昨日のペパボと業種が類似している会社、エニグモ。こちらは海外ブランド服飾の個人バイヤーとの売買を主としたEコマースサイト「BUYMA」を運営する会社で、本日決算発表があった。
売上、営業、純利益が20%〜40%増という大増収にもかかわらず、決算短信によると来期純利益予測は4割減。これを見てか、PTS(Proprietary Trading System、15時を過ぎても取引を行っている市場)では決算発表直後に1000→800円まで暴落した。しかし、左端を見ると売上見込は50%増(!)。ということは、ペパボと同じように先行投資を拡大すると想像できる。
決算説明会資料によると、先行投資枠は12億円。ペパボの約3倍の投資だ。しかし予想利益は7億と、0ではない。投資枠を除けば、1年で12億→19億と60%も利益が増加する見込みということだ。しかも2年後には30億、4年後には50億の利益を目指すという。なんという強気予想。本当にそんなにうまくいくのか?しかし資料の6P、12〜15Pを見ると、売上高、会員数、取扱高、あまりにも順調に推移している。会員数は現在50万人、潜在ターゲット層1000万人(P23〜24)というところから、成長余地は大幅に残されている。4年はともかく、次の2年間成長が大幅減速することは考えにくい。
12億円の投資は「広告宣伝関連施策に積極投資をおこなう(P44)」とあるので、おそらく金額の多くはTVCM、ウェブ広告に使われるのではないか。
3665 – (株)エニグモ 〜2015/04/15 – 株式掲示板 – textreamYahooの掲示板は、決算(15:00)直後に嘆きと恨みの言葉で埋め尽くされた。明日は800円まで行かないにしても、安値になる可能性が高い。市場は短期投資を行う人が大多数であるようだ。明日大幅に下がれば、その実感は数字で裏打ちされる。しかし短期的な暴騰暴落よりも、2年後の決算がどうなっているかに興味がある。ペパボとともに見守っていきたい銘柄だ。
両社とも、本当に業績予想を達成できるのだろうか。実物の店舗型の商売は新規出店に費用がかさむので事業の拡大速度はゆるやかだが、EC事業は広告さえ打てば出店の必要が無いため、拡大の加速度がものすごく大きい。その分、顧客増加数が頭打ちになるのも早いだろう。4年も安定して客が増えるんだろうか?大いに疑問だ。
ガンホー・オンライン・エンターテイメント(株)【3765】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス
ラグナロクオンライン、パズドラで有名なガンホーが良い例だ。2013年上半期にお茶の間で有名になったころに十倍以上に膨れて1600円になった株価はいまや400円程度、しかも下落傾向にある。株価の上昇は1年でストップした。全国のユーザーを獲得してしまった後は、伸びるのが難しいという例の見本だ。
3665 株式会社エニグモ 概要
- 時価総額 220億円(2015/03/17現在)
- 発行済み株式数 2130万株
- 2015年1月期売上 22.85億円 (+25.4%) → 2016年1月期売上予想 34.36億円(+50.3%)
- 2015年1月期営業利益 11.96億円 (+40.4%) → 2016年1月期営業利益予想 7.02億円(-41.3%)
- 2015年1月期経常利益 12.00億円 (+40.3%) → 2016年1月期経常利益予想 7.02億円(-41.5%)
- 2015年1月期純利益 7.08億円 (+35.3%) → 2016年1月期純利益予想 4.32億円(-39.0%)
- 総資産 41.42億円 純資産 26.49億円 自己資本比率 64.0%