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箱根駅伝が好きで10年くらい前から毎年見ています。しかし今年はやや複雑な思いでレースを眺めていました。
箱根駅伝って、本質的には孤独なはずのランナーに商業主義と大学の伝統という二大うざい要素を被せられマラソンへの適応も阻害されるという害悪でしかないんだけども、走っている様子は美しいので複雑な思いを抱きながらも毎年見てしまう。競馬の馬と同じようなものだ。私はランナーを消費している。
— 六帖 (@_rokujo) 2016, 1月 2
箱根というブランド、栄光を背負うための戦いというシナリオは自分でないものにロマンを抱く多数の日本人に支持されています。同調圧力や虚構に支配された雰囲気が次第にうっとおしくなってきました。それでも毎年見てしまうのですが。
箱根駅伝には小田原~芦ノ湖間の5区山登りという23.2kmで標高差860mを登る区間があります。ここで大差をつけたチームが毎年優勝しています。去年、今年は青山学院の圧勝でした。1時間ちょいで登山するなんてアホみたいな区間だなぁ、、と思っていましたが私は甘かった。反省しています。
本書の前半は100マイル(160km!!!)の「ウルトラマラソン」にまつわる話です。走るのは舗装道でもトラックでもなく、自然の中です。「トレイル」とも呼ばれています。箱根なんてメじゃありません。参考に、言及されているレッドビル100のレース画像を載せておきます。
Leadville Trail 100 ultra race draws athletes from all over the world | SummitDaily.com
Leadville Trail 100 Run Introduces Lottery System | Competitor.com
いやあなんつうか、バカですね!(褒めてます)
これほどまでにランナーを魅了するのは「走る」ということが人類の獲得した偉大な財産であるということが、後半で綿密な科学的考察を持って描写されます。そしてとある研究者は次のように結論付けるのです。
人はなぜマラソンを走るかわかりますか?とルイスはブランブル博士に訊いた。走ることはわれわれの種としての想像力に根差していて、想像力は走ることに根差している。言語、芸術、科学。スペースシャトル、ゴッホの『星月夜』、血管内手術。いずれも走る能力にルーツがある。走ることこそ、われわれを人間にした超大な力――つまり、すべての人間がもっているスーパーパワーなのだ。(P343)
これだけ読むと宗教がかっていて引きますが、本書をここまで読んできた人であれば合点がいくはずです。本書の訳者に至っては、訳しているうちに影響を受けて走り始め、ついにはハーフマラソンに応募してしまったそうです!一読をお勧めします。
個人的な話になりますが私も本書に会う前から走りはじめました
いずれはフルマラソンもやってみたいですね。まずは、10km以上安定して走れるようになることを目指します。
靴は本書によれば裸足が最も良いのですがそこまでの勇気はまだ持てず、ワークマンに売ってる「建さん2」というペラペラの靴を使っています。足裏の感覚が鮮明になるとても良い靴です。
680円と非常にお値打ちです。昔は500円だったそうです。サンダルでもいいらしいですよ!