放送大学の科目案内が来た/副業が一段落した

今日は首都圏が雪で阿鼻叫喚でしたね。私は自宅作業なので関係ありません。今日来るはずだった不動産の管理会社が「雪で行くの無理」と連絡してきました。皆さん大変です。

私の好きな厚切りジェイソンさんも同じことを考えてます。自宅作業員が増えれば電車も混まなくなるし速度も上がります。

 

さてそんな雪の中放送大学の科目案内がやってきました。

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年始の目標通り、今年は卒業に向けて再稼働します。実に6年ぶりです。

私は原則的に日曜日しか休みがないので試験が日曜日に実施される科目をとらないといけません。全体の2/7程度になるので選択肢が大きく狭まります。それでも気になる科目は沢山あります。「現代化学」「太陽系の科学」「西洋政治理論の伝統」「非ユークリッド幾何と時空」「はじめての気象学」「自然言語処理」「生物環境の科学」「入門線形代数」「日本語概説」「現代哲学への挑戦」「社会と銀行」このあたりが候補ですね。「証券市場と私たちの経済」も捨てがたいですが試験が平日夕方でとても出られません。ざんねん。来期は日曜日にしてほしい。「西洋音楽史」も日曜日にしてほしい。

面接授業も日曜開講のものがあります。私はあと7単位取る必要があるので、1期に1講座くらいを取るのが目安です。いまのところ文京学習センターの「4次元の図形と方程式」が第一候補です。「ラテン語入門」も興味がありますが土曜が潰れるのでちょっと無理かもです。

 

また、今日は副業として始めた簡単な翻訳・ブログ記事の納品が完了しました。2000文字以上を30記事。我ながらよく頑張ったと思います。おかげで毎日時間が削られてんやわんやになりました。。今後契約が続くかどうかはクオリティ次第です。単価が上がるか、つまんねぇということで契約が切られるか、一体どうなるのかドキドキです。

なお、ツイッターの方では逐一書いているのですが、最後に訳した記事の元記事の内容が素晴らしかったので貼っておきます。一見色モノですが私は感動しました。


書籍レビュー: 面会交流を拒む親は親権者としての適格性に疑問あり『男の離婚術 弁護士が教える「勝つための」離婚戦略』 著:マイタウン法律事務所

★★★★☆

 

次は男側がどれだけ手を尽くして妻を追い出すか調べようと思って借りたのですがどちらかというと「浮気してものすごく立場が悪くなったんだけどできるだけ被害を少なくして離婚したい」という立場から書かれている本でした。ですので拍子抜け、目的は果たせませんでしたが、しかしいくつか有用な記述もありました。

公正証書は執行力がある

離婚協議書を普通の文章で作成すると、履行されない時は調停→裁判→強制執行という手順を踏む必要がありますが、公正証書で作成するとなんと即!強制執行が可能です。(P30)

調停委員は退職者ばっかり

てっきり法曹関係者で構成されていると思っていた調停委員は、弁護士10.9%、会社役員9.7%、その他士業16.9%、そして無職41.6%でした。なんだ無職って!?と思ったら年齢構成が50代24.6%、60代69.4%なんですね。つまりほとんどが退職した高齢者というわけです。(P46)

親権ってそもそも何?

親権とは、未成年の子どもを監護、教育し、その財産を管理するため、子どもの父母に与えられた権利と義務の総称です。(P173)

つまり著作権のような様々な権利の束である、という性質のもののようです。そして上記のように監護権は親権の一部でもありますが、親権から分離して別々の親に与えることが可能だ、ってことがわかりました。

面会交流を拒む親は親権者としての適格性に疑問あり

本書で一番驚いた記述です。この論法は使えます。

 しかし、それまで一緒に生活してきた父親に「会わせない」とか「1か月に1回くらいなら会わせてやる」というのはずいぶんと酷い話ではないでしょうか。離婚前であれば、その時点では共同親権者なわけですからなおのことです。妻がこどもを連れて一方的に別居を開始したケースであれば、なおさら不当な扱いと言わざるを得ません。

 さらにいえば、親の都合で父親と離ればなれにされてしまった子どもにとっても、その後、父親とほとんど会えなくなるのはよいこととは言えないでしょう。

 面会交流の実施に、母親にとって前述のような負担(注:元夫と顔を合わせなくないということです)があることは、子どもと父親との交流に消極的になる理由にはなりません。親権者として子どもの面倒をみる責任を引き受けたのであれば、面会交流に伴う負担も当然引き受けなければいけません。また「子どもが父親に会いたくない」と言っているという理由で面会交流を拒むとすれば、子どもを強い葛藤に追い込んでいる疑いが濃厚と言えます。いずれにせよ、親権者としての適格性に疑問を持たざるを得ない対応と言えます。

