。

1週間で体重が2kg増えて、長距離走のペースが5キロ29分から7キロ32分半になった。やる気の出なかった筋トレもできるようになった。仕事の能率も上がった。

はじめてまともに生きられるようになった。

生きていたい。


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