Gustav Mahler, Seiji Ozawa(cond.), Boston Symphony Orchestra – Symphony No.4(CD7)

小澤征爾: マーラー交響曲全集 14枚組
★★★☆☆
第3楽章の突然のクライマックス風の部分が謎、4楽章の歌入りの曲はよく出来ている。全体的に映画の一場面のような曲が多く、退屈でなくなってきた。演奏時間も50数分と普通のサイズ。まだ感動するには遠い。ここからどう化けていくのかマーラーさん。


Gustav Mahler, Seiji Ozawa(cond.), Boston Symphony Orchestra – Symphony No.3(CD5の一部、CD6)

小澤征爾: マーラー交響曲全集 14枚組
★★★☆☆
全100分。長すぎ。馬鹿じゃねーの?緩急の緩の部分が長すぎて、だれる。私にマーラーを聞く心がないということなんだろうか。綺麗な旋律もあまりない。全体的にださい。彼もドイツダサいの系譜に該当するが、ダサカッコよくない。ただダサい。ただし、最終6楽章の序盤〜中間部分の弦楽オンリー→だんだん楽器が増えてきて高揚する部分はよかった。ラストはひっぱりすぎ。


Slayer – Show No Mercy(1983)


★★★★★
スラッシュメタルの大御所スレイヤー。ロックって存在自体が中二病だよね。いい年こいた兄さんやオジサンがギターをかき鳴らしてシャウトする。でも中二病で何が悪い!精緻な曲、複雑な曲も好きだけど、頭を使わず多幸感とフィーリングだけで作ってるような曲も好きです。名作Reign In Bloodしか聞いたことがないので、順に聞いていきます。
1作目からこの迫力!正直なところ、演奏も音質も悪い。ドラムずれまくり。でも、それを考慮しても勢いが溢れすぎている。高速ドラムに高音シャウト、わけわかめリフのギターはすでに健在、3曲目Die By The Swordのような、しれっと途中から展開がガラッと変わる曲も存在する。この曲が一番いいです。ボーナストラックChemical Warfareは、演奏レベルが相当上がってるのでかなり後の収録なのでしょう。別格。


Amon Tobin – ISAM(2011)


★★★★★((((・ิ(・ิω(・ิω・ิ)ω・ิ)・ิ))))
前作Foley Roomは中途半端な印象を受けたが、このアルバムは、針が右側触れ切ってとんでもないものができてしまっている。決まった形、お決まりのパターンの繰り返しとしてのビートは、完全に姿を消してしまった。前作で取り入れつつあった自然音は、なんと反転させられ、自然音をベースとした電子音として我々の耳に届くのであった。。音圧アゲアゲのド迫力、かつ、不定形な電子の怪物。新世界のサウンドだ。
1曲目Journeymanでまず衝撃を受ける。不穏なカサカサした電子虫の後から電気的オーロラが見えるよ!3曲目ダブステップ風のGoto 10も全く聞いたことのないサウンド。シュールで破壊的だ。5,11曲目は混沌の中に哀愁が見える。9曲目Kitty Catはヴォーカル?曲ながら意味不明の中に優しさが見える名曲、12曲目Dropped From The Skyも遊んでるくせに音圧高すぎの極太サウンドという変な曲だ。
文句なしの最高傑作。自分的には、今年聴いた電子音楽ではぶっちぎりの1位だ。しかしアメリカAmazonでの評価は低い。なんでやねん。


Allan Holdsworth – Road Games(1983)


★★★★★
前作I.O.Uに感じられたうるさいドラムが去り、良い部分だけが残った。20分ちょいだけと小粒だがこの人の音楽性をよく表したアルバムだと思う。やはり禅、瞑想といった感じの静を感じさせるロック。ギターは難解なフレーズをバリバリ弾いているんだけれど、底に流れるスピリットが静かで大きい。変わったコードを多用する一筋縄でいかない面白い曲揃いで、特に3、4曲目がよい。Tokyo Dreamという曲のとおり、都会臭がする。コンクリートと寂寥感、人が多いけれど孤独、心地のいい孤独、偽物のライトで満足する都市住民。懐かしいな東京。


Enrico Pieranunzi – Deep Down(1987)