目から鱗の論理でした。私は「父親」と「母親」を逆転させて読んでいますが、十分通用します。男の方は浮気やDVしたんだからダメだろ―バカだなぁと思うのでした。

面会交流を拒まれたら記録にして残すこと

上記の「親権者としての適格性に疑問」を立証するためには証拠が必要です。そのため本書ではメールなど記録が残る媒体で面会交流の依頼をしたり、相手に弁護士がついていたら弁護士に文章を作らせるように依頼するよう推奨しています。また、文章を拒まれた場合でも次のように詳細に記録をつけておく戦略も書いてありました。

f:id:happyholiday:20160117221642j:plain(P190)

なるほどなぁ。

 

本文とはあまり関係ありませんが巻末の養育費算定表(年収と子どもの数にほぼ比例)を見たら私は一般的相場の4倍以上払っていることが分かりました。自慢できそうです。

 


python: 偶数列だけ取り出す方法・ドイツ語はLatin-1に変換するしかないのか?

数か月ぶり、久々に趣味でプログラミングです。今日は料理中にシャドウイングするドイツ語の教材を作るために、ある教材から読み上げ用のテキストを抽出するためのツールを作りました。言語はpythonです。教材を作るだけなら手動でコピペしまくってもできますが面倒ですし、せっかくなので覚えたてのpythonの勉強も一緒にやってしまえば一石二鳥なので。

教材はこれ。単語カードです

Langenscheidt 01.01.A Der Mensch – Körper – The Human Being – The Body flashcards | Quizlet

 

要素を見ると.TermTextというクラスで囲まれているのでまずこれを抽出します。スクレイピングはrequestとlxmlで。

#読み込み
target_url = ‘https://quizlet.com/7520653/langenscheidt-0101a-der-mensch-korper-the-human-being-the-body-flash-cards/’
target_html = requests.get(target_url).content
root = lxml.html.fromstring(target_html)
#.TermTextだけ取り出す
term = root.cssselect(‘.TermText’)

しかし配列termにはドイツ語と英語が交互に表われてくるのでそのまま出力するとドイツ語→英語→ドイツ語→・・・の順のテキストができてしまってうっとおしい。ドイツ語の部分だけがほしいです。

pythonは配列操作が優れていてなんと term[0::2] と指定するだけで偶数の部分が取り出せます!すごい!2文字!

 

あとは文字列操作です。ドイツ語はなぜかutf-8のまま扱うと

der FuÃ
Nach dem Spaziergang hatte sie kalte FüÃe.

のように文字化けしやがります。やむなくLatin-1という欧文文字コードに変換して切り抜けました。UNICODEのままなんとかならんのでしょうか。

 

ソース全文です

#!C:\Python34\python.exe

import lxml.html
import requests
import codecs
import re

#エンコードはLatin-1で
f = codecs.open(“deutsch.txt”, “w”, “Latin-1”)

#読み込み
target_url = ‘https://quizlet.com/7520653/langenscheidt-0101a-der-mensch-korper-the-human-being-the-body-flash-cards/’
target_html = requests.get(target_url).content
root = lxml.html.fromstring(target_html)
#.TermTextだけ取り出す
term = root.cssselect(‘.TermText’)

if len(term) > 0:
    #偶数行だけ処理する
    for block in term[0::2]:
        #改行で分割
        str = block.text_content().split(“\n”)
        #1行目はコンマかカッコまで出力
        str1 = re.split(“[,(]”, str[0])
        print(str1[0] + “\n”, file=f)
        #2行目は下側のダブルクォーテーションだけ変えて出力
        print(str[1].replace(“,,”, “\””) + “\n”, file=f)

f.close()

 

出力

der Arm

Ich habe beim Sport meinen rechten Arm verletzt.

das Auge

Meine Schwester und ich haben braune Augen.

der Bauch

Er schläft am liebsten auf dem Bauch.

das Bein

Kannst du lange auf einem Bein stehen?

das Blut

Ich mag kein Blut sehen.

die Brust

Reiben Sie Brust und Rücken mit dieser Salbe ein!

die Brust

Das Baby trinkt Milch an der Brust der Mutter.

der Finger

Sie trägt an jedem Finger einen Ring.

der Fuß

Nach dem Spaziergang hatte sie kalte Füße.

das Gesicht

Es war dunkel. Ich konnte ihr Gesicht nicht sehen.

das Haar

Bald hat er keine Haare mehr auf dem Kopf.

der Hals

Sie hat einen langen Hals.

die Hand

Sie gingen Hand in Hand spazieren.

die Haut

Seine Haut ist immer ganz rot.

das Herz

Mein Herz schlägt manchmal unregelmäßig.

das Knie

Ich habe den ganzen Tag auf den Knien am Boden gearbeitet.

der Kopf

Hatte er einen Hut auf dem Kopf?

der Körper

Sie hat einen durchtrainierten Körper.

der Mund

Bitte halte den Mund und sei still!

die Nase

Deine Nase ist rot. Hast du Schnupfen?

das Ohr

Sie hält sich die Ohren zu.

der Rücken

Er hat einen schiefen Rücken.

schwach

Nach der Krankheit fühlte sie sich noch lange schwach.

stark

Für diese Arbeit bist du nicht stark genug.

der Zahn

Meine Zähne sind alle gesund.

die Zunge

Der Arzt sagt: “Zeigen Sie mir bitte lhre Zunge!”

