CDレビュー: Ametsub – All Is Silence (2012)

★★★★★◖ฺ|´⌣`*|◗·˳♪⁎˚♫

 

Ametsubさんの最新作です。これまでの特徴である斬新な繰り返し+切ない音場という要素を極限まで洗練させ、自然音などのサンプリング音を多用するようになってさらに北の果てまでぶっ飛んで行った感のあるアルバムです。音のセンスが良すぎる。壊れやすそうなのに大胆です。

おすすめは3曲目Blotted Out。曲調はどんどん移り変わっていきますが中盤~ラストにかけてキンキンに冷やされること間違いなしです。

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10曲目Over 6633も好きです。自然音(風?)が大幅に取り入れられた実験的な、迫力のある曲です。

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また新譜出してほしいですね。楽しみです。

 

 

さて日本人アーティストのストックが切れたので、次はこのシリーズをさかのぼって聞いていこうと思います。わたしは邦楽を知らなさすぎるので、日本語のものも聞いていきたくなりました。90年代以降?しりません

青春歌年鑑 1990

青春歌年鑑 1990

  • アーティスト: オムニバス,JITTERIN’JINN,久保田利伸,JUN SKY WALKER(S),チェッカーズ,高野寛,UNICORN,B.B.クィーンズ,米米CLUB,たま,PRINCESS PRINCESS
  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2000/11/22
  • メディア: CD
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このシリーズ、昭和1桁まであります。すごいです。

 

 

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CDレビュー: Ametsub – The Nothings of The North (2009)

★★★★★

 

和製ひとりテクノユニットAmetsubの2ndアルバムです。このアルバムを聴くのは久しぶりで2度目なのです。やっぱり良いですね。

前作と大きく変わったのは、メロディーラインと和音の方向性が鮮明になったことです。サンプリングのぶっ飛び具合はより洗練されていますが、名状しがたい寂寥感を生む和音とメロディーの力が非常に強くなっています。

1曲目Solitude。「北」を打ち出しているだけあってのっけから過冷却冷え冷えです。8分で延々刻まれる虫が歩き回ってるような音が可愛悲しい。

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3曲目Repeatedly。ただ繰り返してるだけではなくもう寂しくてしょうがないです。中盤に繰り返しの中から現れる渦のような3連符でノックアウトされてしまいました。そのあたりから曲調が変わり16分地獄となります。

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初めて見ましたが目と心によくないビデオクリップですね

 

9曲目Faint Dazzlingsはラストのブリザードで死ね

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CDレビュー: Jimanica×Ametsub – Surge (2007)

★★★★☆

 

電子音楽家AmetsubとドラマーJimanicaとの共演で作成された、30分ほどで終わってしまうミニアルバムです。

独特の空間描写

Ametsubの1stアルバムLinear Crypticsと同様、神経症的な繰り返しと切ない音場効果が光ります。Jimanicaのあまり人間味を感じさせないドラミングが組み合わさり、琵琶湖あたりに一人で漂いながら上空を大量の戦闘機が飛んでいくようなメランコリーで週末的な雰囲気が演出されます。

 

一番良かったのは2曲目のzebecです。

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気持ちいい鬱

vimeo貼ってみましたがでかいですね

 

人間的なところがないドラムはエレクトロニカに合わせるのはちょうどいいような気もしますが、もうちょっと魅力がほしいかな、、

 

 

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CDレビュー: Ametsub – Linear Cryptics (2006)

★★★★★

 

久しぶりにエレクトロニカを聞きました。Ametsub(あめつぶ?本名不明)は日本人アーティストです。

神経症が転じてα波を出す?