★★★★★◝( •௰•
エンリコ・ピエラヌンツィさん恐るべし。スマッシュヒットです。
リンク先ではビル・エヴァンス系のピアニストと言われているけれど、彼とはまた別系統のピアニストだと思います。彼のファンであることは間違いないけれど、静かに歌い上げるのではなく、流れ出る奔流を抑えきれなくてつい指が動いてしまうタイプのように聞こえます。そんな演奏が私は好きです。
もう1曲目Don’t Forget The Poetからつい広がってしまうその演奏に心奪われっぱなしです。4曲目のSomeday My Prince Will Comeは約8割が前フリという凄まじい構成で、あっけにとられ、しかもその前フリもベース・ドラムが超絶かっこいいというおまけつき。5曲目Dee Songも飛んで行っちゃいそう。ラストのEvans Rememberedは実はどうトリビュートしているのかわかりませんでした。ごめんなさい。十二分に愛が伝わってきました。


Art Pepper – Art Pepper Meets the Rhythm Section(1957)


★★★★★(灬╹ω╹灬)
これは素晴らしい!
ジャズの100枚、の4枚目。サキソフォン奏者アート・ペッパーと、マイルス・デイヴィスのリズム隊が合流した、というアルバム。アート・ペッパーさんのサックスは、いい意味で軽い。さらさらと耳に心地よく、まとわりつくわけでもない、変幻自在の霧のような音をしている。寝ているようで寝てない。軽いのにどこまでも乗って行けそうだ(どこに?)。また、ドラムがいい。今まで聞いたジャズアルバムで最高かもしれない。フィリー・ジョー・ジョーンズという人らしい。どこをどう聞いたって爽快な音しかしない!信じられない。すげーー。2曲目Red Pepper Blues、4曲目Waltz Me Bluesが非常に良いです。ベースソロではピックじゃなくて弾いちゃうってのも新鮮でいいですね。


Gustav Mahler, Seiji Ozawa(cond.), Boston Symphony Orchestra – Symphony No.1, Kindertotenlieder(CD1, CD10の一部)


★★★★☆
ベートーヴェンに続きドイツ系新ロマン主義の大家マーラーの交響曲全曲セット。14枚組。曲順が一部バラバラなので、なるべく番号順に聞いていく。バラバラなのはマーラーの書く曲が長大すぎることが原因で、1つの交響曲が1枚のCDに収まらないことが多い。交響曲8, 9番に至っては90分を超えている。
交響曲1番は「巨人」というタイトルがついている。マーラーの愛読書の小説のタイトルらしい。この曲は交響詩的な性格が強いのかもしれない。1曲1曲は長い。長いゆえにタメ部分も非常に長い。第一楽章は長いタメで始まり、自然を模したっぽい音の後に主題が現れ、またタメに戻った後、派手な金管で〆る。第三楽章はなんと「グーチョキパーでなにつくろう」が主題だ。海外の童謡・民謡の類のものだったんだろうね。第四楽章は嵐でも起きたようなシンバルと金管で始まり(副題が「嵐のように運動して」だった)、その後十数分にわたるタメパートに入る。徐々に高揚して15分くらいで一旦完結するが、物々しい弦がパートを切り替えて、金管破裂の激しいクライマックスに突入して終わる。
音楽理論家でない自分としては、全体としてインパクトが弱い。田園のややパワーが弱まったバージョンという感じだ。クライマックス部分は見事だけどやや金管が派手過ぎか。音の揺らぎが特徴的な小澤さんの手腕はこの曲でも十分に発揮されていて、時々どきりとする。
Kindertotenliederは直訳すれば「子供の死の歌」と恐ろしい。が歌詞を見るとなんとその通りで、子供の死を悲しむ歌だった。邦題は『亡き子をしのぶ歌』。めちゃんこ暗い。
歌詞の一部。

Oft denk ich, sie sind nur ausgegangen!
Bald werden sie wieder nach Hause gelangen.
Der Tag ist schön! O sei nicht bang!
Sie machen nur einen weiten Gang.
しばしば、私は考える、子供らはただ散歩に出かけただけだと!
まもなく、家に戻って来ることになるだろう!
今日はうるわしい日だ! おお、何も心配するに及ばないのだ!
子供らはただ遠足に行っているにすぎないのだから

In diesem Wetter, in diesem Saus,
in diesem Braus,
Sie ruhn als wie in der Mutter Haus,
Von keinem Sturm erschrecket,
Von Gottes Hand bedecket.
Sie ruhn wie in der Mutter Haus.
こんな荒れ狂う天候の中で
こんな嵐の中で
彼女らはまるで生家にいるかのように
もうどんな嵐も驚くことなく
神の手におおわれて
彼女らはまるで生家にいるかのように

キリスト教と生死を交えられると美しくて悲しくて。