 

あとはこれを読み上げサービスに突っ込んでmp3にして終わりです。これで料理中の時間が有効に使えます。


相模原市食料品調達ガイド

1/17追記 相模原総合卸売市場について追記しました

 

私が家族と離れて一人で移り住んだ相模原市は、どうも物価がそこそこ安いようです。野菜を仕入れていて感じます。今月は食費5000円も夢ではなくなってきました。

まだ一か月くらいしか住んでいませんが、運動も兼ねて毎日のように自転車で買い出しや価格調査に出かけているので相当数の店を回りました。もう30は超えていると思います。

これまでで分かったことを書き連ねておきます。相模原市に住んでいる皆さん、近隣の市に住んでいる皆さん、妙に家賃が安いので引っ越そうかと思っている皆さんに参考になればと思って書きました。

 

ローソンストア100

意外と思われるかもしれませんが100円ローソンでは野菜が安く売られていることがあります。今年は暖冬だからか、ローソンでは100円どころではなく69円や79円などで大根やキャベツが売られていました。他にも水菜52円、小松菜79円に遭遇したこともあります。また、少々傷んだものは容赦なく値下げされて叩き売られています。私は昨日キャベツを30円引きの59円で買いました。傷んでいましたが1枚目をはがすときれいなキャベツになりました。キャベツは冷蔵庫に入れると全然腐らないので1つ買うと1週間以上持ちこたえる優秀な食材です。ビタミンCも食物繊維も豊富です。

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東林間駅、小田急相模原駅、JR相模原近辺に多いですね。

なお、100円と言えども野菜以外はそれほどパフォーマンスはよくありません。敢えて言うなら1人暮らしだと醤油やごま油なんかはスーパーの大きなサイズのものを買うと腐らせてしまうので、ここで小さいサイズを買うという手もあります。

 

ビッグ・エー

ダイエー系のEDLPスーパーです。ローソンストア100と並ぶくらい野菜が安い。いまのところ、大手資本系列ではここより安いスーパーを見たことがありません。常に賞味期限切れ間近で2~5割引きのパンが置いてある所もポイントが高いです(私は買いませんが)。プライベートブランドの商品も安いです。

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淵野辺と小田急相模原にあります。

 

オーケー

全般的に安いです。特に肉を食べる人にはお勧めです。ただし野菜はそこまで安いわけではないので、私はあまり使っていません。

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相模原市には4店舗あります、相模原・上溝・南橋本と画面にはありませんが橋本駅の近くにもあります。相模原中央店がおすすめです。

 

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相模原店(最寄り駅は上溝)

 

業務スーパー

その名の通り業務用サイズで安い食材が転がっている店ですが独り者にとっては量が多すぎて使いずらいのが欠点です。塩1kg48円、薄力粉1kg118円、カレールウ110円10皿分、パスタ500g89円などなど調味料・乾燥モノに強い店です。煮干し、昆布、椎茸も抜群に安いです(値段を覚えていませんが通常のスーパーの半額近い)。乾物は量が多くても問題ないのでここで買うのが最も良いです。またブラジル産鶏もも肉2kg800円という目玉商品もあります(価格は変動します)。

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相模大野、古淵、上溝、橋本にあります。

 

クリエイトSD

神奈川県では知らない人のいないくらいどこにでもあるドラッグストアですが、卵が常時150円台、ときどき100円台で置いてある数少ない店の一つです。また、全店で食パンが常に68円で置いてありこれは私の知る限り最安値です(買いませんが)。食品以外はあまり安くないのが欠点です。

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どこにでもありますが店によってクセがあります。もう10店舗くらい回りました。私の好みは「小田急小田原線」の2つ目の田を隠している座間広野台店です。

 

ベジたべ~な

相模原の誇るべき農産物直売店です。相模原産の野菜が中心で、私が訪れたときはでっかいカブ60円、スーパーのものより一回り大きいキングサイズ大根100円などなど面白い野菜がたくさん売られていました。野菜だけではなく手作りクッキーや各種イベントも目白押し。カレンダーが余っていて大量に置いてあるのでぜひもらっていきましょう。鉄道駅から遠いのが最大の欠点で自転車が必須です。

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太い大根

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淵野辺から歩けないこともないですが2kmほどあります。

 

相模原総合卸売市場

 