エレクトロニカは電子音を多用するその構造上、没交渉で神経症的で耳障りになりやすい音楽です。Aメロ、サビなどに分かれているわけでもなく、歌詞も全くありませんし、メロディーすらないことが多いです。私はエレクトロニカは好きです。大きな感動を覚えることは少ないのですが、その捻くれた音楽性に肩入れしているのかもしれません。

彼?の作品は一度通して聴いたことがありました。音の作り方、積み重ね方が自分の固有振動数か何かと合うのか、とても気に入ったことだけ覚えていました。あれから数年経っているので、どれだけ印象が変わったか興味があり再度ファーストアルバムを聞いてみたら、やっぱり優れた作品でした。印象は以前よりもよくなりました。

特徴は、強烈なコラージュと執拗な繰り返し、あちこちに散らばった孤独な電子音の集合体です。なのになぜか気持ちが落ち着きます。一体どのような作用によるのか未だによくわかりません。

 

前回一番衝撃を受けた3曲目です。繰り返してるだけなんですが。

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以前あまり気にならなかった曲10曲目Green Oeuvreが一番腹にこたえました。表面上目立つ鍵盤楽器の空間的広がりも特徴的ですが、右と左と時々中央でブチブチブツブツヘロヘロ言わせてる電子音にとんでもない寂寥感を抱くのです。

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このほかサインカーブの切なさが炸裂する7曲目2 Catsや、3曲目とセットになっている16分ぶつ切り回転寿司な2曲目Lurid Sky And Tama Streamもおすすめです。

 

 

 

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CDレビュー: The Chemical Brothers – Born in the Echoes (2015)

★★★☆☆

The Chemical Brothersは私の音楽の嗜好を決定付けたグループです。

祖父の家には地方の老人が土着の電気屋に必ず加入させられる運命にある、本人は絶対見ないであろう多チャンネルCATV放送が見られるテレビがありました。

そこではスペースシャワーTVを見ることができました。邦楽洋楽のビデオクリップが多数放送されていました。私はこのチャンネルを通じて次の曲に出会いました。まだ小学生の頃の話です。


The Chemical Brothers – Setting Sun – YouTube

この刺激的で暴力的なビートはビデオクリップの怖さと相まって脳裏に刻み付けられ、その後10数年間の私の音楽の嗜好の基礎が作られました。

 

すぐ後に発表されたシングルがこちらです。


The Chemical Brothers – Block Rockin' Beats …

これもロック要素を基調として最新鋭の激しいビートをぶっこみまくって作られた中毒性の極めて高い曲です。私が複雑なリズムや上手に組み立てられたビートを聴くと頭がふにゃふにゃ喜んでしまうのは、主にこの人たちのせいだと思っています。

こんな記憶があるためケミカルブラザーズの最新アルバムが発売された!と聞いて早速仕入れてしまいました。

媚びぬ引かぬ省みぬ!が

そんな大きな期待の中聴いたアルバムですが、うーん、

筋肉質なガチムチテクノが中心の、シーンを完全に無視した我が道を行くアルバムであることは評価できます。でも、音があんまり面白くない。流行のEDM

変態サウンドとバカっぽいリズムが席巻する5曲目I’ll See You There、薄気味悪さと多幸感の同居する9曲目Taste of Honeyは好きです。他は印象に残る曲がない。デラックスバージョンのオマケCDも心に響きません。

>まさにどのアルバムを出しても1曲1曲が彼ららしい考えつくされた音。

 

>EDMで踊りまくる若者にも聴いて欲しい。
>それはもう比較しようがない、
>真似したくても真似出来ない、
>本物の音楽と流行の違いを認識出来る体験となります。

(Amazonレビューより抜粋)

そうですか?私にはもうわからなくなってしまいました。EDMと一線を画しているのは認めますが、もはやどっちもどっちとしか思えません。

ケミカルブラザーズの音を初めて聴いてからもう18年も経ちます。私も彼らも随分と変わりました。18年前は、たまたま彼らと私の周波数がシンクロしていただけに過ぎないのかもしれません。CDに固定された音は何十年もそのまま残りますが、それを受け取る存在である私たちは変わり続けます。音楽との出会いは常に一期一会ですね。

 

今は、もっと体を芯から揺さぶる音が欲しいです。。

 

 

