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田房永子さんの代表作?です。
紹介文には「毒親との戦いを記録したコミックエッセイです。」とあるので、一体どのような母親なのだろう、と期待して読みました。
田房さんの母は、読めば読むほど元配偶者にそっくりでした。似ているエピソードがいくつかあります。
こどもが中学校に通っている時、担任とトラブルになりました。詳しいことは忘れましたが、担任が顧問をしている部活に勧誘されたのを断ったら、担任にイヤミを言われた、という程度のことだったと記憶しています。元配偶者は、これを聞いて、担任に殴り込みをかけ、中学校をやめさせました。公立中です。転校先の私立中でも、部活で人間関係のトラブルがあったため、やめさせました。この子は、それ以後学校に通っていません。もっと正確に言うと、通わせませんでした。
元配偶者はこどもと自分との切れ目が無く、こどもが攻撃されたことと自分が攻撃されたことを同一視し、自分が攻撃されたことと同様にふるまいました。元配偶者はいつも「こどもの自主性が大事」といっていましたが、こどもの自主性は無視されていました。中学校でのトラブルは、こども自身が解決するべきでした。担任がクソだったことは事実なので、こども自身の力で考えて、その結果、学校に行くのをやめたと判断するなら、その決断は尊重されるべきでした。元配偶者は、こどもの力をスポイルしました。残念ながらぼくには当時、元配偶者の行動を止める根拠も判断力もありませんでした。
元配偶者は、こどもが親を慕っていることがわかっているから、言うことを聞かせるために、こどもを一人置き去りにするという罰を与えることがありました。置き去りにした時の様子を、こどもとぼくの前で事細かに説明したこともあります。こどもに生活力が無いことを分かっていて「この家を出て一人で生活すればいい!」という脅しをかけることもありました。
こどもにこういう罰を与えたこともありました。
一番不安定だった子には、あまりに言うことを聞かないので元配偶者が「殺してやる」と言ったこともありました。この子は、生きるために、「殺してやる」とおうむ返しして、逆上しました。包丁を持ち出してこどもに言うことを聞かせたこともあります。
内容紹介になっていませんがこのようなことを想い出しながら読んでいました。
Amazonレビューには壮絶な毒親体験記がいくつも書かれていて、ここだけで読み物として成立します。
そういえば元配偶者の愛読書の一つはこれでした。
元配偶者の親もアル中暴力父+父に告げ口する母とたしかに毒親でしたが、自分もそうであるとは、彼女にはわからなかったようです。こどもを殴らなければいいわけじゃないですよ。本書にもお母さんは永子さんのことを「殴りはしない」と書いてあってぞっとしました。