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まるで昭和に戻ったかのような古い古い建物が一面に並んでいます。朝早く(早朝~9:00ぐらい?)しかやっていませんし卸売向けなので野菜を買うことはできませんでした。ただし一般人でも野菜以外のものを買うことはできます。お肉屋さん、乾物屋さん、卵屋さん、魚屋さん、容器店などいろいろあります。

 

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中でも特徴的なのがこの中華料理食材専門店です。この日は手前の生麺と冷やし担々麺スープを買いました。麺は8玉分あってたくさん食べられました。冷やし担々麺スープは季節外れということでこの値段だったのでしょう。100円だやったーと飛びつきましたが1人で消費するには量が多かったですね。味噌汁の残りに入れて、なんちゃって担々麺を毎晩味わっていますがなかなかなくなりません。

http://www.sagamiichiba.jp/access_map2%5B1%5D.gif

古淵から徒歩8分です。ただし今はゲームシティもドイトもありません。画像が古いですね。オレンジ色の下1/3ぐらいは、いまではイミグランデというゲーセンになってます。

 

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これは食料と関係ありませんが近くにいた猫です。

2年ほど前に中古で5000円で買ったスマホにSIMカードを入れたのでアプリから写真が取れるようになり、面白がって撮ったものです。月299円という貧民向けプランのMVNOがありました。こちらです。

 

 

 


書籍レビュー:じゃあ男がクソだった場合はどうすればいいんだよ『離れていても子どもに会いたい―引き離された子どもとの面会交流をかなえるために』 著:小嶋勇

★★★★☆

 

先に断っておくと、私の話ではありません。いやもちろん私も会いたいですけど、私の話ではなく、身近な人間のために調べていることです。

 

日本では離婚した夫婦に子があった場合は、離婚後は共同親権をとらず単独親権を採用しています。つまり父か母のどちらかが親権を独占します。親権を得られなかった親は子に対する権利を失います。

日本では「追い出し離婚」といって夫が密かに離婚届を提出し、気に入らない妻を追い出し締め出してしまうことが横行していました。今では離婚届の不受理制度というものが導入されたらしく(詳細については書いてありませんでした)このようなことは原理的には不可能となったらしいですが、それでも強制的に協議離婚にサインをさせれば似たようなことは可能です。いわば「外様」となってしまった元配偶者は子に合わせてもらえなくなったり、面会の希望を出しても一々理由をつけて断られるとなどということは日常茶飯事です。

本書はDV法を使用して妻に締め出された夫についての話が大部分を占めますが、正直な話、夫側の主張はどれも粘着質でお前それだから出ていかれたんちゃうんかと言いたくなるような例ばかりです。

しかし逆のパターン、夫が妻を追い出す「追い出し離婚」の例は深刻です。何故なら男はアホなので暴力や恫喝に訴えて相手を支配する生き物だからです。体裁は協議離婚という形をとりつつ、脅迫して無茶な内容の取り決め書にサインさせられます。また男の方が経済力を握っていることが多く、カネに物を言わせて弁護士も雇うこともできます。

 

以下は個人的メモとして残しておきます。

監護親が再婚すると親権の変更ができない

そもそも、離婚後、子どもが再婚相手と養子縁組をするに際し、非監護者・非監護親の同意は不要とされている上、家庭裁判所の「実務」では、離婚後、再婚相手とこどもの養子縁組がなされた場合には、もはや非親権者・非監護親には、親権者変更の申立ては認められないとされている(P99)

別れた元夫が妙に再婚を急いでいると思ったら、上記の「実務」目当ての知恵を弁護士に吹き込まれてると思った方がいいでしょう(そんな理由で再婚するのはクソだけど)。

面会交流が親の権利である根拠

東京家庭裁判所1964年12月14日審判

親権もしくは監護権を有しない親は、未成熟子と面接ないし交渉する権利を有し、この権利は、未成熟子の福祉を害することがない限り、制限されまた奪われることはない。」

 

子どもの権利条約第九条 (日本では条約は法律より上位の規定です)

一 締約国は、児童がその父母の意志に反してその父母から分離されないことを確保する。ただし、権限のある当局が司法の審査に従うことを条件として摘要のある法律及び手続きに従いその分離が児童の最善の利益のために必要であると決定する場合は、この限りではない。このような決定は、父母が児童を虐待し若しくは放置する場合又は父母が別居しており児童の居住地を決定しなければならない場合のような特定の場合において必要となることがある。

三 締約国は、児童の最善の利益に反する場合を除くほか、父母の一方又は双方から分離されている児童が定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重する

 

平成24年改正民法766条

第1項 父母が協議上の離婚をするときは,子の監護をすべき者,父又は母と子との面会及びその他の交流,子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は,その協議で定める。この場合においては,子の利益を最も優先して考慮しなければならない

(太字部分は平成24年改正前には存在していなかった文言です)

 

