ベテランのスラッシュメタルバンド、テスタメント。このアルバムは1stアルバムと2ndアルバムからチョイスしたリメイク版で、デビューから20年近く経って脂の乗り切った彼らの演奏が凝縮されて詰まっている。ただのスラッシュメタルではない。所々メロディアスなギターを織り交ぜヘビメタバンドとしても十分通用する演奏をする。
特に1,6,7,11曲目がすごい。1曲目表題曲First Strike is Deadlyはいきなり音速ドリフトイニシャルDという感じで、ラストのメロギター→ツーバス地帯への流れが見事です。6曲目Burnt Offeringsはメタル要素を全部注ぎ込んだ会心作で、退廃的なイントロから爆裂リフ炸裂ドラム、重い重い6/8拍子を経て超速の後半戦へ、、この曲が一番好きです。7曲目Over The Wallもリフギターが超かっちょいい。10曲目Alone In The Darkはおそらくこの曲だけヴォーカルが違うと思われる、この曲のおかげで何故スラッシュメタルが以前から好きだったのか、がわかった。ゴアトランスと共通していることが多いのだ。和音や調整を拒んでヴォーカルは単音と半音か全音の上下くらいしかせず、音階を無視した爆速フレーズとリズムで押して押して高揚させる一種の形式美、が好きなんだな。そういえば何カ所かで中東風のギターの旋律も聞こえてきた。ラスト11曲目Reign Of Terrorも6曲目に引き続き神がかり的なドラムがすごい。イントロも力入りすぎ。
歌詞を何曲か読んだところよくある「破壊!殺戮!死ね死ね!」のようなものではなく、いや大体そうなんだけど、The New Orderなんか核戦争後のヒャッハーな世紀末世界観だし、でもBurnt Offeringsで”Won’t die!”と何度も叫んでいたり、Over The Wallでは”Restart my life or self destruction” “Holding the quest for freedom that beckons me” のようにそんな破滅的世界の中でもあがいて抵抗して闘え!というメッセージを感じた。歌詞読んでみてよかった。
ここのところヒット作が多く豊作です。
そもそもスラッシュメタルを聞き始めたのは都心に通勤していた時期にコンビニで必ず立ち読みしていたこの漫画の影響のせい。ゴートゥーDMC。で、いったいどんな音楽なんだろうね、と思って評判の高いSlayer – Reign in Bloodを聞いておらびっくらたまげただ。今度スラッシュ四天王のアルバムも集めてみようかな。
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