CDレビュー: Great Pianists of the 20th Century Vol.9 – Daniel Barenboim (CD2)

★★★★★

 

2枚目はピアノソロがリストで4曲、これはオマケ扱いでメインはブラームスのピアノ協奏曲1番です。

堅焼きせんべい

先頭3曲はリスト「巡礼の年 第2年:イタリア」から4~6曲目のペトラルカシリーズの抜粋です。リストにしては珍しく静かめ(5曲目の中盤除く)で、彼の甘ったるいロマンチックな曲調を堪能することができます。

次はワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」から「イゾルデの愛の死」をリストがピアノアレンジしたものです。何つー大げさなタイトル、と思いますがタイトルに違わぬ美しさでメロディーラインは完璧。いや憎いっすね。リストがアレンジしただけあってクライマックスは低音バリバリの超ド派手編曲です。おすすめ。

ここまでは実はオマケで、CDの2/3を占めるのがブラームスのピアノ協奏曲1番でした。ブラームスの曲はいくつか聞いてますがこの曲も他と同じくクソ真面目でお前は忠君な武士かっつーの、ってくらい堅い。でも超かっちょいいです。第1楽章の2/3くらい進んだところで現れるオケ3連符連発ゾーンなんか十字軍の大量の槍に突き殺されそうなイメージがします死ぬ。この前後でピアノがトリルに入り損ねてぶっ飛んじゃってますがこれはこれで熱が入り過ぎている感じが出ていてよいです。

第3楽章も堅すぎて死ぬ。ベートーヴェンとはまた違った方向のダサカッコよさです。美しいんですがどことなく角が出て筋張っている。これは何だろう?堅揚げポテト?堅焼きせんべい?ブラームスは「武骨萌え」という新たなジャンルを私にもたらしました。やっぱり武士とか中世の騎士とかのイメージですね。例えるなら王宮戦士ライアンです。ドラクエ4です。すばらしい

 

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動画あがってました。千手観音突きな三連符ゾーンはyoutubeに飛ぶと見られる続きの2本目の動画の6分ちょいくらいのところです。

 

 

 

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