証券アナリストのための企業分析 第三版


★★★★☆
通勤中に読了。コンパクトにまとまった良書だった。いやアナリストってすごいですね!投資判断とは、理論的に求められる株価からの乖離によって買い・売りの判断をすること。彼らはEPSを求めるために未来の成長率をはじめとする財務諸表を数年分(!)予測し、1社ごとに複雑なモデル式を組み立てているらしい。このセグメントのこの要素に不安が生じる情報があったらここの数字が何%減るから補正した値はこうなる、ってところまで決めるらしい。それができれば理論的な株価が求まるので、割安・割高がわかる。自分もこのような分析ができるようになってみたいものです。内容自体はまだ入門書、さわりしか紹介されておらず、体系的ではあるが内容は薄め。全体像をざっと掴むには最適の本だった。新宿のブックオフの100円コーナーでざっと見て直感ですぐ選んだ本だけれど、勘が当たって嬉しい。


Slayer – Diabolus in Musica(1998)


★★★★★✌(՞ਊ՞✌三✌՞ਊ՞)✌
音圧大増加、モダンな外面に変わるも内面的に全然変わっていないスレイヤーの7枚目。低速曲を挟むことで高速曲がより生きてくるアルバム単位でみると完成度は最も高いように思われる。個人的には、若さで飛ばしている3rdよりも好き。ドラムが最高すぎてもう言うことなし。正確無比に全ての高速フレーズを叩き切る死の職人。何回びっくりしたかわからない。


75 Jahre Donaueschinger Musiktage 1921-1996 (CD5) Henri Pousseur, Mauricio Kagel, Rolf Riehm


★★★★★
後2曲がアホと馬鹿と天才の境目に位置する名曲。どうやったらこれをまじめに演奏できるのか。
まず2曲目。驚異の47分23秒。タイトルと音から考えて、2人でありとあらゆる「音」を演奏することに特化した曲のようだ。マラカスのような音、シンセ、弦楽器、打楽器、管楽器、なんでもありだ。2人でこれやるのつらいべ!?ついさっき動画が見つかったので一部分を見てみた。予想の遥か上を舞う動画!!アホですね!!!!!
Mauricio Kagel: Two-Man Orchestra
やっぱり天才は考えることが違う。言葉で説明するのがアホらしいのでぜひ見てください!ああ全体バージョン見てみたい!!誰か公開してないか!
3曲目O Daddyも明らかにオーケストラの無駄遣い!!「オーケストラとテープのための」という副題が付いている通り、途中にセリフの応酬や謎のシンセ祭りが乱入する、何がやりたいのかわからないが混沌とした曲。
こういうチャレンジ精神を掻き立てられる曲が現代音楽にはゴロゴロ存在しているようだ。もっと聞かせてほしい。

Tracklist
1
Quintette à la mémoire d’Anton Webern
Henri Pousseur

2
Zwei-Mann-Orchester, for two 1-man orchestras
Mauricio Kagel

3
O Daddy
Rolf Riehm


3633 GMOペパボ続伸、フィスコレポート続き

3633 GMOペパボ(株) – diary 六帖
ここで注目していたGMOペパボ、見事に躍進しました。
GMOペパボ(株)【3633】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス
今日の終値は8800円、低迷していた4000円台と比較して2倍以上、一旦落ち込んだ安値6000円と比較して1.5倍になりました。すごいですね。気になっていた株が上がると嬉しいです(買ってないのに)。最近出た株主通信が可愛い。
さて 企業調査レポート|サービス紹介|FISCO を企業のサイトと合わせて少しずつ読んでいます。3/23のタマホームくらいまでは全部読みました。いくつか気になった銘柄を。
2191 テラ
4583 カイオム・バイオサイエンス
まだ少ししか読んでないのにバイオベンチャーが2社も。テラは樹状細胞ワクチンというがん治療薬、カイオムはADLibシステムという高速な抗体作成法を開発している会社です。両社とも大赤字で、しかも単一の製品しか作っていません。バイオベンチャーというのは大抵赤字らしいです。もちろん株価もパッとしません。テラの樹状細胞ワクチンはまだ未承認薬扱いで、保険が効くようになれば業績は大幅改善だが承認が取れなかったらどうすんの。経営大幅悪化は必至です。カイオムも研究開発費に異様な金額をかけ、1年後には売上が5倍になる計画(23P)を立ててますが本当かよ!?バイオベンチャーというのは、スマホゲーム業界以上にギャンブル性が高いようです。破滅型の人御用達って感じです。
他、4732ユー・エス・エスは財務がとてつもなく健全・市場支配性も断トツの1位とディフェンシブな銘柄ですが、社長が「見通しは明るくない」と明言する変わった企業です。主力の中古車オークション業以外の業務は全くぱっとせず、成長をあきらめてるくせに株価は爆上げ中、もう怖くて買えません。
1419 タマホームは、建築業のくせに薄利多売方式なもんだから、売上経常利益率は驚きの2.7%。業界平均は4.14%だそうです。「消費増税が先送りされたから駆け込み需要がなくなって減益」「競合他社が増えたので減益」と決算資料に書いてあります。そんなことでどうすんの!!販売拠点は全国に広がり切ってしまったので成長余地も残されておらず、低価格な他社も増えてきて衰退しか見えない状況です。おかげで割安だけれど、買う気には全くなれなさそう。
現時点一番まともそうなのが3392 デリカフーズです。改めて書きます。