なお、著者は一方の親が他方の親に面会を認めないことは憲法24条にも違反するとの見解です。

第二十四条 

第一項

婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

第二項

配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

筆者はまず、子どもの利益が最優先されるべきであるという原則から、面会交流はこどもの権利であるとします。こどもの権利は親の義務です。そしてそれは、監護親の非監護親に対する義務でもあると主張します。それは憲法24条の「夫婦両当事者の個人の尊厳と本質的平等」に合致するものだ、というわけです。引用します。

 ここであらためて指摘すれば、離婚後の親権者・監護者の指定と監護者とならなかった親とこどもとの面会交流は関連して論じられるべきです。そして、共同親権・共同監護に変わる方法として、親権者と監護者を両親に別々に帰属させるということ、その上で、現在の民法を前提として、離婚後の監護者を一方の親に指定した場合、当然の権利として、監護者とならなかった親と子どもとの面会交流が保証されなければなりません。以上が、憲法24条の趣旨に基づく、夫婦両当事者の個人の尊厳と本質的平等に則っていると評価できるのです。

日本では共同親権・共同監護の制度はありませんから、せめて親権と監護者を別々にしないか、という提案もしています。すごいですね。でも暴力夫はそんなもん認めるわけありません。家庭裁判所の実務でも、面会交流が非監護親に対する義務であるなんて全く考えていないらしいです。

ではどうすればいいのか。本書は残念ながらその答えを全く提供してくれませんでした。まだまだ他の本を調べる必要があります。

 

 

関連書籍

次はこれですね。私が知りたいのは夫が妻を追い出した場合です。はたして書いてあるのでしょうか。

子どもに会いたい親のためのハンドブック

子どもに会いたい親のためのハンドブック

  • 作者: 青木聡,宗像充,蓮見岳夫,共同親権運動ネットワーク
  • 出版社/メーカー: 社会評論社
  • 発売日: 2013/01
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

 

 


味噌

 rokujo.hatenadiary.com

 

仕込みました。

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半年~1年後に味噌になっていると嬉しい。

 

クックパッド様の力を借りました。ほぼこのレシピ通りです。

大豆を煮込んだら乾燥豆の3倍以上の体積に膨らんでしまったので鍋からあふれてしまい急遽2連鍋で煮ることになったり、用意した4.2リットルのタッパーがいっぱいになったので大量に材料がこぼれたり、消毒するつもりがこぼれた材料がいっぱいで消毒どころじゃなくなってしまったり、マッシャーが無かったので豆をお玉で潰したら思いのほか上手くいかず豆がかなり残ってしまったり、容器いっぱいになったので混ぜるのが難しく塩の濃淡がついたのは確実など失敗する要素しかありません。異臭がしたらどうしよう。不安です。でもほぼ毎日味噌汁を作る自分としては成功すると経済的にもすごく助かります。完成後半年は味噌に困らなくなるでしょう。

 

教訓

・大豆1キロを煮ると大抵の鍋はあふれます。ダイソーで100円で買える最大サイズである4.2リットルのタッパーでは大きさが足りません。はじめてつくる人は500g以下にしましょう。

・マッシャーを買いましょう。

 

あのあと元家族から連絡は来ましたが、何故か全文が敬体になっているのとこどもに関する質問がスルーされたのでもうだめみたいです。

(追記)書類は郵送しろと言われました


書籍レビュー:わたしが自分自身に課しているのは、自らの考えに忠実に生きることである『ローマ人の物語〈11〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(上)』 著:塩野七生

★★★★★

 

舞台は紀元前49-44年。ルビコン川を超え国賊扱いとなったカエサルと、かつての盟友で反カエサルのためにかつがれてしまったポンペイウスとの戦いがメインとなります。カエサルは50-55歳。カッチョ良さが肌に刻み付けこまれた後の年齢です。

まとめ

ガリア地方(いまのフランス・スイスの相当)を平定したものの、ローマ国内の反カエサル派の台頭により、軍隊を解散しないでローマに戻れば失脚は確実となったカエサルは、軍隊を率いたままルビコン川を超えてローマを目指します。反カエサル派の代表となったポンペイウスはあまりの電撃作戦に驚きローマを放棄し、ギリシャまで逃げ自分の地盤である地中海の経済力を生かして打倒カエサルを目指します。

スペイン、北アフリカでの戦闘を経て最終決戦上はギリシャのファルサルス。兵力はポンペイウス5万4千(うち騎兵7千)、カエサル2万3千(うち騎兵1千)。しかもポンペイウスのもとにはかつてのカエサルの戦友ラビエヌスが参戦しているという絶望的な戦力差です。Zガンダムで例えるとなぜかクワトロがハマーンの元に去りアクシズ側に寝返ってるわキュベレイが7体いるわガザCの数がジムIIの2倍以上いるわというような状況です。わかりにくいですか?ごめんなさい。

