★★★★★
大学時代は熱力学の単位を落としたので苦手意識がありました。
本書は易しく読めます。いきなりフェルミ熱力学なんか読まないでこれを読んでおけばよかったです。2008年の本なのに学生役の女性がなぜか80年代ボディコンワンピを着ていたり、エントロピーΔS>0の図として学生がシワシワになった絵を載せている所は?と思いましたが、そこだけ目をつぶれば説明はわかりやすいし式は省略してないからわかりやすいし、良い本でした。
・温度Tは分子の運動エネルギーそのものである((1/2)mv^2=(1/2)kt)こと、したがって内部エネルギーは温度だけに依存すること
・熱力学第一法則「dQ=dU+dW」だけ覚えればほとんど説明できてしまうこと
・運動方程式F=d^2x/dt^2は時間を逆向きに流しても成立する(!)ので時間を説明できないが、エントロピー増大の法則を用いると時間を説明できること
が面白かったです。時間とは何かに踏み込んでいる点で。熱力学は哲学とも関係していることが分かりました。
天才カルノーさんの著書です