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先月末に亡くなった水木しげる先生の追悼の想いを込めて読みました。私は水木サン大好きでした。連続テレビドラマ小説のゲゲゲの女房も見ました。ドラマはいまいちだったけど。
幽霊について大量のカラー絵と水木サンの解説が収録されています。水木サンはスクリーントーンやPCでの彩色などという軟弱なものは一切使いませんのでとにかく線と点の数がすごい!毎回見るたびに思いますが執念のようなものを感じます。水木サンの生霊がどの絵にもこもっていますね。
幽霊というものはほとんどが「志半ばで死んでしまったため、恨みを残したり土地に執着する」というパターンです。これは生きている者が「無念だったろうなぁ俺もそう思うぜ」という想像力を働かせていろんな物語を作ったのでしょうけれど、私はこれ、幽霊に取っちゃ迷惑な話だろうと思うんです。
死後の世界が存在するとしての仮定ですが、私がいちばん疑問なのは、なぜ幽霊たちが死後の世界をエンジョイしようと思わないのか!?ということです。だって死後の世界って何やったって生前の自分には未体験なんじゃん!!幽霊世界の一般的価値観というものはわかりませんが、幽霊として自分ができること、何をやったらよい幽霊生活を行えるか、なんて幽霊もみんな考えると思うんですよ。恨みを晴らすため現実世界の人間を取り殺してやるといったマイナス思考に陥らない幽霊だってたくさんいると思いませんか?私だったらどれだけ恨みがあったとしてもしないよ。死んじゃったもんはしょうがないじゃん。そんな暇なことするくらいだったら今日は昨日よりも1km遠くまで浮遊してみようとか、人魂15個作れたぜ!とか、念力トレーニングしたら消えているはずの足が見えるようになったぞwwwとか面白いこといっぱいできると思うんですよね。
といっても現実の人間でも幽霊でも後世に話が残るのは人助けをしたか犯罪者になるかどちらかのパターンが多いですから、私の心配なぞ的外れで、大多数の幽霊は話題にもならず地道な幽霊ライフをエンジョイしているのかもしれません。毎日死んでゆく人間の数を思えば残っている幽霊話の数はごく少ないことがそれを証明していると考えました。
内容に全然触れてなくてすいません。水木サン現世ではお疲れさまでした。100歳まで生きられなくて残念でしたが、今ごろ妖怪か幽霊になってるでしょうから面白おかしいライフを続けてください。