主戦力の非戦力化

ファルサルスの戦いのテーマはまたも「主戦力の非戦力化」でした。ポンペイウスにはラビエヌス率いる機動力の高い騎兵7千という怖い怖い戦力がいます。こいつらに背後を取られた瞬間オシマイです。

カエサルは考えました。「じゃあ、騎兵を囲めばいい」彼はガリア戦記をともに戦ったベテラン歩兵2千を騎兵にぶつけ、身動きを取れなくして見事「主戦力の非戦力化」に成功し勝利を収めました。

ローマ人列伝:ポンペイウス伝 4 – 浅草文庫亭

百戦錬磨のシャア百式に大量のジムIIをぶつけている間に背後からリックディアスが援護射撃するようなもんですね。かなり無謀ですが成功させちゃったんだからすごい。ラビエヌスは逃亡に成功した後の行方は分かっていませんので、後日また出てくるのだと思います。ポンペイウスは逃亡先のエジプトで厄介者扱いされてあっけなく殺されます。このエジプトでお家騒動の真っ最中だったのが、あのクレオパトラなのです。次巻以降の主要人物になること間違いありません。

気になった言葉

カエサル「わたしが自由にした人々が再びわたしに剣を向けることになるとしても、そのようなことには心をわずらわせたくない。何ものにもましてわたしが自分自身に課しているのは、自らの考えに忠実に生きることである。だから、他の人々も、そうあって当然と思っている」(P36)

カエサルは捕虜を一切殺しませんでした。ポンペイウス側に立って戦った人間も全員釈放しました。ローマの内戦であるという特殊な状況もあり、極力人を殺さないことを第一に考えていました。彼が釈放した人間の中には、後にカエサルを暗殺することになるマルクス・ブルータスも含まれていたのです。

高潔な考えだと思いますが、最後の一文だけは同意できません。他の人々は変えられないです。しかしカエサルは変えられると確信していたのでしょう。しかも有言実行、本当に人を変えていく人でした。すごい人物です。

…まことに不利な情勢になったということであった。このような状態になった場合、人は二種に分かれる。第一は、失敗に帰した事態の改善に努めることで不利を挽回しようとする人であり、第二は、それはそのままでひとまずは置いておき、別のことを成功させることによって、情勢の一挙挽回を図る人である。カエサルは、後者の代表格と言ってもよかった。(P123)

私もこう生きたい。発達障害に置き換えると、第一の方法は不毛ということが身に染みています。

カエサル「人間は、自分が見たいと欲する現実しか見ない」(P285)

『内乱記』の一節だそうです。カエサルは箴言を多く残しています。

ただし、クレオパトラの方がそれを、自分の魅力のためであったと思いこんだとしても無理はなかった。女とは、理によったのではなく、自分の女としての魅力に寄ったと信じる方を好む人種なのである。(P291)

塩野さん女だからって女見くびり過ぎちゃいます?これはさすがにないと思います。

 

次巻は目次によるとカエサルの行った改革についての話題が中心になるようです。全巻制覇するまではまだ1年以上かかりそうですね。

 

 

関連書籍

 つうわけでこれは必読ですね。必ずいつか読みます

内乱記 (講談社学術文庫)

内乱記 (講談社学術文庫)

 

 

エジプト関連

アレクサンドリア (ちくま学芸文庫)

アレクサンドリア (ちくま学芸文庫)

 

元家族から連絡が来なくなったので味噌

置いてきた家族から連絡が全然来なくなりました。もう3週間近く音信不通です。skypeがオンラインになっているので普通に生活はしているようなのですが、親から戸籍などの書類を取り戻したのでこれを持っていくついでに顔を見たいと言っても反応がありません。

引っ越した直後は生活に追われていて何の感慨もありませんでしたがある程度安定してくると何も連絡がないことが日に日に気になってきました。自分で選択したこととはいえ本当にこれでよかったのか毎日疑問符が増えていきます。

給料の大半を送るのでお金のやり取りでメッセージを交わすことはあるかもしれませんがもうお金の話以外は無視されてしまうのかもしれません。私が捨てたのだから向こうも捨てて当然です道理です。

もう私は元家族の中で死んだことになっているようです。いやこれは妄想かもしれません。本当は向こうも気になっているのかもしれません。いやそれも希望的観測に過ぎず毎日私に関する罵倒がホットで罵倒にも飽きたらもともといなかった人間ということになっていくのかもしれません。次に会ったらOneの折原の如く「あなた、、誰?」って主要登場人物全員に言われるような羽目になるのかもしれません。

深く考えると想像力という悪魔が何もかも増幅してしまうので当面は忙しさに身を任せます。さしあたって今日届いた味噌作成用の米麹のパッケージに穴が開いていたため早急に味噌を作らなければいけなくなったので、明日からは味噌について考えます。


書籍レビュー: 日本語使いは空気読まないと死ぬ『日本語学入門』 著:近藤安月子

★★★★☆

 