Pythonと集合

Introducing Python が読みやすすぎてドバドバ進む。
Pythonは集合理論が充実していて驚きだ。補集合和集合排他集合、サブセットかどうか、その逆なんかがみんな演算子一つでできちゃうんだな。
例えば和集合は a | b と書く。3文字だよ!?すげぇ!これが他の言語だったらfor文使って配列にあるかどうかのフラグ立てて、、って面倒なのに。


CDレビュー: Yes – Close To The Edge(1972)

★★★★★wヘ(゚∀゚)√レ( ゚∀)wヘ(  ゚)√レ(  )wヘ(  )√レ(゚  )wヘ(∀゚ )√レ(゚∀゚)√レv〜 !!!!
このアルバムを聞くのは実は2回目。改めて、このアルバムの偉大さが染み入る。今までに聞いた全プログレアルバムの中で最強のアルバムだろう。奇を衒うわけでもない、概念の再構築をするわけでもない、擦れてない明るく前向きな王道プログレッシブロックを極限まで磨き上げた珠玉の1枚だ。ジョン・アンダーソンの明るくかつ悲哀を感じさせるヴォーカルには恐れ入る。
ボーナストラックを省いた収録曲はなんと3曲、1曲目表題Close To The Edgeは19分。しかし1秒たりとも無駄のない抜群の構成で、特に後半のオルガン地帯は2回目にもかかわらずまた感動してしまった!!2曲目And You And Iも10分超の大作。序盤のギターの切なさが光り、そのあとのスローテンポのメロトロンは反則!3曲目Siberian Khartuも素晴らしい。中盤の単語連呼ゾーンのドラムロールがどのアルバムでも聞いたことのないお腹に響いてくる歌を聞かせてくれる。1曲1分1秒全く隙の無い完璧なアルバムでした!
ボーナストラックは蛇足なのでカットした方が作品としては完璧だった。And You And I(Alternate Version)のインプロ部分だけ本編に取り入れてほしかったなぁ。

プログレッシブロックの他のCDレビューはこちらです。rokujo.hatenadiary.com


The Rough Guide to the Music of South Africa (1998)


★★★★☆
南アフリカ共和国だけで1枚のアルバムを占める特集。さすが旧植民地か。全体的には熱帯系ダルダル音楽を中途半端に西洋化した、比較的がっかりな曲が多い。
Bheki Mseleku – Celebration – YouTube
しかしこの1曲だけが際立っている。純ジャズをワールドミュージックのシリーズ物で聞くことになるとは思わなかった。アフリカ系特有の繰り返しとパーカッションをうまいことジャズに取り入れていて、後半はアイエーーイエエエエーーみたいな叫びも交じってくる秀逸ジャズだった。
もうちょっと民族系を押し出した曲に頑張ってほしかった。


