書籍レビュー:『英文法・語法のトレーニング 基礎講義編』著:風早寛

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語学は慣れが全てだと思っています。誰でも慣れればマスターすることができます。なぜならこの文章を読んでいるあなたは日本語を慣れだけでマスターしているからです。でも慣れだけだと時間がかかります。だってあなたが日本語をまともに話せるようになるには少なくとも10年はかかりましたものね。

ここで登場するのが文法です。文法はある言語についてネイティブが無意識にやっている慣習をまとめて体系化したものです。「最低限これだけ覚えとけばいいよ!」という骨組みのようなものです。どんな言語でも、必要最低限の文法を学ぶのには1年もかかりません。文法をまず最初に覚えると楽です。文法は語学学習のショートカットのためのツールです。

文法は慣習ですので、どうしても覚えるしかないことがたくさんでてきます。例えば「giveは第4文型を作る」「I am possibleという英語はない」のはなぜか?という理由としては、突き詰めると「みんながそうしているから」としか言えません。

日本語だって慣用のかたまりです。

あんまり知られてない?! 日本語で外国人がくじけるとこ

英語と比べると日本語は文の形は自由だし活用はむちゃくちゃだし主語はいらないしフリーダムです。英語って文型5つしかないんだよ、必ずだよ、楽だよね。

ということを授業で話そうかなと思いながら読んでいました。

本書は「基礎講義編」と銘打っているように中学修了程度の生徒が読むことを想定しています。易しく読めますが対話形式にもかかわらず内容は深く、覚えるしかない表現も相当カバーされているので、これ1冊を数回まわしたらセンター英語の文法問題は9割以上解けちゃうんじゃないかな、という印象を受けました。5文型、分詞、仮定法の解説に特にページが割かれています。Lesson50の分詞「長文読解に応用する」は英文に慣れていないとつまづきやすい「これは分詞なの?述語動詞なの?どっちなの」かを解決する方法が明快に説明されていました。大学受験用の英文法で使う用語を全部忘れたので復習用に読んだのですが、面白い本でした。

あとで気がつきましたが、著者は速読英単語と同じ風早寛さんでした。速読英単語は受験時代にお世話になった単語集ですので懐かしいです。

 


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