新年3冊目です。このペースでは年100冊に到達できるかどうかギリギリですね。

から九時まで五時です

私は日本語が上手ではないという自覚がありますので、日本語に関する本をいくつも読んでいきたいと思っています。外国語学習が趣味なので、言語をシステマチックに分析するのも大好きです。そんな欲望を満たすのにうってつけなのが外国語学習者が手に取る日本語学習本です。日本人だとアタリマエに思っていることは外国人からするとすべてアタリマエではないということが分かります。

例えば英語圏の人がよくやる間違いは次のようなものだそうです。

郵便局は、から九時まで五時です。(P2)

これは”The post office is open from 9 a.m. to 5 p.m.”をそのまま訳したことによる間違いです。でもなぜだめなんでしょう?語順を変えて「郵便局は、九時から五時までです。」なら問題ありません。文の要素は全く同じなのに上の例だと文になりません。これは日本語が後置詞型言語といって、「から」や「まで」などの接続詞を名詞のあとに持ってくる言語だからだそうです。英語は逆にfrom~やto~などを名詞の前に持ってくる前置詞型言語です。そういえば学校では後置詞なんて習いませんでしたね。

日本語は活用形多すぎ

外国人から見た日本語、のように日本語を客観的な学問の体系として組み立てた「日本語学」は私達が中学校で習う文法とはいくつか違いがあります。

例えば形容動詞。「きれいだ」「元気だ」など「だ」がついたことで私達を惑わせたうっとおしい品詞でしたが、日本語学に形容動詞は存在しません。日本語学では

「名詞+だとほぼ同じじゃん?区別する意味なし」

と判断されています。また、助動詞もありません。これらは全て動詞の活用として扱われます。ですので動詞の活用は次のようなとんでもない数に膨れ上がります。

辞書系:書く

マス形:書きます

テ形:書いて

タ形:書いた

タラ形:書いたら

タリ形:書いたり

否定形・ナイ形:書かない

受け身形:書かれる

使役形:書かせる

使役受身形:書かせられる

可能形:書ける

バ形:書けば

意向形:書こう

(P8)

13もあります!私たちが習った五段活用と比べるとずっと多いですね。フランス語やドイツ語の活用の数多すぎだろとごねるのはやめます。日本語の方が難しいです。英語に至っては活用なんて過去形と過去分詞くらいしかないしちょろいもんですよね。

常に空気読まされる日本語

日本語に特徴的に多い助詞が終助詞です。「ね」「よね」「よな」「な」などを文末につけて、どのように出来事をとらえているか、どのように聞き手に伝えたいかを表します。

日常会話から「ね」「よね」「よな」「な」などの終助詞を無くすと、伝達に支障をきたす恐れがあります。「いい天気ですね」ではなく「いい天気です」、「そこに段差がありますよ」ではなく「そこに段差があります」と言われたら、聞き手は一瞬反応に戸惑うことでしょう。(P123)

終助詞は、日本語使いに空気を読むことを強いています。終助詞が断定なのか疑問なのか同意なのかにいつも耳を澄まさなければいけませんし発話のたびに毎回適切な終助詞を選ばなければいけません。例えば次の天気についてのよくある会話のバックグラウンドについての解説をご覧ください。

(1) A:いい天気です。 B:そうです

(中略)

(1)では、Aは、Bが知っているはずの情報についてBの同意を求めています。このような場合には、AもBもネを使わないと、伝達に支障をきたします。言うまでもなく、いい天気であることはAとBが会話の場で共有している情報で、新しくはありませんが、それを確認することを通してAはBに共同注意を促したり、BはAに対する共感を表明したりすることができます。このような場合のネは、対人コミュニケーション上必須の要素です。(P125)

いい天気ですねそうですねって言ってるだけなのに実はここまでのコンテキストを解釈しないと適切に会話できないのです。こりゃー難しいわ。

余談ですが「~ナリ!」「~だわさ」などなど特殊な終助詞を使ってあるキャラを表すという効果をあげたり「~やな」「~だがや」で住んでいる(育った)地域を表すような例もありますね。

うなぎ文

もう一つ日本語の特徴として文脈依存性の高さがあります。文脈に応じて語の意味文の意味が変わったり、大胆に省略したり通常あり得ない文も意味が通るようになるのです。典型的なのが次の「うなぎ文」と呼ばれるものです。

A:何にする?