フィスコ企業調査レポート、3689 イグニス

企業調査レポート|サービス紹介|FISCO
フィスコは投資支援サービスを業とする会社。Yahooファイナンスを始め多くのサイトに各種指標、記事などを提供しており、個人向けにも有料で情報を提供している。上記URLには無料の企業調査レポートが大量に掲載されている。顔揃えを見ると中小株をターゲットとし、直近決算が発表された企業の分析を行っているようだ。
私は日本に企業が大量にあることは知っていたけれど、企業がどのようにお金を使っているか、儲けているか、何を考えているか、について殆ど関心を払ったことがなかった。上記の企業調査、企業のウェブサイトを読むと面白いことだらけで、止まらなくなってしまいそうだ。まずは今日の時点で上から3つの企業調査レポートと、企業のサイト・有価証券報告書・決算説明会資料などを読んでみた。初めて読んだイグニスという企業だけ、感想をまとめておく。
3689 イグニス
新興スマホゲーム企業。無料アプリ、ネイティブアプリ、時間制限型無料漫画リーダーを柱とし、このうち無料アプリの広告収入に収益の7割を依存している。無料アプリは動作速度改善、ダイエット用体重記録ツール、放置アプリ?とかいうたまごっち型のゲームなど、毎日使わせて毎日広告を表示させる安定型モデルだ。実は私はスマホをネットワーク環境で使ったことがないので、アプリがどれだけ面白いのか全く分からない。時間制限型の漫画コンテンツは基本的に全部無料だが1日30分以上使用すると金がかかる仕組みで、発想としては面白いが、私なら30分以上読まないでやめるからあまり魅力はない。ネイティブアプリはよくあるタイプのアイテム課金系MMOで、開発が大変そうだ。広告に「大量レアガチャ券をゲット!」と書いてあるので、この業界はガチャの仕組みがまだ主流なのかと驚く。よくあるパターンのゲームは競争が激しいのでコンテンツに相当の魅力がないと収益確保は難しいだろう。
レポートを見ると「リリースタイトルが少なかったことが無料ネイティブアプリのMAUの一時的な減少を招き、広告収入の縮小につながった」とある。前四半期は2000万円ほどの収益を上げているのに、今期はマイナス900万円。つまりアプリの賞味期限は3か月もない、ということだ。いちプログラマーとしては、時間をかけて開発したアプリが3か月も経たないうちにどんどん捨てられていくなんて堪えられない。
無料アプリで地力を蓄えたので今後は中規模・大規模アプリの開発に力を注ぐらしいが、上記のように無料アプリも高サイクルで回転させないとすぐさま減収となるので、地雷があちこちに転がっているようなものだ。エンジニアにとってもきつい職場だろう。
株価は上場以来ほぼ一貫して下降トレンドで、冴えない。
スマホゲームは本質的に時間潰しだから、市場が発展するほど日本がダメになる。もし投資して儲かったとしても複雑な気持ちだ。


Anthony Braxton – Four Compositions (Quartet 1983) (1983)


★★★☆☆
超フリーダムジャズ。好き勝手に演奏しているようにしか聞こえない。わけわかりません。まともにメロディーがついてるのは4曲目だけ。2曲目のようにドラムが入らないと形にすらならない。演奏は上手いし、エネルギーは十二分に伝わってくるのだけれど、どう解釈していいのかわからない。こんなに適当なのによく40分以上も演奏が持つよな。1曲目のイントロは斬新すぎる。
The Complete Remastered Recordings on Black Saint & Soul Note のこの人のボックスは8枚組で、似たようなタイトルのアルバムが他にあと5つある。しばらくは苦行か。。?


リスニング訓練

・リスニングの訓練を全然していないので、聞く力が低下しそうだ
・お金がない
・時間もない
という条件で教材を探していて、そういえば有志が古典を読み上げてくれるLibriboxなんてものがあったなあと思い出して物色していた。すると合計12時間、1チャプターあたり平均10分程度の手頃な作品が見つかった。
Pride and Prejudice (version 6, dramatic reading)
こいつを1日1チャプター(長いのは分割して)内容が分かるまで聞いてみよう。1チャプターあたり5回以上は聞かなければいけないだろうから、1年はかかりそうだ。などと考えて試しに始めてみた。原文を読んで答え合わせをしていたら、どうしても1文わからない所があった。

Mr. Bennet was so odd a mixture of quick parts, sarcastic humour, reserve, and caprice, that the experience of three-and-twenty years had been insufficient to make his wife understand his character. Her mind was less difficult to develop. She was a woman of mean understanding, little information, and uncertain temper. When she was discontented, she fancied herself nervous. The business of her life was to get her daughters married; its solace was visiting and news.

なんすかこれ?mindをdelevopするのはあんまり難しくない?この段落の要旨は、ベネット夫妻の夫は頭の回転が良く皮肉屋、気まぐれ、ユーモアな人だが、妻はその夫のこと23年経っても理解できない。妻はあまり頭が良くなく情緒不安定で、娘たちを結婚させることしか考えてない。その妻のmindをdevelopするのはあまり難しくないらしい。developを発達と考えるとmindが発達して賢くなるみたいだが、妻はアホなので文脈と合わない。そこでこの1文を検索に掛けてみると、なんと次のようなサイトが見つかった。
Her mind was less difficult to develop. | WordReference Forums
下から2番目のmaxiogeeさんの回答がわかりやすい!developの後には(an image of)が省略されていると考える。すると、developは「(表面に)現れる,見えてくる.」の意味になる。つまり、『彼女が考えていることは表に出やすい』ということのようだ。それは2文後の “When she was discontented, she fancied herself nervous. “という内容とも合致する。分かりにくい夫との対比だったのか。
こんなに丁寧に答えてくれる人がいるなんて、wordreferenceってサイトは素晴らしい。