4月20日にamazonで買い物をしたら、4月21日の朝に「クレジットカードの利用承認が得られませんでした」というメールがamazonから届いていた。
おかしいと思いクレジットカードの明細を見ると、限度額いっぱいまで身に覚えのないキャッシングとショッピングの履歴があった。
家を出るときに置いてきた、家族カードを使われた。キャッシングされた金額は50万円。ショッピングが約3万円。
4月11日に元家族に「養育費を振り込みたいので、口座番号を教えてください」という内容のメールを送ってから何も返信が返ってこなかったので、ここ数日は、引っ越してネットも使えず苦しい生活をしているのではないか、行き違いになって養育費のメールが届いてなかったんじゃないか、などと心配していた。
心配して損した!!!!
なにこれ!!!!ぼくはキャッシングのできる便利なATMなのね!!!!!!
しかもショッピングってamazonだからたぶん昔からほしがってた本とかだよ!?最後の279円なんか「この際欲しいものギリギリまで買えるだけ買っちゃおうぜー」っていう気持ちが見えるよ??なんだよこの数週間今まで通りの生活送ってたの???
バカを見た!!!!!馬鹿!!!!!
以前から、恋人にカードを解約することを勧められていた。ぼくは、元妻はプライドが高いからぼくの名義のカードを使うなどという屈辱的なことをしないだろうと思っていた。クレジットカードが使えなくなることの手間も惜しんでいた。甘かった。もっと早く聞き入れるべきだった。
恋人の提案で、21日のうちにすぐ元家族の住んでいる土地の弁護士事務所に向かい、窃盗による損害賠償請求の法律相談をした。DVを受けていたことについても話した。担当の弁護士さんはよく話を聞いてくれて、この件は上司に相談してみる、却下されたとしても力になれる別の弁護士を紹介する、と言ってくれた。
ぼくは話すのが得意ではない。何が重要で、何が重要ではないのかが即座にわからない。一度話を始めると話が独り歩きして、些末なことをいつまでも喋っていることがある。ぼくには誰がいつ何をどうした、という話の基本が身についていない。
ぼくが弁護士さんに話をするとき、足りない言葉を恋人がたくさん補ってくれた。時にはぼくよりも多くを語ってくれたけれど、ぼくが主体的に語るという形式を崩さないようにしてくれた。恋人は体調が悪いのを押して付き添ってくれた。いくら感謝してもしきれない。
弁護士さんの話では、DVが裁判所に認められないかもしれないし、仮に裁判で勝ったとしても元家族には財産がないので金を回収できる見込みがなくあまり薦められない、と言ってくれた。裁判するかどうかは、感情の上だけの問題となる。21日のうちは、それでも裁判することに意味があると思っていた。
22日になり、気持ちを整理して利点と欠点を列挙した。利点は、元妻にダメージを与えられることと、ぼくが元妻を心理的に乗り越えられるイベントになるであろうこと。欠点は、50万円~100万円のお金と、裁判所までの片道2時間半の時間と交通費がかかること。元妻に会うことで精神状態が悪化する恐れがあること。
1つ目の利点については、弁護士さんに内容証明を出してもらったり、窃盗で警察に被害届を出して調査が入れば十分なダメージになるので代替できてしまう。2つ目の利点については、元妻が最悪の手段を使ったので「ぼくが悪いのではないか」と考える気持ちは無くなったし、21日に弁護士さんに相談したことでぼくがすでに心理的に一山超えてしまったので、意味が失われてしまった。おまけに詐取されたお金はリボ払いだから50万円がいきなり吹っ飛ぶわけでもないし、「養育費の前払い」とみなして1年程度養育費の支払いを止めれば、回収できる。
欠点は目立つ。100万円をドブに捨てるくらいなら自分の好きに使った方がいい。時間がかかれば恋人と過ごす時間が少なくなる。仕事ができない時間が増えて収入が減る。元妻にももう会いたくない。
ばからしくなった。裁判はやめて、少額で嫌がらせを行うにとどめよう。
元妻が窃盗したことは残念だったけれど、結果的には気持ちが軽くなったし、DVで受けた傷や認知の歪みは早くもフェードアウトしていきそうだ。
物事がいい方向に転がっている。
恋人に長い時間をかけてお返しをしなければいけない。ありがとう。