B:僕はうなぎにする。

A:君はうなぎか。じゃあ、僕もうなぎだ。(P32)

「僕もうなぎだ」は僕=うなぎという意味ではありません。「僕もうなぎを注文する」という意味です。英語ではありえない構文です。この文の意味は文脈によってさまざまに変わります。例えば劇でうなぎの役を何人にも割り当てていれば「僕はうなぎの役をする」という意味になりますし、アナゴチームウナギチームなどの名前で団体競技をやっていれば「僕はうなぎチームが勝つのに100万円賭ける」という意味になるかもしれません。同じように「ここはだれ?」「僕はどこ?」という意味不明の文も文脈によっては有効になります。

文脈依存性が高い=空気が読めないと話についていけないということです。日本語は根本的にKY人間を締め出す構造の言語でした。まいったまいった。

 

本書は日本語学のイントロということでこれでもかというくらい要素が詰め込まれていますが、いかんせん200Pに満たないため文量が少ないのが欠点です。図が全くないので日本人が読むのも辛く外国人が読むことはまず不可能でしょう。また、日本語学の教授(しかも東大大学院)なのに所々日本語がおかしく文章が読みづらいです。 日本語学を極めても読みやすい文章が書けるようになるわけではないということなのでしょうか??

また、たまたまなのですが翻訳の副業をすることになるにあたり、日本語学は自然な文章の書き方を教えてくれるものとして非常に有効であると分かりました。この手の本をもっと読みこむ必要があります。

 

 

関連書籍

もっとわかりやすい本を読みたい。次はこれですね。定評もあるようです。

初級を教える人のための日本語文法ハンドブック

初級を教える人のための日本語文法ハンドブック

  • 作者: 庵功雄,松岡弘,中西久実子,山田敏弘,高梨信乃
  • 出版社/メーカー: スリーエーネットワーク
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中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック

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  • 作者: 庵功雄,中西久実子,高梨信乃,山田敏弘,白川博之
  • 出版社/メーカー: スリーエーネットワーク
  • 発売日: 2001/10
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 動詞について。

「する」と「なる」の言語学―言語と文化のタイポロジーへの試論 (日本語叢書)

「する」と「なる」の言語学―言語と文化のタイポロジーへの試論 (日本語叢書)

 

 

 日本語学習の最難関と言われるらしい「のだ」について。著者が野田なのはなぜだ

「の(だ)」の機能 (日本語研究叢書 (9))

「の(だ)」の機能 (日本語研究叢書 (9))

 

 

 敬語の定番テキスト。ほしい

敬語 (講談社学術文庫)

敬語 (講談社学術文庫)

 

 


書籍レビュー: 発酵する物語『ピンザの島』 著:ドリアン助川

★★★★☆

 

刊行は2014年2月。最近の小説も読んでみようと思いamazonで適当に評価が高そうなやつを選んでターゲットにしました。といっても完全なランダムというわけではありません。ドリアン助川さんは前住んでいた家で取っていた新聞に時々人生相談で登場しており、最も好きな回答者でした。

舞台は沖縄(と思われる)の架空の離島。うさんくさいバイトの斡旋でやってきた3人の男女。この設定だけ見ればかるーい愛憎劇に発展するのかと思ったら全然違いました。文体こそ読みやすく軽快にサラサラ進んでいけませんが、ドリアンさんの人柄のまんま、無駄な濡れ場なども全く存在せずとても上品な作品でした。テーマは途中まで全く想像のつかなかった「発酵」です。文章も物語も後半に行くにしたがって熟成していきます。ラストの描写は作者も熟成チーズを作るような気持ちで文章を書いたことが想像できるようです。

本書を貫いている感覚は「負け」の感覚です。主な登場人物は20代後半、人生をドロップアウトしたと思っている人たちです。主要人物の一人、立川のセリフです

「だけど、そんなことで頭に来てる自分ってのも、オレ、嫌なんだよね。だから過去のことをさ、くそみてえな、そういう日々のことを忘れてえなって思って。それでずっとふわふわして、遊び半分みてえに生きてきたんだけれど……あのさ、全然ダメなんすよ。そうやって流れてても、なんも変わんねえの。リアルってのが無いんすよ。生きてるって感じがしねえの。だからいつまでも昔のことが気になるんだ。」

これの答えと思われることを主要人物の一人「ハシさん」60代が主人公の涼介に語ります。

「涼介さん、私は思うんですが……人生の節目という意味では、敗北も勝利もそう変わらないのではないでしょうか。むしろ勝利は、気付きを与えない分だけたちが悪い。あなたは敗北してよかったんだ」

人間は勝ち負けにこだわります。しかし「勝ち」「負け」が明確に定義されてることってほとんどないのではないでしょうか?20代後半というと私もそのような勝ち負け意識にさいなまれたことがありましたが、もうそこは乗り越えてしまいました。人生長いスパンで考えると勝ちも負けも全く意味をなしません。この観点からすると帯で煽りに煽られてるラストシーンは若干がっかり感がありますので★マイナス1つとさせていただきます。あと10年早く読んでいたら得るものがあったと思います。

 

 

関連書籍

似たようなテーマだと思います。特に下巻。

自虐の詩 (上) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

自虐の詩 (上) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

 

 

自虐の詩 (下) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

自虐の詩 (下) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

 

 

次の本を読んでいたので発酵については知識がありました。