参考

最近流行のEDM(Electronic Dance Music)とはこういう奴です。


New Electro & House 2015 Best Of EDM Mix – YouTube

極限まで音圧を上げまくったドラム群とシンセ隊による原色大炸裂なダンス・ミュージック、例えるなら化学調味料をかけまくったラーメンといったところでしょうか。これはこれでアリなんですが、化調が舌を壊すようにEDMは耳を壊しそうです。私にはしょっぱすぎて食べられませんでした。

 

 

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CDレビュー: Hecq – Mare Nostrum(2015)

★★★☆☆

前作が割と良かったので、2枚目として聞いてみた。

a large glass box and a loud hum fill the nave of the deconsecrated chapel. inside the box is marenostrum, the largest computer in spain. from the outside, the only sign that it is alive are the blinking lights and the noise from its ventilators. but marenostrum can say much more – it just needs someone who can hear it.

スペインにある最大のコンピュータ、marenostrumを使って作曲したそうだ。CDの限界80分近くまで電子音を詰め込むわ詰め込むわ。そこから出てくるのは絶望の海か暗黒の夜明けか。。聴いていると滅入る。1曲19分は長すぎで、私には体力が続かなかった。

ジャケットから飛べるリンク先で視聴できます。

こちらのブログで未収録の5,6曲目が紹介されています。

 

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Hecq – Conversions (2014)

★★★★☆

リフレッシュのため、いつものローテーションと違うジャンルのアルバムを聞く。久しぶりに電子音楽が聴きたくなった。電子音楽はほとんどジャンクフードのようなものだ。毎日聴くには耳が持たないのに、時々無性に聞きたくなる。ラーメン二郎に似ている。

HecqはドイツのBen Lukas Boysenによるソロユニット。本アルバムは他人の曲のリミックスなのだそうだが、原曲は一つも知らない。

彼の作風は大きく二つに分かれ、1のZum Griefen Nah, 10のFinal Sleepのように比較的静かなアンビエント風のバックにエフェクト的な電子音を流し込むタイプと、2のHawa, 5のGodspeed、8のThirteen Acresなどリズムバキバキで暴れまわるタイプがある。後者についてはセンスが良い。Amon Tobinに次ぐ優秀なリズム作成マシーンだ。しかしアンビエント風の曲にはいまいちパンチが足りない。もっとこう、グッと来てギュッとならんもんかね!?ただし1曲目は例外で、ラストで余韻を大いに味あわせる構成に感銘を受けた。

 


SLK-9888.sys – Mt.FUJI EP


★★★★★
CDではなくニコニコ動画経由で聞いた。ZERO-ONEがなぜかニコニコ動画で流行っているらしいが、初出はおそらく10年以上前、私がまだ高校生だった頃のはずだ。彼のネタセンスは頭一つ抜けており、新作が出るたびに大爆笑していたのを覚えている。まだ活動していたということに驚き、感動したので久しぶりに聞いてみた。
ZERO-ONEが5分ほど追加されており、アラレちゃんの箇所はツボにはまってしまった。全く衰えていない。すごいな。NORTH+北の国から、の調和も素晴らしい。


Flying Lotus – You’re Dead! (2014)


★★★★★ლ(ಠ_ಠ ლ)
2014年特集その10。2回目の大当たり!ジャケットが怖い。
Flying Lotusははカリフォルニア生まれの音楽プロデューサー、ディスクジョッキー。バキバキのエレクトリックサウンドを期待したら、なんとニュージャズ風の生楽器(しかも上手い)+ビートの融合やら大好きなローズピアノやら唐突なヒップホップ、テトリスやストIIのやられヴォイス「うーわうーわうーわ」などかなり大量のジャンルを超ミックスしたアルバムだった。40分足らずを19曲と爆速で駆け巡る。ジャズ要素を入れるのがすっごい上手。調べてみるとジョン・コルトレーンの甥らしいので、納得した。序盤のジャズ混じりの微妙にずらしたビートの曲群1〜3曲目も秀逸だが、5〜6のヒップホップもいいし、歌モノ?の10曲目Siren Songもぶっ飛んでいて好きだし、エレキマイルスを感じさせる14曲目Moment Of Hesitationも非常によい。14が一番いいかな。全体的にレベル高すぎ。この人も全アルバム揃えたい。