フィスコレポートを読む セレクト 6788日本トリム、3622ネットイヤーグループ、4662フォーカスシステムズ、6085アーキテクツ・スタジオ・ジャパン

6788 日本トリム

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日本トリム 整水器 電解水素水

電解水素水整水器の日本トップ企業、いわゆるアルカリイオン水を売る会社です。ただの怪しい健康水会社ではなく、整水器の製造、販売、卸売・OEM、アフターサービスまでこなし、医療分野にも進出・海外展開までしています。

整水器は1年に1回カートリッジを取り換える必要があるため、ストックビジネスに分類できます。電解水素水は本来医療用で、人工透析の希釈、臍帯血の保存にも用いられています。また価格競争が起きにくい分野のため、同社の営業利益率は非常に高く、20%程度で推移しています。

財務は超が付くくらい健全、ほぼ無借金経営で、1年分の売上に相当する潤沢なキャッシュ、さらにその1.3倍程度存在する利益余剰金には驚かされます。今期はこれを使って中国市場への進出、農業分野への拡販、M&Aによる事業拡大を狙います。余剰資金の範囲内でこれができるのは強いですね。

ただし前期、減収減益の決算で着地しています。レポートには

コンプライアンス強化の目的で営業トークの変更を実施したが、 それが過度の規制となり、 販売効率を下げる結果となった

と書いてあります。医療機器なので規制があるそうですが、「営業トークを変更」の詳細が書かれていないのがとても気になります。今年の4Qは売上最高額を達成したので大丈夫!と書いてありますが本当に大丈夫でしょうか!?

PERは14.97と中程度です。来期の成長率の割には株価はあまり高くないですね。明後日7/28が1Q決算発表日です。チェックしてみようと思っています。

3622 ネットイヤーグループ

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ネットイヤーグループ株式会社|ビジネスの未来をデジタルで創る

デジタルマーケティング支援事業を行う会社です。企業に対してマーケティング立案、コンサルティング、自社開発アプリケーションの提供、ソーシャルメディアの分析など総合的な支援をする面白い企業です。クライアントには日本ハム、無印良品、KDDI、NHKなど大手の顔が並んでいます。

同社の課題は人材確保と利益率の増加です。今期は人材が足りず売り上げが伸び悩みました。原価率が80%とかなり高く、その結果ネット関連銘柄としては営業利益率が3~6%と低い方です。利益が少ないせいかPERは52.92倍とえらいことになってます。決算資料を見ると去年は100倍以上だったようです。

コンサルティング会社は今後も増加が見込まれます。独自の販売手法を身に着けた成りあがったアフィリエイター達が法人化し、勢力を増していくと思われるからです。競争の激化は避けられないでしょう。

4662 フォーカスシステムズ

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株式会社フォーカスシステムズ

中堅SI。コンサルティング・システム開発・運用・保守まですべて行う会社です。主要顧客はNTTやIBMで、官公庁等などから大手企業が受託したプロジェクトに参画するサブコンストラクター、建設業で言うと下請けに当たります。

同社はデジタルフォレンジック(情報セキュリティ)にも力を入れていますが、まだ売上の1/15を占めるにすぎず、今後の伸びが期待されます。

来期予想は純利益+1.2%ときわめて保守的ですが、主要な顧客が官公庁であることから、来年1月くらいまではマイナンバー制度導入を見込んだ株価の上昇が見込まれます。

6085 アーキテクツ・スタジオ・ジャパン

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建築家ネットワーク-ASJ-アーキテクツ・スタジオ・ジャパン株式会社

建築家ネットワークの運営会社です。同社の登録建築家に対して、注文住宅を建てたい個人がコンタクトし、全日本の建築家から好みの人にプランを無料で立ててもらえる、注文が成約すれば建築家に報酬が、アーキテクツ社には手数料が、注文者は安い値段で住宅を建てられるという三者がいずれも得をするというユニークなビジネスです。自動積算システムの開発により、2-3週間かかる見積もりを1-2分に短縮するというすんばらしい効率化を行っています。

主な収入は建築会社(スタジオと呼ばれています)のネットワークへの新規加盟料と月額ロイヤルティです。これで半分を占めます。新規フィー+従量ストックを組み合わせる常套手段ですね。スタジオ数は一貫して右肩上がりです。

前期は円安による建材費高騰と消費増税による需要の落ち込みでボロボロの業績でしたが、来期は売上+37.7%、営業利益5.6倍で利益率4割を見込むという超アグレッシブな予想をぶっています。

同社は販管費率が異様に高いです。前々期は65.3%、前期は77.0%です。異常な数値ですね。このため少々の営業利益減により純利益が激減します。どうにかして見直すべきです。

それだけ販管費を掛けているというのに、ユーザーと建築家とのマッチングもうまくいっていないようです。

プランニングコースにおける勝敗は、 大まかにいうと400勝、 500敗に終わった。 また、 受注が極めて難しいと思われる案件が500件あった。 失注と受注が困難な案件は、 都合1,100件にもなった。

同社の強みは比較的安い2,500万円程度の「ボリュームゾーン」の住宅の充実ですので、この分野でもっと競争力を付けないと生き残るのは難しいでしょう。

今週の注目

今週は見込みがあるのは日本トリムだけですが、前期の減収減益がやはり気になるので有報を読んでみました。某掲示板で話題になっている自己株式取得しすぎ、というのは有報を読めばせいぜい1.7%に過ぎないことが分かりますので気にしなくてよいと思います。

http://www.kabupro.jp/edp/20150624/S10054XL.pdf

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2013年にとてつもない上げを経験していますね。テンバガー達成してます。おそらく前々期の利益が前年比倍近くになったことが原因でしょう。時間はかかってますがこりゃイナゴですね。その後過熱は沈静化し、株価は以前の2倍以上の値で落ち着いています。ということは、前期の減収減益は、前々期の調子が良すぎたことによるものですね。あまり気にすることもなさそうです。1Q決算の結果が良ければ注目株になるかもしれません。


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