今週はフィスコもお盆休みのようで、3銘柄しか紹介がありませんでした。
3038 神戸物産
神戸物産といえば業務スーパー。他のスーパーとは違った独自のルートで製品を仕入れ、特異な自社PB製品(全商品の1割)も多数取り揃える異色の企業です。すでに696店舗を数え、日本内ではメジャーな存在になりつつあります。フランチャイズが中心の店舗展開で、フランチャイザーの一つに7508 G-7ホールディングスがあります。ロイヤリティは神戸物産からフランチャイザーへの出荷額の1%とかなり低い率です。もっとも神戸物産は商品の仕入れも生産もしていますから、商品を売った金額自体も儲けになるのでこの数字だけを使うことはできませんね。子会社ではジャガイモ・大豆の生産や養鶏まで行っているそうです。
典型的な店舗拡大型成長ストーリーを持つ企業ですが、すでに全国あまねく出店されており、九州地区にまだ出店余地があるものの全国的に人口の多い地域はほぼ網羅され尽くしている印象を受けます。
安さが売りですから利益率は低めの3%前後。円安で2Q決算の営業利益が計画比9%減の被害を受けています。ただしリスクヘッジのための為替予約・デリバティブの評価益がかなり大きく、経常利益は計画比+41.2%と大きく上振れしました。営業利益も未達とはいえ前期比+48.7%ですので、堅調です。
M&Aで外食産業に進出したり太陽光発電に取り組むなど多角化を進めていますが、自己資本比率が14%まで低下しているのが気になるところです。支払利息は2Q時点で3億円と経常利益の7%に達しています。
株価は絶好調のPER40.53倍。今年5月からほんの2か月で7月に倍以上になっています。一体どこまで織り込み済みなのか。成長性はありますが長期的には爆発力の低下が予想されるので、今はとても買える水準ではありません。
2159 フルスピード
インターネット広告代理・SEOサービス・アフィリエイトASP事業を手掛ける企業です。
SEOサービスが流行らくなり収益性が低下、変わってASP(アフィリエイトの広告提供者)事業やDSP(オンライン広告で広告主側の広告効果最大化を支援するためのプラットフォーム)事業を成長の牽引役とする事業転換を図っている最中です。特にASPが効果を上げ始めており、年成長率は17.7%に達しています。baiduと組んで中国向け広告を展開してインバウンド需要も取り込もうという計画もあります。インバウンドについては私はやや懐疑的です。中国バブルがはじけると、金持ち層が日本にやってこなくなりますので。
なお株価はキレイに下げまくる一方のようですね。
3738 ティーガイア
ひたすら携帯電話を売りまくる企業です。代理店としては日本トップのシェア12%。全国に2,186店舗を構えます。ドコモショップやauショップは
しかしこの店舗数、3年前は3,412店舗もあったとのことですので、2/3に激減しています。主に家電量販店や併売店での店舗数が落ち込んだことが原因です。しかし売上や利益率は順調に伸びています。単価や利益率の高いスマートフォン・タブレットに売上をシフトしていっているため、との説明があります。スマホはキャリアから支払われる奨励金が大きいのですね。
ROEは30%に近づく勢いでなかなかの収益性ですが、携帯を売るだけというビジネスモデルがなかなか好きになれません。
株価はここ1か月を除けばなかなか綺麗な推移ですね。PER16.24倍、あまり高い水準ではありません。
今週は数が少ないこともあり、これは!という企業がありませんでした。来週に期待します。